アドリブログ 〜JAZZ/FUSION批評〜

ジャズ/フュージョン批評ブログ CD, DVD, ALBUM REVIEW, TRACK REVIEW and more

渡辺 貞夫 / バーズ・オブ・パッセージ5

BIRDS OF PASSAGE-1 『BIRD OF PASSAGE』(以下『バード・オブ・パッセージ』)は超・名盤である。渡辺貞夫のこの辺の音楽はそのどれもが最高レベル。渡辺貞夫の絶頂期の名盤群については,とやかく語るのはヤボだと思っている。

 だから管理人が『バード・オブ・パッセージ』の“最高”について語ろうと思うと,いつでも『バード・オブ・パッセージ』単体の話から反れて,渡辺貞夫のセルフ・セレクテッド盤の話になってしまう。今回もご勘弁いただきたい。

 そう。『バード・オブ・パッセージ』の“最高”とは『SELECTED』の中にある!
 渡辺貞夫の代表曲を選ぶのは至極困難な作業であるが,世間的には【マイ・ディア・ライフ】【カリフォルニア・シャワー】【オレンジ・エクスプレス】【ランデブー】といったヒット曲に落ち着くと思う。
 その4曲が漏れることなく入っている『SELECTED』の全15曲中『バード・オブ・パッセージ』から3曲もランクインしているのだ。どうですかっ!

 しかも『バード・オブ・パッセージ』の1曲目【ラウンド・トリップ】〜2曲目【パストラル】〜3曲目【サルヴァドール】が『SELECTED』では8曲目【ラウンド・トリップ】〜9曲目【パストラル】〜10曲目【サルヴァドール】と曲順通りにそのまんま入っている。

 そう。『SELECTED』の中盤は完全なる『バード・オブ・パッセージ』のショータイム!
 この印象が余りにも強すぎて『バード・オブ・パッセージ』のアルバム名を聞くと『バード・オブ・パッセージ』単体ではなく『SELECTED』の「黄金の中盤」の方を先にイメージしてしまう。我ながら困ったものだ。

 渡辺貞夫の『BIRD OF〜』と来れば『BIRD OF PASSAGE』ではなく,ハンク・ジョーンズグレイト・ジャズ・トリオと共演した『BIRD OF PARADISE』の方が先に来てしまうし…。 

BIRDS OF PASSAGE-2 『バード・オブ・パッセージ』の4曲目以降も「オール5つ星の名演中の名演」に違いないのに,頭からの3曲立て続けだけがとにかく印象に残っている。
 だから総合力では落ちるのかなぁ。個人的にナベサダの代表作は?と聞かれたら『バード・オブ・パッセージ』はとっさに出て来ない。ゆっくりとディスコグラフィーを見回す時間があれば「BEST5」入りする名盤なのにねぇ。

 おおっと,こんな口調で書いていると,読者の皆さんにセラビーは本当に『バード・オブ・パッセージ』を「BEST5」入りすると考えているのか?と疑われてしまいそう?
 ハッキリと書く。『バード・オブ・パッセージ』は,イエロージャケッツカリズマコイノニアの合体バンド+ジョージ・デュークナベサダのバックを務めるLAフュージョンのいいとこどり〜。

 ナベサダの個人的な好みが管理人の個人的な好みと一致した素晴らしい音楽。それが『バード・オブ・パッセージ』「BEST5」入りの確かな根拠なのである。

 
01. ROUND TRIP
02. PASTORAL
03. SALVADOR
04. JUST A TOUCH
05. BURUNG BURUNG "BIRDS"
06. BIRDS OF PASSAGE
07. CHASER
08. TANZA NIGHT

 
SADAO WATANABE : Saxophone, Background Vacal
GEORGE DUKE : Synclavier
RUSSELL FERRANTE : Keyboards
DAN HUFF : Guitar
PAUL JACKSON JR. : Guitar
ABRAHAM LABORIEL : Bass
VINNIE COLAIUTA : Drums
CARLOS VEGA : Drums
JOHN ROBINSON : Drums
ALEX ACUNA : Percussion, Background Vacal
HUBERT LAWS : Flute
FREDDIE HUBBARD : Flugel Horn
PAULINHO DA COSTA : Percussion, Background Vacal
CARL CARWELL : Background Vacal
MARIA LEPORACE : Background Vacal
LYNN DAVIS : Background Vacal
ALEXANDRIA : Background Vacal
DIANA ACUNA : Background Vacal
REGINA ACUNA : Background Vacal
DANIEL ACUNA : Background Vacal
PETSYE POWELL : Background Vacal
JIMMY HASLIP : Background Vacal

(エレクトラ/ELEKTRA 1987年発売/32XD-810)

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クリフォード・ブラウン=マックス・ローチ・クインテット / モア・スタディ・イン・ブラウン5

MORE STUDY IN BROWN-1 新たな音楽メディアとしてCDが発売され始めた時代のこと,CDレコードが併売される時代があった。その場合の値段はCDの方が高くて,最初の頃はずっとCDが1枚一律3800円だった。
 音楽業界はCDが「夢のメディア」であることは認めつつも,一斉にCD優先に舵を切ることはせず,CDはまだレコードの補完。主役はLPであってCDLPの「CDバージョン」という感じ。

 だからCDを売るために“おまけ”を付けることになった。この流れから未発表音源とか別テイクとかの「発掘作業」が始まった。
 …出るは,出るは…。管理人はお小遣いの関係でちまちまと集めていたぐらいだが,おじさんジャズ・ファンの多くが,既にLPで所有していた同じアルバムを,高音質+ノイズレス+保管が簡単&別テイク目当てでCDへと買い替えていたことを覚えている。

 …で,ついに本命が出た! 既存のアルバムに1曲か2曲が追加される流れを断ち切る,アルバム1枚丸ごとが「未発表音源集」の発売である。それもすでに存命していないジャズ・ジャイアンツたちの「未発表音源集」の発売である。
 そう。セールスアップのために“おまけ”付きで売り出したCDの発売が,時間を遡ってジャズ・ジャイアンツたちの「擬似ニュー・アルバム」発売へとつながったのだから,真に「棚から牡丹餅」である。

 そんな「未発表音源集」の“本命中の本命”が“天才”クリフォード・ブラウンの『MORE STUDY IN BROWN』(以下『モア・スタディ・イン・ブラウン』)!
 1983年と言う,録音から27年後に“陽の目を見た”『モア・スタディ・イン・ブラウン』の発売は,ウイントンマルサリスの登場と相まって,ジャズ・ファンの間ではちょっとした「事件」だったんだぜぃ,ベイビー!

 『モア・スタディ・イン・ブラウン』とは,名盤STUDY IN BROWN』の続編というわけではない。正確には『STUDY IN BROWN』の別テイクだけでなく『CLIFFORD BROWN=MAX ROACH』『BROWN AND ROACH INCORPORATED』『CLIFFORD BROWN AND MAX ROACH AT BASIN STREET』の別テイクが加えられた全8トラックの「未発表音源集」。

MORE STUDY IN BROWN-2 『モア・スタディ・イン・ブラウン』の発売によって,特に4枚のアルバム音源の混在によって,いよいよクリフォード・ブラウンの“天才”ぶりが明らかになった。

 『モア・スタディ・イン・ブラウン』の演奏は,要するにボツ音源なのだが,お蔵の理由は恐らくやソロの長さだけの問題にすぎない。全てが完璧で,これぞ“正真正銘の別テイク”。
 演奏はどれも完璧であって,トラックによっては『モア・スタディ・イン・ブラウン』収録のトラックの方がオリジナル盤より好きだったりする。単純に編集上の問題で外されただけだという事が理解できるはずである。

 そう。クリフォード・ブラウンの残した音源は,その全てがモダン・ジャズ名演である。その全てがモダン・ジャズの世界遺産なのである。

 
01. I'LL REMEMBER APRIL
02. JUNIOR'S ARRIVAL
03. FLOSSIE LOU
04. MILDAMA
05. JORDU
06. THESE FOOLISH THINGS
07. LANDS END
08. THE BLUES WALK

 
CLIFFORD BROWN=MAX ROACH QUINTET
CLIFFORD BROWN : Trumpet
MAX ROACH : Drums
SONNY ROLLINS : Tenor Saxophone
HAROLD LAND : Tenor Saxophone
RICHIE POWELL : Piano
GEORGE MORROW : Bass

(エマーシー/EMARCY 1983年発売/UCCU-5255)
(ライナーノーツ/皸羶成,児山紀芳)

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T-SQUARE / クレム・デュ・ラ・クレム5

CREME DE LA CREME-1 『CREME DE LA CREME』(以下『クレム・デュ・ラ・クレム』)をもって,16年間続いた「河野坂東」時代が終わった。大団円のフィナーレである。

 メンバー・チェンジの激しいバンド史上“最長不倒”となった「河野坂東」時代の終焉に,今でも頭が混乱しているし,心の奥底から痛みを感じる。頭の中では,河野啓三の健康上の理由だから致し方ない,と理解しているが,心が付いてこないのだ。

 河野啓三が病で倒れて「河野啓三不在」のライブも,それはそれで楽しめたのだったが,それって「いつかは河野啓三が復帰する」という前提があってのこと。「河野啓三不在」が現実となった今,余裕がなくなってしまった。いつの日か河野啓三の復帰ってないのかな? それって白井アキトがサポートのままなら可能性がある? でも河野啓三の脱退を機に,このどさくさに紛れて田中普吾白井アキトの正式メンバー格上げの大チャンス? こんな感じでいろいろと余計なことを考えてしまう。

 管理人はずっとスクェアは「本田期」こそが最高だと言い続けてきた。いつ頃のことだろう。思うに『NINE STORIES』辺りからだったと想像するが,スクェアを聴いていて,自分の中から本田雅人和泉宏隆の“残像”が消えていった。
 スクェアと聞いて,真っ先に思い浮かべるメンバーが,現「河野坂東」時代の5人になった。「河野坂東」時代のスクェアこそが,真のスクェアのイメージとなった。

 ここまで来るには「Mr.T−SQUARE」である坂東慧さまさまなのだが,河野啓三の存在感もこれまた大きい。
 是非是非『クレム・デュ・ラ・クレム』の特典DVDをご覧ください。河野啓三の“仕切り”の凄さが記録されていますから…。
 それからもう1つ。『クレム・デュ・ラ・クレム』の特典CD河野啓三WORKS』の「本人による楽曲紹介&コメント」もお読みください。この解説を読みながら1曲1曲に耳を傾けてみると,河野啓三の偉大さ,そしてバンドへの計り知れない貢献度に感謝の気持ちが湧き上げること請け合いですから…。

CREME DE LA CREME-2 さて,感情だが爆発して紹介が遅れてしまったが『クレム・デュ・ラ・クレム』とは『REFRESHEST』『MISS YOU IN NEW YORK』『T COMES BACK』のラインとは別の『宝曲(たからのうた) 〜T−SQUARE PLAYS THE SQUARE〜』『夢曲(ゆめのうた) 〜T−SQUARE PLAYS THE SQUARE〜』『虹曲(にじのうた) 〜T−SQUARE PLAYS T & THE SQUARE SPECIAL〜』のラインに位置するスクェアセルフカヴァー・アルバムの第4弾である。

 そして「河野坂東」時代のセルフカヴァー・アルバムとしては最良の1枚である。これまでの「隠れ名曲集」の趣きとは異なり,本当に最後の最後にふさわしい大ヒット・チューン連続のセルフカヴァーベストの選曲である。

 【TAKARAJIMA】である。【DANS SA CHAMBRE】である。【UNEXPETED LOVER】である。【OMENS OF LOVE】である。【CROWN AND ROSES】である。【FACES】である。【TRUTH】である。そして【NEXT2000】である。これ最高!

 個人的に【NEXT2000】が一番である。何を隠そう,管理人が選ぶ「河野坂東」時代の最高の1曲とは『NEXT』の【NEXT】である。管理人は【NEXT】を指名する。その【NEXT】がアルトサックス・バージョンからEWIバージョンにリアレンジされている。

 管理人が『NEXT』の【NEXT】を推す一番の理由は伊東たけしアルトサックスである。こんなにも“キュート”なサックス・ナンバーはそうそう聴けるものではない。
 そんな【NEXT】の“売り”であるアルトサックスが削られて,EWIへと持ち替えられた【NEXT2000】もすんなりと受け入れることができた。それにも奇跡的な?理由がある。

CREME DE LA CREME-3 実は【NEXT2000】を初めて聴いたのは,公式サイトの先行配信ではなかった。クロスFMから何の予告もなく流れてきた。ラジオだからBGMを真剣には聞いていない。でもその時は,一瞬で耳に留まった。「これって,スクェアの新曲だ」と思った。

 聴き間違うはずもない伊東たけしEWIの音色と個性的なフレージング。そこに聴き覚えのあるメロディー。いや〜,うれしかったのなんの! 在宅ワークの全部の作業をストップして,その日はスクェアを聴き漁りましたよ。テッケテテ〜。

 “音楽監督”河野啓三の置き土産である『クレム・デュ・ラ・クレム』。そのアルバムの「顔」である見事にイメチェンした【NEXT2000】を楽しみながら,しみじみと泣いております。河野くん,本当にありがとうございました。今はこれしか書けません。

PS 「CREME DE LA CREME-3」は販促用のクリアファイルです。

 
DISC 1
01. NEXT2020
02. Takarajima
03. Dans Sa Chambre
04. Unexpected Lover
05. Omens Of Love
06. Crown And Roses
07. Faces
08. Forgotten Saga
09. TRUTH

DISC 2 『河野啓三WORKS』
01. Fantastic Story 〜時間旅行〜
02. Across From The Sky
03. Future Maze
04. First Impression
05. かわらぬ想い
06. Rondo
07. Eagle Spear
08. Through The Thunderhead
09. はやぶさ 〜The Great Journey:奇跡の帰還〜

DISC 3 DVD
01. レコーディングドキュメント映像『Thanks a million! 河野啓三』

 
T-SQUARE
MASAHIRO ANDOH : Guitars
TAKESHI ITO : Alto Sax, EWI
KEIZO KAWANO : Keyboards
SATOSHI BANDOH : Drums

Special Support:
SHINGO TANAKA : Bass
AKITO SHIRAI : Keyboards

(オレンジレディ/ORANGE LADY 2020年発売/OLCH 100019〜20)
(☆SACDハイブリッド盤仕様)
(ライナーノーツ/河野啓三)
★【初回生産限定盤】ボーナスDVD付 3枚組
★音匠仕様レーベルコート

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アイアート・モレイラ / アイデンティティー4

IDENTITY-1 1970年代のフュージョン・シーンの台頭を切り開いた3グループがある。それが“電化”マイルスウェザー・リポートリターン・トゥ・フォーエヴァーである。

 この3グループは「マイルス・スクール」のメンバーが重なり合い,互いに刺激し合い,それぞれが異なるアイディアを形にするために別の道を歩むことになったわけだが,そんな3グループ全てに在籍した“唯一の”ジャズメンがいる。それがブラジリアン・パーカッショニストアイアート・モレイラである。

 アイアート・モレイラマイルス・デイビスによるフュージョン立ち上げの1枚である『ビッチェズ・ブリュー』から参加し,その後の“電化”マイルスの黄金期を駆け抜けた人物である。
 ウェザー・リポートにしてもリターン・トゥ・フォーエヴァーにしても,立ち上げメンバーとして名を連ねた人物である。つまりはマイルス・デイビスジョー・ザビヌルウェイン・ショーターチック・コリアたちと同列に位置するフュージョンの創生に深く関与した重要人物の1人なのである。

 マイルス・デイビスジョー・ザビヌルウェイン・ショーターチック・コリアアイアート・モレイラをなぜ必要としたのか? それこそがアイアート・モレイラの「アイデンティテイー」である。アイアート・モレイラの放つ,本物のブラジルのリズムなのだ。

 暴言を承知で書くならば,本物のブラジリアン・パーカッションは日本人には演奏できないし,アメリカ人にも演奏できない。本物のブラジリアン・パーカッションを演奏できるのは本場のブラジル人だけなのである。
 ここでいうブラジリアン・パーカッションとはリズム・キープ役としてのドラマーではなく,音楽に奥行きと色彩,果ては香りさえをも与える「空間構成家」としてのパーカッショニストのことである。

 この能力を欲していたマイルス・デイビスジョー・ザビヌルウェイン・ショーターチック・コリアにとってアイアート・モレイラが「抜きん出ていた」というわけである。それがゆえの3大グループへの“オリジナル・メンバー”入り!

 そんなアイアート・モレイラの「アイデンティテイー」がストレートに表現されたのが,ブラジリアン・クロスオーヴァーの名盤として名高い『IDENTITY』(以下『アイデンティテイー』)である。

IDENTITY-2 「キワモノ」一歩手前の雰囲気で,躍動的なメロディーが連続する“ブラジリアン・フレーバー推し”が徹底された『アイデンティテイー』で,アイアート・モレイラの「アイデンティテイー」であるブラジリアン・パーカッショニストの妙技が爆発している。

 ただし,そこは“スーパー・パーカッショニスト”のアイアート・モレイラである。マイルス・デイビスジョー・ザビヌルウェイン・ショーターチック・コリアのように1人では主役は張れない。
 「盟友」エグベルト・ジスモンチとの共作でメロディーをしたためている。

 最後に『アイデンティテイー』のジャケット写真の表面には,アイアート・モレイラの指紋が黒塗りされた写真が用いられ,ジャケット写真の裏面には,アイアート・モレイラのIDカード,証明書,パスポート写真が用いられている。
 このジャケット写真には「自分はブラジル人であり,どの国にも属さない」と言うアイアート・モレイラの主張であり「この音楽こそが自分自身であり,アイデンティテイーそのものだ」というメッセージなのであろう。

 いいや,アイアート・モレイラの“ハンドパワー”ポージング!? アイアート・モレイラが「きてます!」。

 
01. THE MAGICIANS (BRUXOS)
02. TALES FROM HOME (LENDAS)
03. IDENTITY
04. ENCOUNTER (ENCONTRO NO BAR)
05. WAKE UP SONG (BAIAO DO ACORDAR/CAFE)
06. MAE CAMBINA
07. FLORA ON MY MIND

 
AIRTO MOREIRA : Drums, Percussion, Vocals
WAYNE SHORTER : Soprano Saxophone
HERBIE HANCOCK : Synthesizer
FLORA PURIM : Vocals
DAVID AMARO : Guitar
EGBERTO GISMONTI : Piano
RAUL DESOUZA : Trombone
ROBERT : Drums, Percussion
TED LO : Organ
JOHN HEARD : Bass
JOHN WILLIAMS : Bass
LOUIS JOHNSON : Bass

(アリスタ/ARISTA 1975年発売/BVCJ-37116)
(ライナーノーツ/中原仁)

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タイガー 大越 / フェイス・トゥ・フェイス4

FACE TO FACE-1 1970〜1980年代のこと,TVCMをJ−フュージョンが席巻した時期があった。
 資生堂の渡辺貞夫やサントリーの伊東たけしはスターになった。しかし,数あるCM群の中でも語られるべきはJTであろう。
 マイルドセブン系のPRISM角松敏生,ピース系の天野清継中川昌三,そしてキャビン系のMALTAである。
 MALTAの時代は長く【SCRAMBLE AVENUE】【HIGH PRESSURE】【ZOOM】が流されていた。

 管理人は特にMALTAのCMが大好きだった。MALTAのTVCMはBVDとかでも流れていたが,松本恵二や星野一義というレーシング・ドライバーと組んだもので,同時期のF−1の大ヒット・テーマであるザ・スクェアの【TRUTH】と張り合っていた。

 そんな“カッコイイ”MALTAのCMが終わった。タイガー大越に変わった。…でっ,タイガー大越って誰?

 タイガー大越のことはCMで初めて知った。そしてCM曲【FACE TO FACE】が気に入った。あのMALTAの後釜なのだからカッコ良くて当然なのだ。
 待望久しいJ−フュージョンの人気トランぺッターの誕生であった。

 …でっ,2。【FACE TO FACE】収録のアルバム『FACE TO FACE』(以下『フェイス・トゥ・フェイス』)を購入した。

 タイガー大越トランぺットの個性とはセクシー将軍の響きであろう。金管特有のいやらしさでなく木管のそれである。タイガー大越もその点を自覚しているのか,トランぺットシンセサイザーを組み合わせた楽曲が多い。個人的には【WHO CAN I TURN TO】が白眉である。

 ただし『フェイス・トゥ・フェイス』は,清水興ベース東原力哉ドラムというナニワ・エキスプレス勢が引っ張っているアルバムである。
 MALTAのところにも元ナニワ・エキスプレス岩見和彦がいるが,そこはあくまで「MALTAMALTA」。タイガー大越はまだその域までは届いていない。

FACE TO FACE-2 ズバリ『フェイス・トゥ・フェイス』は,トランぺットではなくベースドラムを聴くべきアルバムである。タイガー大越がテクニカルなトランぺットで脇を固めて,クリエイティブなリズム隊がドーンと“歌っている”。

 そういうことでナニワ・エキスプレスに引っ張られた“バブル人気”のタイガー大越のTVCMは【FACE TO FACE】の1曲で終わった。
 ただし【FACE TO FACE】の大インパクトは,バブル末期の“打ち上げ花火”だ〜。

PS 【FACE TO FACE】という楽曲名はMALTAにもありますし,何ならMALTAの【FACE TO FACE】の方が有名なのでは? MALTAタイガー大越はなぞの共通点多すぎです。

 
01. FACE TO FACE
02. ONE NOTE SAMBA
03. SUMMERTIME
04. A MAN WITH 20 FACES
05. WHEN THE MOON GOES DEEP
06. DON'T TELL ME NOW
07. SENTIMENTAL JOURNEY
08. WHO CAN I TURN TO
09. BUBBLE DANCE
10. EYES
11. FISHERMAN'S SONG
12. OVER THE RAINBOW

 
TIGER OKOSHI : Trumpet, Voices
GERRY ETKINS : All Keyboards, Synthesizer Programings, Acoustic Piano
TAKAYUKI HIJIKATA : Electric Guitar, Acoustic Guitar
KOH SHIMIZU : Electric Bass, Synthesizer Bass
RIKIYA HIGASHIHARA : Drums

(ビクター/JVC 1989年発売/VDJ-1198)

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アーニー・ワッツ / アイ・ヒア・ア・ラプソディ4

REACHING UP-1 アーニー・ワッツと来ればリー・リトナーの「ジェントル・ソウツ」や菊池ひみことのコラボレーションで活躍した「フュージョンサックスの巨人」のイメージが強かったのだが,実はアーニー・ワッツというテナー奏者は“ゴリゴリのジャズの人”である。
 アーニー・ワッツソロ・アルバムはそのほとんどがジャズ・アルバムである。

 管理人がアーニー・ワッツを“ジャズサックスの人”として捉えるようになったのは,チャーリー・ヘイデンの「カルテット・ウエスト」から。
 「カルテット・ウエスト」でのアーニー・ワッツの演奏は,フリージャズ以前のジョン・コルトレーンっぽさが感じられるいい演奏で,チャーリー・ヘイデンが自分のバンドのフロントマンとして,よくぞ指名してくれた,と感心したものだった。

 それでアーニー・ワッツジャズサックスを求めて,ジョン・コルトレーン所縁のストレートなジャズ・アルバム『REACHING UP』(以下『アイ・ヒア・ア・ラプソディ』)を買ってみた。
 『アイ・ヒア・ア・ラプソディ』のアーニー・ワッツに驚いた。やっぱりコルトレーン・チルドレン!

 この時受けた衝撃は「ジェントル・ソウツ」から「カルテット・ウエスト」への隔たり以上! ゲ・ゲ・ゲ!
 その最大の理由は,ピアノマルグリュー・ミラーベースチャールス・ファンブロードラムジャック・デジョネットとのセッションなのに「アーニー・ワッツの音」が鳴っているからであり,アーニー・ワッツのリーダー・バンドのようなまとまりを感じたからである。

 アーニー・ワッツにとって『アイ・ヒア・ア・ラプソディ』は,一介のレコーディング・セッションなどではなかった。
 もう何年もジャズサックスに専念してきたかのようなグループ・サウンドが展開されている。頭の中は「ジャズジャズジャズ」であってフュージョンなんかは片隅にもない感じ。アーニー・ワッツが,どっぷりと“ジャズに浸かっている”様子に心底驚いてしまった。

REACHING UP-2 ただし『アイ・ヒア・ア・ラプソディ』のサウンド・スケッチの中にアーニー・ワッツテナーサックスだけが溶け込めていない。サックスだけがゴスペル系の鳴りで軽い。
 ピアノマルグリュー・ミラーベースチャールス・ファンブロードラムジャック・デジョネットのリズム隊はしなやかで重い。だから余計にアーニー・ワッツテナーサックスの軽さに「物足りなさ」を覚えてしまう。

 個人的にアーニー・ワッツを“ゴリゴリのジャズの人”として認めることはやぶさかではないが,アーニー・ワッツの個性が色濃いのはフュージョンサックスの方だと思う。
 アーニー・ワッツの個性である,独特の軽さ,に向いている音楽はフュージョンサックスの方であると,アーニー・ワッツジャズ・アルバムを聴いたからこそ断言できる。

 チャーリー・ヘイデンの人選力って凄いよなぁ。“フュージョン以上ジャズ未満”なアーニー・ワッツジャズサックスは「カルテット・ウエスト」ぐらいがちょうどよい。
 ジャズに力を入れすぎると,モーダルなフレーズに隠れて「ゴスペル・アーニー・ワッツ」の顔がどうしても出てしまう。

 
01. REACHING UP
02. MR. SYMS
03. I HEAR A RHAPSODY
04. TRANSPARENT SEA
05. THE HIGH ROAD
06. INWARD GLANCE
07. YOU LEAVE ME BREATHLESS
08. SWEET LUCY
09. ANGEL'S FLIGHT
10. SWEET SOLITUDE
11. SWEET SOLITUDE (ALTERNATE TAKE)

 
ERNIE WATTS : Saxophones
JACK DeJOHNETTE : Drums
CHARLES FAMBROUGH : Acoustic Bass
MULLGREW MILLER : Piano
ARTURO SANDOVAL : Trumpet

(ビクター/JVC 1994年発売/VICJ-188)
(ライナーノーツ/ナット・ヘントフ,小川隆夫)

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