『PORTRAIT IN JAZZ』の7曲目は【WHAT IS THIS THING CALLED LOVE?】(以下【恋とは何でしょう】)。
【恋とは何でしょう】のビル・エヴァンスは硬軟自在! 鬼のように激しく鍵盤を叩きつけていくかと思えば,ほんの一瞬,定番の繊細な音もしっかり入れ込んでくる!
“ジャズ・ピアニスト”ビル・エヴァンスとしての“確かな力量”が感じ取れるトラックである。
イントロから始まる3人のインタープレイが実に素晴らしい! そのせいだろう。あまりの出来の良さに乗せられた?ビル・エヴァンスのピアノが,2分24秒から完全に一人で“疾走”してしまっている。エヴァンスも“人の子”であった。
この強烈なアタックは“あの”スコット・ラファロさえ沈黙させてしまうほど…。
耳慣れないうちは,2分49秒からのベース・ソロが始まると同時に「ああ,ビル・エヴァンス・トリオの演奏だった」と,正気に戻されたものである。
力業が続いた後だけに,もろメゾピアノ?の,4分24秒からのフレーズがメチャ効いている。
BILL EVANS : Piano
SCOTT LaFARO : Bass
PAUL MOTIAN : Drums