アドリブログ 〜JAZZ/FUSION批評〜

ジャズ/フュージョン批評ブログ CD, DVD, ALBUM REVIEW, TRACK REVIEW and more

2006年06月

バド・パウエル / ザ・ジニアス・オブ・バド・パウエル / OBLIVION4

 『THE GENIUS OF BUD POWELL』の6曲目は【OBLIVION】(以下【オブリヴィオン】)。


 【オブリヴィオン】は,小気味良さ! ゆったりと構え,堂々とテーマを奏でるバド・パウエルに“心酔”してしまう。
 ピアノが弾けない管理人でも【オブリヴィオン】をコピーした“パウエル派”バリー・ハリスの気持ちが分かる。

 バリー・ハリスに【テンパス・フュジット】は絶対無理だが【オブリヴィオン】なら行ける。完璧にコピーできると考えたのでは?
 しかし入口は広いが【オブリヴィオン】の懐は思った以上に深かった。バリー・ハリスの苦悩も分かる→分かってあげるべき。

 27秒からの左手から放たれるリズムが変化しながらメロディを包み込む。右手から繰り出されるアドリブは,下から上に突き上げる強烈な“グルーヴ”感を伴っている。
 …と書いて,何か大熱演を連想させたらすみません。この名演の全てを,サラッと,軽々と,リラックスして弾きこなすのがバド・パウエル流! バド・パウエルの真の凄さは,いつも“ふとした瞬間”に訪れる。

BUD POWELL : Piano

バド・パウエル / ザ・ジニアス・オブ・バド・パウエル / PARISIAN THOROUGHFARE5

 『THE GENIUS OF BUD POWELL』の5曲目は【PARISIAN THOROUGHFARE】(以下【パリの目抜き通り】)。


 【パリの目抜き通り】の聴き所は,この“キャッチーなメロディ”を疾走する,バド・パウエルの“悠々”としたプレイ!
 真面目に聴き込めば,すぐに圧倒的なテクニックにKOされるわけであるが,全体から受ける印象は,全てが余裕の“鼻歌混じり”。「鍵盤の端から端まで一気に駆け巡る」自慢のハイ・テクニックが,嫌味なく,さりげない“隠し味”として使用されている。

 そう。【パリの目抜き通り】は,バド・パウエルには珍しくBGMとして聞き流すことさえできる。正真正銘のリラックス! この事実こそ【パリの目抜き通り】の“完成度の高さ”を物語っていると言えよう。

 実際の演奏には勿論,緊張感が溢れている。ソロ・ピアノとは思えない音の大洪水である。しかしこのリズム感と強弱の中に,パウエル一流の「遊び」が混じっている。その「遊び」が聴き手の緊張をほぐしてくれる。

 例えば1分0秒でのフォルテ。1分27秒から30秒までの右手と左手の交錯である。
 プログラムされた精密機械ではなく“人間”バド・パウエルを彷彿とさせる,これらの瞬間が大好きである。

BUD POWELL : Piano

バド・パウエル / ザ・ジニアス・オブ・バド・パウエル / HALLELUJAH5

 『THE GENIUS OF BUD POWELL』の4曲目は【HALLELUJAH】(以下【ハレルヤ】)。


 聖書で【ハレルヤ】とは「あなた方はヤハを賛美せよ」という意味の,全宇宙の創造者への賛美の表現である。ここでバド・パウエル! 偉大なジャズピアノの“クリエイター”であったバド・パウエルが,その“類い希な才能”の与え主を【ハレルヤ】と賛美するのは,実にふさわしい。

 しかしバド・パウエルの【ハレルヤ】は力業! このピアノの響きにバド・パウエルの“ヤハ”への謙虚な思いは,悲しいかな,窺い知ることはできない。もしや自分自身への【ハレルヤ】?
 そう。【ハレルヤ】は,下手なおだてにも“すぐに木に登りつめた”バド・パウエルが“有頂天気分”で残した名演である。

 イントロで感じる“メロディックな親しみやすさ”も11秒まで。12秒以降は“息つく暇さえ与えない”超高速のアドリブ・タイム!
 ジャズ・ピアノの“開祖”バド・パウエルの超絶技巧に【ハレルヤ】である!

BUD POWELL : Piano
RAY BROWN : Bass
BUDDY RICH : Drums

バド・パウエル / ザ・ジニアス・オブ・バド・パウエル / TEA FOR TWO(alternate take 2)5

 『THE GENIUS OF BUD POWELL』の3曲目は【TEA FOR TWO(ALTERNATE TAKE)】(以下【ティー・フォー・トゥー(別テイク)】)。


 こう立て続けに【ティー・フォー・トゥー】を聴かされると,たとえバド・パウエルの崇拝者であったとしても,さすがに“疲れ”を覚えるかもしれない。アドリブ好きにとっても,これは相当“厳しい音”だと思う。
 その辺はノーマン・グランツもよく分かっているのかな? 【ティー・フォー・トゥー】の3連発目は,3テイクの中でも一番音が“軽い”。軽快なピアノ・タッチが幾分音の厳しさを和らげている。

 この秘訣はバド・パウエルの持つ“ドライブ感”にある! ピアノの爆音が耳元近くで“うなっている”のは感じるのだが,体感上はパウエルの運指にワンテンポ遅れて音が迫ってくるような“一人時間差攻撃”。
 「アドリブログ」の品格を疑われるのを承知で例えるなら,HGの腰振りギャグ! 動きが速すぎて逆にゆっくり見えるという…。そう。アレである。

 【二人でお茶を】に関しては,何分何秒批評はやめました。この名演3連発を分析しながらは聴けません!

BUD POWELL : Piano
RAY BROWN : Bass
BUDDY RICH : Drums

バド・パウエル / ザ・ジニアス・オブ・バド・パウエル / TEA FOR TWO5

 『THE GENIUS OF BUD POWELL』の2曲目は【TEA FOR TWO】(以下【ティー・フォー・トゥー】)。


 【ティ・フォー・トゥー】はピアノ・トリオでの演奏であるが,実質ベースドラムは“お飾り”である。
 ベースドラムの創り出す安定したリズムの上を,個性豊かなピアノの音が華麗に自由に駆け抜ける,といった一般的なピアノ・トリオのイメージとは対極にある。

 そう。バド・パウエルの,常人の“倍速以上”で自分の道を突き進む“豪腕”ぶりに,かろうじてリズム隊が喰らいつく…。要はバド・パウエルの“一人勝ち”である。

 さて,テイク2であるが,CD収録時の“純”オリジナル・テイクだけあって,一番きっちり,かっちり,まとまった演奏である。3テイクの中で腰を据えて聴くには一番の出来である。

BUD POWELL : Piano
RAY BROWN : Bass
BUDDY RICH : Drums

バド・パウエル / ザ・ジニアス・オブ・バド・パウエル / TEA FOR TWO(alternate take)5

 『THE GENIUS OF BUD POWELL』の1曲目は【TEA FOR TWO(ALTERNATE TAKE)】(以下【ティー・フォー・トゥー(別テイク)】)。


 【ティー・フォー・トゥー(別テイク)】の淀みなく流れ続ける“超絶アドリブ”は,正に賛辞を尽くして誉め上げるべき“巧みの業”なのであるが,バド・パウエルは,それをいとも簡単・平然とやり遂げてしまっている。
 この現実を突きつけられた今,ありきたりかもしれないが“天才”という2文字以外にバド・パウエルを表現する言葉は見当たらない。不本意でもそう呼ぶしかあるまい。

 周期的に襲ってくる“強弱の波”と,超早弾きでも正確・明瞭なピアノ・タッチ! おまけに【ティ・フォー・トゥー】(邦題の【二人でお茶を】と言ったら,通りが良いかも…)と言うスタンダード・ナンバーを自分の土俵に持ち込んで,完全に“パウエル色”に染め上げてしまっている。
 これぞ【二人でお茶を】の決定的名演! 今後永遠に,このトラックを越える名演は現われないことと思う。

 さて,今回初収録となったテイク1であるが,ノリノリの3テイクの中でも一番ノリが良い。このスピード感を楽しんでほしい。

BUD POWELL : Piano
RAY BROWN : Bass
BUDDY RICH : Drums

バド・パウエル / ザ・ジニアス・オブ・バド・パウエル5

THE GENIUS OF BUD POWELL-1 管理人にとっての“高嶺の花”,それは小林香織でも矢野沙織でも,はたまたミキティーでも石原さとみでも長澤まさみでもなく…。
 うさんくさい・ブ男“狂気の天才”バド・パウエルその人である。

 “パウエル派”の創始者であるバド・パウエルこそ,モダン・ジャズ史上,最高・最強のジャズ・ピアニストである。
 もはやバド・パウエル抜きにジャズピアノは語れない。バド・パウエルの影響を誰も完全に拭い去ることなどできない。
 そう。全てのジャズ・ピアニストが絶対に避けて通ることのできない「決定的な存在」なのである。

 しかしここに奇妙な現象がある。アドリブ好きには最高のごちそうだと言うのに,管理人も管理人の周りのジャズ仲間も,日常的にはバド・パウエルを聴いてはいない。
 これは何もバド・パウエルCDが高価で手が出ないと言う意味ではない。CDなら,すでに手元にザックザク。ほぼコレクションは終わっている。聴こうと思えばいつでも聴けるのだが,なかなか手が伸びない&届かない。そう。これが“高嶺の花”の所以なのである。

 なぜ手を伸ばすことを躊躇してしまうのだろう? それこそジニアス=天才の証し。ズバリ,聴くのがメチャしんどい。
 “癒し系”と対極にある,くつろぐ余地など皆無な音楽。この緊張感は“殺るか殺られるか”死と背中合わせの音楽?

 昔はこんなことなかった。バド・パウエルの音楽を正面から受け止めて,勝手に“対決”できていた。しかし今ではCD一枚を通して聴くと,確実に体力を消耗してしまう。“ジーコ・ジャパン”のように終盤はヘロヘロになってしまう。
 そう。バド・パウエルは“若気の至り”を必要とする唯一のジャズメンなのである。

THE GENIUS OF BUD POWELL-2 さて,その“狂気の天才”ぶりがいかんなく発揮されているのが,前期パウエルの“最高傑作”『THE GENIUS OF BUD POWELL』(以下『ザ・ジニアス・オブ・バド・パウエル』)!

 このクラスの演奏になると,おざなりな批評など不要だろう。ただただ黙って,天才と狂気がうずまく壮絶な世界を身体で感じてほしい。

 『ザ・ジニアス・オブ・バド・パウエル』を繰り返し聴き込む時,必ずや読者のCDラックにも,バド・パウエルという“高嶺の花”が咲きほこる! もう二度と手を出せなくなる,と言う管理人の言葉を体感できるはずである。

 ただし生半可な気持ちで聴いてはならない。KO覚悟でチャレンジしてほしい。そうでないとケガをする…。

  01. TEA FOR TWO (alternate take)
  02. TEA FOR TWO
  03. TEA FOR TWO (alternate take)
  04. HALLELUJAH
  05. PARISIAN THOROUGHFARE
  06. OBLIVION
  07. DUSK IN SANDI
  08. HALLUCINATIONS
  09. THE FRUIT
  10. A NIGHTINGALE SANG IN BERKELEY SQUARE
  11. JUST ONE OF THOSE THINGS
  12. THE LAST TIME I SAW PARIS

(ヴァーヴ/VERVE 1951年発売/POCJ-1839)
(ライナーノーツ/久保田高司)

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小林 香織 / ファイン / FREE4

 『FINE』の3曲目は【FREE】(以下【フリー】)。


 【フリー】は“二刀流”小林香織の面目躍如。アルト・サックスをサイドで鳴らし,フルート勝負のトラック!

 中学のブラバンでフルート担当だったという小林香織。年季の入ったフルートの音は,元気に“吹き鳴らす”アルト・サックスとは異なり“しっとり”と歌い上げる感じのプレイ。
 【フリー】は,ブラバン・香織嬢の思い出の一曲ということで,余計に「思い入れタップリ」の情感がたたずんでいる。“笛吹き”としてのテクニックも一流である。

 しかし,正直,聴き所は1分16秒からのアルト・サックスであろう。この短いフレーズでこんなに印象的に吹けるなんて…。
 抑えの効いた,珍しくも“物静かな”アルト・サックスは音色がいいので,つい“うっとり”と聴き惚れてしまう。
 そう。チリバツなフルートと,変幻自在なアルト・サックスは,もはや二刀流の域を超えた“四,五刀流?”である。
 【フリー】はポップスの超名曲であるが,管理人にとっては,小林香織を“本格派”ジャズメンと認識させてくれた“J−フュージョン”思い出の一曲である。

 ところで,CDのクレジットにベーシストの名前がない。なかなかの名演ゆえ,単なるミス・プリントではもったいない。どなたかベーシストについての詳細キボンヌ。

KAORI KOBAYASHI : Alto Sax & Flute
MASANORI SASAJI : Keyboards
TAKAYUKI HIJIKATA : Guitar
SHUICHI "PONTA" MURAKAMI : Drums

小林 香織 / ファイン / ENERGY4

 『FINE』の2曲目は【ENERGY】(以下【エナジー】)。


 【エナジー】で感じる“ポップ感”は,笹路正徳プロデュースの賜物。そう。正に豪華なポップ・チューン! う〜む。
 【エナジー】の持つ,メジャー&キャッチーの連続は嫌いじゃないが,ここまでの“ポップス寄り”のアレンジはどう考えても笹路の“やりすぎ=オーバー・ファンク?”である。
 お陰でフュージョン特有の“ドキドキ感”が薄められてしまっている。マジで“アイドルのシングル曲”っぽくて管理人的にはNGである。

 “アイドル”小林香織を売り出したいのであれば,サックスを取り上げてマイクを持たせるべきである。
 こんなにもポップス風では,純粋に“フュージョンの王道”を追求している小林香織がかわいそう。ブラスを始めとするJ−FUSIONのオールスター・メンバーにも失礼であろう。
 そう。小林香織には“正々堂々”とアルト・サックス一本で勝負させてあげてほかった。小林香織ならそれができる! 小林香織のテクニック&ハートは“ジャズメン”と呼ぶに十分ふさわしいレベルにあるのだから…。

 例えば2分22秒から始まるアルト・ソロは,バリバリのフュージョンサックス。ここで聴かせる“迫力満点”のアドリブは,ポップなバックなどお構いなし。【エナジー】を魂に吹き込む,フュージョン特有の“ホット”なアドリブである。この路線をもっとフューチャーしてくれたなら,管理人の評価は最高点だったかもしれない。
 4分35秒からのラスト・テーマでのアドリブでは“完全燃焼”で吹ききった感が漂っている。この演奏は良い。

 【エナジー】の持つメジャー&キャッチーな魅力を,一度,かなり“ジャズ寄り”のアレンジで聴いてみたいものである。

KAORI KOBAYASHI : Alto Sax & Flute
MASANORI SASAJI : Keyboards
TAKAYUKI HIJIKATA : Guitar
KENJI HINO : Bass
SHUICHI "PONTA" MURAKAMI : Drums
ERIC MIYASHIRO : Trumpet
TOSHIO ARAKI : Trumpet
MASATO HONDA : Alto Sax
OSAMU YOSHIDA : Tenor Sax
EIJIRO NAKAGAWA : Trombone
KOICHI NONOSHITA : Bass Trombone

小林 香織 / ファイン / KIRA-KIRA5

 『FINE』の1曲目は【KIRA−KIRA】(以下【キラキラ】)。


 【キラキラ】は,初夏の日差し! 初夏のそよ風!
 タイトルが『FINE』&【キラキラ】だから…,という安易な発想では断じてない。純粋にこの音,空気感に“おっ,来たな”と久々にニヤリとさせられてしまった。
 いよいよ夏が始まる! そんな“ワクワク”する気持ちに通じるこの感じこそ,小林香織のスピリッツ! 明るく元気いっぱい! “夏=少女=フュージョン”を連想させるアルト・サックスである。 ← なんのこっちゃねん。

 【キラキラ】の魅力は“底抜けの楽しさ”。一気に悩みなど吹き飛んでしまう。
 “付録?”DVDに映し出されていたが,メンバーはみな“笑顔&笑顔”。フュージョンを演奏するってほんとに楽しいことであろう。確かな技術と軽やかさ! 【キラキラ】は,そんなフュージョンの王道を“中央突破”。正に“地”でいっている。

 小林香織の“見せ場”である,2分24秒から始まるアドリブにはフュージョンサックスの“巨匠”たちのフレーズが入り乱れる,スペクタクル・シャッフル・シャウト!?
 とにかく楽しい“ノリノリ”のアドリブである。

 また小林香織の“自由奔放”を支えるバックの好演もピカイチ。特に笹路正徳キーボード岡沢章ベースがエモーション!

KAORI KOBAYASHI : Alto Sax
MASANORI SASAJI : Keyboards
TAKAYUKI HIJIKATA : Guitar
AKIRA OKAZAWA : Bass
SHUICHI "PONTA" MURAKAMI : Drums  

小林 香織 / ファイン4

FINE-1 音楽,歌手は“歌”そのものが良ければ,ルックス(ビジュアル)は関係ない。ましてジャズフュージョンは…。
 巷でそんな声を耳にする。果たしてそうだろうか?

 ここで某個人名に言及することは避けるが,管理人的には「もっとルックスが良かったら爆発的に売れただろうに」と感じるアーティストたちがいる。一方で“ビジュアル系”なるバンドが大ブレーク! 永遠にジャニーズ事務所は不滅であろう。
 かく言う管理人も“あの”西村知美(トロリン)や酒井法子(のりピー)のCDを買っていた。世の中,結局は“カワイイ子”“カッコイイ男”が大好きである。音楽性さえ良ければそれでいい,と言うのは大ウソ! 「建前」なのである。

 しかし,ジャズフュージョンにこの論理を当てはめてもよいものか?
 管理人の結論! ビジュアルから入るのも“有り”だと思う。

 なぜなら,店頭に飾られている,あのトランペットの“輝き”を目にするだけで,今でも心ときめいてしまうし,他にもジャズ・ジャイアントたちのポスター,CDジャケット,DVD…。きっかけは千差万別,フジテレビであろう。
 そう。ジャズフュージョンにもビジュアルの影響力は存在する! 絶対に存在する!

 そこで“和製キャンディ・ダルファー小林香織! ぶっちゃけ,超カワイイ。いろいろとこじつけてきたが,単純に“ルックス”に惹かれてしまった。正に“ジャズ界のアイドル”! 美しき“小林家3姉妹”の長女である。

 おっとっと…。「アドリブログ」のポリシーは“素直に音から入ること”! 単純に“ルックス”がいいだけではレビューしたりはしませんよっ。
 ズバリ,小林香織の魅力は,1に音楽,2にルックス。彼女のフュージョンサックスを偏見抜きに聴いてみてほしい。

FINE-2 『FINE』(以下『ファイン』)は“ジャズメン”小林香織が素直に音に表われた名盤である。

 このパワフルな音! “和製キャンディ・ダルファー”とは良く言ったものだ。その愛称は伊達ではない。予備知識なしで聴いたとしたら,まるで男性サックス・プレイヤーかと思えるほど“パンチが効いている”! それでいて,随所に女性らしい繊細なフレージングも交えてくる。
 この“硬軟織り交ぜたプレイ”こそ,フュージョンサックスの“ツボ”! 小林香織はかなりのフュージョン・ファンなのだろう。『ファイン』には,小林香織の“研究の跡”が見え隠れしている。

 『ファイン』の“明るく爽やかな”音世界は,ポップス界でも大活躍=笹路正徳プロデュースの賜物であろう。しかし中身(演奏)は違う。『ファイン』に漲る“ライブ感と空気感”!

 「笹路正徳オールスターズ」のビッグネームの面々が,小林香織の“勢い”に呑まれていく。小林香織の“伸びやかな”サックスが「笹路正徳オールスターズ」の演奏を導いていく。

 『ファイン』の“リーダー”は小林香織である。小林香織アルト・サックスはサイドメンの音ではない。「笹路正徳オールスターズ」を向こうに回して一歩も引いていない。大先輩への遠慮なしでバリバリと吹き鳴らしている。
 小林香織の「私について来い!」的なアルト・サックスでのブローが数多く爆発しているのだが,それを爽やかに見せる演出家=笹路正徳が,実にいい仕事,をしている。

 それにしても小林香織アドリブには“古いのに新しい”独特の雰囲気がある。80年代フュージョンっぽい聴き慣れたバック・サウンドに,打ち上げ花火が華開いたかのような,新しい感性のフレーズが飛び出してくる。

 尤も小林香織当人は,フュージョンを“古い音楽”とはこれっぽっちも思ってやいない。ただ互いに触発し合った時のテンションそのままにグルーヴしているだけなのだ。
 小林香織にとって,フュージョンサックスとはアドリブでありジャズ,なのである。そう。『ファイン』こそ“古いのに新しい”小林香織の現在進行形の生音なのである。

FINE-3 そんな“ジャズメン”小林香織であるが,レコード会社は現金だ。“女”小林香織を全面に売り出している。

 『ファイン』の初回限定盤は,DVD付きスペシャル・パッケージ! このDVDには,初のプロモーションビデオとサイパンでのオフ・ショットなど,普段ステージでは見られない“アイドル”小林香織が映し出されていて,お買い得!

 ジャズフュージョン“抜き”の小林香織”も超好み。ほんとかわいいなぁ。
 あっ,小林香織ファンの皆さん,音楽性よりもビジュアルの話をしてしまってゴメンナサイ。
 あっ,矢野沙織ちゃん,浮気しちゃってゴメンナサイ。

    CD
  01. KIRA-KIRA
  02. ENERGY
  03. FREE
  04. LOVELY BLOSSOM
  05. DRIVING
  06. GRACE
  07. SLEEP ON IT
  08. MOMENT OF LONELINESS
  09. WHAT'S GOING ON

    DVD
  01. KIRA-KIRA [VIDEO CLIP]
  02. IMAGE 1: LOVELY BLOSSOM
  03. IMAGE 2: GRACE

(ビクター/JVC 2006年発売/VIZJ-5)
(ライナーノーツ/小林香織)
★【初回限定盤】 CD+DVD

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