アドリブログ 〜JAZZ/FUSION批評〜

ジャズ/フュージョン批評ブログ CD, DVD, ALBUM REVIEW, TRACK REVIEW and more

2006年08月

編集指針2006

 アンケートボードを設置して8ヶ月が経過しました。
 投票結果を分析してみると,読者の皆さんの「アドリブログ」に対する“期待度?”が見えてきました。
 それで今回は中間報告として,投票結果を踏まえた「今後の執筆活動」の指針についてお伝えしようと思います。

 まずは,投票に参加してくださった全ての皆さん,どうもありがとうございます。(アンケートは継続開催中です)。
 投票してくださった方々の中には,一度もコメントをカキコしたことのない人も含まれていたのではないでしょうか? それが「初心者を意識したほんわかサイトにしてほしい」の票に表われたのかもしれません。
 現在“ダントツ”のトップですので,今後は初めて「ジャズフュージョン」に接する人の“入門ブログ”へとシフトできればいいですねっ。

 あれっ,他人事? そのようにリニューアルできればいいのですが,どうもジャズフュージョンの“頑固オヤジ気質”が抜けなくて…。今後は“脱・頑固オヤジ=親切・丁寧”をモットーに努力していこうと思ってはいます。

 さて,興味深かったのは「多くのジャズメンを幅広く批評してほしい」の票が伸びているところ。 皆さん“広く浅く”ジャズフュージョンのおいしいところを“つまみ喰い”したいように思えます。
 「一人のジャズメンを掘り下げて批評してほしい」も追い上げてきているので,今後も票の動向から目が離せないのですが,しばらくは“ジャズメン100人斬り!”を達成すべく,同じジャズメンの2枚目,3枚目のCD批評を始める時期を遅らせることに決めました。

 ただし,ライブドア・ブログではカテゴリ設定の上限が「100個まで」という制限がありますので,実質90人ぐらいで収まるのではなかろうか,と予想しています(「LIVEレポート」「スーパートリビア」「編集局だより」等との兼ね合いにより)。
 そうは言っても,記事にできるのは一月に約3人のペースです。今のままでは3年ぐらいかかってしまう。それはそれで“悩みの種”ではありますが…。

 アドリブをログするブログ,それがアドリブログ。


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ジャッキー・マクリーン / 4, 5 & 6 / CONFIRMATION5

アナログレコード

 『4, 5 AND 6』の4曲目は【CONFIRMATION】(以下【コンファメーション】)。


 ジャッキー・マクリーン・セクステットの【コンファメーション】は,典型的なハード・ブローイング! チャーリー・パーカーの代表曲を,この“考え得る理想的な面子”で録音してくれていたとは…。
 これはもう,たまらない! 神に感謝の“最強B級ジャズ”!

 聴き所満載! 全員が全員,まず熱い! 次に,ほんわか+メロディアス! 大音量で聴いた時のカタルシス!
 スーパー・テクニックなどないのだから,まずはお酒をお共に,安心してこの雰囲気を楽しみましょう。
 ねっ,一緒に楽しみましょうよっ。ほら,自然と身体が揺れてくるでしょ? 

 アドリブ・タイムは,ジャッキー・マクリーンドナルド・バードハンク・モブレーマル・ウォルドロンへのタスキ渡し。
 『4, 5 AND 6』の『6』なのだから,4とも5とも違う『6』ならではの“絡み”を聴きたいと思うが願い叶わず…。タスキの受け渡しに時間がかかってしまい,凡庸なアドリブが結構続くが,それもB級ならではの“ご愛敬”!

 イントロとアウトロだけで聴こえる“ユニゾン大合唱”で熱狂できさえすれば,あなたも立派な“B級グルメ”の一員である。 

CD視聴(試聴)・購入はジャケット写真から

JACKIE McLEAN SEXTET
JACKIE McLEAN : Alto Sax
DONALD BYRD : Trumpet
HANK MOBLEY : Tenor Sax
MAL WALDRON : Piano
DOUG WATKINS : Bass
ARTHUR TAYLOR : Drums


4, 5 and 6
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ジャッキー・マクリーン / 4, 5 & 6 / CONTOUR4

アナログレコード

 『4, 5 AND 6』の3曲目は【CONTOUR】(以下【コントゥアー】)。


 【コントゥアー】は,メロディ&ハーモニー重視! ジャッキー・マクリーンとしては,良く言えば“ソフト”。悪く言えば“気合不足”。
 管理人の評価は○であるが,聴き手によって評価は分かれるのかもしれない。

 ジャッキー・マクリーンアドリブ自体はいい。伸びやかな“ハスキー・アルト”は“らしさ”を感じさせてくれる。しかし,すぐに“らしい”演奏が消え失せてしまう。

 原因はトランペッタードバルド・バードの“端正な”演奏にある。【コントゥアー】でのドナルド・バードは,なぜか,いつも以上にキッチリとフレーズを吹く。
 思うに,ドナルド・バードは【コントゥアー】のメロディが好きなのだろう。アウトすることのない“正攻法”のアドリブが,曲の魅力をストレートに表現する。
 この迷いのない演奏がジャッキー・マクリーンの演奏にまで“伝染”してまったのではなかろうか?

 4分13秒からのユニゾンを聴いてほしい。ジャッキー・マクリーンドナルド・バードにリードされるがまま“ソフトに”音を合わせていく。
 録音前のリハーサル演奏から,徐々に影響されてしまったのであろうが,音の変化は継続している。イントロからのユニゾンと聴き比べてみると,バード色に“染められてしまった”アルト・サックスの“変貌ぶり”に気付かずにはいられない。

CD視聴(試聴)・購入はジャケット写真から

JACKIE McLEAN QUINTET
JACKIE McLEAN : Alto Sax
DONALD BYRD : Trumpet
MAL WALDRON : Piano
DOUG WATKINS : Bass
ARTHUR TAYLOR : Drums


4, 5 and 6
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ジャッキー・マクリーン / 4, 5 & 6 / WHY WAS I BORN?4

アナログレコード

 『4, 5 AND 6』の2曲目は【WHY WAS I BORN?】(以下【ホワイ・ワズ・アイ・ボーン?】)。


 ちまたの通説通り『4, 5 AND 6』でのジャッキー・マクリーンは,チャーリー・パーカーの影響が色濃く出ている。
 しかしワン・トラックだけは異なる。【ホワイ・ワズ・アイ・ボーン?】でのジャッキー・マクリーンは,ソニー・ロリンズであって,チャーリー・パーカーではない。まずはそこを押さえてから,聴き込んでいただきたい。

 勿論,マクリーンマクリーンである。例の“マクリーン節”が連発している。ここで管理人が言いたいのは“姿勢に置いて”ロリンズ,と言う意味である。
 ソニー・ロリンズチャーリー・パーカージャズ史における名インプロヴァイザーのツー・トップ! ただしアドリブに対するアプローチは明確に異なっている。ズバリ! ロリンズは「歌」であり,パーカーは「リズム」であろう。
 そう。【ホワイ・ワズ・アイ・ボーン?】でのマクリーンアドリブは「歌心に満ち溢れた」原曲に“優しい”アドリブなのである。

 そうは言っても念を押す。【ホワイ・ワズ・アイ・ボーン?】が,素直に演奏されるとは思うなかれ。
 スロー・バラード名曲ビ・バップしている! ロリンズ混じりの“マクリーン節”が,乱れ飛んでいる! 名演である。

CD視聴(試聴)・購入はジャケット写真から

JACKIE McLEAN QUARTET
JACKIE McLEAN : Alto Sax
MAL WALDRON : Piano
DOUG WATKINS : Bass
ARTHUR TAYLOR : Drums


4, 5 and 6
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ジャッキー・マクリーン / 4, 5 & 6 / SENTIMENTAL JOURNEY5

アナログレコード

 『4, 5 AND 6』の1曲目は【SENTIMENTAL JOURNEY】(以下【センチメンタル・ジャーニー】)。


 【センチメンタル・ジャーニー】は,ほのぼのとした「牧歌」であり,ジャッキー・マクリーンの「鼻歌」である。

 【センチメンタル・ジャーニー】からは,笑顔でセッションを楽しんでいる“風情”を感じる。ニコニコではなく“ニヤリ”の笑顔!
 失恋を癒やす&感傷に浸る“一人旅”と言う趣はない。これは完全に“吹っ切れた”直後の出直し旅行! 数人の仲間と“ワイワイ・ガヤガヤ”とは違う“ペチャクチャ”雑談ばかりの小旅行! “気ままにふらっと”プランなど立てずに,右へ左へ…。
 そう。ジャッキー・マクリーン御一行様の【感傷旅行】は,後ろ向きで「内省的」なジャズではなく,前向きで「希望に満ちた」ジャズなのである。

 ジャッキー・マクリーンアルト・サックスに始まり,ダグ・ワトキンスベースマル・ウォルドロンピアノに至るまで,3人のソロが見事に“スイング”している。
 メイン・テーマは“どこで切り取っても”ピカイチのノリであるが,特にジャッキー・マクリーンマル・ウォルドロンの“お涙頂戴コンビ”が実にウイット。茶目っ気タップリの【センチメンタル・ジャーニー】に仕立てて上げている。

 3分10秒から15秒までの大ブローもあれば,特に9分13秒から全開の“マクリーン節”も楽しめる。
 “【センチメンタル・ジャーニー】さえ聴き込めば,ジャッキー・マクリーンの全てが分かる”と豪語した,あの大物ジャズ批評家の論評に納得できなくもない。何となく認めたくないだけ? 確かに快演である。
 自称・ジャズ批評家である管理人が選ぶ,このトラックのベストは,6分36秒から7分37秒までのマル・ウォルドロンの全アドリブ! これこそ,正に“絶品”バップピアノである。

CD視聴(試聴)・購入はジャケット写真から

JACKIE McLEAN QUARTET
JACKIE McLEAN : Alto Sax
MAL WALDRON : Piano
DOUG WATKINS : Bass
ARTHUR TAYLOR : Drums


4, 5 and 6
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ジャッキー・マクリーン / 4, 5 & 65

アナログレコード

 またも「どこかに在りそうで,でもどこにも見つからない」自作格言シリーズを…。
 「言葉だけでは感動しない。言葉で伝えようとする“必死な思い”が,言葉に“魂を吹き込み”感動させるのだ」。
 そう。「熱意こそ話の命」なのである。同じ言葉を話そうとも,熱意のない話し手の言葉に感銘を受けることはない。それがどんなに洗練された,選びに選び抜かれた言葉であったとしても…。

 音楽も同様である。殊にジャズ。全く同じトラック,同じフレーズを耳にした時,感動することもあれば,そうでないこともある。伝わってくる音もあれば,そうでない音もあるのである。
 たとえ泥臭くとも“これだけはどうしても伝えたい”とする“たどたどしい”アドリブには,感動を与えるエネルギーがある。
 一方,美辞麗句を並べあげた超高速・スーパーテクのアドリブでも,そこに“魂”が欠けているなら,単なる騒音でしかない。
 そう。「熱意こそジャズの命」は至言だと思っている。

 管理人は,そんな“汗だく”ジャズメンが大好きだ。そして“汗だく”ジャズメンの代表格と言えば,ジャッキー・マクリーンである。
 ジャッキー・マクリーンは歴としたジャズ・ジャイアントの一人であるが,正直,スーパー・スターとは呼べない。冷静に彼のアドリブを分析すると,世評通り「B級」の烙印を押してしまうはずだ。

 しかし,しかしである。ジャッキー・マクリーンアドリブには,具体的に数字化できない“+α”がある。
 この“+α”とは“実直さ”! 決して語り口は饒舌ではないのだが,自分の感情をストレートにぶつけてくるのだ。
 それを何度も何度もクドイくらいにぶつけてくる。その一つ一つは弱くとも,正に「雨垂れ石を穿つ」である。ついにはジャッキー・マクリーンの“熱意”あるいは“信念”に押し倒され,感動の扉がこじ開けられてしまうのだ。
 この“信念に根ざす実直さ”が「下手の横好き」→「好きこそ物の上手なれ」を経由して,ジャッキー・マクリーンジャズ・ジャイアントへと押し上げていった原動力であろう。

 さて,ジャッキー・マクリーンアドリブからは「真にジャズ好きなんだなぁ」と分かるフレーズが飛び出してくる。何の脈略も無いところから,突然,噴火してくる辺りが,所謂「B級」の証しなのであるが,ここで言う「B級」とは“誉め言葉”である。
 有名シェフが調理する,高級食材盛りだくさんのレストランは当然おいしい。誰が食べてもおいしいに決まっている。これはA級グルメ!
 しかしマニアなグルメたちは,路地裏にある“隠れ家”的な名店を“こよなく愛する”のではなかろうか? その店の味を評価するのは,常連のマニアだけかもしれないが,高級レストランでは味わえない“旨味+特有のクセ”を求めて,つい足が向いてしまうのである。そう。“止められない止まらない”B級グルメの魅力!

 『4, 5 AND 6』(以下『4, 5 & 6』)は,ジャッキー・マクリーンの“B級の旨味”が“たっぷり詰まった”名盤である。
 タイトルの『4, 5 & 6』は,それぞれ「カルテットクインテットセクステット」を表わしている。このCDは,3つの異なる編成と相対したがゆえに,ジャッキー・マクリーンの個性が“埋もれるどころか逆に浮き彫りにされていて”彼の本質を掴みやすい。
 天才なら“簡単に”吹ききってしまうであろうアドリブを,ジャッキー・マクリーンは,たとえ口が重かろうとも“ハスキーボイス”に魂を込めて,一生懸命絞り出す! “重み”漂う一言なのである!
 そう。『4, 5 & 6』には,自分の言葉で“必死に”語ろうとするジャッキー・マクリーンの魂=「彼そのもの」が実物大で記録されている。

 全てのジャズ・ファンに『4, 5 & 6』を,時間をかけて“聴き込む”ことをお奨めしたい。
 この“マクリーン節”を楽しめるようになりさえすれば,他の「B級」ジャズメン“特有の味”をも愛せるようになるのだから…。

(1956年録音/VICJ-23514)

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松岡 直也 / ウォーターメロン・ダンディーズ / A MIDNIGHT LAMENT4

 『WATERMELON DANDIES』の4曲目は【A MIDNIGHT LAMENT】。


 【A MIDNIGHT LAMENT】は,松岡直也としては貴重なサックス入り! 中村哲の“ダークに引き締まった”テナー・サックスが全編でフューチャーされていてカッコイイ。

 しかし誰と共演しようとも,松岡サウンドは松岡サウンド! 【A MIDNIGHT LAMENT】も,主導権はラテンフュージョンのリズム隊が握っている。
 イントロの“タイトな”アタックは“打ち込みのような生音”でドキドキさせられるが,特に1分7秒から21秒までを聴いてほしい。
 中村哲のブローの後ろで,忙しくアクセントをつけ続けるリズム隊。このコンビネーションがハマッテいる。

 一方,松岡直也よりも津垣博通に活躍の場が多い“鍵盤隊”であるが,要所要所での“光るプレイ”は松岡直也のもの。
 Wキーボードの鍵盤隊が,中村哲アドリブの後ろで「松岡直也グループ」の音造りに励んでいる。ド迫力のテナー・サックスにも負けない名コンビぶりは,さすがである。

NAOYA MATSUOKA : Keyboards
GETAO TAKAHASHI : Bass
HIROMICHI TSUGAKI : Keyboards
NORIYUKI HIROSE : Drums
AKIRA WADA : Guitar
WILLIE NAGASAKI : Timbales
SHINGO KANNO : Congas

GUEST PLAYER
SATOSHI NAKAMURA : Tenor Saxophone

松岡 直也 / ウォーターメロン・ダンディーズ / ワクワク・ソンゴ!4

 『WATERMELON DANDIES』の1曲目は【ワクワク・ソンゴ!】。


 【ワクワク・ソンゴ!】は,典型的な松岡サウンド! イントロから始まるパーカッションのアタックにドラムキーボードのユニゾン・バッキング!
 このわずか2秒の音だけで「あっ,松岡直也だ」と識別できてしまう。その後のグルーヴ感と言ったら…。正に“松岡ワールド”全開である。

 【ワクワク・ソンゴ!】の前半は菅野真吾カルロス菅野ボーカルがメロディーを綴っていく。ビートに言葉が乗っかっていくので,ボーカルが不思議と気にならない。ラテン・フュージョンの持ち味そのまんま。邪魔していない。

 1分56秒からのJAZZYなピアノベースの“絡み”が合図となって,後半はメンバーの短いソロ回しが大フューチャー。
 「ん〜快感」のフレーズに合わせパーカッションギターが唸り出す。聴き所は松岡直也キーボード・ソロ直後,3分24秒の「ヘイ!」で一応の盛り上がりを見せた後の二巡目のソロ回し。
 特にウィリー長崎菅野真吾へと続く幾分長めのパーカッション・ソロ。二人のプレイ・スタイルを聴き分けられる絶好のチャンスである。

 しかし真の聴き所は,最高のソロ回しを支える的確なユニゾン・バッキング。この“ノリ”こそが,松岡直也の醍醐味!
 フュージョンのハイテク・ソロに熱狂するのは頭の中。身体はラテンのリズムに反応している。身体は実に正直である。

NAOYA MATSUOKA : Keyboards
GETAO TAKAHASHI : Bass, Vocal
HIROMICHI TSUGAKI : Keyboards
NORIYUKI HIROSE : Drums
AKIRA WADA : Guitar
WILLIE NAGASAKI : Timbales
SHINGO KANNO : Congas, Vocal

松岡 直也 / ウォーターメロン・ダンディーズ4

WATERMELON DANDIES-1 なんとなく,夏と言えば“ラテン・フュージョン”! “ラテン・フュージョン”と言えば“大御所”松岡直也である。やはりホットな夏には,この“分厚いリズム”が恋しくなる。

 基本的にラテン,サルサ系のリズムは大体どれもワン・パターン? リズムの微妙な違いは管理人には正直よく分からない。
 ではどれも同じに聴こえるかと言うとそうではない。同じリズムが鳴っているようで,そこにはトラック毎の個性がある。
 イントロの数音で「あっ,このトラックだ」と判別できる。不思議なものである。

 この“なぞ”を解くカギがある。そう。それこそ松岡直也ピアノシンセサイザーが織りなす“唯一無二”の音作りにある。
 音楽活動50年以上のキャリアを有する歴戦のツワモノは,ジャズフュージョンのみならず,映画・TV・CM界でも大活躍。他のアーティストのプロデュースもするし,日本レコード大賞の作曲賞&編曲賞も受賞している。なんともマルチな才能である。

 しかし松岡直也,最大の才能こそ“ラテン・フュージョン”! ラテンのリズムの使い方が上手いのだ。
 無理なくスイスイ,極上のメロディを“分厚いリズム”へと乗せていく。彼自身のピアノの音だけではない。強力なリーダーシップでバンド全体をもコントロールしていく。
 この優れたバランス感覚が,イントロの数音でそれと分かる,トラック毎に特有の“彩り”を添えているのである。

 そんな松岡直也が強力に“夏”を意識したのが『WATERMELON DANDIES』(以下『ウォーターメロン・ダンディーズ』)!
 しかしこの夏は「盛夏」「汗だくの夏」「情熱の夏」と言った“燃える”世界ではない。もっと“ほのぼの”とした,きらめく夏の想い出! 何と言っても「スイカ男」がテーマなのですから…。
 金魚売り,風鈴売りのような,それはそれは“風情”感じる「小学生の頃大好きだった」夏の音なのである。楽しい長〜い夏休みの音。スイカ割り? スイカの丸かじり?

 夏休みの想い出が多岐に渡っているように『ウォーターメロン・ダンディーズ』も実にカラフル!
 “ラテン・フュージョン”と一言で片づけるのは実に勿体ない。タンゴサックスボーカルなど,いつもの松岡直也では“お耳にかかることの少ない”編成も新鮮だ。

WATERMELON DANDIES-2 『ウォーターメロン・ダンディーズ』の“目玉”は3曲のボーカル・ナンバーだろう。歌入りだから好きとか嫌いとか,そんな次元を飛び越えて無条件に楽しめる。自然と身体が反応してしまう。「ボーカル=リズム楽器」説もまんざらウソではない。

 『ウォーターメロン・ダンディーズ』で感じる,いい感じのJAZZYさ,けだるさこそ,松岡直也の夏=“ラテン・フュージョン”の夏! 「いよっ,スイカ男〜」!

  01. ワクワク・ソンゴ!
  02. A FIRST FLIGHT
  03. TANGO RENGUE
  04. A MIDNIGHT LAMENT
  05. SUN DOWN
  06. ペリエにレモン
  07. MAMBO ISLAND
  08. WATERMELON DANDIES

(ワーナー・パイオニア/WARNER-PIONEER 1986年発売/32XL-151)

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向谷 実 / ミノル・ランド / PRELUDE4

 『WELCOME TO THE MINORU’S LAND』の1曲目は【PRELUDE】(以下【2つのピアノのためのプレリュード】)。


 【2つのピアノのためのプレリュード】は,まだ幼き日の“向谷少年”の姿!
 最初はピアノ教室に“いやいや”通いつつも,発表会で“エンターテイナー”の味を占め,以後“鼻高々”のピアノマン!
 そう。ソロCDの幕開けは,向谷実の自分史&懐古趣味からスタートしている?

 わずか56秒の“オードブル”として,自分の過去をさらけ出すとは,さすがは“本性丸出し”のソロCD。( ← 別に向谷さんの自分史は,何かを隠さなければならない程,汚点の多い人生,恥ずかしい人生ではありません。くれぐれも誤解なさらずに…。全ては管理人の妄想90%です。ダーク・タッチの紹介となってしまい,向谷さん,ゴメンナサイ )

 【2つのピアノのためのプレリュード】は,上記コメントを連想させる“クラシック・タッチのキーボード”が聴き所。
 弦楽器のように奏でられる,19秒から52秒までの連打は,まるで“琴”のような“和”の響きで満ちている。

MINORU MUKAIYA : Keyboards, Piano

向谷 実 / ミノル・ランド4

WELCOME TO THE MINORU'S LAND-1 「トレイン・シュミレーター」系の発売ラッシュで“売れっ子”となった向谷実であるが,彼のソロCDの歴史は『WELCOME TO THE MINORU’S LAND』(以下『ミノル・ランド』)から始まった。

 すでに現在の向谷実を予感させるトラックもあって大変興味深いのではあるが,一人多重録音による徹底した音楽へのこだわりは“鉄道おたく”を越えた“音楽おたく”そのものである。
 CD全編「これぞ向谷実」の音世界。個人的趣味丸出し=素・本性・地の丸出しの完全に“自己満足の世界”ではあるが“由緒正しいソロCD”なのだから誰にも遠慮はいらないはず。ここまで“やり切る”のが至極当然。ゆえに出来には文句な〜し。
 この“潔さ”そして“ハート・ウォーミング+陽気な音”が,カシオペア・ファンとしてはたまらなくうれしかった。

 最近の向谷実の“突出ぶり”ははなはだしい。以前から音楽活動以外でも,例えばFM東京「ビート・カフェ」でDJをやったり,NHKへの出演も多かったりと“正統派の話し手=司会屋実”としても大活躍していたのだったが,近年の向谷実のファン層が“キーボードおたく&MCおたく”以上に“鉄道おたく”で埋め尽くされてきたからもう大変。
 今では旧友のよしみか「タモリ倶楽部」への出演も果たし,もはや向谷実を“カシオペアキーボード・プレイヤー”と紹介する人の方が少なくなってしまったのでは?

 そこで『ミノル・ランド』! このソロCDは,カシオペアの絶頂期にリリースされたこともあり,純粋に向谷実の“フュージョン愛”が感じられる。やはり向谷実の原点は“カシオペアキーボード・プレイヤー”に違いない。

WELCOME TO THE MINORU'S LAND-2 さて『ミノル・ランド』発売時のカシオペアは,しばらくバンド活動を休止して,各自のソロ活動真っ盛り! メンバー4人全員がソロCDを同時期に制作していた。

 管理人はメンバー全員のソロCDを購入し聴き比べてみたのだが,この『ミノル・ランド』が,一番フュージョンからは遠く,しかし一番カシオペアの音に近かった。
 それは向谷実キーボードの“響き”がカシオペア・サウンドの特徴となっていたからであろう。普段はギターベースを耳で追っているつもりだったので,こんな感想を持つなんて,正直,自分でも驚いてしまった。潜在意識の中では「カシオペア向谷実」がインプットされていたのかもしれない。

 この“意外な新発見”に気付いてからというものカシオペアの聴き方が変わったものである。向谷実カシオペアの「司会担当」などではなく「彩り担当」であった。
 尤も,一人多重録音は音質的にはNG。管理人は後年,高音質なゴールドCD盤仕様の『ミノル・ランド』を買い直してみたのだが,どうにも“薄っぺらい”機械音が嫌いで,未だ真剣に聴き込む気にはならない。読者の皆さんにも“カシオペア流の響き”が勝負のゼネラル・オーディオ向きと割り切って聴いてもらいたい。

WELCOME TO THE MINORU'S LAND-3 ところで,8/1,ついにカシオペアの29年に渡る活動に終止符が打たれた!
 “青春の1ページ”が終わった寂しさで一晩中涙に明け暮れてしまったのだが,近年の“スカスカ状態”を知る者としては,やがて来るこの日の覚悟はできていたのだろう。一晩泣き明かして迎えた“朝焼け”時には「やっぱりなぁ」と言う感想しか持ち合わせていなかった。
 こうなったらこうなったで「災い転じて福となす」だ。野呂さんも向谷さんもガンガン,ソロCDでも作っておくれ〜!

  01. 2つのピアノのためのプレリュード
  02. ASIA
  03. TAKE THE SL TRAIN
  04. SPACE TRIP
  05. RECOLLECTION
  06. ROAD RHYTHM
  07. KAKEI
  08. FAMILY LAND
  09. 1940

(キングレコード/ELECTRIC BIRD 1985年発売/228E6015)
(ライナーノーツ/向谷実)
(☆ゴールドCD盤仕様)

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