アドリブログ 〜JAZZ/FUSION批評〜

ジャズ/フュージョン批評ブログ CD, DVD, ALBUM REVIEW, TRACK REVIEW and more

2007年03月

DIMENSION / 11TH DIMENSION “KEY” / KEY5

 『11TH DIMENSION “KEY”』の2曲目は【KEY】。


 【KEY】は,1曲目【MAGIC ONE】との組曲? アウトロ~イントロが“こぼれ落ちてきた”感じの連動ゆえ,2曲続けて聴くと実に気持ちがよい。
 軽快&メロディアスに歌い上げる,ライト・フュージョン! 【KEY】を,初めて聴き終え時に抱いた“何とも言えない満足感”は,今までのDIMENSIONにはなかったもの。超絶技巧集団がさらに一段階段を上った!

 DIMENSIONの裏バン=小野塚晃が作り出す“ジャズ寄りの素材”に,増崎孝司ギターが映える! このカッティング・ギターの働きにより,DIMENSION特有の“エキス”が,たっぷりと注入されていく。
 勝田一樹アルト・サックスが“控え目”に聴こえてしまうのがこれまたいい。2分6秒からのスローなアドリブが【KEY】で感じる“透明感”上昇の要因であろう。

 こんなに“軽い”のに,こんなに“サラッ”としているのに,テーマでのユニゾンが“グイグイ”決まるたびに,一人で勝手に熱くなってしまう。聴き終える度に「Vサイン」なのである。
 たぶんこの感覚は「ディメ・マニア」でないと分かってもらえないかも? でも心底カッコイイ!

DIMENSION
TAKASHI MASUZAKI : Guitars
AKIRA ONOZUKA : Keyboards & Programming
KAZUKI KATSUTA : Alto Saxophone
 

MALTA / マイ・バラッド / ALWAYS YOU3

 『MY BALLADS』の3曲目は【ALWAYS YOU】(以下【オールウェイズ・ユー】)。


 【オールウェイズ・ユー】の曲想は,一昔前の歌謡ロック! 加えて,全編で何度も登場するキーボードエレキ・ギターの泣きっぷりが,いかにも日本的なビッグ・バンド風? キーボード奏者が3人にツイン・ギターと来れば,メロディ偏重の歌謡曲路線は決定的? このアレンジで本当に良いのだろうか?

 そんな逆境を跳ね飛ばすべく? MALTAアルト・サックスソプラノ・サックスのごとく鳴らし続ける。
 そう。このトラックを最初に聴いた時,ソプラノ・サックスを吹いているのかと思った。それ位,高域連発のアルト・サックスの音色が“ずば抜けて”美しい。
 しかし残念ながら,聴き所はこの美しい音色だけだ。MALTAのフレージングも“クール”寄りで,結果,ビッグ・バンドのリード・アルトソプラノ)奏者の域に成り下がってしまっている。
 そう。曲想とバックに呑み込まれた,没個性…。

 これは狙い? “絶品の音色”であるだけに,ライオネル・ハンプトン楽団のリード・アルトコンサートマスター時代の“クセ”が抜けていないだけだとしたら,誠にガッカリである。

MALTA : Alto Sax
KATSUTOSHI MORIZONO : Electric Guitar Solo
KIYOTSUGU AMANO : Electric Guitar
YOSHINORI KAKETA : Fender Rhodes
YOSHIKAZU MATSUURA : Synthesizers
KAZUO KIMURA : Electric Bass
TOMIHIRO MAEDA : Drums
TADAOMI ANAI : Percussion

オスカー・ピーターソン / プリーズ・リクエスト / MY ONE AND ONLY LOVE5

アナログレコード

 『WE GET REQUESTS』の3曲目は【MY ONE AND ONLY LOVE】(以下【マイ・ワン・アンド・オンリー・ラブ】)。


 【マイ・ワン・アンド・オンリー・ラブ】は,白眉のバラード! この手のスロー・バラードに“ドップリ浸かりたい”のなら,オスカー・ピーターソンで決まりであろう。
 ウソだと思うなら一度試しに聴いてみてほしい。スロー・バラードが光り輝いている! 悲しみの涙がいつの間にか喜びの涙に変えられてしまう。これこそ“ピーターソン・マジック”である。

 バラードにも係わらず“指が回りまくっている”イントロでのモチーフは,ジャズフュージョン界全般を見渡しても,なかなかお耳にかかれない貴重な“宝”である。このセンスは凄い! これ程のアップ・テンポでありながら,常に“しっとり”と響いている。
 47秒から1分9秒までの“鉄人のAメロ”終わりで突如“舞い上がる”1分14秒のフレーズが“ドリーム・タイム”! うっとり&メロメロ・ショーの始まり始まり〜。

 中盤で展開されるレイ・ブラウンとの掛け合いは,実に粒立ちの良い鮮明なプレイ。
 “溜めに溜めた”ラストの演出も実にドラマティック! 4分24秒からの連打と4分54秒からのシンバルとの連動! 感情の大爆発を見事な大音量で表現した,鳴り響くピアノが圧巻である。

CD視聴(試聴)・購入はジャケット写真から

THE OSCAR PETERSON TRIO
OSCAR PETERSON : Piano
RAY BROWN : Bass
ED THIGPEN : Drums


プリーズ・リクエスト
ランキングを見てみよう!

ソニー・ロリンズ / ウェイ・アウト・ウエスト / WAGON WHEELS4

アナログレコード

 『WAY OUT WEST』の4曲目は【WAGON WHEELS】(以下【ワゴン・ホイール】)。


 一貫して“いかにも田舎者”の雰囲気が流れる【ワゴン・ホイール】は,ソニー・ロリンズのスケールと“懐の深さ”を感じさせてくれる。

 のっけからドラムベースのほんわかテンポで“助走”が続くが,9分0秒からのアドリブ! ソニー・ロリンズの“最後の一刺し”にやられてしまう。
 ここだけ覚えて,曲の頭から聴き直してみて欲しい。実に素晴らしい! グレート! 心からの賛辞が湧き上がってやまない。

 と,つい批評に熱がこもってしまったので,最後にオチでクールダウン。1分51秒から55秒までの4つの音が,どうしてもウルトラ・セブンに聞こえてならない。わたしだけ?

CD視聴(試聴)・購入はジャケット写真から

SONNY ROLLINS : Tenor Sax
RAY BROWN : Bass
SHELLY MANNE : Drums


WAY OUT WEST
ランキングを見てみよう!

小林 香織 / ファイン / LOVELY BLOSSOM(DVD)4

 『FINE』『SPECIAL DVD』の2曲目は【LOVELY BLOSSOM】(以下【ラヴリー・ブラッサム】)。


 「演奏シーンなし」の完全なるアイドル映像は,ブラッサム繋がりで,小林香織主演=松田聖子の【チェリーブラッサム】と思って良い。
 南の島での分刻みの撮影で,AM10:00からPM4:30までのスナップ・ショット満載である。

 ショッピングに子猫との戯れ,ラストでの“お約束”浜辺での砂遊びに至るまで,キラキラ輝く笑顔が魅力的!
 お気に入りは,PM12:00でのクルージングでの笑顔とPM3:30の波に襲われた際の笑顔が超キュート!
 PM4:30のウォーター・スライダーでのバンザイ風景は,無邪気に遊ぶ“おこちゃま”香織嬢である。小林香織の“保護者”としては,まだまだ自由に遊ばせてあげたいと思ってしまう。うん。

 「KAORI」と書き終えた瞬間に,波に消されてしまうPM2:30の映像はお見事! これぞプロのイメージDVDである。

KAORI KOBAYASHI : Alto Sax & Flute
MASANORI SASAJI : Keyboards
TAKAYUKI HIJIKATA : Guitar
KENJI HINO : Bass
SHUICHI "PONTA" MURAKAMI : Drums
CARLOS KANNO : Percussion

アキコ・グレース / 東京 / おぼろ月夜5

 『TOKYO』の8曲目は【おぼろ月夜】。


 【おぼろ月夜】こそ『TOKYO』のコンセプトの完成形! “和”テイスト全開が(管理人の評価としては)大成功である。

 藤原道山尺八をフューチャーした“ピアノ・カルテット”が“ワビサビ・カルテット”と化す。フロントの2人はしっかりと自分の音を出しているが,互いの音を意識しながら,溶け合うように,ささやきあう。
 例えば,2分1秒からのアキコ・グレースピアノ・ソロは,しっかりと弾ききっている。かなり強烈なタッチなので,ホノボノ・ムードで耳を傾けていると,思わずのけぞり,たじろいでしまうほど。
 しかしこの音圧が,嫌味ではない。この「響き:残響音」に心奪われる。美しい。時間をかけて心の奥底に染み入ってくる。

 反ジャズ的な“没個性”! 控え目で奥ゆかしい【おぼろ月夜】で,こんなにもスイングするなんて…。
 【おぼろ月夜】には,ジャズ・スタンダードでは味わえない“けだるさ”が存在する。やはり管理人は純・日本人です。J-ジャズが好きでたまらないのです。

 特筆すべきは藤原清登の“ギーコギーコ”ベース。渡し船に乗りながら眺める【おぼろ月夜】を見たくなった。かなうことなら“浄い童心”を取り戻したい。

AKIKO GRACE : Piano
KIYOTO FUJIWARA : Bass
TAPPY IWASE : Drums
DOZAN FUJIWARA : Shakuhachi

マイケル・ブレッカー / タイム・イズ・オブ・ジ・エッセンス / SOUND OFF5

アナログレコード

 『TIME IS OF THE ESSENCE』の2曲目は【SOUND OFF】(以下【サウンド・オフ】)。


 【サウンド・オフ】は“オルガンジャズ”全開! ラリー・ゴールディングスが超大物3人をまとめて呑み込んでいる。これだから“オルガンジャズ”は,ヤ・メ・ラ・レ・ナ・イ。

 ラリー・ゴールディングスオルガンが,妖しげな“うねり”を作り出し,そこへマイケル・ブレッカーテナー・サックスが絡んでいく!
 イントロから適宜繰り出される,2人だけの“分断音”が実に小気味良い。特にオルガンの最後の一音の延び具合が,マイケル独特のフレージングとチリバツの相性!

 1分14秒からのマイケル・ブレッカーアドリブの後ろで,3人がそれぞれバッキングをつけているが,真に自己主張しているのはラリー・ゴールディングスただ一人。“サイドメン通”の皆さんにとっては,ここをラリーの“名演”と受け取ることさえできる。
 ラリー・ゴールディングスの存在感と比べたら,我らがパット・メセニーの名サポートも,ジェフ・ワッツさえも,バンドの一構成員的な扱いに聴こえてしまう。

 ラリー・ゴールディングスオルガン・ソロでの快感は,言わずもがな! 特に4分51秒からの“揺れ具合”が最高にJAZZY

CD視聴(試聴)・購入はジャケット写真から

MICHAEL BRECKER : Tenor Sax
PAT METHENY : Guitar
LARRY GOLDINGS : Organ
JEFF "TAIN" WATTS : Drums


Time Is of the Essence
人気blog ランキング バナー
livedoor プロフィール

セラビー

記事検索
Categories      日本人は五十音順:外国人はアルファベット順
Keith Jarrett Gallery

キース・ジャレット(真田馨子) おんがく日めくり(c) keiko sanada
Pat Metheny Gallery

パット・メセニー(野々口和仁)
(c) Kazuhito Nonoguchi
ジャズ・アフィリエイト
セラビー厳選CD

パリ・コンサートパリ・コンサート
キース・ジャレット

THE WAY UPTHE WAY UP
パット・メセニー・グループ

イン・ア・サイレント・ウェイイン・ア・サイレント・ウェイ
マイルス・デイビス

HEAVY WEATHERHEAVY WEATHER
ウェザー・リポート

BRAINCOOL STRUTTIN'
ソニー・クラーク

MINT JAMSMINT JAMS
カシオペア

HUMANHUMAN
T-スクェア

LEFT ALONELEFT ALONE
マル・ウォルドロン

フル・ハウスフル・ハウス
ウェス・モンゴメリー

ザ・シーン・チェンジズザ・シーン・チェンジズ
バド・パウエル

セロニアス・モンク・トリオセロニアス・モンク・トリオ
セロニアス・モンク

枯葉枯葉
チェット・ベイカー

MOANIN'MOANIN'
アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ

BLOWIN' THE BLUES AWAYBLOWIN' THE BLUES AWAY
ホレス・シルヴァー

ウィントン・マルサリスの肖像ウイントン・マルサリスの肖像
ウイントン・マルサリス

メイティング・コールMATING CALL
タッド・ダメロン

Blu-spec CD ジャコ・パストリアスの肖像ジャコ・パストリアスの肖像
ジャコ・パストリアス

ザ・キング・イズ・ゴーンザ・キング・イズ・ゴーン
マーカス・ミラー

FIRST MEETINGファースト・ミーティング
テザード・ムーン

スペシャル・エディションSPECIAL EDITION
ジャック・デジョネット

ユー・マスト・ビリーヴ・イン・スプリングYOU MUST BELIEVE IN SPRING
ビル・エヴァンス

ヴァイアティカムVIATICUM
e.s.t.(エスビョルン・スヴェンソン・トリオ)

STEP BY STEPSTEP BY STEP
ステップス

2424
DIMENSION

GANAESIAガネシア
渡辺香津美
カズミ・バンド

FOURPLAYFOURPLAY
フォープレイ

コンプリート・ピック・ヒッツ・ライヴPICK HITS
ジョン・スコフィールド

ニューポートの追想V.S.O.P.
ハービー・ハンコック

アス・スリーUS THREE
ホレス・パーラン

Manhattan StoryBLUE'S MOODS
ブルー・ミッチェル

AFRICAN PIANOOFF TO THE RACES
ドナルド・バード

AFRICAN PIANOAFRICAN PIANO
ダラー・ブランド

Manhattan StoryMANHATTAN STORY
アキコ・グレース

SPELLBOUNDSPELLBOUND
ジョー・サンプル

ランデヴーRENDEZ-VOUS
木住野佳子

RETURN TO FOREVERRETURN TO FOREVER
チック・コリア

BRAINBRAIN
上原ひろみ

イン・ラインIN LINE
ビル・フリゼール

ザ・サウンド・オブ・サマー・ランニングザ・サウンド・オブ・サマー・ランニング
マーク・ジョンソン

スインギン・マケドニアスインギン・マケドニア
ダスコ・ゴイコビッチ

タイム・スレッドTME THREAD
小曽根真 & ゲイリー・バートン

フルーツケーキFRUITCAKE
フルーツケーキ

THE DROPPERTHE DROPPER
メデスキ,マーチン&ウッド

Doin' SomethingDOIN' SOMETHING
ソウライヴ

SALT IISALT II
塩谷哲

Dance Your HeartDANCE YOUR HEART
Saya

地球は愛で浮かんでいる地球は愛で浮かんでいる
松永貴志
アンケートボードA

★当ブログについて望むことは?
アルバム単位で批評してほしい
同じ曲をテイク別に批評してほしい
多くのジャズメンを幅広く批評してほしい
一人のジャズメンを掘り下げて批評してほしい
超有名曲をもらさず批評してほしい
発売直後の新作を批評してほしい
初心者を意識したほんわかサイトにしてほしい
マニアを意識したニッチなサイトにしてほしい
オーディオについて批評してほしい



-Mini Vote-
アンケートボードB
How Much Is Your Blog Worth?

My blog is worth
$38,953.26

How much is your
blog worth?

最新コメント
Copyright (C) 2005-2019 アドリブログ All Rights Reserved.