アドリブログ 〜JAZZ/FUSION批評〜

ジャズ/フュージョン批評ブログ CD, DVD, ALBUM REVIEW, TRACK REVIEW and more

2007年05月

NHK教育 / 知るを楽しむ 私のこだわり人物伝 / マイルス・デイビス 帝王のマジック

マイルス・デイビス 帝王のマジック 昨夜が最終回でしたが,今月中(2007年5月),NHK教育にて「知るを楽しむ 私のこだわり人物伝 / マイルス・デイビス 帝王のマジック」が放送されました。

第1回 「お坊っちゃまとジャズの革命」
第2回 「『帝王という名の王子様』の誕生」
第3回 「帝王の危機/王子の変身」
第4回 「『セレブ』としての晩年」
     の全4回。

 一人のジャズメンが1ヶ月間シリーズで取り上げられる機会は少ないので,放送開始前から楽しみにしていたのですが…。全4回中2回しか見ることができず…。完全な気合い負けです。
 半分しか見ていませんし テキスト が出版されているので(←NHK教育らしい),番組内容の詳細はそちらを見ていただくこととして…。

 やはりマイルス・デイビスこそ“ジャズの帝王”である! そう断言できる理由こそ,この放送の結びに紹介された,マイルス・デイビス自身が語る“音楽哲学”にある。
 『俺の古いジャズが聴きたいのなら,レコードを聴いてくれ! 創造し続けようと思う人間には変化しか有り得ない。人生は変化であり,挑戦だ!』。

 ジャズの4つの“王道”スタイル=クールハード・バップモードフュージョンを創り上げ,王道には成り得なかったが「ポップ・カルチャー」であるクラブ・ミュージックラップへの傾倒を見せたマイルス・デイビスこそ,常に“時代の最先端”であることを求め続けたジャズ・ジャイアントである。
 そう。停滞は後退に等しい! 常に前進し続けるために「破壊神」となり,ビルド・アンド・クラッシュを繰り返した。

 マイルス・デイビスの死と共に,ジャズの進歩は緩やかなものとなってしまった。そう。確かにジャズは進歩を続けている。今だマイルス・デイビスの影響下にあって,マイルス・デイビスが残した大きな遺産を食いつぶしながら…。

アキコ・グレース / 東京 / 春咲小紅4

 『TOKYO』の3曲目は【春咲小紅】。


 【春咲小紅】は,ご存知・矢野顕子の大ヒット曲。小学生の頃,オリジナルを相当聞いてしまったことと,ジャズにアレンジされた【春咲小紅】とは初対面だったので,一聴した程度では,なかなか“しっくり”こなかった。
 それが今では…。【春咲小紅】は,いつの日か「ジャズ・スタンダード」と呼ばれる日が来るのでは,と肩入れしている。アドリブの自由度は高いし,リズムがクリエイトする。名曲であろう。

 【春咲小紅】を名曲に“仕立て上げた”のが,アキコ・グレースの成せる技! なかなか“しっくり”こないので,これは“駄作”とあきらめ聴き流していたが,ふと「いいフレーズ」と思い,CDクレジットに目をやると【春咲小紅】だった,という経験を何度も味わった。
 そう。矢野顕子の【春咲小紅】をイメージすると駄作であるが,原曲を無視して,アキコ・グレースピアノ・トリオとして聴くと,俄然,耳に飛び込んでくる! 『ジャズに名曲なし,名演あるのみ』の名言が脳裏をよぎる。

 実際に原曲の“跡形”はほんのわずか。ただし,クライマックスでテーマが鳴り出す進行表が「ジャズ・スタンダード」っぽいのである。例えば3分47秒で安心していると3分50秒からの“4連発”はジャズ・ピアノの“王道”であろう。

 “和”のテイスト全開のアドリブがどれもいい。個人的には“地味”ではあるが,47秒からのイントロを6分30秒のアウトロでパワーアップして聴かせる「リズムの連打」が好みである。

AKIKO GRACE : Piano
KIYOTO FUJIWARA : Bass
TAPPY IWASE : Drums

DIMENSION / 11TH DIMENSION “KEY” / SOMEDAY5

 『11TH DIMENSION “KEY”』の3曲目は【SOMEDAY】。


 【SOMEDAY】は“甘~い”ミディアム・ナンバー。雄大でスケール感ある“懐の深い”ギター・サウンドに,力みのかけらもないアルト・サックス本来の音色が溶けあっていく!
 これぞ,エレクトリックなのにアコースティック! DIMENSIONには数少ない“牧歌的”トラックが,じわじわと胸に染みる,例の“アレ”である。

 【SOMEDAY】は『KEY』のコンセプトを“地”でいく,サラリとした梅酒であるが,例えば1分58秒からの増崎孝司ディストーション・ギターには“ディメ本来の香り”がプンプン漂っている。そう。香りを楽しむブランデーである。

 2分58秒と3分3秒で2回登場する小野塚晃の“コロコロ”アクセントが実に気持ちよく(鼻に舌に喉に)耳に残る。その後,3分17秒までの3人の一連の流れがもう最高! 新境地を開拓しきった3人の“笑顔”が音を通して伝わってくる。それがうれしくて,このパートばかり繰り返し聴いたものである。
 【SOMEDAY】と言えば,管理人にとっては,CDプレーヤーの「A-Bリピート」が大活躍した,想い出の一曲である。

DIMENSION
TAKASHI MASUZAKI : Guitars
AKIRA ONOZUKA : Keyboards & Programming
KAZUKI KATSUTA : Alto Saxophone

GUEST MUSICIAN
NOBUO EGUCHI : Drums
 

ナニワ・エキスプレス / MODERN BEAT / K-BONE SHUFFLE4

 『MODERN BEAT』の7曲目は【K−BONE SHUFFLE】(以下【Kボーン・シャッフル】)。


 【Kボーン・シャッフル】は,イントロから“グイグイ”押し続ける,清水興チョッパー・ベース東原力哉ドラミングがハイライト!
 ギターが来ようがキーボードが来ようが,一向におかまいなし。フロント陣のバッキングに回ろうとも,ベース太鼓を“叩き”続けていく! この音バランスでは,どちらがソロイストか判別不能である。

 清水興チョッパー・ベースが忙しい。正確な高速ビートを刻みつつ“合いの手で”リードをも取っていく。
 東原力哉バス・ドラムが沸き立っている。特に42秒からのギター・ソロと2分49秒からのWキーボード・ソロのバックで脈打つ,重低音。

 この黄金のリズム隊をバックに,好き放題唄える,岩見和彦は「幸せな男」である。
 2分21秒からの「雄叫び」は間違いなく,岩見和彦が“ギター・ヒーロー”のTOPへと昇りつめたドキュメントである。

NANIWA EXPRESS
RIKIYA HIGASHIHARA : Drums
KOH SHIMIZU : Electric Bass
KAZUHIKO IWAMI : Electric Guitars
MAKOTO AOYAGI : Keyboards, Piano, Tenor Saxophone
KENJI NAKAMURA : Keyboards

アントニオ・カルロス・ジョビン / イパネマの娘 / THE GIRL FROM IPANEMA4

 『THE COMPOSER OF DESAFINADO, PLAYS』の1曲目は【THE GIRL FROM IPANEMA】(以下【イパネマの娘】)。


 まず,念のため断わっておくが『THE COMPOSER OF DESAFINADO, PLAYS』は,アントニオ・カルロス・ジョビンの「自作自演」だからと言って,ジョビンに演奏家として,つまりピアニストとして,あるいはギタリストとして,ジャズメン並みの演奏を求めてはならない。

 そう。アントニ・カルロス・ジョビンの演奏は総じて「伴奏」である。メロディ・ラインに“酔いしれる”べきであって,アドリブを期待してはならない。
 極論を言えば,アドリブはメロディ・ラインをいかに“崩すか”! アドリブジョビンの敵?なのである。

 さて【イパネマの娘】であるが,このジョビン自演のトラックは『ゲッツ/ジルベルト』で有名な【イパネマの娘】の魅了を大いに補完してくれる。
 『THE COMPOSER OF DESAFINADO, PLAYS』でのリード・ボーカルは,レオ・ライトフルートである。

 「ピー,ヒャラピー♪」と鳴る,ピアノとのユニゾン主旋律は,ずっとボーカルを真似できないゆえの「特別なフルート・バージョン」だと思っていたのだが,ふと『ゲッツ/ジルベルト』の【イパネマの娘】を聴いていてビックリ!
 あった! 3分47秒から4分16秒までが“隠れ”メイン・テーマだったとは…。【イパネマの娘】は実に奥深い。

ANTONIO CARLOS JOBIM : Piano, Guitar
CLAUS OGERMAN : Orchestra Arrangement, Conductor
JIMMY CLEAVELAND : Trombone
LEO WRIGHT : Flute

アントニオ・カルロス・ジョビン / イパネマの娘4

THE COMPOSER OF DESAFINADO, PLAYS-1 管理人の考える最高の音楽とは,最高のプロデュサーが最高の作詞家+最高の作曲家+最高の編曲家+最高のプレイヤーを一同に集め,意思の疎通を図りながら造られたものだと思っている。

 そう。各分野の頂点を極める人々が,自分の能力を最大限同じベクトル上に発揮したもの。言わば「一枚岩での完全分業制」である。
 ただしこれは理想に過ぎない。現実には有り得ない。そこで次の選択肢はシンガー・ソング・ライター。自作自演であれば分業制最大のネックである「意思疎通の欠如」は解消されてしまう。

 『THE COMPOSER OF DESAFINADO, PLAYS』(以下『イパネマの娘』)は,ボサノヴァの“産みの親”=アントニオ・カルロス・ジョビンの自作自演集!
 ボサノヴァ界“最高の作曲家”が,自身のピアノギターによって(最高ではないかもしれないが)自分の頭の中のイメージを表現してみせる!
 これぞ“聞き物”であろう。何と言ってもアントニオ・カルロス・ジョビンこそ「ボサノヴァ」という,新たな音楽ジャンルをゼロから造り上げた最重要人物! 「ボサノヴァ」という新たな音楽が誕生した瞬間の感動を味わうことができる,かも?

 さて,ボサノヴァとは1950年代後半から60年代前半に全世界を席巻した“ブラジル産ジャズ・サンバ”! 勿論,今となってはブラジル音楽の“懐メロ”であろうが“懐メロ”は息が長い! 時代を超え国境を越え,全世界の音楽ファンに親しまれ愛され続けてきた。
 「歌は世につれ,世は歌につれ」=古賀メロディ。そう。アントニオ・カルロス・ジョビンは“ブラジルの古賀政男”なのである。 ←ジョビン・ファンの皆さん,ごめんなさい。ここはカッコつけて,ジャズ・スタンダードの名作曲者たち,ビクター・ヤングコール・ポーター,はたまたジョージ・ガーシュウィンならいいですか?

 “ブラジルの古賀政男”説は置いといて…。『イパネマの娘』はクラウス・オガーマンオーケストラストリングスと共演した完全インスト! 否が応でもアントニオ・カルロス・ジョビンの“天才メロディ・メーカーぶり”が際立つCDである。

 やはりメロディ・ラインが美しい。繊細でしなやかで「淡い音」。しかしその中に複雑なコード進行が微妙に散りばめられている。これが「ボサノヴァ」の真骨頂である。無意識のうちに,笑顔&笑顔! 自然と笑顔がほころび,ジョビンのメロディを“口ずさんでいる”自分に気付く。
 やはりボサノヴァのルーツは“ジャズ・サンバ”である。海岸でみんなで“ワイワイ”バーベキュー&ビーチバレーのBGM! いやブラジルと言えばコーヒーでしょ? スタバでのアイス・ラテ飲むBGM? いやいや,えっと,そして…。

THE COMPOSER OF DESAFINADO, PLAYS-2 もうそんなことはどうでもいいじゃないですか? そもそも音楽を活字で表現するなんて無理なんだから…。
 耳をソバダテCD批評などバカバカしい!? やってらんない!?

 さぁ,今すぐ,外の陽射しを思いっきり楽しみましょう。読者の皆さんもPCの電源を落として,管理人と一緒に散歩しましょ? 大切なのは“LOVE&PEACE”! ただそれだけ…。

 こんな“フヌケ男”にさせてしまう『イパネマの娘』が,アントニオ・カルロス・ジョビンが,そしてボサノヴァが大好きである。

PS 冒頭の硬派路線=最高の音楽の話はどこに行ったんでしょうねっ。

  01. THE GIRL FROM IPANEMA
  02. AMOR EM PAZ
  03. AGUA DE BEBER
  04. DREAMER
  05. FAVELA
  06. INSENSATEZ
  07. CORCOVADO
  08. ONE NOTE SAMBA
  09. MEDITATION
  10. JAZZ SAMBA (SO DANCO SAMBA)
  11. CHEGA DE SAUDADE
  12. DESAFINADO

(ヴァーヴ/VERVE 1963年発売/UCGU-7038)
(☆SACDハイブリッド盤仕様)
(ライナーノーツ/ドン・セルリ,オノ・セイゲン)

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ソニー・ロリンズ / ウェイ・アウト・ウエスト / COME, GONE (ALTERNATE TAKE)5

アナログレコード

 『WAY OUT WEST』の8曲目は【COME, GONE (ALTERNATE TAKE)】(以下【カム・ゴーン(別テイク)】)。


 【カム・ゴーン(別テイク)】を聴いてみて,読者の皆さんは何を感じるのだろうか?
 ソニー・ロリンズを愛し,聴き込み,20余年。しかし何年聴き続けようとも,ただ,すご〜い,と口ポッカ〜ンである。

 ソニー・ロリンズの名演は腐るほどあるが,強いて挙げれば【セント・トーマス】か【モリタート】かなぁ? でもでも,管理人は5回に1回は【カム・ゴーン(別テイク)】と答えてしまう。すっかり【カム・ゴーン(別テイク)】に“魂抜かれて”しまっている。
 全てにおいて凄すぎる! テナー・タイタン=ソニー・ロリンズここにあり!である。貫禄のトラック!

 【カム・ゴーン】の項でも書いたが【カム・ゴーン(別テイク)】は,長尺ゆえ,ますます解説不能。1秒1秒が聴き所だから,もう収拾がつかない。
 “好き”に理由などはない。自分でも何で“好き”なのか分からなくなってしまうから,これ以上の突っ込み禁止です。もう大・大好き! 隠れ名演NO.1である。

CD視聴(試聴)・購入はジャケット写真から

SONNY ROLLINS : Tenor Sax
RAY BROWN : Bass
SHELLY MANNE : Drums


WAY OUT WEST
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TVCM / 矢野沙織 / ASIENCE(アジエンス)


 ついにこの日がやってきました。矢野沙織,待望のデビュー! そう。TVCMのお話。
 「アドリブログ」“一押し”の矢野沙織ちゃんが,チャン・ツィイー(ハリウッド女優),知花くらら(2006ミス・ユニバース),ワン・チーミン(バレリーナ)と肩を並べました! そう。あくまでTVCMでのお話。 ← クドイ?

 「アジアン・ビューティ」のキャッチ・コピーで有名な花王のヘアケア用品『ASIENCE(アジエンス)』のイメージ・キャラクターに矢野沙織が選ばれました。
 以下,矢野沙織・オフィシャル・ウェブサイトからの抜粋。「内面を磨くことでほとばしる個性や才能がアジアン・ビューティのキーワード。ジャズを通じて,その個性と才能を発揮してきた矢野沙織と『ASIENCE(アジエンス)』との出会いはまさに自然の成り行きだった…」。なになに,ホホォ。大きくでたなぁ。

 でも,近年ビジュアル面でも成長著しいのは,確かに感じ取れる。いつまでも“天才少女”じゃいられない? 沙織ちゃんもオンナになったってことで…。
 5月14日から放送されていますので,すでに“ぎこちなさ&無表情がクールな”生・沙織を目にした方も多いのでは?

 おっと,ジャズ・ファンなら,目にしたではなく「耳にした」ですよね? そう。TVCMの演奏シーンで矢野沙織が吹いているのはCMのために書き下ろされた新曲【I&I】!
 この【I&I】は,6月20日にマキシ・シングルとしてリリースされるとのことです。CM撮影時のメイキング映像もCD−EXTRAとして収録されるとのこと。要チェック!

PS 管理人も『ASIENCE(アジエンス)』使っています。

伊東 たけし / T.K. / PLACEBO4

 『T.K.』の5曲目は【PLACEBO】(以下【プラシーボ】)。


 【プラシーボ】の聴き所は,フィリップ・セスの「バランス感覚」!
 誰かが傑出することはないが,全てがB級かと言うととんでもない。全てのプレイヤーの良いところが“つまみ喰い”できてしまう。言わば「幕の内弁当」的な一曲!

 印象的なリズムはフィリップ・セスドン・アライアスが創り出す生+電化のグルーヴ! ここにメロディー・ラインが絡み合う。
 普段なら聞き流してしまうボーカルシンセも【プラシーボ】には必要不可欠! 全て揃って「幕の内弁当」の完成である。

 伊東たけしは,このトラックで垣間見せるフィリップ・セスの非凡な才能に期待したのだろう。伊東たけしアルト・サックスが輝いている!
 バックに回ってもシンセを引っ張るハイ・トーン! アドリブ・タイムは2パターン。1分33秒からのブローと1分59秒からの伸びやかなソロとでは趣が異なるが,どちらも際立った存在感で,どことなくデヴィッド・サンボーンを彷彿させてくれる。 ← お世辞抜きに「賛辞」を送ります。

TAKESHI ITOH : Alto Sax
PHILIPPE SAISSE : Keyboards, Synthesizers and Programming
DON ALIAS : Percussion
LANI GROVES : Lead Vocal
CURTIS KING and RANDY FREDRIX : Additional Vocals
LANI GROVES and LISA FISCHER : Background Vocals

山中 千尋 / ラッハ・ドッホ・マール / ONE STEP UP5

 『LACH DOCH MAL』の7曲目は【ONE STEP UP】(以下【ワン・ステップ・アップ】)。


 【ワン・ステップ・アップ】は,とにかく凄い,大迫力! このトラックは“低音をブイブイ吹かせて”フェンダー・ローズを乗りこなす山中千尋の“峠越え”!
 急カーブがこようとも,減速せずに攻めまくる! そうとしか【ワン・ステップ・アップ】を批評する言葉が見つからない。

 リズム・チェンジを多用したコード進行をベースに,リズミックなフェンダー・ローズが“大爆発”。あえて歪ませた音色が“ブルージー”を演出している。そう。この熱気は,紛れもない“ハード・バップ”である。
 56秒からの山中千尋アドリブは一人二役。ピアニスト&ホーン奏者と化している。この音域はバリトン・サックスである。重低音がウーハーづたいに“うねっている”。

 ラリー・グレナディアベースジェフ・バラードドラムもお見事! 「跳ね馬」=フェラーリを乗りこなす「じゃじゃ馬・ちーたん」をジャズという囲いの中に収めることができたのは,名手2人のジャズ・ワークの賜物による。
 特にジェフ・バラードの緩急の利いたドラミングが,どこか遠くへイッテシマッタ? 山中千尋に代わって【ワン・ステップ・アップ】の主旋律を奏でている。素晴らしい。

CHIHIRO YAMANAKA : Piano
LARRY GRENADIER : Bass
JEFF BALLARD : Drums

ジョン・コルトレーン / バラード / WHAT'S NEW4

アナログレコード

 『BALLADS』の6曲目は【WHAT’S KNEW】(以下【ホワッツ・ニュー】)。


 J.C.トーマス著書『コルトレーンの生涯』に次のような談話が収められている。
 「私の声は歌には向いていない。もっともサキソフォンでなら歌うことができる…つもりだが」。

 ボーカルものの名演で知られる【ホワッツ・ニュー】だが,実は多くのジャズメンが,サックスなりピアノなりで歌っている。
 その中にあって,ジョン・コルトレーンの【ホワッツ・ニュー】はピカイチ! 先の談話は本当である。

 アドリブが多く,原曲のメロディーはテーマ以外にほとんどでてこない。“裏メロを奏でる”マッコイ・タイナーのサポートがなければ【ホワッツ・ニュー】だと判別できない人も多いのでは?
 でも,それでも【ホワッツ・ニュー】に聞こえてしまうから不思議である。そう。ジョン・コルトレーンがアドリブ一本,テナー・サキソフォンで歌っている! このトラックこそ,コルトレーン流「歌もの」の完成形である。

 2分56秒からの「ハスキー・ボイス」から,一転して3分3秒までの「舌回し」が,ボーカリストジョン・コルトレーン・オリジナルの“美声”である。

CD視聴(試聴)・購入はジャケット写真から

JOHN COLTRANE QUARTET
JOHN COLTRANE : Tenor Sax
McCOY TYNER : Piano
JIMMY GARRISON : Bass
ELVIN JONES : Drums


Ballads
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小曽根 真 ザ・トリオ / ファースト・ディケイド / THREE WISHES5

 『FIRST DECADE』の3曲目は【THREE WISHES】(以下【スリー・ウィッシズ】)。


 【スリー・ウィッシズ】は,ジャズ・ピアニスト小曽根真が,ピアノではなく“サックスをいかに鳴らすか”をテーマに書き上げた,スリリングなグレート・ジャズ
 そして,ここまで見事に仕上げたことから推測すると,作曲時に単なる“サックス”ではなく“マイケル・ブレッカーテナー・サックス”を具体的にイメージした,と言い切ってもいい!

 【スリー・ウィッシズ】は,マイケル・ブレッカーカルテットの音である! 主役は間違いなく,マイケル・ブレッカーテナー・サックス! 1分48秒からの“熱唱”は,現代の「テナー・タイタン」そのものであろう。
 今回は裏方に回った小曽根真のサポートが実に素晴らしい。とても初共演とは思えない“絶妙な絡み具合”である。見事にマイケルの音色に“厚みと変化”を加えている。

 これには秘密がある。キーマン=ジェームス・ジーナスの存在である。そう。ジェームス・ジーナスは,元ブレッカー・ブラザーズベーシスト! 小曽根真の個性もマイケル・ブレッカーの個性も知り尽くしている“彼だからこそできた”見事な橋渡し!
 ベースで会話し,二人のアドリブを同じ方向にリードしている。
 
 最後にこれだけは言い添えておくが,小曽根真アドリブが凄い! 3分12秒からの“キレまくった”ピアノは,そうめったに聴けるものではない“上物”である。
 聴き初めは“テナーの大迫力”ばかりに耳が行く【スリー・ウィッシズ】であるが,聴き込むうちに小曽根真ピアノに惹かれるようになる。そう。自分の内で生じる「感動バロメーターの変化,好みの変化」を実感できるのが,たまらない! 快感! 次は,読者の皆さんも…。

THE TRIO
MAKOTO OZONE : Piano
JAMES GENUS : Bass
CLARENCE PENN : Drums, Percussion

Special Guest
MICHAEL BRECKER : Tenor Saxophone

NHK-FM / 今日は一日『ジャズ』三昧 / あなたにとってのジャズ・ミュージシャン TOP5

今日は一日『ジャズ』三昧 昨日,NHK−FMにて「今日は一日『ジャズ』三昧」なる特別番組が放送されました。
 「こどもの日」に『ジャズ』三昧とは,実にいかしています。やはり日本は「世界一のジャズ大国!」を実感いたしました。

 「今日は一日『ジャズ』三昧」は「マイ・フェイバリットジャズ」をテーマに,リスナーからのリクエストに応える12時間番組。
 児山紀芳と沢知恵のナビゲーションにより,いかにもNHK−FMらしい“空気感”が充満していました。良かったです。

 さて,この番組の売りの一つが,リクエスト総数ではなく好きなジャズメン別ランキング(NHK−FMでは初の試みらしい)=「あなたにとってのジャズ・ミュージシャン TOP5」!
 管理人は投票しませんでしたが,集計に困難を極めるほど大量の投票が寄せられたとのことです。恐るべし「世界一のジャズ大国!」。
 ハッキリ言って“便乗企画”ではありますが,TOP5の発表は午前0時から1時までの深夜帯でしたので,聞き逃した方も多いのでは? という勝手な親心で,以下ランキングの大発表!
 (オンエア曲は番組スタッフによるベスト・トラック・セレクションであり,ランキング結果とは無関係です)。

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枯葉★5.枯葉
キース・ジャレット


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モーニン★4.モーニン
アート・ブレイキー


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ライヴ・アット・バードランド★3.アフロ・ブルー
ジョン・コルトレーン


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ワルツ・フォー・デビイ★2.ワルツ・フォー・デビイ
ビル・エヴァンス


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Milestones★1.マイルストーンズ
マイルス・デイビス


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 やっぱり“帝王”マイルス・デイビス! マイルス・デイビスの凄いところは,自身が1位なのは当然だとして,ビル・エヴァンスジョン・コルトレーンキース・ジャレットの3人も,かつて自身のバンド・メンバーだったこと! 5人中4人を独占するとは,あの音楽眼こそ,正しくモダン・ジャズ史上NO.1である。

 それにしても6位以下のランキングが気になって,番組終了後も眠れませんでした。いつの日か…。

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チャーリー・パーカー / ナウズ・ザ・タイム / THE SONG IS YOU5

 『NOW’S THE TIME』の1曲目は【THE SONG IS YOU】(以下【ザ・ソング・イズ・ユー】)。


 【ザ・ソング・イズ・ユー】は,あれよあれよという間に,人混みをかき分けて,一人遠くでニヤリと振り返る…。
 そんな?“身のこなしの軽い”チャーリー・パーカーが聴ける。俊敏な高速ドリブラー登場である。

 このスルスルと気持ちよく時間を先取りして“ノッカる様”は,チャーリー・パーカーにしか出来ない芸当! 【ザ・ソング・イズ・ユー】は歌ものゆえ,ここはサラッと吹ききっているが,微妙に外したノリがもろジャズである。

 とめどなく繰り出されるアドリブが実にナチュラル。恐らく頭で考える以前に勝手に指が動いてる。天才の証しである。
 イントロなし&アウトロなしの“ぶった切り”も,古き良き時代のビ・バップらしさを味わわせてくれる。

CHARLIE PARKER : Alto Saxophone
HANK JONES : Piano
TEDDY KOTICK : Bass
MAX ROACH : Drums

イエロー・ジャケッツ / ポリティクス / HELIX4

アナログレコード

 『POLITICS』の7曲目は【HELIX】(以下【ヘリックス】)。


 【ヘリックス】は“超クール”なジャズ・ナンバー! そこへフュージョン特有の“キメ”が入ってくるからたまらない。これこそイエロー・ジャケッツの“新・お家芸”! いい。

 冒頭から続くテーマが素晴らしい。一音でリスナーの耳を釘付けにしてしまう,この緊張感がヤバイ。
 やはりイエロー・ジャケッツは,ラッセル・フェランテキーボードでできている。このアコースティックとエレクトリックの絶妙な調合具合が,イエロー・ジャケッツの“個性”である。

 …と,褒めちぎりたいところであるが,熱烈なファンとしては,ここまで完成度が高いとさらなる高みを求めてしまう。つい欲がでてしまう。
 例えば1分15秒からのピアノ・ソロ。ここはもっと“がっつり”きてほしかった。

 “無いものねだり”でもう一つ。3分10秒からのマーク・ルッソアルト・ソロ。このアルト・サックスの音色は,疑似ソプラノである。いや,疑似ウェイン・ショーターと言ってもいい。
 どうせ“疑似ショーター”するのなら,ソプラノではなく,テナー・サックスしてほしかった。以上。

CD視聴(試聴)・購入はジャケット写真から

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JIMMY HASLIP : 5-STRINGS BASS
MARC RUSSO : SAXOPHONE
WILLIAM KENNEDY : DRUMS

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SPELLBOUNDSPELLBOUND
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ランデヴーRENDEZ-VOUS
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RETURN TO FOREVERRETURN TO FOREVER
チック・コリア

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