アドリブログ 〜JAZZ/FUSION批評〜

ジャズ/フュージョン批評ブログ CD, DVD, ALBUM REVIEW, TRACK REVIEW and more

2007年12月

マーカス・ミラー / シルヴァー・レイン / GIRLS AND BOYS4

 『SILVER RAIN』の11曲目は【GIRLS AND BOYS】(以下【ガールズ・アンド・ボーイズ】)。


 「ボーイズ・アンド・ガールズ」ではなく【ガールズ・アンド・ボーイズ】なのがミソ! そう。ガールズメイシー・グレイアンド・ボーイズマーカス・ミラー・スーパー・バンドの順番であって,よくある“フィーチャリング”とは趣きが異なる。

 管理人にとってメイシー・グレイは【ガールズ・アンド・ボーイズ】が初体験。最初に聞いた時には,子供の声? 楽器っぽい? 唯一無二の歌声に「女性版・アル・ジャロウ」をイメージした。
 1分47秒から1分58秒までの「アゥアゥ」がいい! 「鶴の一声」ならぬ「メイシー・グレイの一声」で,あのマーカス・ミラー・スーパー・バンドが“喰われてしまう”。末恐ろしいボーカリストが登場してきたものである。

 そのメイシー・グレイが,唯一ソロイストとして認めた証し? 3分45秒で“サクソフォン”とアナウンスされるケニー・ギャレットアルト・サックスが素晴らしい! ケニー・ギャレットアドリブも,メイシー・グレイに負けず劣らず「一声」で“場の空気”を支配している。

CD視聴(試聴)・購入はジャケット写真から

MACY GRAY : Vocals
MARCUS MILLER : Bass Guitar, Organ, Guitar, Bass Clarinet, Fender Rhodes
KENNY GARRETT : Alto Sax Solo
RONALD BRUNER : Drums
DEAN BROWN : Guitar
PATCHES STEWART : Trumpet
ROGER BYAM : Tenor Sax


SILVER RAIN
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ブログ解析 MyBoo

ブログ解析 MyBoo 「アドリブログ」って,どんなブログ? そう尋ねられたら明日からはこう答えよう。「清く,かしこまっている感じがにじみ出ている」ブログです。

 ウソだと思うなら“どんな気持ちで,どんな話題が主なのか,知らない自分がわかる” 「ブログ解析 MyBoo」 に聞いてみてください。次回のブログ更新日まではそう答えてくれるでしょう。第三者話法を使ってみました。説得力UPのはず?

 アドリブをログするブログ,それがアドリブログ。
 いいえ。「清く,かしこまっている感じがにじみ出ているブログ」それがアドリブログ! こう答えるのが“高等テクニック”である。


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山中 千尋 / ラッハ・ドッホ・マール / RTG5

 『LACH DOCH MAL』の4曲目は【RTG】。


 ゴキゲン&ノリノリ! 【RTG】を“身体全体を揺らしながら”プレイしている山中千尋の姿が音から見えてくる!
 高速道路を一気に駆け抜けるかのような爽快感! このテクニックにしてこのアドリブ! 山中千尋はアイドルではなく,超一流のジャズ・ピアニストである。全てのジャズ通をも“唸らせる”大熱演である。

 テーマを挟んで,32秒から3分7秒まで続く山中千尋の“ロング・スパート”がジェリ・アレンをも置き去りにする!
 途中,2分40秒でレイコンマ5秒ほど小休止する以外は,延々と高速フレーズが持続している。驚異的な体力である。正直,息を吸い込む暇がない。

 さて,山中千尋の快演を陰で支えるラリー・グレナディアジェフ・バラードの最強リズム隊は“やっぱり”凄かった! あの高速アドリブにも遅れることなく密着マーク! ACミランのマルディーニとネスタである。

CHIHIRO YAMANAKA : Piano
LARRY GRENADIER : Bass
JEFF BALLARD : Drums

チャールス・ロイド / フォレスト・フラワー / FOREST FLOWER - SUNSET5

 『FOREST FLOWER』の2曲目は【FOREST FLOWER − SUNSET】(以下【フォレスト・フラワー,日没】)。


 【フォレスト・フラワー,日没】は【フォレスト・フラワー,日の出】との組曲! 叙情的でドラマティックで牧歌的! 次の時代を先取りした“フワフワとした浮遊感”漂う大作である。

 【フォレスト・フラワー,日没】の聴き所は“やっぱり”キース・ジャレット! 華麗で壮大で幻想的なフレーズが“とめどなく沸き出てくる”。まさに「アドリブの泉」「創造の宝庫」である。

 そんな中,3分20秒からのフレーズは,チック・コリアの『リターン・トゥ・フォーエヴァー』の【ホワット・ゲーム・シャル・ウィ・プレイ・トゥディ】を連想してしまう。
 そう。チック・コリアに“先んじた”キース・ジャレット! そう聴こえてしまうのは管理人だけ?

 7分50秒から,いよいよ【日没】となるのだが,太陽と地平線の傾き具合をキース・ジャレットが一人で演出してみせる。8分35秒からのピアノのバッキングでついに太陽は姿を消し,8分58秒からの“鐘の音”を合図に【フォレスト・フラワー】が花開く!
 この組曲における演奏スタイルが,後の「完全即興」への布石とも読み取れる。比類なき圧倒的才能を顕わにしている。

 ところで【フォレスト・フラワー,日没】には,モンタレイ・ジャズ・フェスティヴァル特有の“ハプニング”が記録されている。
 このモンタレイの会場,どうやら近くに飛行場があるらしく,キース・ジャレットのソロが始まる直前まで大きなプロペラ音が…。
 でもこれが「ナイスな演出」に思えて,毎回微笑んで(ニヤついて)しまう。プロペラ機を“露払い”とするあたり,さすがは天下のキース・ジャレット

 またしてもキース・ジャレットについてばかり書いてしまったが【フォレスト・フラワー,日没】についてこれだけは補足しておく。
 エンディングでのセシル・マクビーベースソロが“かなりいい感じ”ですよっ。

CHARLES LLOYD : Tenor Sax, Flute
KEITH JARRETT : Piano
CECIL McBEE : Bass
JACK DeJOHNETTE : Drums

チャールス・ロイド / フォレスト・フラワー / FOREST FLOWER - SUNRISE5

 『FOREST FLOWER』の1曲目は【FOREST FLOWER − SUNRISE】(以下【フォレスト・フラワー,日の出】)。


 【フォレスト・フラワー,日の出】は【フォレスト・フラワー,日没】との組曲! 叙情的でドラマティックで牧歌的! 次の時代を先取りした“フワフワとした浮遊感”漂う大作である。

 【フォレスト・フラワー,日の出】の聴き所は“やっぱり”キース・ジャレット! 1分17秒からのピアノのフィルイン。ほんのレイコンマ何秒が聞こえただけで,金縛りにあってしまう!

 このピアノの衝撃波を聴衆も感じ取ったのであろう,キース・ジャレットアドリブからわずか数秒で“自然発生的”に拍手が沸き起こっている。「よっ,待ってました。大統領!」のノリである。
 こんなピアニストって,キース・ジャレット以外にいやしません。

 キース・ジャレットの盟友=ジャック・デジョネットドラムが“元気ハツラツ”! 潮の満ち引きのごとく,寄せては返す“ナギ”のドラム・ウェーブ。4分54秒からのドラムソロは一転,荒海“シケ”のドラム・ウェーブ。“緩急自在”のドラミングが素晴らしい。

 チャールス・ロイドテナーサックスは,周囲の景色がどれ程激変しようとも,終始マイペース。まるで無重力の宇宙遊泳のごとく,最高のリズム隊が創り上げた「カヤック」に乗せられ,波と戯れ,潮の流れに身を委ねている。

CHARLES LLOYD : Tenor Sax, Flute
KEITH JARRETT : Piano
CECIL McBEE : Bass
JACK DeJOHNETTE : Drums

チャールス・ロイド / フォレスト・フラワー5

FOREST FLOWER-1 ジャズフュージョンを聴く楽しみの一つに“リーダー喰い”のサイドメンの名演がある。
 当然,ロックやポップスにも存在するのだが,その質と量において“リーダー喰い”は,ジャズフュージョンの専門特許! アドリブの「幅と長さと高さと深さ」が,他のジャンルの追随を許さない“自由奔放の極み”へと達しているからである。

 それで大方のジャズフュージョン・ファンは,気に入ったサイドメンの更なる名演を“漁る旅”へと出かけるようになるのだが,この手法には当然“ハズレ”が存在する。
 ほら,読者の皆さんの周りにも1人や2人はいるでしょう? 上の者にはズケズケ文句を言うくせに,いざ自分が責任者になった途端にシドロモドロ。部下には何にも指示できない人が…。
 しかし中には当然“当たり”も存在する。1度でも“大当たり”を引いてしまったが最期,サイドメンを“漁る旅”から2度と抜け出せなくなる“かっぱえびせん(♪やめられない,とまらない)”スパイラル! ジャズフュージョン中毒も“ホンマ物”であろう。

 さて,そんな管理人のとっておきの“大当たり”が,キース・ジャレットつながりで巡り会えた,チャールス・ロイドの『FOREST FLOWER』(以下『フォレスト・フラワー』)!

 そう。管理人の中では『フォレスト・フラワー』の主役はキース・ジャレットであって,チャールス・ロイドはサイドメン! 『フォレスト・フラワー』におけるキース・ジャレットの演奏が半端ない! 若さ溢れるキース・ジャレットの,あの圧倒的な爆発力と無鉄砲な荒々しさが物凄い!

 『フォレスト・フラワー』におけるキース・ジャレットアドリブは,キース自身のリーダー・アルバムでもなかなかお耳にかかれやしない。単なるリズム・セクションの枠を超え,まるでフロントのように歌いまくるキース・ジャレットの最高峰の1つ!

 キース・ジャレットというジャズ・ピアニストの辞書に「バッキングに徹するサイドメン」の文字など存在しない。そう。『フォレスト・フラワー』はキース・ジャレットの“若気の至り”が堪能できる「お宝」CDなのである。

 いや違う。「お宝」は「お宝」でも『フォレスト・フラワー』が「お宝」CDたる所以は,サイドメンであるチャールス・ロイドの“キース・ジャレット喰い”!
 そう。チャールス・ロイドの快演がキース・ジャレットピアノに割って入ってくる。どうしてもチャールス・ロイドテナーサックスに注意が向いてしまうのだ。

 理由は単純明快。『フォレスト・フラワー』は(実は)チャールス・ロイドのリーダーCDなのだから…。
 でも,同じカルテット編成のアメリカンヨーロピアンにおける,デューイ・レッドマンヤン・ガルバレクの2人のテナーサックスの音使いはピアノと明確に聴き分けることができるのだが…。ここが「チャールス・ロイド=最強のサイドメン説」の要点である!

 「チャールス・ロイド=最強のサイドメン説」は,管理人の強引な“こじつけ”などではない。ロイド・ファンの皆さんには辛口で申し訳ないと思うが,ウソ偽りなく述べよう。チャールス・ロイドが輝いていたのは,悲しいかな,キース・ジャレット在籍時の1966〜1969年の4年間だけなのだから…。

FOREST FLOWER-2 レヴューの結びに『フォレスト・フラワー』自体についても触れておこう。

 『フォレスト・フラワー』は,テナー奏者のチャールス・ロイドが,ピアノキース・ジャレットベースセシル・マクビードラムジャック・デジョネットという,超豪華“目も眩むような”リズム・セクションを率いた1966年のモンタレイ・ジャズ・フェスティヴァルにおけるライブ盤。

 当時流行の“フリー・ジャズのロック化”に違いないが,ラテンや4ビートを交えた“変幻自在”最新にして最高のリズム・セクションが,ロックの洗礼を受けた聴衆のハートをジャズの真髄=アドリブ勝負で“鷲掴み”した“サムシングな”大名盤

 『フォレスト・フラワー』は,ロイド・ファンとキース・ファン双方にとっての「必聴盤」である。

  01. FOREST FLOWER - SUNRISE
  02. FOREST FLOWER - SUNSET
  03. SORCERY
  04. SONG OF HER
  05. EAST OF THE SUN

(アトランティック・ジャズ/ATLANTIC JAZZ 1967年発売/WPCR-25117)
(紙ジャケット仕様)
(ライナーノーツ/ジョージ・アバキャン,大村幸則)

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デクスター・ゴードン / デクスター・コーリング / MODAL MOOD4

 『DEXTER CALLING...』の2曲目は【MODAL MOOD】(以下【モーダル・ムード】)。


 【モーダル・ムード】のタイトル通り,モード・イディオムを用いてはいるが,その中身はムードだけが“モード風”のハード・バップである。

 デクスター・ゴードンテナー・サックスは“モード風”などお構いなし? ハードなハードなバップ・テナー! 音色はいつも通りのアルト寄りの高音であるが,この音の厚みは「バップ・テナーの開祖」の名に相応しい。エモーショナルなフレーズが音に優しさを添えており,そこが一服の清涼剤! 聴き手をいつも飽きさせない。

 特筆すべきはフィリー・ジョー・ジョーンズドラムス! ハイテンションなドラミングが終始続いていたはずなに,4分13秒からの大盛り上がりで「まだこんな演出が用意されていたのか?」と驚嘆させてくれる。フィリー・ジョー・ジョーンズドラミングが,やはり【モーダル・ムード】は“モード風”のハード・バップであることを証明している。

DEXTER GORDON : Tenor Sax
KENNY DREW : Piano
PAUL CHAMBERS : Bass
PHILLY JOE JONES : Drums

ソニー・クラーク / クール・ストラッティン / DEEP NIGHT5

アナログレコード

 『COOL STRUTTIN’』の4曲目は【DEEP NIGHT』(以下【ディープ・ナイト】)。


 【ディープ・ナイト】にこそ“日本人が愛した”ソニー・クラークの魅力が全て詰まっている。そう。マイナー調を基本に「軽快なノリと深み」が同居している。

 中盤でこそアート・ファーマージャッキー・マクリーンが絡んでいるが,フロント2管の出入りがスムーズなせいか,基本的にはピアノ・トリオの印象が強い。それもこれも前テーマと後テーマの出来が良い証拠である。

 56秒からのソニー・クラークアドリブには“突然世界が明るくなった”感がある。視界良好! メリハリの効いた軽快なタッチに,毎回唸らされてしまう。“ワビサビ”の潜在意識を直撃するこの演奏,きっと日本人なら大好きだと思う。

 そして忘れてならないのが,ソニー・クラークの魅力を何倍にも増幅させて聴かせる,アート・ファーマートランペット・ソロとジャッキー・マクリーンアルト・ソロ! フロント2管の印象が薄いと書いたが,正確にはピアノ・トリオに“溶け込み・馴染んだ”アドリブが“じわりじわり”効いている!

CD視聴(試聴)・購入はジャケット写真から

SONNY CLARK : Piano
ART FARMER : Trumpet
JACKIE McLEAN : Alto Sax
PAUL CHAMBERS : Bass
“PHILLY”JOE JONES : Drums


Cool Struttin'
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エリック・ドルフィー / アット・ザ・ファイブ・スポット Vol.1 / FIRE WALTZ5

 『ERIC DOLPHY AT THE FIVE SPOT,VOL.1』の1曲目は【FIRE WALTZ】(以下【ファイアー・ワルツ】)。

 
 歴史的名演として名高い【ファイアー・ワルツ】は,エリック・ドルフィーの“神業”について語られることが多いが,ブッカー・リトルマル・ウォルドロンアドリブも負けず劣らず超強烈!
 3人の“果たし合い”的なアドリブの応酬合戦にとりこにされてしまう。

 【ファイアー・ワルツ】の代名詞であるエリック・ドルフィーの“驚愕の”アドリブは,終始全速力! 一瞬たりとも聴き逃せないがマニアとしては2分38秒から41秒の“夢の”フレーズを推す!

 5分17秒からのブッカー・リトルの白熱のトランペットや,9分29秒からのマル・ウォルドロンの力業のピアノは【ファイアー・ワルツ】以外では,なかなかお耳にかかれないのでは? そういう意味でも真に歴史的な名演であろう。

 3人が最高のアドリブを繰り出すと,こうも激しいジャズが完成するものなのか? NO! 微妙な配合がなければ,こうはいかない。この“絶妙のシャッフル具合”を奇跡と呼ぼう!

ERIC DOLPHY : Alto Saxophone
BOOKER LITTLE : Trumpet
MAL WALDRON : Piano
RICHARD DAVIS : Bass
ED BLACKWELL : Drums

矢野 沙織 / YANO SAORI / MARMADUKE4

 『YANO SAORI』の8曲目は【MARMADUKE】(以下【マーマデューク】)。


 【マーマデューク】には,矢野沙織の“若さ”が記録されている。ハロルド・メイバーン・トリオのカウントと共に“高速”パーカー・ナンバーが疾駆し始めるのだが,この演奏はテクニックの前に“若さ爆発”! 時折音が外れようが不思議と気にならない。
 でもこれでいい。この演奏が記録されたことに価値がある。後数年で,この若さで押す爆発力が消えてなくなるのだから…。

 パーカー・ナンバーは概ね一曲の演奏時間が短くアドリブが多いため,決め所を抑え間違えると,支離滅裂の演奏に終始してしまう。
 【マーマデューク】は“手馴れ”のハロルド・メイバーン・トリオがナイス・サポート! 決め所&ヤマ場で矢野沙織アルト・サックスを優しく後押ししてくれている。
 矢野沙織の後見人(熱烈ファン)としては「ハラハラ・ドキドキ」の展開であったが,ラスト3分20秒で「スカッ」と着地が決まった瞬間「9.85」を確信した。銅メダル獲得おめでとう。

SAORI YANO : Alto Saxophone
HAROLD MABERN : Piano
NAT REEVES : Bass
JOE FARSWORTH : Drums
 

オスカー・ピーターソン / プリーズ・リクエスト / PEOPLE5

アナログレコード

 『WE GET REQUESTS』の4曲目は【PEOPLE】(以下【ピープル】)。


 【ピープル】こそ“黄金トリオ”の名称にふさわしい。もちろん主役はオスカー・ピーターソンで変わりないのであるが,印象としては,レイ・ブラウンエド・シグペンの抜群の絡み!

 安定したベースドラムの強力タッグが,オスカー・ピーターソンの“麗しの”ピアノを解き放つ! “下から下から”極上の音が迫り上げられてくる!
 1分25秒から始まる,オスカー・ピーターソンの天下一のアドリブが,ベース・ラインにつられている? 予想以上のグルーヴオスカー・ピーターソンが戸惑っている? そう聴こえてしまう程,2人のリズム隊が珍しく主導権を握っている。

 オスカー・ピーターソンだって,黙っちゃいない。スタートでつまずいたアドリブもすぐに軌道修正し,ついに2分47秒で飛翔する! これぞ,レイ・ブラウンエド・シグペンが引き出した,オスカー・ピーターソンの眠れる実力!
 そう。ピアノ・トリオが“黄金”へと昇華した感動の瞬間である。

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THE OSCAR PETERSON TRIO
OSCAR PETERSON : Piano
RAY BROWN : Bass
ED THIGPEN : Drums


プリーズ・リクエスト
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伊東 たけし / T.K. / COLOUR OF LIFE4

 『T.K.』の8曲目は【COLOUR OF LIFE】(以下【カラー・オブ・ライフ】)。


 【カラー・オブ・ライフ】は,おしゃれでダンサブルなジャズファンク! ただし大方のジャズ・ファンからは拒絶されること間違いなし! 【カラー・オブ・ライフ】で,伊東たけしサックスを吹く意味があるのだろうか?

 無理を承知で“意味はある”と思いたい。一箇所だけ,伊東たけしのファンなら“歓喜できる”聴き所がある。【カラー・オブ・ライフ】は“捨て曲”などではない。喰わず嫌いは損をする。
 ズバリ,2分44秒から3分12秒までのモールス信号的,同じフレーズの繰り返し! その中に一つとして同じフレーズは存在しない。
 伊東たけし・ファンなら,微妙なアーチキュレーションの変化を聴き分けることができるはず? フェイクすることはないが,全部きれいに弾き分けている。ジャズ・サックス・プレイヤー=伊東たけしを感じることができる。それにしても出番が少ないよなぁ。

 なお余談であるが『T.K.』の全8トラックの中で,唯一【カラー・オブ・ライフ】だけでベースが使われている。やっぱりベースは重要だよなぁ。ファンクグルーヴ

TAKESHI ITOH : Alto Sax
PHILIPPE SAISSE : Keyboards, Synthesizers and Programming
CARL JAMES : Bass
DON ALIAS : Percussion
CURTIS KING : Lead Vocals
LANI GROVES : Additional Vocal
LANI GROVES, LISA FISCHER and CURTIS KING : Background Vocals

デクスター・ゴードン / デクスター・コーリング / SOUL SISTER5

 『DEXTER CALLING...』の1曲目は【SOUL SISTER】(以下【ソウル・シスター】)。


 【ソウル・シスター】を聴くと,いつでも身体に電流が流れる思いがする。熱演ではない。小粋なブルースである。しかしだからこそ“しびれて”しまう。ここは上質なマニアのためのジャズ空間! クラブでの鳴りやまない拍手が聞こえてきそうな演奏である。

 ほのぼのムードが何度も転調する【ソウル・シスター】でのデクスター・ゴードンテナー・サックスに,ついソニー・ロリンズを投影してしまう。『ウェイ・アウト・ウエスト』での,ほのぼのロリンズである。
 ビシビシ吹いているはずなのに,スケールの大きなと言うべきか,遊び心のあると言うべきか…。デックス然り,ロリンズ然り,人柄であろう。

 3分34秒からのケニー・ドリューピアノ・ソロが,最高に美しいブルース! 5分17秒からのポール・チェンバースベース・ソロが,ズングリムックリのタイム感! フィリー・ジョー・ジョーンズの相性抜群のドラムも含めて,この4人でなければ成立しえない,ジャズの基本=ブルースであろう。

 6分33秒からのテーマが前半より2割り増しの華やかさ。
 6分45秒でのデクスター・ゴードンのフレーズときたら…。ここでは敢えて言及しない。これは聴いてのお楽しみ! ジャズ・マニアなら声を出して“うなる”はずである。

DEXTER GORDON : Tenor Sax
KENNY DREW : Piano
PAUL CHAMBERS : Bass
PHILLY JOE JONES : Drums

渡辺 香津美 / パーフェクト・リリース / 風連5

 『PERFECT RELEASE』の11曲目は【風連】。


 【風連】には,最高の賛辞を贈りたい。全てのフュージョン・ファンに捧げたい“世紀の名演”である。凄い! 凄すぎる〜! 超カッコイイ!
 【風連】一曲で100人中99人は渡辺香津美の“虜”になってしまうのでは? 事実,管理人の友人は100%=KOされて帰宅しています。はい。

 【風連】の聴き所は,徐々にリズムとメロディが“シンクロ”していく快感にある。村上ポンタドラミングが凄い,ツイン・ベースが凄い,と褒め所は多数あるのだが,やっぱり渡辺香津美ギター・フュージョンで決まりでしょう。
 3分34秒からのギター・シンセが圧巻! 4分6秒からの夢のようなフレーズが躍動し,5分22秒からは完全にイッテしまう。
 6分9秒から再スタート後は,エッジの効いた立ち振る舞いで「バッサ,バッサ」と切り倒していく。“地団駄を踏みならしながら行進する”ラストでリズムとメロディが“完全同期”して完結!

PS 4分20秒のフレーズが一日中ループすることがあって困っています。冗談ではなく真面目な悩みです。

KAZUMI WATANABE : Guitar, Guitar-Synthesizer
ICHIKO HASHIMOTO : Piano, Keyboards, Vocal
GREGG LEE : Electric Bass
KEN WATANABE : Electric Bass
SHUICHI MURAKAMI : Drums
KIYOHIKO SENBA : Percussion
MITSURU SAWAMURA : Sax
AKIRA SAKATA : Alto Sax, Vocal

渡辺 香津美 / パーフェクト・リリース5

PERFECT RELEASE-1 日本が世界に誇る「W渡辺」の一人,渡辺香津美は“スーパー・ギタリスト”である。
 あのピカソ・ギターを自由自在に弾きまくるパット・メセニーをして「香津美がニューヨークに来たら,みんな仕事がなくなっちゃうよ」と言わしめた実力は,正真正銘・世界のトップ・ギタリスト! 海外の一流ジャズメンを“子分扱い”して“自分色に従える”ことができるのは,ナベサダヒノテルと「KAZUMI」ぐらいなものであろう。

 そんな世界の「KAZUMI」への成功への階段は「DOMO」+「MOBO」にあった!
 「DOMO」とは渡辺香津美のパーソナル・レーベル。ギタリストの枠を超え,例えば『ガネシア』を,ジャニーズやハロプロ的手法の元祖=色違いのジャケット3種類で発売したりと,プロデューサーとしても力量を発揮したトータル・フュージョンギタリストKAZUMI」の全てが記録されている。 ← 注)『ト・チ・カ』を除く。

 「MOBO」=ギター・フュージョン! フュージョン・ファンにとって,ギター・シンセの代名詞と言えばパット・メセニーであろうが,管理人には渡辺香津美! フュージョン全盛のあの時代,ギター・シンセの習熟度に関してはパット・メセニーより渡辺香津美の方が上だったと思う。パット・メセニー渡辺香津美をリスペクトしたのも“摩天楼”ギター・シンセの腕前にあったのでは?

 あの日本的でアジア的なノスタルジックな楽曲をテンション高めに刻んでいく“予測不能なキレキレの大爆発”こそギター・シンセの真骨頂! ジャズ・フレーズをハード・ロック&プログレのギタリストが演奏したような稀に見る“爽快感”! 毎回異なるフォーマットで「うわぁ,こう来たか?」と興奮させられたものである。

 そこで『PERFECT RELEASE』(以下『パーフェクト・リリース』)!
 『パーフェクト・リリース』は「MOBO」時代のベスト盤。6枚のCD(『ガネシア』『Mobo』『Mobo倶楽部』『桜花爛漫』『Moboスプラッシュ』『スパイス・オブ・ライフ』)からの黄金の選曲こそがJ−フュージョンの金字塔! 正真正銘『パーフェクト・リリース』そのものである。

 それぞれ6枚のアルバムは学生時代にカセット・テープで所有していたが,上京を機にCDへとお買い換え。6枚とも買い直すお金がないので,とりあえずベスト盤で急場をしのぐつもりであったが,これがハマッタ!
 この曲順で聴くあの名曲が超新鮮&大好きなトラックばかりが高音質で流れ続ける。“夢のCD”の登場であった。現在ではCD−Rという手があるが,これは20年前のお話。『パーフェクト・リリース』を聴く度にベスト盤の存在に感激していた“あの頃”を懐かしく思い出してしまう。
 ちなみに『パーフェクト・リリース』は現在廃盤である。「MOBO」時代の渡辺香津美は1枚1枚買い揃えるべし!

 さて,これだけ絶賛しておいてなんだが,近年の渡辺香津美は一体どうしたのだろう? 正直「迷走中」である。聴いていてつまらない。おもしろくない。感動しない。
 その原因を管理人なりに考えてみると,パット・メセニーでさえ絶賛した“超絶技巧”にあるのではなかろうか? そう。渡辺香津美の最大の武器が最大の弱点と化している。

 「変にテクニックがあるものだから…」。この言葉は使い古されたジャズ批評の常套句! 近年の渡辺香津美批評する言葉として,まさかこの言葉を使うとは思いもしなかった。
 世界トップレベルの“超絶技巧”を持て余していれば,クラシックやバレエの難曲・大作に挑戦してみたくなる気持ちも分からなくはないが,自己満足の“超絶技巧”を披露されても,そこにリスナーが置き去りでは感動できるはずがない。

PERFECT RELEASE-2 ここは初心に返るつもりで「MOBO」時代の“予測不能なキレキレの大爆発”を披露してほしい! フュージョンに再チャレンジしてほしい!
 次作こそ2007年版『パーフェクト・リリース』! 管理人一同“トータル・フュージョンギタリスト”「KAZUMI」の帰りを待っている!

  DISC 1
  01. MELANCHO
  02. AMERICAN SHORT HAIR
  03. SHANG-HI (MOBO#1)
  04. CITY
  05. HIPER K
  06. RIBOJ
  07. AFTERNOON IN THE PARK
  08. 十六夜
  09. HALF BLOOD
  10. UNT
  11. 風連

  DISC 2
  01. 予感
  02. 危険がいっぱい
  03. LIM-POO
  04. 瓢簟こまねずみ
  05. WALK DON'T RUN
  06. 遠州つばめ返し
  07. RACOON ROLL
  08. サッちゃん
  09. つるかめひなタンゴ
  10.
  11. J.F.K.
  12. 師走はさすがに忙しい

(ポリドール/DOMO 1987年発売/H50P20211/2)
(CD2枚組)

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セロニアス・モンク / ソロ・モンク / ASK ME NOW5

アナログレコード

 『SOLO MONK』の11曲目は【ASK ME NOW】(以下【アスク・ミー・ナウ】)。


 【アスク・ミー・ナウ】こそ,セロニアス・モンクの目指す「ソロ・ピアノの完成形」ではなかろうか? 最近特にその思いが強くなってきた。
 今にも大合唱が聞こえてきそうなメロディ&スイング! 徐々にオクターブが上がってくる感じが実にHOT! よくぞ一人でここまで表現できた!
 そう。【アスク・ミー・ナウ】こそ,ジャズの魅力が完璧に網羅された,セロニアス・モンクの決定的名演なのである。

 【アスク・ミー・ナウ】は,理屈抜きに身体で感じるべきジャズだと思う。ゆえに何分何秒批評など無意味であろう。
 【アスク・ミー・ナウ】に関しては,ヘッドホンで聴くのをやめた。理由は簡単。【アスク・ミー・ナウ】は,聴き込むトラックではなく,歌って楽しむトラックなのだから…。
 その日の気分によって変化する「タモリのハナモゲラ風鼻歌」で歌ってしまう。いや,正確には思わず声が出てしまうのだ。これが実に楽しい。

 誰が言ったか「ジャズ好きの終着駅はセロニアス・モンク」であるらしい。最近そう思うようになってきた。

CD視聴(試聴)・購入はジャケット写真から

THELONIOUS MONK : PIANO


ソロ・モンク
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小曽根 真 ザ・トリオ / ファースト・ディケイド / PANDORA3

 『FIRST DECADE』の6曲目は【PANDORA】(以下【パンドラ】)。


 【パンドラ】は“良くも悪くも”ブランフォード・マルサリス! ブランフォード・マルサリスソプラノ・サックス東儀秀樹と化している! そう。【パンドラ】は,小曽根真の考える“雅楽”である。

 管理人は正直【パンドラ】は駄作だと思っている。それゆえ『ファースト・ディケイド』にまさか選曲されるとは思わなかった。この選曲に戸惑った。なぜの嵐??
 そう思っている人はたぶん少ないのだろう。何と言っても【パンドラ】は,スイングジャーナル選定【ゴールドディスク】=『パンドラ』の看板トラックなのだから…。

 餅は餅屋。雅楽雅楽に任せたら良いのに…。この扱いでは,超正統派ジャズメン=ブランフォード・マルサリスが,勿体ない&かわいそうである。ジャズジャズの文脈でこそ輝く!
 小曽根さん,貴殿の頭の良さはみんな分かっていますよっ。安心して“普通の”ジャズ・ピアノを…。

THE TRIO
MAKOTO OZONE : Piano
JAMES GENUS : Bass
CLARENCE PENN : Drums, Percussion

Special Guest
BRANFORD MARSALIS : Soprano Saxophone

マイケル・ブレッカー / タイム・イズ・オブ・ジ・エッセンス / TIMELINE4

アナログレコード

 『TIME IS OF THE ESSENCE』の4曲目は【TIMELINE】(以下【タイムライン】)。


 【タイムライン】は,マイケル・ブレッカーパット・メセニーのユニゾン・テーマを基調に織りなす“極上”ブルース!

 【タイムライン】におけるパット・メセニーの演奏は,完璧ジャズ畑! 細かいフレーズを積み重ねるブルース・フィーリング! しかし余裕と言うべきか懐の深さと言うべきか,スラスラとスムーズに連なるフレージングに“風格”を感じさせてくれる。
 聴き所は,2分16秒から2分37秒までの処理! この音処理はパット・メセニー・グループでは絶対に聴けない,ストレート・アヘッドなジャズ・ギターである。

 マイケル・ブレッカーテナー・サックスが,やけにおとなしい。5分15秒からの“大吠え”が来るまで溜めているのか? 普段ならマイケルアドリブに釘付けになるはずのテナー・ソロなのに,マイケルの後ろで“自由に飛び回る”ラリー・ゴールディングスオルガンエルヴィン・ジョーンズドラミングに気をとられてしまった。
 そう。【タイムライン】には,4者4様の考える“ジャズ”が交差している。聴けば聴く程,深みが増す!

CD視聴(試聴)・購入はジャケット写真から

MICHAEL BRECKER : Tenor Sax
PAT METHENY : Guitar
LARRY GOLDINGS : Organ
ELVIN JONES : Drums


Time Is of the Essence
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小林 香織 / ファイン / GRACE(DVD)4

 『FINE』『SPECIAL DVD』の3曲目は【GRACE】(以下【グレース】)。


 【グレース】での小林香織のテーマは「レディ」! 真剣な眼差し&愁いに沈んだ“大人な”表情。シックな寒色系映像が決まっている。

 【グレース】の名場面についていろいろ書こうと思ったが,全てはラストでのケニー・G! 浜辺での夕焼けシルエットはどう見てもケニー・Gを意識したとしか思えない。
 でも“カッコイイ”は小林香織には似合わない。この映像で根っからの妖精(陽性)少女であることが証明されている。

KAORI KOBAYASHI : Alto Sax & Flute
MASANORI SASAJI : Keyboards
TAKAYUKI HIJIKATA : Guitar
AKIRA OKAZAWA : Bass
SHUICHI "PONTA" MURAKAMI : Drums

安藤 まさひろ / メロディー・ブック / CHARLIE & IDOL4

 『MELODY BOOK』の3曲目は【CHARLIE & IDOL】(以下【チャーリー&アイドル】)。

 
 【チャーリー&アイドル】は“メロディ・メーカー”安藤まさひろが捧げる【アイドル】たちへのリスペクト! と言うのも,どこからどう切っても“極上メロディ”のオンパレードなのだから…。

 イントロ+26秒からのAメロは,どんな展開にも対応できる“懐の深い”メロディ・ライン。そこへ登場するのが1分15秒からの大サビであるが,やはりこの組み合わせが最良なのだろう。
 TVCMでも買い物中でも,どんな場面にも対応可能。読者の皆さんも耳にしたことがおありなのでは?

 2分3秒からのアドリブは,ジャズギター・テイスト! 【チャーリー&アイドル】の【チャーリー】とはチャーリー・クリスチャン
 オルタードスケールオクターブ奏法による“トーンを下げた”アプローチが,胸に染み入る夏の虫です。

MASAHIRO ANDOH : Electronic Guitar, Acoustic Guitar
MASANORI SASAJI : Synthesizers, Keyboards
DAREK LANE JACKSON : Bass
JUN AOYAMA : Drums

ジョニー・グリフィン / ザ・リトル・ジャイアント / PLAYMATES4

アナログレコード

 『THE LITTLE GIANT』の5曲目は【PLAYMATES】(以下【プレイメイツ】)。


 【プレイメイツ】と聞けば,某男性誌の“爽やかお色気”を連想してしまうが,このトラックも基本線同様の畑違い? そう。ジョニー・グリフィンと演奏仲間の“明るく爽やかなスインギー”! 男臭さの充満するスイング・セッションである。

 あのジョニー・グリフィンが飛び跳ねている! ジョニー・グリフィンのアクロバティックなリラックス・テナーは,ブルー・ミッチェルトランペットジュリアン・ブリスタートロンボーンの“お膳立て”があってこそ! 2人の絶妙な“合いの手”に,ジョニー・グリフィンが(レコーディング中であることも忘れて?)ただただ乗せられていく!

 特筆すべきは,3分16秒からのウイントン・ケリーの抜群のリズム感! 他のメンバーを“おちょくる”ピアノが“ウサギ跳び”でスイングする! 好きだ〜。

CD視聴(試聴)・購入はジャケット写真から
 
JOHNNY GRIFFIN SEXTET
JOHNNY GRIFFIN : Tenor Sax
BLUE MITCHELL : Trumpet
JULIAN PRIESTER : Trombone
WYNTON KELLY : Piano
SAM JONES : Bass
ALBERT HEATH : Drums


ザ・リトル・ジャイアント
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チック・コリア・エレクトリック・バンド / トゥ・ザ・スターズ・ツアー・エディション / ETERNAL CHILD5

 『TO THE STARS TOUR EDITION/DISC 2』の2曲目は【ETERNAL CHILD】(以下【エターナル・チャイルド】)。


 【エターナル・チャイルド】を,初めて耳にした時のインパクトが忘れられない。「ほ〜っ,そう来たか」正直,にやついた。この大胆なアレンジの変更に,チック・コリアの新生チック・コリア・エレクトリック・バンドへの思いを“見透かした”気がしたものだ。

 『EYES OF THE BEHOLDER』での【エターナル・チャイルド】には,あのジャケット少女の(裏ジャケの大正ロマン風のポートレイトも)影響かもしれないが,中世貴族の「おとぎの国」をイメージしていたが,ニューアレンジで一気にジャズ・ナンバーへと生まれ変わった!
 抽象絵画から精密写真のような解像度の変化で,クリアな輪郭線が浮かび上がる! 聴き慣れないうちは,見え過ぎちゃって困ったものだが,元々【エターナル・チャイルド】の魅力はメロディ・ラインではない。チック・コリアのロマンチシズムである!

 ニューアレンジの【エターナル・チャイルド】からは,チック・コリアのロマンチシズムが消えている。その代わりにジャズの雰囲気が香っている。
 チックが“エッジを立てて”ピアノをかき鳴らす! 「おとぎの国」から解き放たれたジャズ・スピリッツ! アドリブ勝負の「ジャズの国」へと舞い戻った,ハイテク即興集団の熱演が楽しい。

CHICK COREA ELEKTRIC BAND
CHICK COREA : Keyboards, Piano
FRANK GAMBALE : Guitar
ERIC MARIENTHAL : Sax
JOHN PATITUCCI : Bass
DAVE WECKL : Drums

ウェス・モンゴメリー / ハーフ・ノートのウェス・モンゴメリーとウイントン・ケリー / WHAT'S NEW5

アナログレコード

 『SMOKIN’ AT THE HALF NOTE』の5曲目は【WHAT’S NEW】(以下【ホワッツ・ニュー】)。


 【ホワッツ・ニュー】の名演は多いが,そこは有名ボーカル・ナンバー! トランペットサックスピアノ名演がずらりと並び,ギターものは蚊帳の外…。ギターものが「ドラフト1位」で指名されることなどめったにない。
 あるにはある。しかし決まってワンパターン。ギターものの【ホワッツ・ニュー】は,ほぼ「ウェス・モンゴメリー似」なのである。

 そう。ウェス・モンゴメリーウイントン・ケリーによる【ホワッツ・ニュー】こそ,ギターもののバイブル! ギターもの【ホワッツ・ニュー】の決定版! もはや,ウェス・モンゴメリーのようにしか,ギタリストは演奏しない。 ← ちと言い過ぎたかな?

 【ホワッツ・ニュー】でのウェス・モンゴメリーは,それまでの“ダイナミック&ブルース・フィーリング”とは,まるで別人のように“しっとり”と歌い上げる!
 不思議と全てのギタリストが【ホワッツ・ニュー】では,右に倣えの“しっとり系”。ウェス・モンゴメリーの影響力は計り知れない。
 4分33秒から5分16秒までのフレーズは“涙もの”である。

 ただしウェス・モンゴメリーの【ホワッツ・ニュー】が定番へと“昇華”し得たのは,ウェス一人の功績ではない。
 そう。ウイントン・ケリーの2分58秒からの“宝石”のフレーズが凄い。3分32秒からの“センチメンタル”なアドリブがいい。
 “陰の主役”ジミー・コブブラシ・ワークが光っている!

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WYNTON KELLY TRIO-WES MONTGOMERY
WES MONTGOMERY : Guitar
WYNTON KELLY : Piano
PAUL CHAMBERS : Bass
JIMMY COBB : Drums
 

ハーフ・ノートのウェス・モンゴメリーとウイントン・ケリー
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