アドリブログ 〜JAZZ/FUSION批評〜

ジャズ/フュージョン批評ブログ CD, DVD, ALBUM REVIEW, TRACK REVIEW and more

2008年02月

チック・コリア・エレクトリック・バンド / トゥ・ザ・スターズ・ツアー・エディション / CAPTAIN JOCELYN - A TRIBUTE BY HIS CREW4

 『TO THE STARS TOUR EDITION/DISC 1』の16曲目は【CAPTAIN JOCELYN−A TRIBUTE BY HIS CREW】(以下【キャプテン・ジョスリン−ア・トリビュート・バイ・ヒズ・クルー】)。


 【キャプテン・ジョスリン−ア・トリビュート・バイ・ヒズ・クルー】は,続く【キャプテン・ジョスリン−ザ・ピアニスト】との組曲=別アレンジ。
 この2トラックからして,キャプテン・ジョスリンチック・コリアであり,ヒズ・クルーCCEBメンバーを指しているのだろう。【キャプテン・ジョスリン−ア・トリビュート・バイ・ヒズ・クルー】では,チック・コリアの是認を受けた4人のクルーが「チック・コリア抜きのエレクトリック・バンド」を表現している。

 特筆すべきは「チック・コリア・アコースティック・バンド」時代を思い起こさせる,デイヴ・ウェックルジャズドラミング
 イントロからアウトロまで“スケール感豊かな”デイヴ・ウェックルドラミングが,80年代のチック・コリアの「サウンド・カラー」そのものである。

CHICK COREA ELEKTRIC BAND
CHICK COREA : Keyboards, Piano
FRANK GAMBALE : Guitar
ERIC MARIENTHAL : Sax
JOHN PATITUCCI : Bass
DAVE WECKL : Drums

ナニワ・エキスプレス / MODERN BEAT / CHARCOAL BREAK4

 『MODERN BEAT』の6曲目は【CHARCOAL BREAK】(以下【チャコール・ブレイク】)。


 清水興の“例の合図”でムチ打たれる【チャコール・ブレイク】だけに,さぞギンギンでガンガンなトラックと思いきや,この何とも言えない「軽やかさ」! そう。【チャコール・ブレイク】は70年代フュージョン・サウンドの名残雪である。

 ボブ・ジェームス“もどき”な中村建治キーボードが鳴るや否や,青柳誠テナー・サックスが“牧歌的なまろみ”と共に登場する。ロングトーンが心地良い。
 岩見和彦の“全編シングルノート”のギターがヤバイ! 2分13秒からのアドリブが「メロウなのに渋い」大名演である。

 “ゆったり目”のベース・ラインと“忙し目”のシンバルが妙にツボに入ってしまう独特なグルーヴ! やはり清水興の“フッ”は和田アキ子の“ハッ”以上に強力であった。

NANIWA EXPRESS
RIKIYA HIGASHIHARA : Drums
KOH SHIMIZU : Electric Bass
KAZUHIKO IWAMI : Electric Guitars
MAKOTO AOYAGI : Keyboards, Piano, Tenor Saxophone
KENJI NAKAMURA : Keyboards

野呂 一生 / ヴィーダ / NESSA5

 『VIDA』の1曲目は【NESSA】。


 【NESSA】=「ウキウキ」野呂一生である! 多くの音色を重ね合わせた“凝りに凝った”アレンジなのに,メロディ・ラインがくっきりハッキリ,しかも跳ねた16ビートを使ってきた! 「ウキウキ」である。

 この「ウキウキ」感は,ポップでストレートなギターとユニゾンする野呂一生のコーラスにある! 正直,コーラス以上にギターが歌っているのだが,この“やぼったい”コーラスが「隠し味」となりギターに躍動感を与えている。

 こんな“ノリノリ状態”の野呂一生だから,無意識のうちに“ついつい”手癖がでてしまっている。そう。2分26秒から2分40秒までの“つなぎっぷり”がモロ・カシオペア。2分57秒からのアドリブもモロ・カシオペア。やはりカシオペア野呂一生である!

ISSEI NORO : Guitar, Vocal, Chorus, Percussion, Synthesizer
TEOFILO PEREIRA DE LIMA : Drums
HUGO ANTONIO FATTORUSO DORCI : Keyboards
NELSON LUIZ AYRES ALMEIDA FREITAS : Keyboards
FERNANDO DE JESUS MACHADO SIZAO : Bass
JOSE BELMIRO LIMA : Percussion
OVIDIO MOREIRA BRITO : Percussion
FRANCISCO EDMUNDO DE AZEVEDO : Percussion
SEVERINO J. DE OLIVEIRA : Accordion
SERGIO FERNANDO DE SOUZA : Trombone
ALCEBIADES SPINOLA FILHO : 1st Trumpet
NELSON HENRIQUE CUNHA : 2nd Trumpet
JOSE CARLOS MACHADO RAMOS : Saxophone
MARIA CRISTINA BRAUN : Chorus
ANA LUCIA FONTES LEUZINGER : Chorus
LEO : Cry
TOKUO INOUE : Synthesizer Programing

木住野 佳子 / PORTRAIT - 木住野佳子 ベスト・セレクション / ONLY TRUST YOUR HEART5

 PORTRAIT − YOSHIKO KISHINO BEST SELECTIONの3曲目は【ONLY TRUST YOUR HEART】(以下【オンリー・トラスト・ユア・ハート】)。


 【オンリー・トラスト・ユア・ハート】には,木住野佳子の“喜び”が詰まっている。
 ライナーノーツにあるように,この喜びは木住野佳子の「記念すべき初レコーディング」の喜びなのかもしれない。しかし管理人には,それ以上の,ジャズ・ピアニストとして悦に入った瞬間の“喜び”が表現されていると思う。

 これは木住野佳子1人の喜びではない。ベーシストマーク・ジョンソンの喜びでもある。そう。過去にビル・エヴァンス・トリオの一員として登りつめたピアノ・トリオの頂点に,今回は木住野佳子ピーター・アースキンを連れ添って,最高の3人で到達できた満足感!
 【オンリー・トラスト・ユア・ハート】こそ,かのビル・エヴァンスが見つめていた音世界! ついに登ることを許された,凡人には「隠されし」ピアノ・トリオの頂点へ足を踏み入れた喜びを噛みしめている。

 スローなイントロで始まる【オンリー・トラスト・ユア・ハート】が,徐々にリズムを速め,軽快にスイングしていく“変貌の展開”に,ピアノ・トリオの高みを目指す3人の姿を思い重ねることができた。木住野佳子マーク・ジョンソンが放つ“喜びのオーラ”が,聴き手を「幸福感」で包んでくれる。素晴らしい。

YOSHIKO KISHINO : Piano
MARK JOHNSON : Bass
PETER ERSKIN : Drums, Percussion

木住野 佳子 / PORTRAIT - 木住野佳子 ベスト・セレクション / THE ISLAND4

 PORTRAIT − YOSHIKO KISHINO BEST SELECTIONの2曲目は【THE ISLAND】(以下【ジ・アイランド】)。


 イヴァン・リンスの代表作である【ジ・アイランド】は“垢抜け”したブラジル音楽! 土臭さを残しつつも贅肉?を大胆に削ぎ落とし,実にシャープなリズムの上を“極上”メロディ・ラインが優雅に駆け抜けていく。

 【ジ・アイランド】成功の立役者こそ,ジャズ以外にもマルチな活躍を見せているピーター・アースキンドラミングであろう。細かにリズムを刻むのではなく,波のような大きなうねりの中でリズムを打つ! もっとも彼特有の細かなパーカッションによる“味付け”も聴き所の一つである。  

 このシャープ,かつ大きなリズムの波に乗った木住野佳子ピアノが,自然と盛り上がり自然と消え去っていく…。波打ち際には,美しいメロディ・ラインの“心地良さ”だけが残される。
 この美しいピアノ・タッチに,木住野佳子の【ジ・アイランド】に対する愛情を感じてしまう。

 3分39秒からのマーク・ジョンソンアドリブは,力の入った熱いロング・ソロ。まるで自分の感情をウッド・ベースに叩きつけているかのようである。こちらも表現手法は異なるが【ジ・アイランド】への愛情表現の“発露”であろう。

YOSHIKO KISHINO : Piano
MARK JOHNSON : Bass
PETER ERSKIN : Drums, Percussion

木住野 佳子 / PORTRAIT - 木住野佳子 ベスト・セレクション5

PORTRAIT - YOSHIKO KISHINO BEST SELECTION-1 ジャズ・ピアノには2つの大きな系譜がある。それがパウエル派エヴァンス派である。
 このパウエル派エヴァンス派の系譜は,時を越え海を越え形を変え,ここ日本の女性ジャズ・ピアニストたちの歴史にも連綿と受け継がれている。

 「男勝りの力強いタッチ」が特徴のパウエル派の歴史は,秋吉敏子大西順子へ受け継がれ,パウエル派の分家=ピーターソン派アキコ・グレース山中千尋上原ひろみへ受け継がれている。
 一方「女性らしい繊細なタッチ」が特徴のエヴァンス派の歴史は,木住野佳子Sayaへと受け継がれている。

 パウエル派エヴァンス派について語る際,管理人が特に印象深く思い出すのが1990年代後半に繰り広げられた,この2大派閥の日本における代理戦争! そう。「大西順子 VS 木住野佳子」である。

 優勢だったのは大西順子である。やはり「ジャズ・ピアノ=ダイナミックなドライブ感」が謳い文句に違いない! それで大西順子を持ち上げるため? 木住野佳子についた隠語が「ヘタレ」。「木住野佳子を好きだ」とは言い出し難い空気が漂っていた。

 そんなこんなで?“レッテル”に惑わされ続けた管理人が,木住野佳子を初めて真面目に聴いたのは,実にデビューから8年後の2003年のこと。木住野佳子ベスト盤PORTRAIT − YOSHIKO KISHINO BEST SELECTION』(以下『PORTRAIT − 木住野佳子 ベスト・セレクション』)であった。

 時代はすでに大西順子が活動休止中。パウエル派の代表選手も上述の若手3人へと入れ替わっていた。「そろそろいいかなぁ」という気持ちに『PORTRAIT − 木住野佳子 ベスト・セレクション』の「セクシー・ジャケット」が相まって購入意欲を刺激した! そう。期待薄の興味薄。こんな状態で聴いたところで木住野佳子を気に入るわけがない!
 …と思いきや,現在ブレイク中のエドはるみ風に親指立てて「GOO,グ〜」! 「GOO,グ〜」ネタは管理人が最初なんですよ〜?

 さすが『PORTRAIT − 木住野佳子 ベスト・セレクション』はGRPレーベルである。GRPエヴァンス派デイブ・グルーシンである。
 エヴァンス派木住野佳子こそ,日本人初で唯一のGRPアーティスト! 『PORTRAIT − 木住野佳子 ベスト・セレクション』は,全編ビル・エヴァンスへの“オマージュ”で溢れている。

 巷で「ヘタレ」と呼ばれようが,8年もの間,木住野佳子は「女性らしい繊細なタッチ」を保ってきた。これはGRPのカラーではなく,木住野佳子のカラー,木住野佳子の“本質”であろう。

PORTRAIT - YOSHIKO KISHINO BEST SELECTION-2 やはり女性ジャズ・ピアニストには,バド・パウエルではなく「ビル・エヴァンスが好き」と答えてもらいたい。男の“願望”である。

 なお,管理人のように『PORTRAIT − 木住野佳子 ベスト・セレクション』で“開眼”し,速攻で木住野佳子の全CDを“大人買い”してしまったとしても『PORTRAIT − 木住野佳子 ベスト・セレクション』は無用の長物にはならない&ダブらないの親切編集盤。
 『PORTRAIT − 木住野佳子 ベスト・セレクション』は,木住野佳子の全CD未収録の【RED NOTE】【PEACE PIECE】を収録+特典として取り下ろしの最新フォト映像10枚と壁紙3枚収録のエンハンストCD仕様。木住野佳子・ファンなら“見てよし聴いてよし”ですよっ。

  01. Fairy Tale
  02. The Island
  03. Only Trust Your Heart
  04. Beautiful Love
  05. Scaborough Fair
  06. Manhattan Daylight
  07. Waltz For Debby
  08. You Are So Beautiful
  09. By The Sea
  10. Tenderness
  11. Air-Sul G
  12. Danny Boy
  13. Primavera
  14. Red Note
  15. Peace Piece

(GRP/GRP 2003年発売/UCCJ-2023)
(☆フォト・ギャラリー収録 エンハンストCD仕様)
(ライナーノーツ/木住野佳子)

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ハービー・ハンコック / グラミー受賞履歴

 ハービー・ハンコックが,やってくれました! あのケニー・Gでさえ成し得なかった,グラミーの「最優秀アルバム」の大受賞! → 即決「スーパートリビア」への殿堂入り!

 こうしてハービー・ハンコックの「グラミー受賞履歴」を眺めてみると,ハービー・ハンコックの,良く言えば「マルチな才能」悪く言えば「迷走ぶり」が露わにされている。
 そう。グラミー受賞には縁がなかったが,ジャズ・ピアニストハービー・ハンコックの真骨頂はブルーノート時代にある。いっそのことグラミー受賞の諸作は後回しにして,ブルーノート名盤から入ってほしい。
 パット・メセニーがアイドル視する“あの時代の”ハービー・ハンコックが素晴らしい!

 以下が,ハービー・ハンコックグラミー受賞履歴(9作品,12回)です。

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フューチャー・ショック第26回(1983年度)受賞

★タイトル : Rockit
カテゴリー : Best R&B Instrumental Performance

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Sound System第27回(1984年度)受賞

★タイトル : Sound System
カテゴリー : Best R&B Instrumental Performance

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The Other Side Of Round Midnight第30回(1987年度)受賞

★タイトル : Call Sheet Blues
カテゴリー : Best Instrumental Composition

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A Tribute To Miles第37回(1994年度)受賞

★タイトル : A Tribute To Miles
カテゴリー : Best Jazz Instrumental Performance, Individual Or Group
☆Artist Performing Work : Ron Carter, Herbie Hancock, Wallace Roney, Wayne Shorter & Tony Williams

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New Standard第39回(1996年度)受賞

★タイトル : Manhattan (Island Of Lights And Love)
カテゴリー : Best Instrumental Composition

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Gershwin's World第41回(1998年度)受賞

★タイトル : St. Louis Blues
カテゴリー : Best Instrumental Arrangement Accompanying Vocal(s)

★タイトル : Gershwin's World
カテゴリー : Best Jazz Instrumental Performance, Individual Or Group

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Directions In Music第45回(2002年度)受賞

★タイトル : Directions In Music
カテゴリー : Best Jazz Instrumental Album, Individual or Group
☆Artist Performing Work : Herbie Hancock, Michael Brecker & Roy Hargrove

★タイトル : My Ship
カテゴリー : Best Jazz Instrumental Solo

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スピーク・ライク・ア・チャイルド第47回(2004年度)受賞

★タイトル : Speak Like A Child
カテゴリー : Best Jazz Instrumental Solo

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River: The Joni Letters第50回(2007年度)受賞

★タイトル : River: The Joni Letters
カテゴリー : Album Of The Year

★タイトル : River: The Joni Letters
カテゴリー : Best Contemporary Jazz Album

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注1)第26回(1983年度)受賞の「Rockit」は『Future Shock』収録トラック。受賞ジャンルは「R&B」。

注2)第27回(1984年度)の受賞ジャンルは「R&B」。

注3)第30回(1987年度)受賞の「Call Sheet Blues」は『The Other Side Of Round Midnight (Dexter Gordon)』収録トラック。受賞ジャンルは「Composing」。

注4)第39回(1996年度)受賞の「Manhattan (Island Of Lights And Love)」は『New Standard』収録トラック。受賞ジャンルは「Composing」。

注5)第41回(1998年度)はダブル受賞。「St. Louis Blues」は『Gershwin's World』収録トラック。受賞ジャンルは「Arranging」。

注6)第45回(2002年度)はダブル受賞。「My Ship」は『Directions In Music』収録トラック。

注7)第47回(2004年度)受賞の「Speak Like A Child」は『With All My Heart (Harvey Mason)』収録トラック。

注8)第50回(2007年度)はダブル受賞。「Album Of The Year」は主要4部門「General Field 」での受賞。

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第50回(2007年度)グラミー賞 ジャズ部門-NO.2

 “年に一度の音楽の祭典”第50回(2007年度)のグラミー賞が本日発表された。
 注目のエイミー・ワインハウスが,最優秀レコード,最優秀楽曲,最優秀新人の主要3部門を含む5部門を受賞。カニエ・ウェストも4部門を受賞。
 …と,アメリカ全土はこの両雄の話題で持ちきりかと思いきや,メディアの関心事は民主党の大統領選挙一色。そこへ来てグラミー賞最大のニュースが,バラク・オバマ氏の最優秀朗読アルバム受賞! いや〜,恐るべし英米二重世界強国。

 ん? ジャズフュージョン以外はどうでもよかったですね。
 早速「アドリブログ」の本丸『FIELD 10 − JAZZ』の受賞作の発表で〜す。

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Category 45 - Best Contemporary Jazz Album


★ River: The Joni Letters
Herbie Hancock


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Category 46 - Best Jazz Vocal Album


Avant Gershwin (Dig)★ Avant Gershwin
Patti Austin


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Category 47 - Best Jazz Instrumental Solo


★ Anagram
Michael Brecker, soloist /
Track from : Pilgrimage

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Category 48 - Best Jazz Instrumental Album, Individual or Group


★ Pilgrimage
Michael Brecker


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Category 49 - Best Large Jazz Ensemble Album


★ A Tale Of God's Will (A Requiem For Katrina)
Terence Blanchard


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Category 50 - Best Latin Jazz Album


Funk Tango★ Funk Tango
Paquito D'Rivera Quintet


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 管理人の1年前の予想通り,グラミー賞の“常連”マイケル・ブレッカーが貫禄の2冠達成! でもでも自分でもビックリ。マイケル・ブレッカー・ファンとしては受賞の知らせをうれしく思うはずなのに,うれしくなかった。複雑な気持ちがした。どうもデキレースっぽくて“しっくり”こなかったのだ。
 超ド級豪華メンバー・フルサポートの「Category 48」は当然として「Category 47」=2007年最高のインプロヴィゼーションの称号は違うのではないか? あっ,いや,これはマイケル・ブレッカーを世界一のインプロバイザーと認めた上での感想です。要するに,絶好調ではないマイケル・ブレッカーの“ネーム・バリュー”だけで受賞を選出するのは,当のマイケル本人に失礼に思えたものでして…。
 仮に今日もマイケル・ブレッカーが生きていて,受賞の知らせを聞いたとしたら,盟友たちと共に勝ち得た「Category 48」の栄冠については大喜びするであろうが,自分の演奏に納得できていないのに「Category 47」受賞と聞かされても,ただ戸惑うだけではなかろうか…。すみません。思い入れがあるもので,つい…。

 さらに管理人に追い打ちをかけたのが,ハービー・ハンコックの『リヴァー〜ジョニ・ミッチェルへのオマージュ』の最優秀アルバム受賞のビッグ・ニュース! だって全世界で認められたジャズ名盤を未だ未聴なのですから,恥ずかしいやら悔しいやら…。

 明日はハービー・ハンコックグラミー受賞特集です。

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メデスキ,スコフィールド,マーチン&ウッド / アウト・ラウダー / IN CASE THE WORLD CHANGES ITS MIND4

アナログレコード

 『OUT LOUDER』の3曲目は【IN CASE THE WORLD CHANGES ITS MIND】(以下【イン・ケース・ザ・ワールド・チェンジズ・イッツ・マインド】)。

 
 【イン・ケース・ザ・ワールド・チェンジズ・イッツ・マインド】こそ,ジャム系・ファンキー・ジャズの底力! アーシーなテーマにポップな音色が衝突していき,ついには驚愕のメロディアス! 

 やはり主役はジョン・メデスキ! ジョン・スコフィールドを“アクセント”へと追いやる,オルガン離れ技の固め打ち!
 1分11秒からの何気ない音使いとアコーディオン風のフレーズが“ゆったり流れる”グルーヴィー! もう少しで逝ってしまいそうになる。

 【イン・ケース・ザ・ワールド・チェンジズ・イッツ・マインド】は,健全な危険な音楽である。何もトリップするために危ない橋を渡る必要はない。このグルーヴにどっぷり浸かれば,あらゆる世界に即トリップできるはずなのに…。三田佳子の次男へ捧ぐ…。

CD視聴(試聴)・購入はジャケット写真から

MEDESKI, SCOFIELD, MARTIN & WOOD
JOHN MEDESKI : Keyboards
JOHN SCOFIELD : Guitars
BILLY MARTIN : Drums and Percussion
CHRIS WOOD : Basses


OUT LOUDER
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チック・コリア・エレクトリック・バンド / トゥ・ザ・スターズ・ツアー・エディション / JOCELYN - THE COMMANDER4

 『TO THE STARS TOUR EDITION/DISC 1』の14曲目は【JOCELYN−THE COMMANDER】(以下【ジョスリン−ザ・コマンダー】)。


 マイナー調でありながら“キャッチーな”響きがロールする【ジョスリン−ザ・コマンダー】は,チック・コリアならではの,ピアノシンセの“二刀流” VS チック・コリア抜きのエレクトリック・バンドとの“静かなるバトル”が聴き所である。

 1分7秒からのエリック・マリエンサルソプラノ・サックスとの絡みが【ジョスリン−ザ・コマンダー】の全体のトーンを決定づけている。“怪しげで不気味な”ソプラノ・サックスの響きがやけに印象に残る。

 1分58秒からのカラフルで動的なピアノシンセに対するは,2分35秒からの“冷めた”ギターフランク・ギャンバレギターが,エリック・マリエンサルソプラノ・サックスへと大化けする。

 4分6秒からの煌びやかなキーボードジョン・パティトゥッチベースとのデュオが,ジョー・ザビヌルビクター・ベイリーの後期ウェザー・リポートを彷彿とさせる。

CHICK COREA ELEKTRIC BAND
CHICK COREA : Keyboards, Piano
FRANK GAMBALE : Guitar
ERIC MARIENTHAL : Sax
JOHN PATITUCCI : Bass
DAVE WECKL : Drums

チャールス・ロイド / フォレスト・フラワー / SONG OF HER5

 『FOREST FLOWER』の4曲目は【SONG OF HER】(以下【ソング・オブ・ハー】)。


 【ソング・オブ・ハー】は,イントロから共鳴しあう,セシル・マクビーベースジャック・デジョネットドラムが“荘厳で壮大なドラマ”を描き出す! このベース・ラインを聴くだけで“悲しみが込み上げてくる”のはなぜだろう。

 チャールス・ロイドテナーサックスが,物悲しく響いている。朗々と奏でるフレージングが(歯切れが良いだけに)胸にモロ突き刺さる! この“瑞々しい”テナーのトーンが名バラード=【ソング・オブ・ハー】の音世界と交錯している。

 管理人はそうは思わないのだが,チャールス・ロイドを「ジョン・コルトレーンの後継者」と見なすジャズ批評家が少数ながら存在する。
 【ソング・オブ・ハー】だけを取り出して聴けば,なるほど,ジョン・コルトレーンの“生き写し”である。

 2分41秒からのピアノソロは,ロマンチストのキース・ジャレットならではの構成力! チャールス・ロイドテナーサックスを引き立てるバッキングは,中期キースの主戦場=カルテットの原型である。
 それにしてもピンポイント=5分11秒でのキース・ジャレットピアノの一音が“エコーがかって”美しすぎる!

CHARLES LLOYD : Tenor Sax, Flute
KEITH JARRETT : Piano
CECIL McBEE : Bass
JACK DeJOHNETTE : Drums

サド・ジョーンズ=メル・ルイス・ジャズ・オーケストラ / セントラル・パーク・ノース5

アナログレコード

 「音を楽しむ」と書いて「音楽」。その意味で,ジャズフュージョンで一番「音楽」しているのは“ビッグ・バンド”であろう。

 …と,管理人が“ビッグ・バンド”について肯定的に語れるようになったのはここ4,5年のこと。
 現代はビッグ・バンドにとっての暗黒時代。とりわけ日本のジャズ・ファンの多くが“先天性”のビッグ・バンド・アレルギーを抱えている。これ本当の話。
 アドリブ大好きな管理人がアレンジに魅了されるなど経験上有り得ない。重く動きの鈍いビッグ・バンドはNGワード。長らくそう思っていた。TOKYO FM系『ジェット・ストリーム』を愛聴しているせいなのか“ポール・モーリア系”ビッグ・バンドがかかった瞬間“秒殺”で眠くなる。ビッグ・バンドは管理人にとって「子守唄」でしかなかった。
 そう。あの瞬間“目から鱗が落ちる”までは,ビッグ・バンドは「音楽」ではなく「音が苦」であった。

 しかし,ひょんな拍子にビッグ・バンドの“眠眠打破”を手に入れた。それが「サド・ジョーンズ=メル・ルイス・ジャズ・オーケストラ」の『CENTRAL PARK NORTH』(以下『セントラル・パーク・ノース』)である。「サド・ジョーンズ=メル・ルイス・ジャズ・オーケストラ」の『セントラル・パーク・ノース』に関しては,聞くと眠くなるどころか“ギンギンに”目が耳が冴えてくる!
 いや〜,これはご機嫌だ。これは楽しい。ビッグ・バンドの本質は「音を楽しむ」「音楽」であった。

 ひょんな拍子に,と書いたが,これは中古CD屋の半額セールでGETのこと。ねっ,いかにビッグ・バンドに無関心だったかが分かるでしょ? そんなビッグ・バンド・アレルギー持ちの無関心野郎,そのくせモダン・ジャズには口うるさい,典型的日本のジャズフュージョン・ファンを黙らせ,狂喜させ,ついには“ビッグ・バンド肯定派”へと変化させたのだから『セントラル・パーク・ノース』は徒者ではない! これぞ超強力なジャズ・ファンク・ロック・ビッグ・バンド! 後にブレイクするブラス・ロックの特徴=「タテノリ+スイング」の先駆け的CDである。
 こんなロック寄りのビッグ・バンドがあったとは露知らず。一度ハマルとこの“分厚さ”が快感! ソロやトリオでは絶対に表現しきれない,圧巻の音世界がビッグ・バンドには存在する! 欲しい音が欲しい音色で鳴っている。実にゴージャス! “天才”キース・ジャレットパット・メセニーが“逆立ちしても”表現できっこない,この人海戦術が実にお見事! 絶賛の嵐であろう。

 しかし,管理人の基本はモダン・ジャズ! 「サド・ジョーンズ=メル・ルイス・ジャズ・オーケストラ」に“ハマッタ”真の理由はメンバー各人の優れた演奏力にある! この秘密を解き明かすべく『セントラル・パーク・ノース』購入後「サド・ジョーンズ=メル・ルイス・ジャズ・オーケストラ」について調べまくってみた。
 結果,キーワードは「リハーサル・オーケストラ」と「マンディ・ナイト」。そう。普段はスタジオワークやブロードウェイでオーケストラ演奏をしている“玄人”たちが,休日の夜=「マンディ・ナイト」に楽しむビッグ・バンド=「リハーサル・オーケストラ」。なるほどねぇ。
 いるわいるわのビッグ・ネームの大集団! サド・ジョーンズメル・ルイススヌーキー・ヤングジョー・ファレルローランド・ハナリチャード・デイビス等,総勢19名。なるほどぇ供

 そう。このビートにこのアレンジ。時折混じるソロイストの確かな演奏力。管理人同様,他のビッグ・バンドで撃沈された人でも大丈夫。「サド・ジョーンズ=メル・ルイス・ジャズ・オーケストラ」だけは大丈夫。きっともっと“ビッグ・バンド”が好きになる。

(1969年録音/TOCJ-9458)

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