アドリブログ 〜JAZZ/FUSION批評〜

ジャズ/フュージョン批評ブログ CD, DVD, ALBUM REVIEW, TRACK REVIEW and more

2008年08月

アート・ファーマー / おもいでの夏 / WHEN I FALL IN LOVE4

 『THE SUMMER KNOWS』の4曲目は【WHEN I FALL IN LOVE】(以下【ウェン・アイ・フォール・イン・ラブ】)。


 “ムーディ”なアート・ファーマーフリューゲル・ホーンソロで始まる名バラード=【ウェン・アイ・フォール・イン・ラブ】であるが,徐々に「熱いセッション」へと変貌を遂げ,ラストは圧巻の大迫力がパワー・オブ・ラブ! こんな【ウェン・アイ・フォール・イン・ラブ】も珍しい。

 やはりアート・ファーマーフリューゲル・ホーンの名手である。【ウェン・アイ・フォール・イン・ラブ】の美メロをフリューゲル・ホーンでなぞれば,そこは「おとぎの国」。アート・ファーマーは“フリューゲル・ホーンの王子様”である。

 しかし,シダー・ウォルトンの“夢見るピアノソロ”の後,再登場した“フリューゲル・ホーンの王子様”はマントを脱ぎ捨て“ジャズメン魂”を露わにする。本性むき出しのアセンディング・スケールが熱い! 息切れしそうなところから更にグイグイ上昇していく!
 そこへ間髪入れず,サム・ジョーンズビリー・ヒギンズがプッシュを入れるものだから…。あぁ…。

ART FARMER : Fluegel Horn
CEDAR WALTON : Piano
SAM JONES : Bass
BILLY HIGGINS : Drums

松永 貴志 & 矢野 沙織 / オープン・マインド / OPEN MIND - SAORI YANO VERSION5

 『OPEN MIND』の3曲目は【OPEN MIND − SAORI YANO VERSION】(以下【オープン・マインド(矢野沙織ヴァージョン)】)。


 “成熟した”ジャズ好きのためのニュー・スタンダード! 最新の4ビートでスイングして“魅せる”【オープン・マインド】! それが【オープン・マインド(矢野沙織ヴァージョン)】の真実である。

 【オープン・マインド(オリジナルTVヴァージョン)】と【オープン・マインド(矢野沙織ヴァージョン)】の違いはピアニストの個性の違い。正確にはピアニストの個性に適応した矢野沙織の演奏スタイルの違いである。

 松永貴志ピアノと対峙すると,普段の爽やか青年から「そこのけそこのけ」へと表情が一変してしまう。そう。松永貴志は自身が敬愛してやまないバド・パウエル・タイプの「自己主張型」である。
 一方,ハロルド・メイバーンは,ソロではバリバリでキレキレなのだが,サイドに回ると優しく美メロに表情を添えていく。そう。トミー・フラナガン・タイプの「名脇役型」である。

 「攻め」の松永貴志にはガップリ四つに組み合ったが「受け」のハロルド・メイバーンとは共存共栄。“熟練したまろやかな味わい”とでも呼ぼうか,これが17歳の演奏とは百戦錬磨のジャズ批評家の耳を持ってしても分かるまい。艶があり翳りがある深い音色にパーカー・フレーズがブレンドされている。

 全てをその場の雰囲気だけで演っているかのような“柔軟なノリ”を見様見真似で体得した“天才少女”の出現こそ“正統派モダンJ−ジャズの歴史が産み落とした“サラブレット”であろう。矢野沙織の将来を考えると末恐ろしくなる。

 ハロルド・メイバーン・クインテットのフロントマンとして,トーンを落とした“渋めの演奏”を展開する。しかしそこに“朗々とした”アドリブを吹き上げてくるから“天性のまろやかさ”が一段と映える映える!
 ビブラートを交えた3分20秒でのアタックには,矢野沙織のクール一面が出ている。お見事!

SAORI YANO : Alto Sax
HAROLD MABERN : Piano
NAT REEVES : Bass
JOE FARNSWORTH : Drums
PETER BERNSTEIN : Guitar

チャーリー・パーカー / ナウズ・ザ・タイム / COSMIC RAYS (ALTERNATE TAKE)4

 『NOW’S THE TIME』の6曲目は【COSMIC RAYS(ALTERNATE TAKE)】(以下【コズミック・レイズ(別テイク)】)。


 【コズミック・レイズ(別テイク)】も,本テイクとはガラリと雰囲気が変わっている。2度と同じ演奏はしない,チャーリー・パーカーゆえ,当然と言えば当然ではあるのだが…。

 さて,その第一原因は,チャーリー・パーカーの“弾き語り”にある。この趣きはまるでアメリカの伝統=カントリー&フォーク・シンガーである。
 勿論,必殺のパーカー・フレーズは度ジャズでありビ・バップである。しかしこの“ゆったり4ビート”にジャズらしさは感じない。パーカー・ショック発生までには油が(ビールが?)足りないようだ。

 例えば,1分17秒でのチャーリー・パーカーアドリブ終わりの覇気のなさ! 珍しく一瞬迷いがよぎったのだろうか? パーカーの体調の悪さが如実に記録されている。

 この“のほほん”パーカー節につられたのか,サイドメンのソロも凡庸でいただけない。これには第二原因としての,別テイクを重ねすぎた弊害があるのだが,それも“触媒”としてのパーカーの出来の悪さが録り直しを…。
 しかし,この没テイクの存在が,カルテット全体の演奏を左右する“天才”チャーリー・パーカーの“偉大さ”を逆に物語っている。

CHARLIE PARKER : Alto Saxophone
HANK JONES : Piano
TEDDY KOTICK : Bass
MAX ROACH : Drums

ジョニー・グリフィン / ザ・リトル・ジャイアント / VENUS AND THE MOON4

アナログレコード

 『THE LITTLE GIANT』の6曲目は【VENUS AND THE MOON】(以下【ヴィーナスと月】)。


 このトラックは【ヴィーナスと月】とは名ばかりの“真昼の”一大セッションである。分厚いハーモニーと跳ねるビートが火花を散らしている→花火→夜→【ヴィーナスと月】。なるほどねぇ。

 管理人は【ヴィーナスと月】では,3人の演奏ばかりを追ってしまう。
 主役は,イントロから一人快調にウォーキングするサム・ジョーンズベース。3管ブラス・セクションを従えテーマを構築してはアウトする。リズムを刻みながらも,メロディとの計算された“外しっぷり”が素晴らしい!
 準主役は,一人“フェイク”するブルー・ミッチェルトランペット。例えば29秒と53秒で“あっちの世界”へ飛んでいくのだが,このロケット・スタートが半端ない!
 名脇役は,一人ダイナミック・ドライブするウイントン・ケリーピアノ。4分51秒からのアドリブでは,もう指がなるなる。スイングして止まらない!

 しかし【ヴィーナスと月】の真の聴き所は,この全てを,真っ昼間から「一杯やりながら」演奏しているかのようなリラックス! 読者の皆さんにも「一杯やりながら」楽しんでもらえれば…。 

CD視聴(試聴)・購入はジャケット写真から
 
JOHNNY GRIFFIN SEXTET
JOHNNY GRIFFIN : Tenor Sax
BLUE MITCHELL : Trumpet
JULIAN PRIESTER : Trombone
WYNTON KELLY : Piano
SAM JONES : Bass
ALBERT HEATH : Drums


ザ・リトル・ジャイアント
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デクスター・ゴードン / デクスター・コーリング / SMILE5

 『DEXTER CALLING...』の7曲目は【SMILE】(以下【スマイル】)。


 喜劇王チャーリー・チャップリンの名バラード【スマイル】であるが,ジャズ界のロング・トール王=デクスター・ゴードンは,成功へのバラードの歩みを捨て,ミディアム・テンポでの熱演を“演じて”いる。

 【スマイル】の極上テーマは“いじることなく”素直に吹き上げ,それ以外は徹底的にドライブする。それがデクスター・ゴードンのやり方である。
 ケニー・ドリュー・トリオのごきげんな演奏に乗せられたのか,デックスアドリブが軽快フレーズのオンパレード。肩の力の抜けきった,あたかもライブでのアンコール演奏の雰囲気である。
 そう。花道を練り歩きながら客席へ感謝のウインクを飛ばすデクスター・ゴードンこそジャズ・ヒーロー! 豪快な男に親しみを覚える瞬間が【スマイル】にある。

DEXTER GORDON : Tenor Sax
KENNY DREW : Piano
PAUL CHAMBERS : Bass
PHILLY JOE JONES : Drums

アキコ・グレース / 東京 / IN FRONT OF THE SKYWHEEL4

 『TOKYO』の6曲目は【IN FRONT OF THE SKYWHEEL】。


 【IN FRONT OF THE SKYWHEEL】の何とロマンティックなことだろう。アキコ・グレースこそ“女キース・ジャレット”である!

 この大甘なメロディを素直に指に乗せていく。どうして“あえぎ声”がでないのかが不思議なくらい,藤原清登の重低音で子宮を突き上げられたと思った瞬間,岩瀬立飛ブラシで優しく局部を撫でられている。
 そう。【IN FRONT OF THE SKYWHEEL】でのピアノの音色は,アキコ・グレース流“エクスタシー”の発露である。
 上品かつ奥ゆかしい。この表現力こそ“女キース”! 飛び抜けた才女である。

AKIKO GRACE : Piano
KIYOTO FUJIWARA : Bass
TAPPY IWASE : Drums

チェット・ベイカー / チェット・ベイカー&クルー / REVELATION4

 『CHET BAKER & CREW』の4曲目は【REVELATION】(以下【レヴェレーション】)。


 【レヴェレーション】は,ハード・バップの黒リズムに絶品メロディ! “クセになる”ブルースである。

 フィル・アーソテナーサックスが明るく響き,ノリノリ・テーマに華を添えていく。対照的にチェット・ベイカートランペットは,クールに抑えた“重石”のような存在感。

 このフロントが光り輝く要因こそ,ボビー・ティモンズ! ピアノソロも聴き所応えがあるが,何と言ってもゴスペル調のバッキング! ボビー・ティモンズピアノが“フロントの抑揚”を演出している。
 そしてもう一人。ピーター・リットマンが最後尾からあおるあおる! 2分50秒以降と3分14秒以降での2回のドラムソロが超ダイナミック。ここが【レヴェレーション】!

CHET BAKER : Trumpet
PHIL URSO : Tenor Sax
BOBBY TIMMONS : Piano
JIMMY BOND : Bass
PETER LITTMAN : Drums

木住野 佳子 / PORTRAIT - 木住野佳子 ベスト・セレクション / FAIRY TALE5

 PORTRAIT − YOSHIKO KISHINO BEST SELECTIONの1曲目は【FAIRY TALE】(以下【フェアリー・テイル】)。


 「おとぎ話」という意味の【フェアリー・テイル】によって「おとぎの国」=木住野ワールドへの扉が開かれる! そこは実に美しいピアノの「おとぎ話」。雄大な音空間の美であり,ハーモニーの美である。

 ビル・エヴァンスを徹底的に研究してきた木住野佳子と,ビル・エヴァンス・トリオの最後のベーシストマーク・ジョンソン。【フェアリー・テイル】は,木住野佳子を介して実現した,エヴァンスジョンソンの15年振りの“仮想”夢の共演である。

 木住野佳子の繊細なピアノが清々しい。優しく身体に馴染んでくる。この灰汁のない響きこそ木住野佳子の真骨頂である。
 テーマで絡み合いながらも低音で“突き上げてくる”マーク・ジョンソンが流石である。このスコット・ラファロ風=自由な跳ね馬ぶりが好みであるが,一方でピアノ・ソロでのバックで的確にリズムを刻むチャック・イスラエル風の安定したベース・プレイも聴き逃せない。
 
 3分59秒からのマイケル・ブレッカーテナー・ソロこそ「おとぎ話」の美しさ! 【フェアリー・テイル】にゲスト参加で花を添えるつもりが,木住野佳子の快演に一歩も後へ引けなくなったという感じ? 本気で骨太の“マイケル節”が炸裂している。
 ピーター・アースキンロジャー・スキテロの控え目ながらも華やかなドラムパーカッションも存在感たっぷりで素晴らしい。

YOSHIKO KISHINO : Piano
MARK JOHNSON : Bass
PETER ERSKIN : Drums, Percussion
MICHAEL BRECKER : Tenor Saxophone
ROGER SQUITERO : Percussion

レイ・ブライアント / レイ・ブライアント・プレイズ / ブルー・モンク5


 『RAY BRYANT PLAYS』の2曲目は【BLUE MONK】(以下【ブルー・モンク】。


 【ブルー・モンク】におけるレイ・ブライアントのプレイに唸ってしまう。モンク調で灰汁の強い【ブルー・モンク】を,自分の土俵に持ち込んで消化できている。これは“レイ・ブライアントの”【ブルー・モンク】である。

 54秒からのアドリブは,完全なるブライアント節! レイ・ブライアントにとっては天下のモンク調も一つのモチーフに過ぎないのでは?
 スラスラと一筆書きの【ブルー・モンク】。これぞ名演である。

CD視聴(試聴)・購入はジャケット写真から

RAY BRYANT : Piano
TOMMY BRYANT : Bass
OLIVER JACKSON : Drums

レイ・ブライアント / レイ・ブライアント・プレイズ5

 ジャズに限らず「幻の名盤」と呼ばれるものがある。しかしその多くは「幻の普通盤」であって,真に価値ある「コレクターズ・アイテム」は数少ない。

 そんな中,管理人が大枚をはたいてでもどうしても手に入れたい,正真正銘の「幻の名盤」がある。それが『RAY BRYANT PLAYS』(以下『レイ・ブライアント・プレイズ』)! ジャズ・ピアニストレイ・ブライアントの最高傑作である。

 「幻の名盤」の『レイ・ブライアント・プレイズ』のエピソードは,今や中古市場での語り草。
 驚くなかれ! 『レイ・ブライアント・プレイズ』のシグネチュア原盤LP)の取引価格が,嘘か誠か,何と30万円超え! 要因はマイナー・レーベル=シグネチュアゆえの“少量生産”にあるのだろうが,単なる希少価値を超えた,これぞ黄金伝説である。

 “一枚30万円”の幻のジャズLP! この言葉にマニアの血が沸き立たないはずがない! まだ年若く血気盛んだった管理人は『レイ・ブライアント・プレイズ』を求めて東京近郊のジャズ喫茶をハシゴした末,ついに高田馬場「イントロ」で拝聴することができた。
 第一印象はムムッ,ほら見たことか。やっぱり眉唾物じゃないか…。これは今思うに「幻の名盤」の“化けの皮を剥がしてやろう”と手ぐすね引いて乗り込んだせいなのだろう。

 実は,管理人が『レイ・ブライアント・プレイズ』の真価に接したのはそれから数年後のことである。あの日の印象は忘れることができない。
 特にお目当てがあるわけではなく“普段着”で出かけた「イントロ」の店内。流れ出した【デロネェのジレンマ】に,コーヒーをすする手が止まった。続く【ブルー・モンク】で耳がダンボになり【ミスティ】でかかってしまった“金縛り”を解くべく,レコード・チェックに向かった先で目にしたLPとは…。それが『レイ・ブライアント・プレイズ』であった。

 レイ・ブライアントの優しいピアノ・タッチが“やけに”切々と訴えかけてくる。決して押しつけるではなく,あの圧倒的な存在感は管理人好みのピアニストの音であった。
 パウエルモンクエヴァンスのラインとは違う,ソニー・クラーク・ラインでの好みである。そう。レイ・ブライアントのピアノには「優しさと黒さ」があるのだ。ここに“一枚30万円”の値をつけたジャズ・ファンの耳の確かさを思い知らされた。

 2003年某日,あの日以来“恋い焦がれ続けた”『レイ・ブライアント・プレイズ』が,ついに我が家へやって来た。
 …と言っても,30万円で購入したわけではない。2500円。そう。CD復刻盤に形を変えてのお出ましであった。こんな安値なのに高音質で手間いらず。“庶民派”ジャズ・マニアにとっては良い時代になったと思う。
 ところがVIP待遇でお迎えしたはずの『レイ・ブライアント・プレイズ』が鳴いてくれない。あれ? でも大丈夫。『レイ・ブライアント・プレイズ』の真価は2回目から…。やっぱりそうだ。3回目。来た来た。4回目。ニンマリ笑顔。ああ,もっと早く手に入れるべきだった。ずっと手元に置いておきたいと思う。

 『レイ・ブライアント・プレイズ』は「幻の名盤」に違いない。ただし現在は「幻の名盤」などではない。入手可能な大名盤

 読者の皆さんにも“一枚30万円”のジャズピアノの真価を是非体感していただきたいと思う。『レイ・ブライアント・プレイズ』は聴き込めば聴き込む程味が出る“スルメ盤”である。

  01. DELAUNEY'S DILEMMA
  02. BLUE MONK
  03. MISTY
  04. SNEAKING AROUND
  05. NOW'S THE TIME
  06. WHEATLEIGH HALL
  07. DOODLIN'
  08. A HUNDRED DREAMS FROM NOW
  09. BAGS GROOVE
  10. WALKIN'
  11. TAKE THE "A" TRAIN
  12. WHISPER NOT

(シグネチュア/SIGNATURE 1960年発売/TOCJ-9474)
(紙ジャケット仕様)
(ライナーノーツ/ナット・ヘントフ,杉田宏樹)

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ラリー・カールトン・ウィズ・ロベン・フォード / ライヴ! / TWO BAD4


 『LIVE IN TOKYO』の6曲目は【TWO BAD】(以下【トゥ・バッド】。


 イントロからツイン・ギターで【フットプリンツ】のテーマが飛び出す【トゥ・バッド】は,ラリー・カールトンロベン・フォードには珍しいジャズ・ナンバー! これはロベン・フォードの引っ張り勝ち! ラリー・カールトンが“ジャズ圏内”でプレイしてみせる。

 25秒から45秒と7分7秒から7分27秒まではロン・カーターのコピーであるが,5分55秒から6分6秒におけるロベン・フォードは“もろ”ウェイン・ショーター! そして魂の奥底には常にマイルス・デイビス

 ただし1分36秒からのジェフ・パブコキーボードハービー・ハンコックの“あれ”である。ここが【トゥ・バッド】の由来なのであろう。

CD視聴(試聴)・購入はジャケット写真から

LARRY CARLTON : Guitar
ROBBEN FORD : Guitar
JEFF BABKO : Keyboards
TOSS PANOS : Drums
TRAVIS CARLTON : Bass

トミー・フラナガン / ザ・トミー・フラナガン・トリオ / VELVET MOON4


 『THE TOMMY FLANAGAN TRIO』の3曲目は【VELVET MOON】(以下【ヴェルヴェット・ムーン】)。


 【ヴェルヴェット・ムーン】には“伴奏者”としてのトミー・フラナガンが色濃く表現されている。そう。必要以上にピアノ・タッチに注意を引こうとする“色仕掛け”など皆無。楽曲の良さを客観的に伝える“地味な”演奏である。

 あたかもビル・エヴァンスのような“スーッと身体に染みこむ”ビタミン・ウォーター! BGM気分で繰り返し聞いても許される。ワイン片手に耳を傾けるのもよし。日本酒でだっていける。
 そんな“ほろ酔い気分”で聞いていると,ある瞬間ツボにはまる。「おや? 今のところいいな」。管理人にとっては,2分46秒から2分58秒までのフレーズでアルコールを持つ手が止まってしまった。この前後がツボ多発地帯である。

 忘れてならないのが,ロイ・ヘインズドラミング! 最高に心地良い鳴りっぷりである。

CD視聴(試聴)・購入はジャケット写真から

THE TOMMY FLANAGAN TRIO
TOMMY FLANAGAN : Piano
TOMMY POTTER : Bass
ROY HAYNES : Drums

市原 ひかり / SARA SMILE / CLEOPATRA'S DREAM4

 『SARA SMILE』の1曲目は【CLEOPATRA’S DREAM】。


 市原ひかりの【CLEOPATRA’S DREAM】は若干スロー。リズムがスイングしていることから,これは丁寧に2管フロントを聴かせる“演出”なのだろう。バド・パウエル風のアダム・バーンバウムピアノを2管フロントで抑え込んでいる。

 先発するグラント・スチュアートテナー・サックスが,伸びる伸びる! 雄大で懐の大きなうねりを生み出すアドリブの音空間がリスナーを早々とエジプトへと誘ってくれる。
 2分7秒からの市原ひかりトランペットソロがハイライト! 2分43秒からの高速アドリブ連打からの“つなぎ”のアイディアに“初々しさと熟練”が同居している。いい。

HIKARI ICHIHARA : Trumpe, Flugelhorn
ADAM BIRNBAUM : Piano
PETER WASHINGTON : Bass
LEWIS NASH : Drums
GRANT STEWART : Tenor Saxophone

松岡 直也 / ウォーターメロン・ダンディーズ / SUN DOWN5

 『WATERMELON DANDIES』の5曲目は【SUN DOWN】。


 【SUN DOWN】とは,夏の日の夕暮れ? 松岡真由美作曲=おセンチ・ソングの決定版である。この和音&ハーモニーに感動してしまう。心が“ホッ”とする,例のアレである。
 中村哲テナー・サックスも素晴らしいが【SUN DOWN】は真の歌ものである。歌詞をつけたら【ミ・アモレ】以上の大ヒット間違いなし,と思っている。

 【SUN DOWN】成功の要因は“メロディの良さ”に尽きる! あのサビを聴けば聴くほど涙する。夏の夕暮れソングが物悲しい秋の始まりを告げている。淡々としたシンプルな演奏が逆に胸に突き刺さる。あぁ。

 NO! シンプルな演奏は松岡直也一人。他のメンバー全員がサビと同時にドラマティックに激動する! 和田アキラが,高橋ゲタ夫が,カルロス菅野が“いぶし銀”の裏方役に徹している。特に活躍目覚ましいのがドラマー広瀬徳志! 3分19秒からの広瀬徳志ドラミングを追いかけるだけでも真に感動的!
 管理人の主張=「ジャズフュージョンはミディアムが一番説」は伊達じゃありませんよ〜。

NAOYA MATSUOKA : Keyboards
GETAO TAKAHASHI : Bass
HIROMICHI TSUGAKI : Keyboards
NORIYUKI HIROSE : Drums
AKIRA WADA : Guitar
WILLIE NAGASAKI : Timbales
SHINGO KANNO : Congas

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SATOSHI NAKAMURA : Tenor Saxophone

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