アドリブログ 〜JAZZ/FUSION批評〜

ジャズ/フュージョン批評ブログ CD, DVD, ALBUM REVIEW, TRACK REVIEW and more

2008年11月

オスカー・ピーターソン / プリーズ・リクエスト / HAVE YOU MET MISS JONES?4


 『WE GET REQUESTS』の5曲目は【HAVE YOU MET MISS JONES?】(以下【ジョーンズ嬢に会ったかい?】)。


 【ジョーンズ嬢に会ったかい?】は,普段着の『プリーズ・リクエスト』そのもの。そう。聴衆からのリクエストを余興のアンコールで演奏するのにふさわしい。
 “黄金のトリオ”ゆえ,出来が悪いはずはないのだが…。

 【ジョーンズ嬢に会ったかい?】は,普段着の『プリーズ・リクエスト』そのもの。そう。オーディオ・マニアが選んだ録音名盤の名にふさわしい最優秀録音トラック。スロー・ナンバーゆえオスカー・ピーターソンの「音の余韻」と「ピアノ・タッチ」が堪能できる。

 【ジョーンズ嬢に会ったかい?】は,普段着のオスカー・ピーターソンそのもの。1分39秒から徐々にピアノのボリュームとテンションがアップして,2分10秒以降では“例の”唸り声が聞こえてくる。

CD視聴(試聴)・購入はジャケット写真から

THE OSCAR PETERSON TRIO
OSCAR PETERSON : Piano
RAY BROWN : Bass
ED THIGPEN : Drums

アート・ファーマー / おもいでの夏 / DITTY4

 『THE SUMMER KNOWS』の5曲目は【DITTY】(以下【ディティ】)。


 “少女漫画路線”の『おもいでの夏』にあって唯一の異色作,モーダル・ブルースの【ディティ】に萌える! アート・ファーマーが,日本でもヨーロッパでもなく,思いっきり“アメリカン・ジャズ”しているのが楽しい。

 ベース・ラインの明るいテーマとは対照的に“テンション張った演奏”の連続である。この要因はビリー・ヒギンズドラミングにある! ビートを刻みつつも「そこでいけ!」と,メンバーのアドリブを先導していく。細かく聴くとビリー・ヒギンズ自身も“あの手この手”のテクニックのテンコ盛り! ドラマーがこうだとこうなる? 

 ビリー・ヒギンズに“お膳立てされた”フリューゲル・ホーンソロが饒舌である。1分11秒で聴こえる“一発の吹き上げ”こそ,イージー・リスニング・ジャズ奏者には徹しきれなかった,アート・ファーマー流「照れ隠し」である。

ART FARMER : Fluegel Horn
CEDAR WALTON : Piano
SAM JONES : Bass
BILLY HIGGINS : Drums

上原 ひろみ / ブレイン / KEYTALK4

 『BRAIN』の7曲目は【KEYTALK】(以下【キートーク】)。


 【キートーク】とは“楽器たちの会話”である。特に“上原家”の鍵盤たちの何と感情の豊かなこと! 時に笑い,時にブツブツ文句を言っている。
 さてさて(AVANTI風に)そんな楽器たちの会話に聞き耳を…。

 イントロのピアノで飛び出す,左指でのスイング感! さぁ【キートーク】を始めよう。「Are you ready?」
 すぐにベースドラムが相槌を打ち始め,36秒から「会話の主役」であるキーボードの「ずーずー弁」が聞こえ出す。「ずーずー,がーがー」のガマガエル・トーク炸裂である。
 1分46秒から「標準語」のピアノが話し始めるが,長くは続かず,すぐに「ずーずー弁」に会話を独占されてしまう。あれれ? 「ずーずー弁」だったキーボードの訛りが徐々に消え去り,5分30秒からはYMOを彷彿させる大都会のテクノ・サウンドへと大変身! カッコイイ!
 6分20秒からはピアノキーボードのクロストークはデュオっぽい。ベースドラムは,キーボードよりもピアノの会話に聞き入っているようだ。7分後半からラストまでは“ヴァリホラ家”のドラムが一人バックで大声出して踊っている!
 ラストは3人一斉に自分の部屋の扉を閉じた。今夜の【キートーク】はこれにて終了。明日はどんな“楽器たちの会話”が…。

HIROMI UEHARA : Piano, Keyboards
TONY GREY : Bass
MARTIN VALIHORA : Drums

向谷 実 / ミノル・ランド / RECOLLECTION5

 『WELCOME TO THE MINORU’S LAND』の5曲目は【RECOLLECTION】(以下【リコレクション】)。


 管理人にとって【リコレクション】はH2Oの【想い出がいっぱい】のようなもの。【リコレクション】を耳にすると,決まって“郷愁”の世界へと誘われる。

 「古いアルバムの中に 隠れて 想い出がいっぱい 無邪気な笑顔の下の 日付けは はるかなメモリー♪」

 そう。隠れていた,いや,胸の奥にしまいこんだはずの,あの甘酸っぱい想い出が“走馬燈”のごとく駆け巡る! 青春って,十代の恋って…。ああ…。
 管理人にとって,想い出の“フラッシュバック”のBGMは,いつでも【リコレクション】なのである。

 1分27秒からフェードインしてくるオーケストラ風のシンセ,そして“真打ち”1分50秒からの向谷実のプレイが胸を打つ! ここから先が泣き所の洪水。どんなに我慢に我慢を重ねても,3分23秒からのドラムの連打でダメ押しされてしまう。
 3分51秒以降でかかるエコーの,なんときらびやかなことだろう。美しい。素敵なハッピーエンド!

 【リコレクション】はキーボード・プレイヤー=向谷実の“少女マンガ”。畑違いの新人漫画家が描くロマンティックな音世界にどっぷりと浸ってみてください。読者の皆さんもきっと心打たれます。

MINORU MUKAIYA : Keyboards, Piano

安藤 まさひろ / メロディー・ブック / ROMANCE4

 『MELODY BOOK』の5曲目は【ROMANCE】(以下【ロマンス】)。

 
 【ロマンス】は,子供の頃どこかで聞いた“おとぎ話”の世界! 「夢の国」の物語である。

 “ギコギコ”弦楽器がリードする前半から,ストリングスとアコギがリードする中盤への移行の仕方が,映画のサントラ的手法を連想してしまう。
 ハイライトは“ザ・ストリングス”と安藤まさひろのアコギが絡み始める,1分31秒からの盛り上がり方にある。
 互いに“音”を意識して“重ね合う”ハーモニーの美しさは,クラシックとかヒーリングのそれであり,フュージョン以外にもチャレンジできる,ソロ・アルバムならではの楽しみであろう。

 さて,自分でもよく分からないのだが【ロマンス】の第一印象は,なぜか岡村孝子の【夢をあきらめないで】だった。
 どこがどう似てるかを,説明できる自信はない。その当時,単に大ヒットしていた影響なのかもしれない。でも,今,繰り返し聴いてもやっぱり【夢をあきらめないで】に聴こえてしまった。
 読者の皆さんの耳にも,そう思って聞くとそう聞こえるかも…。試してみていただけますか?

MASAHIRO ANDOH : Electronic Guitar, Acoustic Guitar
MASANORI SASAJI : Synthesizers, Keyboards
MASATOSHI MAEDA GROUP : Strings

akiko / リトル・ミス・ジャズ・アンド・ジャイヴ / AROUND THE WORLD4

 『LITTLE MISS JAZZ & JIVE』の2曲目は【AROUND THE WORLD】(以下【アラウンド・ザ・ワールド】)。


 【アラウンド・ザ・ワールド】は“キンコンカンコン”! ジャズとロックンロールの合体形であるダンス・ミュージック=“ジャンプ&ジャイヴ”でのお洒落な世界旅行が楽しめちゃう。

 心と身体がハズンでしまう! これぞ「クラリオン」のCMソングTBS「ブロード・キャスター」オープニング・テーマの貫禄!?

AKIKO : Vocal
SHIRO SASAKI : Trumpet
SHO OKUMURA : Trumpet
YASUHIRO SHIMIZU : Trumpet
YASUSHI HAKETA : Trumpet
OSAMU MATSUMOTO : Trombone
HARUKI SATO : Trombone
YOSHIAKI HASHIMOTO : Trombone
MITSUAKI UCHIDA : Bass Trombone
KAZUHIKO KONDO : Aito Saxophone & Flute
ATSUSHI KAWASAKI : Aito Saxophone & Flute
TATSUYA SATO : Tenor Saxophone
FUMIO HAYASHI : Tenor Saxophone
OSAMU KOIKE : Baritone Saxophone
YOSHIHIKO KATORI : Vibraphone & Glockenspiel
SHINICHI SATO : Bass
HAJIME ARIZUMI : Drums

INTRO PART
AKIKO : Tubler Bells
ISAO KANAYAMA : Vibraphone
OSAMU KAWAKAMI : Bass
HAJIME ARIZUMI : Drums

akiko / リトル・ミス・ジャズ・アンド・ジャイヴ4

LITTLE MISS JAZZ & JIVE-1 ジャズ・ボーカルも聞くには聞くが“専門外”の管理人。追いかけているのは数十人,ハマッタ人数は一桁である。
 そのハマッタボーカリストにしても,第一印象で「伸るか反るか」! ジャズ・ボーカルボーカリストの個性によって好き嫌いが如実に出る。
 そんな中,管理人には珍しく,第一印象の相性の悪さを裏返し,徐々にハマッていったジャズ・ボーカリストがいる。akikoである。

 akikoボーカル・スタイルの特徴を一言で表わすなら“耳馴染みのよさ”であろう。
 akikoには,それまでの暗くて重い演歌歌手のような?(失言を謝ります)ジャズ・ボーカリストたちの“アク&クセ”がない。自分一人の個性だけで歌い上げるのではなく,バックと共にアレンジされた“トータル・サウンド”を追求するタイプのボーカリストである。
 こう書くと“没個性”に思えるかもしれないが,決してそうではない。“耳馴染みのよさ”に隠れてしまう程,akikoボーカルはやわではない。ノリとピッチが正確でグルーヴィー! キーワードは“ジャンプ&ジャイヴ”! バックがスイングしようとブルースしようと,果ては打ち込みであろうと一切問題なしのボーカリストも珍しい。
 akikoは全てのバック・サウンドをインプットし,自分の中のフィルターで消化してからアウトプットする。そのakiko特有のフィルターこそ,モダン以前のジャズから現代のスムーズ・ジャズまでの歴史である。古臭さと新しさが同居している。ビ・バップからヒップ・ポップまで一瞬でワープできる縦横無尽の守備範囲。全てを消化しミックスさせることができる才能が瞬時に“王道のジャズ・ボーカル”へと作り替えてしまう。それがakikoボーカル・スタイルである。

 しかし,管理人がこう思うようになったのはデビューから数年後の出来事。akikoもまた,J-ジャズ新世代の旗頭の一人である。akikoデビュー当時のちまたでの賛辞は尋常ではなかった。名門レーベル・VERVEヴァーヴ)初の日本人女性ボーカリストスイングジャーナル誌選定【ゴールドディスク】&【ニュー・スター賞】受賞。こうして手にした“ジャズ・ビューティー”の称号正しく,世界の化粧品ブランド「エスティローダー・ティファイニング・アワード」獲得の離れ業! 音楽良し&ルックス良しとくれば,迷わず喰いつくはずの管理人なのであるが…。どうもダメだ。ガーンと壁がそびえたっていた。

 そんな傷心の管理人がakikoの“洗礼”を浴びる日がやって来た。akikoの8枚目『LITTLE MISS JAZZ & JIVE』)(以下『リトル・ミス・ジャズ・アンド・ジャイヴ』)である。
 『リトル・ミス・ジャズ・アンド・ジャイヴ』は,元ピチカート・ファイヴ小西康陽プロデュースによる“ジャンプ&ジャイヴCD! 直感的に「あっ,これだ」と感じた。以前に感じた違和感が消えてゆく。“ジャンプ&ジャイヴ”の文脈で歌うakikoの圧倒的な存在感! それまではバックのアコースティック・ジャズに“埋もれて”いたはずのakikoが前面に出て光り輝いている!

LITTLE MISS JAZZ & JIVE-2 このスタイルを新世代と呼ぶのは違う。実際はその逆で,akikoジャズの超正統派であり昔から活躍しているジャズ・ボーカリストのように思える。でも,それも違う。例えるならakikoボーカルは“服飾における補正作業”のようなもの。新しいものを古臭く,逆に古臭いものを新しいものとして聴かせるセンス満点のジャズ
 そう。「音楽はファッション」と言い切るakikoこそ,J-ジャズ新世代の“ジャズ・ビューティー”! この見せ方,聞かせ方,音を着こなすセンスの良さにKOされてしまったのだ。そう。『リトル・ミス・ジャズ・アンド・ジャイヴ』は“トータル・コーディネーター”akikoによる“補正作業”の最高傑作! ジャンプ&ジャイヴ以降のジャズ・スタンダードが見事にリ・アレンジされている。

 あの日以降,akikoの旧作を買い漁ってきたが,もう違和感など感じない。もう単なる“美人小娘”だとも思わない。akikoの歌声は『リトル・ミス・ジャズ・アンド・ジャイヴ』と,本質的には何ら変わっていなかった。変わったのは管理人の感じ方だけである。そしてジャズの本質も何ら変わっていない。そう。ジャンプ&ジャイヴの時代からすでに,akikoの目指す“トータル・サウンド”の芽は存在していたはずなのだ。そして今,akikoの歌声を通して待望のその芽が花開いたにすぎない。

 管理人はakikoCDは全て好きだ。よくもまあ,CD毎に“トータル・サウンド”を激しく変化させてくれるものだ。新作毎に“新しいakiko”を聴かせてくれる。最新作『ホワッツ・ジャズ?』の2枚もいい。「『古き良きスタイル』と『進化し続けるスピリット』。どちらも,akikoの考えるジャズ」とは大正解! 『スタイル』と『スピリット』の対照的な音造りにも係わらず,akikoはそのどちらととも耳馴染む“王道のジャズ・ボーカル”を聴かせてくれている。

 『スタイル』と『スピリット』の本質は一つ。『スタイル』と『スピリット』が“バラバラの単品”に聴こえた読者には,一度『リトル・ミス・ジャズ・アンド・ジャイヴ』を聴き直してみてほしい。『スタイル』でも『スピリット』でも“ジャンプ&ジャイヴ”に基づく“ジャズ・ボーカリストakikoの“補正作業”の跡をなぞることができよう。
 akikoは今日も“一番古くて一番新しい”ジャズを歌っている。実に見事な仕上がり具合である。

  01. IT DON'T MEAN A THING (IF IT AIN'T GOT THAT
     SWING)

  02. AROUND THE WORLD
  03. FLAT FOOT FLOOGIE
  04. IS YOU IS OR IS YOU AIN'T MY BABY
  05. I WANT YOU TO BE MY BABY
  06. MR. SANDMAN
  07. I'M BEGINNING TO SEE THE LIGHT
  08. THE MUSIC GOES 'ROUND AND 'ROUND

(ヴァーヴ/VERVE 2005年発売/UCCJ-2041)

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サド・ジョーンズ=メル・ルイス・ジャズ・オーケストラ / セントラル・パーク・ノース / QUIETUDE4


 『CENTRAL PARK NORTH』の2曲目は【QUIETUDE】(以下【クワイエテュード】)。


 【クワイエテュード】は,タイトル通りの“クワイエットエテュード”なナンバー。ホーンズよりもギターピアノベースの“静かなる働き”にスポットライトが当てられている。

 52秒からのローランド・ハナピアノ・ソロにギターベースが絡みつく。1分44秒からはメル・ルイスドラムが一歩前進し,3人のアンサンブルの輪の中へと参加する。そこへホーンズが加わった瞬間に感じる,あの何とも言えない胸のときめき! 無意識のうちに,こんなにもブラス隊を待ち焦がれていたとは…。
 すっかり「サド・マジック」にかかってしまった自分を誇りに思っている。

CD視聴(試聴)・購入はジャケット写真から

THAD JONES=MEL LEWIS JAZZ ORCHESTRA
THAD JONES : Flugel Horn
MEL LEWIS : Drums
SNOOKY YOUNG : Trumpet
JIMMY NOTTINGHAM : Trumpet
RICHARD WILLIAMS : Trumpet
DANNY MOORE : Trumpet
EDDIE BERT : Trombone
JIMMY KNEPPER : Trombone
BENNIE POWELL : Trombone
CLIFF HEATHER : Trombone
JEROME RICHARDSON : Sax
JERRY DODGION : Sax
EDDIE DANIELS : Sax
JOE FARRELL : Sax
JOE TEMPERLY : Sax
BARRY GALBRAITH : Guitar
SAM BROWN : Guitar
ROLAND HANNA : PIANO
RICHARD DAVIS : Bass & Fender

レッド・ガーランド / グルーヴィー / HEY NOW5


 『GROOVY』の6曲目は【HEY NOW】(以下【ヘイ・ナウ】)。


 【ヘイ・ナウ】での,レッド・ガーランドピアノは最高に輝いている! このトラックにはホーン奏者は不要である。ただただ,レッド・ガーランドピアノに酔いしれるのみ。ガーランド一世一代の大名演である。

 イントロから繰り出されるピアノのアタック! ピアノが打楽器で良かった,と心から思う。
 ビブラフォンではなく(子供が叩く)木琴のような独特のタッチ。音が粒立ち飛び跳ねている。いや〜,超ご機嫌なブルースである。レッド・ガーランドが乗りに乗っている!

 やっぱりレッド・ガーランドは「パウエル派」であった。3分21秒での“にごり音”を聴き取ってほしい。ここに“隠し切れない”レッド・ガーランドの地が記録されている。
 「もう指が回りすぎて止まんねぇ」の「べらんめぇ調」のピアノ・タッチは“あの時代の”バド・パウエルと瓜二つ。パウエル降臨時のレッド・ガーランドは,もう手がつけられない。
 【ヘイ・ナウ】に充満している,ブルースブルースによる地獄の千本ノックをご堪能アレ!

CD視聴(試聴)・購入はジャケット写真から

THE RED GARLAND TRIO
RED GARLAND : Piano
PAUL CHAMBERS : Bass
ARTHUR TAYLOR : Drums

チャーリー・ヘイデン & パット・メセニー / ミズーリの空高く / TWO FOR THE ROAD4

 『BEYOND THE MISSOURI SKY (SHORT STORY)』の4曲目は【TWO FOR THE ROAD】(以下【ツー・フォー・ザ・ロード】。


 【ツー・フォー・ザ・ロード】の美メロを是非堪能してほしい。この美メロは,作曲者=ヘンリー・マンシーニの才ではない。アドリブ不要の美メロを限界ギリギリまで崩したパット・メセニーの美才である。

 特筆すべきは中盤でのギターソロ。美メロを一音一音愛おしむかのように響かせていく…。【ツー・フォー・ザ・ロード】の美メロと一人で向き合ったパット・メセニーが,完全に悦に入っています。はい。
 コード進行を完璧に生かし切り,一音一音の存在理由を示すかのようなパット・メセニーの演奏は,もはや「アドリブではなく作曲だ」と叫びたくなってしまう。とは言え,少々作曲が過ぎたきらいもあるが…。

 そう。【ツー・フォー・ザ・ロード】の聴き所は,3分43秒で登場するラスト・テーマ! パット・メセニーが【ツー・フォー・ザ・ロード】のテーマを前にして,アドリブで崩すべきか崩さざるべきかの狭間で揺れ動いている様子が伝わってくる! 美は芸術家自身の己との格闘の上に成り立っている。

CHARLIE HADEN : Bass
PAT METHENY : Acoustic Guitars and all other instruments

テレビ東京 / みゅーじん(音遊人) / 小林香織

みゅーじん(音遊人) / 小林香織 昨日,テレビ東京(TVQ九州)にて「みゅーじん音遊人) 第108回:小林香織」が放送されました。

 番組中のインタビューで,泉谷しげるから小林香織への一言。「一緒にやってて楽しいので結婚してください」。なぬ〜,それって職権乱用ですよ。美女と野獣ですよ。ですから管理人と結婚してください。香織ちゃ〜ん。

 …って書くと管理人の“憧れ”香織ちゃんに嫌われてしまう。泉谷しげるに持っていかれてしまう? そう。ジャズ・サックス奏者=小林香織(27歳)は,今“ジャズ界のアイドル”からの脱皮中なのであります。もう“かおりん”と軽々しく呼べません。それ位,かおりんは真剣に「自分自身の音楽」と向き合っていました。

 さて,小林香織のあのルックスは“諸刃の剣”であろう。人々を惹きつける武器ともなれば,音楽勝負の邪険ともなる。小林香織=アイドルというイメージが「本格派」転進への“足かせ”となっている。「天から二物を授かった」小林香織のジレンマは想像に難くない。「ルックスよりもサックス勝負」しているのだから…。

 番組前半は2008年9月の台湾ツアーのドキュメンタリー。台湾での小林香織も日本同様「アイドル・サックス・プレイヤー」の肩書き先行。「アーティストとしての私を見てほしい」。その思いを伝えるべく今回はオリジナル曲中心のステージを準備した。

 ライブ前日のリハーサル風景が放映された。スタジオ入りするまでは正統派アイドル然としていた小林香織の表情が,サックスを手に取った瞬間一変する。バンド・リーダーとして,そして小林香織ジャズフュージョンを奏でるべく,メンバーを仕切るは指示するは,みっちり5時間のリハーサルで大スパーク!
 最近エフェクターを使い始めた理由について「少しでも人と違う音を出したいから」と語っていた。うん。弾き方でニュアンスが変わる,インストというジャンルへのこだわり。この言葉に小林香織のプライドとコンプレックスが秘められている。

 ライブが終わった。終演後の会場にはサインを求める長蛇の列。これは「ルックスではなくサックス」で勝ち取った勝利! でもでも管理人には【テキーラ】でのコール&レスポンスが,めちゃカワイイ! 香織ちゃんはもう十分実力派なのだから,これからは“ルックスかサックスか”ではなく“ルックスもサックスも”で頑張ってほしいなぁ。

 番組後半は管理人の“恋敵き”泉谷しげるの還暦ライブ「泉谷展覧会60X60」への参加レポート。夜22時−翌朝5時半までの7時間ライブに26曲のゲスト参加。いつもとは違うシースルーの衣装をまとい“脱アイドル”宣言のライブ参加。

 ここで飛び出したのが上記泉谷氏からのプロポーズ。何々「一見おとなしそうで隣りのきれいなお姉さんに見えた。お嬢さんで世間知らずかなとも思うけどハードで獰猛なところがある。わりとアッパーなので男扱いしている」。ふ〜ん。そう。泉谷しげるっていい人なんですね。

 最後に小林香織がこう語った。「インストを広めたい。アイドル? きっかけがそういうところであればそれはそれでうれしい。ジャンルなんて関係ない。自分だからできる音色をこれからも奏で続けていく。愛が大事」。
 完全に“脱アイドル”出来上がっちゃってます。でもそれでも管理人もこれだけは言いたい。香織ちゃん,めっちゃかわいかったよ〜! ( ← 確実に嫌われてしまいます )

MALTA / マイ・バラッド / COOL SHADOW4

 『MY BALLADS』の6曲目は【COOL SHADOW】(以下【クール・シャドウ】)。


 管理人が【クール・シャドウ】を聴く時は,いつでもバックに耳ダンボ! どうですかっ,佐山雅弘森園勝敏渡辺建木村万作による鉄壁の布陣! これで中村哲MALTAに,布川俊樹が“師匠”和田アキラに代わるなら,最強フュージョン・バンド=プリズムの大完成である。

 イントロでの森園勝敏ギターがめっちゃクール! そう。【クール・シャドウ】は,MALTAによる,プリズムの【モーニング・ライト】である。
 プリズム・ファンの読者の皆さん,そう思って聴くと確実にハマリますよっ。

MALTA : Alto Sax
MASAHIRO SAYAMA : Acoustic Piano Solo, Synthesizers
KATSUTOSHI MORIZONO : Electric Guitar
TOSHIKI NUNOKAWA : Electric Guitar
KEN WATANABE : Electric Bass
MANSAKU KIMURA : Drums

松岡 直也 / ウォーターメロン・ダンディーズ / TANGO RENGUE4

 『WATERMELON DANDIES』の3曲目は【TANGO RENGUE】。


 【TANGO RENGUE】は,松岡直也プレゼンツ“ハッピー・ウェデイング”!
 自分でも,なぜそう思うのか,不思議であるが「タータラッタララ タララララララ〜♪」のサビを耳にすると,純白のウェディング・ドレス(今日現在では,エビちゃん)をイメージしてしまうのだ。
 結婚式場のCMか何かでBGMとして流れていたのかなぁ?

 松岡サウンドの“生命線”である,高橋ゲタ夫ベースが,いつもの3割増しで躍動的! ノリノリ・ラテン・ビートの上空を“エレガント”に鳴り響く,津垣博通シンセ・オーケストレーション! これが見事にキマッテいる&ハマッテいる。
 
 松岡直也キーボードも,サビの連打が毎回微妙に異なっている。1回目が強めのアタックであれば,2回目はややソフトに,3回目はオケに合わせて“華やいだ”タッチ!
 この「来るぞ,来るぞ,そしてキターッ!!」の快楽が,もう最高! エビちゃんなら最高!

NAOYA MATSUOKA : Keyboards
GETAO TAKAHASHI : Bass
HIROMICHI TSUGAKI : Keyboards
NORIYUKI HIROSE : Drums
AKIRA WADA : Guitar
WILLIE NAGASAKI : Timbales
SHINGO KANNO : Congas

バド・パウエル / ザ・ジニアス・オブ・バド・パウエル / THE FRUIT5

 『THE GENIUS OF BUD POWELL』の9曲目は【THE FRUIT】(以下【ザ・フルーツ】)。


 【ザ・フルーツ】での“ピアノの様変わりの速さ”と言ったら,逆ドリアン級!?( ← 熟れるのが早いと言いたいのですが,例えが浮かびませ〜ん。)演奏が進むにつれ,糖度が増している!

 【ザ・フルーツ】の,あの印象的なテーマは後半(2分32秒以降)でのみ鳴っていると思っていたが,今回聴き直してみて,イントロでも(9秒以降)鳴っていることに気が付いた。やはり全然演奏の“質”が異なっていた。

 豹変のターニング・ポイントは2分1秒以降の“荒くれ”のアドリブである。バド・パウエルのミィディアム・ファーストな連弾が,どっちに転ぶか分からない不安感と共に脳内をかき回した後で飛び出す,あのスッキリ・テーマ! 洗練された端正なピアノが粒立っている!

 果物の秋。収穫の秋。バド・パウエルの秋である。

BUD POWELL : Piano
RAY BROWN : Bass
BUDDY RICH : Drums

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