アドリブログ 〜JAZZ/FUSION批評〜

ジャズ/フュージョン批評ブログ CD, DVD, ALBUM REVIEW, TRACK REVIEW and more

2009年01月

ゲイリー・ピーコック,キース・ジャレット,ジャック・ディジョネット / テイルズ・オブ・アナザー / VIGNETTE4

 『TALES OF ANOTHER』の1曲目は【VIGNETTE】(以下【ヴィネット】)。


 【ヴィネット】を聴いてイメージするのは“嵐の前の静けさ”である。いや,ジャック・デジョネットの叩き出すパーカッションが,すでに暴風雨を予感させる“風の音”である。
 そう。まだ窓を打ち叩く風音だけで雨は降り出していない。【ヴィネット】は“ただならぬ何かを”予感させる静けさに包まれている。

 全編“たんたんと”演奏が流れていく。この最大要因こそ,超硬質なレガートを静かに刻み続けるジャック・デジョネットの職人的なドラミング! ゲイリー・ピーコックキース・ジャレットの“平然と歌う”コード進行の後ろで“コツコツと”いい仕事をこなしている。この抜群のセンスがキース・ジャレットの“お気に入り”の所以であろう。

 4分15秒からのゲイリー・ピーコックベースソロは“スカスカ”で軽すぎ。ここはチャーリー・ヘイデンばりに奥深く潜ってほしかった。
 【ヴィネット】では100%サイドメンとしての役割に徹したキース・ジャレットピアノに“ケルン”を感じてしまうのは,私だけ?

GARY PEACOCK : Bass
KEITHJARRETT : Piano
JACK DeJOHNETTE : Drums

ゲイリー・ピーコック,キース・ジャレット,ジャック・ディジョネット / テイルズ・オブ・アナザー5

TALES OF ANOTHER-1 耳が悪すぎるのか? それともジャズが全く分かっていないのか? 「現代ピアノ・トリオの最高峰キース・ジャレット・トリオを揶揄する人々がいる。
 それらアンチが発するダメ出しの常套句の一つが「ベースがヘボイ」である。「これでベースエディ・ゴメスなら,クリスチャン・マクブライドなら最高なのに」と尾ひれがつく。

 これは明らかな的外れである。ゲイリー・ピーコックへの“いちゃもん”である。
 ズバリ,ゲイリー・ピーコックとは超一流のベーシスト。現代ベースのマイスターの一人なのだから…。

 『TALES OF ANOTHER』(以下『テイルズ・オブ・アナザー』)を聴いてみてほしい。『テイルズ・オブ・アナザー』は,ベースゲイリー・ピーコックに,ピアノキース・ジャレットドラムスジャック・デジョネットによる,キース・ジャレット・トリオスタンダーズ・トリオ)結成6年前の演奏である。

 “阿吽の呼吸”で連動するキース・ジャレット・トリオが大好きだが,まだまだ手探り状態のこの演奏も,今となっては最高にスリリング!
 年齢を重ねることで失われるものが若さであるとすれば,現キース・ジャレット・トリオが失ったものは『テイルズ・オブ・アナザー』での“荒削りの無鉄砲”であろう。

 そう。『テイルズ・オブ・アナザー』が残した“忘れ難いインパクト”がキース・ジャレットスタンダーズ・トリオ結成へと突き動かた“大興奮”の歴史的名盤である。ゲロゲロなフリー・ジャズである。

 全曲ゲイリー・ピーコックの自作曲で固められた『テイルズ・オブ・アナザー』は,6曲中4曲でゲイリー・ピーコックがイントロでベースソロを取り,そこへキース・ジャレットジャック・デジョネットが加わってくるという,現キース・ジャレット・トリオにおける,キースゲイリーの役割が交代した構成がゲイリー・ピーコック名義の証し!

 最高のサイドメンを従えたゲイリー・ピーコックベースがフロント楽器のように歌う歌う!
 どうしてもキース・ジャレットの絶頂のピアノとあえぎ声に耳が行ってしまうのだが(この記事は「ゲイリー・ピーコック批評」なのでキース・ジャレットについては多くを語りません)そこを堪えてゲイリー・ピーコックベース・ラインに意識を集中してみると,この演奏の凄さが浮かび上がってくる。

 そう。ゲイリー・ピーコックは,バッキングに回った時でさえ“無意味なタイム・キープ”をやっちゃいない。ハーモニスクによるフィルでさえ歌うのである。あの“じゃじゃ馬”キースの奔放なのに構成美溢れるピアノゲイリーが美しくも重厚なベースで受け止めていく。
 いや,ジャック・デジョネットが生み出すリズムの渦へ,一気呵成に切れ込むゲイリー・ピーコックが,ジャズ・ピアニストキース・ジャレットを“覚醒”へと導いていく!

 そう。キース・ジャレット・トリオベーシストは,エディ・ゴメスでもクリスチャン・マクブライドでもなく,ゲイリー・ピーコックその人! ゲイリー・ピーコックでなければ黄金のキース・ジャレット・トリオベーシストは務まらない。

TALES OF ANOTHER-2 …と,ここまで書いてみたが,ゲイリー・ピーコックの主戦場=管理人が思う近年のキース・ジャレット・トリオについて一言。

 「ベースがヘボイ」は敵ながらあっぱれ? 正直,管理人も過去にそう思った日々もあった。しかしそれはゲイリー・ピーコックへの不満から来るものではなく「マンネリ感」から来るものである。
 高級レストランのフルコースのごとき美音に“もうお腹いっぱい”なのである。たまには違う味も食べてみたい。そう考えると即効性があるベーシストの交代が脳裏をよぎってしまうことも…。ゲイリー・ピーコック・ファンの皆さん,本当にごめんなさい。

 でもそれでも,まだまだ食べさせてくれるんだよなぁ。満腹中枢が刺激されているはずなのに毎作買ってしまう。そしておいしく食べてしまう。さらにおかわりまでしたくなる。最新作『イエスタデイズ』もその口だった。こうくると分かっちゃいるのに“おおっ”と思う。
 期待通りなのに期待以上。最高なんだよなぁ。好きなんだよなぁ。なんだかなぁ。

  01. Vignette
  02. Tone Field
  03. Major Major
  04. Trilogy I
  05. Trilogy II
  06. Trilogy III

(ECM/ECM 1977年発売/UCCU-5281)
(ライナーノーツ/杉田宏樹,油井正一)

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渡辺 香津美 / パーフェクト・リリース / 林風5

 『PERFECT RELEASE』の3曲目は【LIM−POO】(以下 【林風】)。


 【林風】というタイトルが【東風】をイメージさせたのか【林風】は渡辺香津美・プレイズ・YMO! そう。最強KYLYNメンバー=坂本龍一へのオマージュである。

 ノスタルジックな曲想の【林風】に誘い出されれば,そこは中国! 50秒から1分33秒までの渡辺香津美ギター・シンセが中国している。余談であるが,矢野沙織の「ASIENCE」も坂本龍一作曲だったよなぁ。

 【林風】の代名詞であろう,3分41秒からのサビのリフレインが超好き! こんなメロディを作れるのは,やはり渡辺香津美坂本龍一しかいない。このメロディ・ラインに付けられた,さりげないギター・シンセのコーラスがたまらない! 管理人が「悦に入る」瞬間です。

 しかしサビ終わりからは徐々に,ハードなブリティッシュ・ロック風【林風】が出現する。ジェフ・バーリンの低音の最深部で“うごめく”ベース・ラインビル・ブラフォードの産み出すドラムの“グルーヴ”は,日本と同じ島国・イギリスのビートである。大陸へのあこがれは島国の人間でないと分からない?

KAZUMI WATANABE : Guitar, Guitar-Synthesizer
JEFF BERLIN : Electric Bass
BILL BRUFORD : Electric Drums, Drums, Percussion

チック・コリア・エレクトリック・バンド / トゥ・ザ・スターズ・ツアー・エディション / PORT VIEW 63

 『TO THE STARS TOUR EDITION/DISC 1』の13曲目は【PORT VIEW 6】(以下【ポート・ヴュー 6】)。


 【ポート・ヴュー 6】は,シンセサイザーの小刻みな振動によって,超高速(光速)での宇宙の旅を表現している。

 ラスト,1分30秒での一音は“ヴィブラホン”のような響きである。

CHICK COREA ELEKTRIC BAND
CHICK COREA : Keyboards, Piano

グラント・グリーン / フィーリン・ザ・スピリット / JUST A CLOSER WALK WITH THEE4


 『FEELIN’ THE SPIRIT』の1曲目は【JUST A CLOSER WALK WITH THEE】(以下【ジャスト・ア・クローサー・ウォーク・ウィズ・ジー】。


 【ジャスト・ア・クローサー・ウォーク・ウィズ・ジー】は,のんびりとしたご機嫌スイング! やけに先行するビリー・ヒギンズの叩き出すリズムに乗せられて,ニグロ・スピリチュアルな『フィーリン・ザ・スピリット』の珍道中の始まり始まり〜!

 【ジャスト・ア・クローサー・ウォーク・ウィズ・ジー】の“目玉”は,ハービー・ハンコックファンキー・ピアノ! グラント・グリーンが黄門様なら,ハービー・ハンコックは助さんである。そう思えるフレーズがあった。
 3分14秒から23秒までのフレーズを聴いてほしい。そう。グラント・グリーン“お得意の”フレーズである。グラント・グリーンに花を持たせたハービー・ハンコックであったが,その後は一人ファンク大会! ファンキーにまみれたアドリブの嵐に大満足である。

 黄門様=グラント・グリーンは,やっぱり“伝家の宝刀”紋所を切ってくる。4分45秒からのリフレインがたまらない。

CD視聴(試聴)・購入はジャケット写真から

GRANT GREEN : Guitar
HERBIE HANCOCK : Piano
BUTCH WARREN : Bass
BILLY HIGGINS : Drums
GARVIN MASSEAUX : Tambourine

トニー・ウィリアムス・ライフタイム / エマージェンシー! / VIA THE SPECTRUM ROAD4


 『EMERGENCY!』の5曲目は【VIA SPECTRUM ROADR】(以下【スペクトラル・ロード】)。


 【スペクトラル・ロード】は,トニー・ウィリアムスの“ビートルズ風”のボーカルが,マイルス・デイビスを“一歩先んじた”ポップ路線の名演である。

 トニー・ウィリアムスのズンチャのリズムに,ジョン・マクラフリン奏でるリズム・ギターのオーバー・ダビングと来れば【スペクトラル・ロード】は,ジャズ以外に仕上がりようもないのだが,もはやライフタイムジャズを捨てている。ジョン・マクラフリンにとっては,普通に弾いているつもりの,エレキ・ギターが歌を歌えば,ラリー・ヤングオルガンがゴージャスに響いている。
 普通にジャズを演っているはずの演奏がポップに聴こえるライフタイム。ここにフュージョン黎明期の音がある。

CD視聴(試聴)・購入はジャケット写真から

THE TONY WILLIAMS LIFETIME
TONY WILLIAMS : Drums, Vocal
JOHN MCLAUGHLIN : Guitar
LARRY YOUNG : Organ

チェット・ベイカー / チェット・ベイカー&クルー / SOMETHING FOR LIZA5

 『CHET BAKER & CREW』の5曲目は【SOMETHING FOR LIZA】(以下【サムシング・フォー・ライザ】)。


 【サムシング・フォー・ライザ】は,ウエスト・コースト・ジャズの地を行く,イケイケなのにスマート? 実に楽しげな演奏である。

 フィル・アーソが“田舎臭い”のはご愛嬌。このスイング・サックスが目立たないのは,白人ドラマーピーター・リットマンの大爆発するドラミングにある!
 キメとタメを織り成すドラミングフィル・アーソテナーサックスとシンクロするは,都合4回のバースで聴かせるドラムソロでは前面に出てフロントの2人をぐいぐい締め付けていく!

 例えば,1分35秒からと2分50秒からのチェット・ベイカーアドリブを聴き比べてみてほしい。単調だったトランペットが,人が変わったように一気に鳴り出している。
 これぞピーター・リットマンの“触媒効果”! これだからジャズ・ファンはやめられない!

CHET BAKER : Trumpet
PHIL URSO : Tenor Sax
BOBBY TIMMONS : Piano
JIMMY BOND : Bass
PETER LITTMAN : Drums

小林 香織 / ファイン / MOMENT OF LONELINESS3

 『FINE』の8曲目は【MOMENT OF LONELINESS】(以下【モーメント・オブ・ロンリネス】。


 ジャズフュージョンに“恋する”小林香織が,憧れの日野皓正と初共演した【モーメント・オブ・ロンリネス】であるが,2人の相性はよろしくない。
 これが市原ひかりと組んだなら,もっいい感じのポップなジャズになったと思うのだが…。

 【モーメント・オブ・ロンリネス】では,名プロデューサー=笹路正徳も悩んだのでは? 小林香織の“演奏力”は素晴らしい。明るく伸びやかに,しかし情感を込めてサラリと吹ききる。
 方や,2分19秒からの日野皓正アドリブ! これぞ黒光の汗の音,重量感を伴う男のラッパ! バックがスムーズ・ジャズしていようが,お構いなしのトランペットにしびれてしまう。

 小林香織日野皓正が絡みあう,4分45秒からの笹路サウンドが,100%小林香織寄り。日野皓正ジュニア=日野賢二さえも小林香織寄りのベース・プレイ。完全にヒノテルが浮いてしまったのが惜しまれる。
 父親との相性の悪さで,JINOとも【モーメント・オブ・ロンリネス】することを願う,かおりんファンであった。

KAORI KOBAYASHI : Alto Sax
MASANORI SASAJI : Keyboards, Percussions
TAKAYUKI HIJIKATA : Guitar
SHUICHI "PONTA" MURAKAMI : Drums
TERUMASA HINO : Trumpet solo

フレディ・ハバード&オスカー・ピーターソン / フェイス・トゥ・フェイス / ALL BLUES5

 『FACE TO FACE』の1曲目は【ALL BLUES】(以下【オール・ブルース】)。


 オスカー・ピーターソンの【オール・ブルース】が聴ける! ついにオスカー・ピーターソンモードが聴ける! 管理人はこの日が来るのをずっと待ちわびていた。

 しかし,オスカー・ピーターソンはやっぱりモードがお嫌いのようでブルース・アレンジで逃げられてしまった。タイトルが【オール・ブルース】なのだから,文句はマイルス・デイビスに言うべき? しかしこれが物凄いブルース! 期待外れなのに期待以上! それが【オール・ブルース】である。

 イントロから45秒間のフレディ・ハバードとのデュオで聴かせる芸達者ぶりに絶句する。オスカー・ピーターソン1人でフレディ・ハバードを支え得るバッキングが秀逸!
 2分40秒からはジョー・パスモード・イディオムのギター・ソロと絡みながら「壊さず離れず」のジャズ・ピアノが最高である。

 しかし【オール・ブルース】の主役はフレディ・ハバードトランペット! 絶好調のピーターソンを“力づくで押しのけ”自分色に塗り変えて行く! この豊かな創造性はフレディ・ハバード特有の味! テクニカルなのにド迫力! 小手先の細かな変化と王道勝負が同居する“突進型”のトランペットは,もう誰にも止められない!

 管理人には意外な発見があった。フレディ・ハバードは自分の好き勝手には演奏してはいない。完璧にバックをコントロールしている。
 フレディ・ハバードに乗せられたオスカー・ピーターソンアドリブが,そしてニールス・ヘニング・オルステッド・ベデルセンベースソロが切れている。“狂喜乱舞”の大名演である。

FREDDIE HUBBARD : Trumpet
OSCAR PETERSON : Piano
JOE PASS : Guitar
NIELS-HENNING ORSTED PEDERSEN : Bass
MARTIN DREW : Drums

フレディ・ハバード&オスカー・ピーターソン / フェイス・トゥ・フェイス5

FACE TO FACE-1 2008年の歳末に悲報が届いた。フレディ・ハバードであった。「また一人,偉大なジャズ・ジャイアントが亡くなってしまった」とジャズ好きの友人へ話した時,彼の発した一言で更に悲しくなってしまった。
 「フレディ・ハバードって尻つぼみの人でしょう? 後藤雅洋の本で読んだことがある」とのこと。あちゃ〜。これが何度目かのデジャヴであった。

 管理人は巷で定説化してしまった「フレディ・ハバード尻つぼみ説」に真っ向から反論したい。フレディ・ハバードを掴まえて「尻つぼみ」と称するのは,単純に「ハード・バップが最高だ」と思い込んでいるジャズ・ファンたちである。
 彼らの批評の物差しとは音楽形式の優劣であって肝心の演奏ではない。エレクトリックよりアコースティックが偉く16ビートよりも4ビートが偉い。単純に雰囲気がフュージョンしている音楽はアドリブがどんなに優れていても評価されないのだ。

 現代最高のトランペッターウイントン・マルサリスである。ウイントンを聴いた直後に下手なトランペッターは聴けやしない。
 そう管理人が主張するのは,何もウイントン・マルサリスが“新伝承派の象徴”だからではない。

 絶対に有り得ないことだが,仮にウイントン・マルサリスフュージョン・サウンドをバックにジャズ・トランペットを吹き上げたらどうなるのだろう? きっと一斉に“ウイントン・バッシング”が湧き上がることだろう。
 理由はこれまた単純であってウイントン・マルサリスが“伝統のジャズ”を捨てたから…。

 どう? これって変でしょう? 純粋な音楽好きには有り得ないでしょう? 肝心の演奏内容は無視してフュージョンっぽい“売れ線”に手を染めたらそれで全てがおしまいなんて…。
 しかしこれは仮定の話ではないのです。現実に起きている悲しいナンセンスなのです。これこそが「フレディ・ハバード尻つぼみ説」の真相なのです。

 フレディ・ハバードハード・バップ・スタイルの栄光を守り続ける保守派ではない。ジャズ・シーンの変遷に自らのスタイルを重ね求める新進気鋭のジャズメンである。そう言う意味ではフレディ・ハバードマイルス・デイビスと同類である。
 「フレディ・ハバード尻つぼみ説」の支持者には電化マイルスを拒否する人が多いのも納得である。マイルス電化してからが最高なことも知らないくせに…。新年早々ブツブツ…。

 そう。スタイル変われどマイルスマイルス。スタイル変われどフレディフレディなのである。
 しかしマイルス・デイビスフレディ・ハバードの決定的な違いは,マイルス・デイビスが流行を産み落とす側のジャズメンであったのに対して,フレディ・ハバードは作られた流行に乗る側のジャズメンだったこと。

 それゆえに幸か不幸か,マイルス・デイビスは2度とメインストリームに戻ってこなかったが,フレディ・ハバードウイントン・マルサリスが作り上げた“新伝承派ムーブメント”に乗せられて“ストレート・ア・ヘッドなジャズ畑”へと舞い戻ってきてくれた。

 『FACE TO FACE』(以下『フェイス・トゥ・フェイス』)は,流行のフュージョン畑に腰を据えつつも,これまた流行のアコースティック・ジャズへの回帰を模索し始めた時期のアルバムである。

FACE TO FACE-2 この“どっちつかず”の状況が,素のフレディ・ハバードの魅力を惹き出している。このタイミングでなければ“異色の顔合わせ”と騒がれた,ジャズ・ピアニストオスカー・ピーターソンとの共演も実現しなかったかもしれない。

 ズバリ『フェイス・トゥ・フェイス』の聴き所は,互いに“超絶技巧”と謳われるフレディ・ハバードオスカー・ピーターソンのハイ・テクニックの応酬合戦!
 そんな2人の高速バトルにギタージョー・パスベースニールス・ベデルセンの芸達者が強烈に絡みつくからもう大変! スイングしたバックに呼応するテクニカル系のトランペットが個性豊かに鳴り響く! 世界最高峰のジャズ・トランペットの復活である。

 実は管理人にとって,上記,ウイントン・マルサリスの直後に聴けるジャズ・トランペッターの最右翼がフレディ・ハバードである。
 フレディ・ハバードトランペットウイントン・マルサリストランペットに負けてはいない。いいや,勢いと高速フレージングではウイントン・マルサリスを超えている。
 ウソだと思われた読者の皆さんは,騙されたと思って『フェイス・トゥ・フェイス』を聴いてみてほしい。騙されていたのは「フレディ・ハバード尻つぼみ説」の方だったと目が覚めるに違いない。

 個人的にはフレディ・ハバードの死はかなり痛い。フレディ・ハバード亡き後,テクニカル・トランペット系はランディ・ブレッカーが支えていくことだろう。
 しかし管理人の中のウイントン・マルサリスの直後に聴きたいトランペッターの座席は空席のまま。しばらくはウイントン・マルサリスの直後にクリフォード・ブラウンでも聴こうかなぁ。

  01. ALL BLUES
  02. THERMO
  03. WEAVER OF DREAMS
  04. PORTRAIT OF JENNY
  05. TIPPIN'

(パブロ/PABLO 1982年発売/VICJ-60866)
(紙ジャケット仕様)
(ライナーノーツ/小川隆夫)

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