アドリブログ 〜JAZZ/FUSION批評〜

ジャズ/フュージョン批評ブログ CD, DVD, ALBUM REVIEW, TRACK REVIEW and more

2009年07月

綾戸 智絵 / FOR ALL WE KNOW / ANGEL EYES5

 『FOR ALL WE KNOW』の6曲目は【ANGEL EYES】)。


 【ANGEL EYES】は“ディープな低音”! これぞ綾戸智絵のマジック! 綾戸智絵に引っ張られ,全員が深い海の底で目にした“奇跡の”【ANGEL EYES】である。

 綾戸智絵益田幹夫ピアノとシンクロしていく! 綾戸智絵鈴木良雄ベースデュエットしていく! 綾戸智絵日野元彦ドラムとバトルしていく!
 名手全員と“組み打ちする”綾戸智絵の何とも言い難い“格別なかっこよさ”に“大物”としての風格が漂っている。もう“しゃがれ声”である。親分の一言で「チーム・綾戸」の結成式である。

 ラストの「エックス・キューズミー♪」は誰に向けての言葉であろうか? あの一言で全てが丸く収まった大名演である。

CHIE AYADO : Vocal
MIKIO MASUDA : Piano
YOSHIO SUZUKI : Bass
MOTOHIKO HINO : Drums

小曽根 真 ザ・トリオ / ファースト・ディケイド / THE BLUE ZONE4

 『FIRST DECADE』の10曲目は【THE BLUE ZONE】(以下【ザ・ブルー・ゾーン】)。


 【ザ・ブルー・ゾーン】は,小曽根真の“揺れる”ローズ・ピアノジェームス・ジーナスエレクトリック・ベースの“絡み具合”が聴き所。

 小曽根真ローズ・ピアノが“ローズらしく鳴る”テーマのバックで,歯切れの良いベースが自由自在に歌いまくっている。難しいテーマを軽やかにドライブするのが“エレクトリック・トリオ”ならではの“味”である。
 2分11秒からの小曽根真アドリブが大充実なのは,ジェームス・ジーナスエレクトリック・ベースの“硬質なプッシュ”があってのこと。

 そんな2人の“蜜月の陰”に隠れていたクラレンス・ペンドラムがラストでスパークする! 5分27秒からの生ドラムが2人の操る“電子楽器”を一気に呑み込んでいく! ここに小曽根真“エレクトリック・トリオ”の疾走が気持ちいい。

THE TRIO
MAKOTO OZONE : Fender Rhodes
JAMES GENUS : Electric Bass
CLARENCE PENN : Drums, Percussion

スタン・ゲッツ & ジョアン・ジルベルト / ゲッツ/ジルベルト / DESAFINADO


 『GETZ/GILBERTO FEATURING ANTONIO CARLOS JOBIM』の4曲目は【DESAFINADO】(以下【デサフィナード】)。


 アントニオ・カルロス・ジョビンの代表曲との誉れ高い【デサフィナード】は,やっぱり名曲であった。
 インパクトでは『ゲッツ/ジルベルト』収録の【イパネマの娘】や【コルコヴァード】【ソ・ダンソ・サンバ】にはかなわないが,ボサノヴァの魅力を“噛み締めたい”のなら【デサフィナード】であろう。

 【デサフィナード】の聴き所は,アントニオ・カルロス・ジョビンピアノジョアン・ジルベルトギターが産み出すボッサのリズムと,その上を“漂う”脱力系のサックスボーカルのマッチングにある。
 全員が無理なく思うがままに“心情表現”しているのだが,それをリードするのが名作曲家=アントニオ・カルロス・ジョビンのペンである。旅の目的地と行程を知らせるメロディ・ラインが,メンバー全員のハートをがっちり掴んで離さない。

 【デサフィナード】を真に名曲としたのは,ラスト,3分48秒でのスタン・ゲッツジョアン・ジルベルトがクロスした時点での即時フェード・アウト! あの最高の共演が長く続くと名曲ではなく名演となってしまう。
 マニアとしてはエンディングの続きを聴いてみたいものであるが,きっと聴かない方がいいに決まっている! あのエンディングがあってこその,アントニオ・カルロス・ジョビンの代表曲=【デサフィナード】である。

CD視聴(試聴)・購入はジャケット写真から

STAN GETZ : Tenor Sax
ANTONIO CARLOS JOBIM : Piano
JOAO GILBERTO : Guitar, Vocal
TOMMY WILLIAMS : Bass
MILTON BANANA : Drums
ASTRUD GILBERTO : Vocal

山中 千尋 / ラッハ・ドッホ・マール / WHAT A DIFFRENCE A DAY MADE4

 『LACH DOCH MAL』の11曲目は【WHAT A DIFFRENCE A DAY MADE】(以下【縁は異なもの】)。


 【縁は異なもの】は,山中千尋の“映像作家ぶり”に感嘆の念を抱いてしまう。ローズピアノが渾然とあちらこちらで鳴り響く,実に“カラフルでダイナミックな”アレンジで一気に駆け抜ける。

 そう。【縁は異なもの】の聴き所は,山中千尋の“勢い”である。一気呵成にたたみかける鍵盤のアタック&アタック! ラリー・グレナディアベースジェフ・バラードドラムも大忙しの大活躍! しかし聴き込むうちにある考えが…。

 【縁は異なもの】の全ては“映像作家”山中千尋の緻密な計算の上に成り立っている! あちらこちらにオーバーダビングの“つぎはぎ”が隠されている。【縁は異なもの】は「凝りに凝りまくった」山中千尋ダブで満ちている。

 5分48秒からの復活のローズは,マイルステオ・マセロの仕事ぶりに激似である。いや,ラストのブツ切り具合は,菊地成孔ダブ・セクステットである。( ← って,どちらにしてもマイルスじゃん? )

CHIHIRO YAMANAKA : Piano
LARRY GRENADIER : Bass
JEFF BALLARD : Drums

チェット・ベイカー / チェット・ベイカー&クルー / MEDIUM ROCK5

 『CHET BAKER & CREW』の8曲目は【MEDIUM ROCK】(以下【ミディアム・ロック】)。


 【ミディアム・ロック】の別名は【ミディアムソロ回し】である。ミディアム・テンポでの全員のソロ回しは,アドリブというよりもアレンジである。
 そう。メンバー全員が“流れ”を意識して「ジャズ・ロック」をクリエイトしている。

 ソロの解説に触れる前に,これだけは言っておこう。【ミディアム・ロック】のテーマは絶品である。ズバリ「おとぎの国のファンタジー」なのだが,ルンルンのない大人の遊園地の世界観である。この「夢と現実のイリュージョン」があるからこそ,各人のアドリブが生きる生きる! 以下,一言批評

 57秒からのフィル・アーソテナーソロは流暢なのに雄弁である。
 1分52秒からのチェット・ベイカートランペットソロは貫禄を感じさせる。個性豊かだな〜。
 2分47秒からのボビー・ティモンズピアノソロは軽やか。ボビー・ティモンズが黒くないでらしくない。こんなボビー・ティモンズが貴重である。
 3分41秒からのジミー・ボンドベースソロは重低音。意識する以上の重低音。
 4分8秒で突如フィル・インしてくるピーター・リットマンドラムソロだけが異質である。一人「ジャズ・ロック」ではなく「ロックン・ロール」にかぶれている。

CHET BAKER : Trumpet
PHIL URSO : Tenor Sax
BOBBY TIMMONS : Piano
JIMMY BOND : Bass
PETER LITTMAN : Drums

本田 雅人 WITH VOICE OF ELEMENTS / MASATO HONDA WITH VOICE OF ELEMENTS / マエストロと少年4

 『MASATO HONDA WITH VOICE OF ELEMENTS』の9曲目は【マエストロと少年】。


 本田“マエストロ”雅人フルートの“巨匠”と化す【マエストロと少年】が“心地良くスイングする”ブラジリアン・ナンバー。

 【マエストロと少年】は,後半ジワジワと盛り上がる「ニセスクェア」の真骨頂! 本田雅人の軽やかなフルートが,ブラジルの「爽やかな風」を届けてくれる。
 則竹裕之ドラム・ソロがメロディアスだし,バックで流れる松本圭司アコーステイック・ギターが効いている! もう少年はビーチへと駆け出している! 穏やかな夏の一日である。

MASATO HONDA WITH VOICE OF ELEMENTS
MASATO HONDA : Saxophones, EWI, Flute, Synth-programming
KEIJI MATSUMOTO : Keyboards, Piano, Guitar, Accordion, Synth-programming
MITSURU SUTOH : Bass
HIROYUKI NORITAKE : Drums

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