アドリブログ 〜JAZZ/FUSION批評〜

ジャズ/フュージョン批評ブログ CD, DVD, ALBUM REVIEW, TRACK REVIEW and more

2011年03月

A BIG HAND FOR HANSHIN / レインボー・ロータス4

THE RAINBOW COLORED LOTUS-1 昨日,東日本大震災について初めてプチ記しました。皆さん思うことは同じです。「自分に何かできないか?」。それはジャズメンも同じです。

 かって阪神大震災の時に豪華ジャズメンによるチャリティCDが発売されました。それが『THE RAINBOW COLORED LOTUS』(以下『レインボー・ロータス』)です。

 「音楽家は音楽で」をスローガンに設立された「国際音楽家阪神大震災基金」によって制作された「A BIG HAND FOR HANSHI」名義による『レインボー・ロータス』には総勢60名以上のジャズメンが参加しました。

 管理人の2トップ=キース・ジャレットパット・メセニーをはじめ,ラルフ・タウナーゲイリー・ピーコックチャールス・ロイド小曽根真リッチー・バイラークデイブ・ホランドジャック・デジョネットミロスラフ・ヴィトウスロイ・ヘインズ藤原清登ミノ・シネルトニーニョ・オルタハービー・ハンコック他,どうですか? この日本ラヴな豪華メンバー。

 急遽発売ということで(当然ながら)新録の少ない未発表音源集の様相=貴重な演奏集=現実の記録。
 アルバムとしては統一感のない2枚組なので,正直,聴き疲れてしまう。被災者の方には元気になってから聴かせてあげたいと思った。
 ただし全曲は無理でも特に「DISC 1」のトラック1−7の連続攻撃は外れなし。

 キース・ジャレットの【ペイント・マイ・ハート・レッド】。これはキース・ジャレットの数ある傑作群の中でも突出する名演中の名演である。
 1994年のNHK「地球シンフォニー」という年越し番組のために演奏されたソロ・ピアノ。いや〜,やっぱりキース・ジャレットにはポップ畑の血が流れている。根っからのカントリー野郎ならではの“チャーミングな”小品である。悲しい。でも新年を念頭に作曲された希望を呼び起こすメロディーが美しい。この美メロを奏でる“ウィットに富む”ピアノの音色が心の奥底にまで響き渡る。

 【ペイント・マイ・ハート・レッド】は【イッツ・オール・イン・ザ・ゲーム】と並ぶ,管理人のキースソロ・ピアノの愛奏トラックである。本当に素晴らしいんだから。
 キース・ジャレット・ファンの中にも,正規アルバム未収録の【ペイント・マイ・ハート・レッド】を知らないやからが多数存在する。マジで聴いてみてほしい。

 ここでセラビーは宣言する! キース・ジャレットの魅力はインプロヴァイザーにあるのだが,キース・ジャレットの本質は「アメリカ人的“夢見るお花畑の”カントリー」である!

 パット・メセニーの【チェンジ・オブ・ハート】は『クエスチョン・アンド・アンサー』収録曲。ちょっと年代が古すぎやしませんか〜,と突っ込みたくなるものだが,この選曲「実にメセニーらしい」とも思ったものだ。
 
 デイブ・ホランドロイ・ヘインズの熱い熟年ビート! パット・メセニーの本質もキース・ジャレットと同様な「アメリカ人的“どこまでも地平線な”カントリー」が流れている。この朗々とした美メロに癒される。

 なお『レインボー・ロータス』収録の【チェンジ・オブ・ハート】には,原曲にライル・メイズシンセをオーヴァー・ダビングしたニュー・バージョンへとブラッシュ・アップされています。
 管理人が想像するに,この【チェンジ・オブ・ハート】でのライル・メイズシンセ・アレンジに触発されたのがきっかけとなり,チャーリー・ヘイデンとの『ミズーリの空高く』へと向かったのでは?

 しか〜し『レインボー・ロータス』のハイライトは,管理人の2トップ=キース・ジャレットパット・メセニーではない。小曽根真,その人である。

 小曽根真こそ日本人であり,神戸出身であり,一番の当事者である。そんないろんな思いで錯綜していたであろう彼の願いが【ノー・モア・ブルース】にぶつけられている。願いである。愛である。優しさである。
 小曽根真の最高傑作である『ブレイクアウト』直後の流れの新録音。マジで勇気が出る。元気が出る。これぞ「音楽家は音楽で」のスローガンを直球で表現した,最大振幅の陰影のソロ・ピアノ。楽しいのに感動で涙が止まらない。

THE RAINBOW COLORED LOTUS-2 その小曽根真が今回の震災についてコメントを発表しています。

1)小曽根真のHPより
「皆さん,皆さんのご家族,ご親戚の方はご無事でしょうか? とんでも無い事になってしまいました。
連絡がとれない方は本当にご心配でしょうが,無事である事を信じて祈り続けましょう。信じる力は本当に大きいです,その力を信じて一人でも多くの方のご無事を祈っています。
震源地の近く以外にお住まいの方も,相当の揺れがあった上にこれだけ余震が絶えず起こっているので,外出される時にはどうか呉々もお気をつけ下さい。
皆様のご無事を心から祈っています」。

2)JAZZJAPANのHPより
「被災地の皆さん,
今すぐにでも被災地に飛んで行って何かお役に立てればと
思っている方が日本全国にいらっしゃいます。
背中に担げる様なピアノがあれば,すぐに飛んで行って路上コンサートを開きたい!!
という大迷惑なピアニストもここに一人おります。
突然現れるでしょうから覚悟しておいてください!!
被災された皆様が一日も早く,まず日常を取り戻す事が出来ますことを
心からお祈りしています」。

 世界のジャズメンたちの中に『レインボー・ロータス』の続編制作の動きがある。内容のいかんに関わらずCDが発売されれば購入しようと思っている。

  DISC 1
  01. Paint My Heart Red
  02. Nardis
  03. Little Peace
  04. No More Blues
  05. Alone Together
  06. Forthcoming
  07. Change Of Heart
  08. Dance Of The Broken Doll
  09. Boy And Beauty
  10. Sweet Revenge

  DISC 2
  01. Mbatu Mbatu
  02. From Tom to Tom
  03. I Fall In Love Too Easily
  04. Mbanza Mquena
  05. Navigate (Set Your Course)
  06. Juju
  07. Passoa Quese Certa
  08. An Illusion In The Sound
  09. Naturally
  10. Nature's Collin' '95
  11. Requiem for Hansin

(ポリドール/POLYDOR 1995年発売/POCP-7070/1)
(ライナーノーツ/稲岡邦弥,オスカー・デリック・ブラウン,湯川れい子,ハービー・ハンコック,チャールス・ロイド,古賀賢治 1995年発売/POCP-7070/1)

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radiko(ラジコ)

 最近,パソコンでラジオを聞いています。読者の皆さんはradikoラジコ)をご存知ですか?

 radikoラジコ)とは「難聴取の解消」と「ラジオの聴取機会拡大」を目的に,パソコンやスマートフォンなど地上波ラジオ放送をCMも含め,そのまま同時に放送エリアに準じた地域に配信するサイマルサービス。ただし,今回の東北地方太平洋沖地震の被災者支援の一環として,期間限定でエリア制限が解除されています。

 さて,今回の大地震についてブログに記すのはこれが初めてです。もう言葉がありません。私見を述べるのは控えます。
 管理人は千葉に13年住んでいました。地震の当日と翌日に親しい友人の中でも7人と連絡が取れました。安心しました。もう特別な感情が湧き上がってきます。加えて顔も名前も知らない大勢の人たちの悲しみの映像をTVで一日中見ていると…。
 見すぎるとこちらがやられてしまいますね。TVから逃げてもラジオでも震災特別編成番組。ネットでバッシングされていたACの広告が目から耳からすり込まれしまいました。嫌いじゃないけど矢野顕子〜。

 ジャズフージョンCDも聴いていたが,どうにも落ち着かない。福岡のラジオ局も震災支援を大応援。それはそれで素晴らしかったが,やはり温度差を感じてしまった(出演者に非はありません)。
 その時出会ったのがradikoラジコ)。radikoラジコ)から心配な東京と千葉のローカル情報が流れてくる。徐々に平常放送へ戻っていく。今週ついに通常放送が再開されました。

 通常放送になった今だから書けるradikoラジコ)&在京キー局(TOKYO FM,J−WAVE,TBS,文化放送,ニッポン放送)についてのあれこれ。

 まず思うことは高音質。FMも音質UPして聴こえるが,AMステレオの実力を思い知らされた。このレベルならAMもFMも関係なくプログラムの内容勝負。今も昔もラジオはコンテンツ勝負なんだよなぁ。

 昔懐かしい別所哲也とジョン・カビラの朝番組。福岡にはネットされなくなった小曽根真の夜番組。お久しぶりのモッチーとシバサチ。吉田照美が朝から聞けるしレコメンが22時から聞ける。生島ヒロシ〜森本毅郎〜大沢悠里の最強朝ライン。高嶋ひでたけ&上ちゃんなどをザッピング。新しいジングルが流れてガッカリ。

 やっぱりラジオは生ものということで,普通に毎日聞いている「クロノス」での新発見。8:09の全国のお天気の時間は古賀涼子が伝えているのだが,なんとその裏(TOKYO FMローカル)では,中西哲夫が「TOKYO FMトラフィック」を放送していた。MC2人が同時に別々のリスナー向けに話しているとは夢にも思ってもいませんでした。てっきりコガリョウが話している間,中西さんはお茶の時間と思っていたもので。
 こんな新発見を体感すると,ますますradikoラジコ)から耳が離せなくなってしまいます。

 被災地でもradikoラジコ)が聞かれる日が来ることをお祈りしています。

DIMENSION / 20 -NEWISH-4

20 -NEWISH-1 結成15周年第二弾にして20枚目の『20 −NEWISH−』は,DIMENSION久々の微妙盤。一体何が微妙なのか?

 まずはDIMENSIONとしては初共演のリズム隊。ベースクリス・ミン・ドーキードラムライオネル・コーデューの大物外国人の参加である。
 何で突然DIMENSIONクリス・ミン・ドーキー? 実はクリス・ミン・ドーキーDIMENSION全面バックアップのアンナケイのお友達なのだそうで。なるほど。

 大物外国人リズム隊の実力は認めつつも,やっぱりDIMENSIONのリズム隊は青木智仁石川雅春だと思っている管理人には『20 −NEWISH−』限定のクリス・ミン・ドーキーライオネル・コーデューは何かが違う。
 要因としてはDIMENSION初の海外録音というのもあるかもしれない。NYのタイトでソリッドなリズムは存在感が薄い。大物ゲストとして参加した割りにはバック・ミュージシャンにしか聴こえない。

 もっと言おう。管理人にとっての『20 −NEWISH−』は【CUT TO THE COOL】【I WILL】【FAR FROM HERE】【LIFE】の4曲であって,このうち3曲が小野塚晃の打ち込みである。いっそのこと全曲打ち込みの方が“しっくり”きたのでは?

 いえいえ『20 −NEWISH−』が微妙盤なのは,何もゲストのリズム隊のせいではありません。かなり曲調を,いじってきた&いじりすぎ,のせいなのです。
 『20 −NEWISH−』の楽曲はバラエティに富みすぎたか? 一応,前半はイケイケ&後半はスムーズ・ジャズと括られてはいるがアルバム全体の展開がどっちらけ。曲が進むにつれどんどん音楽性が深くなりアダルト路線になっていく=「DIMENSIONの15周年の音表現」しているのか?

20 -NEWISH-2 『20 −NEWISH−』=「DIMENSIONの15周年の音表現」の象徴がDIMENSION初のセルフ・カヴァー【JAZZ CIGARETTE(15TH ANNIVERSARY VERSION)】!

 一聴した限りでは,増崎孝司小野塚晃勝田一樹の変化よりも,青木智仁石川雅春組からクリス・ミン・ドーキーライオネル・コーデュー組への変化の幅が大きく分かり辛いが,聴き込むにつれDIMENSIONのバンド・サウンドの進化を実感させられる。
 ジャズ・ファンク度が増しているのに,カラフルな風味が絞られた「渋い大人の」リアレンジである。やっぱりさすがに微妙盤!

  01. NEWISH
  02. Black Code
  03. Cut To The Cool
  04. Things Never Change
  05. I Will
  06. Returns
  07. Out Off This Sky
  08. Far From Here
  09. Life
  10. Be My Wind
  11. Jazz Cigarette (15th Anniversary version)

(ザイン/ZAIN RECORDS 2007年発売/ZACL-9019)
(ライナーノーツ/工藤由美)
(デジパック仕様)

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ザ・スクェア / 脚線美の誘惑5

KYAKUSENBI NO YUHWAKU-1 管理人の中では『KYAKUSENBI NO YUHWAKU』(以下『脚線美の誘惑』)と次作『うち水にRAINBOW』が2枚で1枚の1セット。

 『ロックーン』『マジック』と続いた安藤まさひろが“歌もの路線”の延長線上にありながらも「インストだからこそ歌えるメロディ・ライン」の名曲群は,スクェア史上最高の充実期!
 特に『脚線美の誘惑』では,チョッパー・ベーシスト田中豊雪の“ロックな”カラーが効いている。

 田中豊雪の十八番=ベース・ソロにおける圧倒的ライブ・パフォーマンス+スタジオ録音の精密さを伴って爆発する,ジンサクの原型にしてスライ・アンド・ロビーの日本ヴァージョン=【BETWEEN】収録。
 アルバムに1曲のお約束=歴代の「ベースドラム・デュオ」シリーズの初穂となった。

 ザ・スクェアも「バカテク集団」に違いないのだが,テクニックよりも楽曲勝負。『脚線美の誘惑』と『うち水にRAINBOW』のプチ・ブレイク期にテクニックを披露するために書いた曲がないのが後の大ブレイクの勝因と見る。

 【ハワイへ行きたい】に管理人は思い入れがある。【ハワイへ行きたい】が流れてくると真っ先に思いつくのが,FM東京系「ソニー・デジタル・サウンド」である。思えばザ・スクェアオーディオ・メーカー=SONYの高音質フラッグ・シップ・バンドであった。
 「デジタル・サウンド」=CD普及の役割モデルとして,イントロで流れる長谷部徹のアタックに,伊東たけしサックス仙波清彦パーカッションが絡みつき,夢のようにゴージャスな和泉宏隆キーボードが実に大人で先進的! 当時中学生だった管理人もハートを鷲掴みされ,以後,オーディオ道をかけ落ちる〜。
 数年後に全曲通しで初めて聴いた【ハワイへ行きたい】の,これでもか&これでもか,の上昇志向に大興奮! 3分44秒からの和泉宏隆キーボード! ここは安藤さん,普通下がるでしょ? この曲展開が超・超・大好き!

 【ハーツ】にも管理人は思い入れがある。和泉宏隆ピアノ・ソロと安藤まさひろギター・ソロに泣き,伊東たけしサックスに号泣する。ワイドに広がる長谷部徹太鼓の振動と田中豊雪ベース・ラインの綺麗な上下動。
 いや〜【ハーツ】は名演である。もとい大名曲である。いつの日か愛する人と涙してみたい。いつ聴いても山川恵子ハープ一発で「オセンチの世界」へワープする。

 スカスカな打楽器の空間をサンディの美声がさえずる【THE REST OF A ROMANCE】。「フィーチャリング・長谷部徹」な【脚線美の誘惑】。分厚いブラスとのユニゾン炸裂【LOVE’S STILL BURNIN’】。久米大作作・マクセルTVCM曲【CHANGE YOUR MIND】。安藤まさひろのハード・ロック・ギターがうなる【FULL CIRCLE】。ラストは伊東たけしな【MEMORIES OF ALICE】。

 「インストだからこそ歌えるメロディ・ライン」の名曲群=捨て曲ナシの『脚線美の誘惑』。振り返れば『脚線美の誘惑』が,洗練されたシティ系サウンドの“走り”だと思っている。シンプルながらも質の高いアドリブもお忘れなく。

 最後にドラマー長谷部徹について一言。
 ジャニーズ出身に似合わない?地味な(安定した)ドラミングカシオペアでいうところの日山正明。これは褒め言葉ですよっ。

※ 『脚線美の誘惑批評ジャケット写真はミュージック・カセット・テープ版です。

  01. ハワイへ行きたい
  02. THE REST OF A ROMANCE
  03. 脚線美の誘惑
  04. HEARTS
  05. LOVE'S STILL BURNIN'
  06. CHANGE YOUR MIND
  07. BETWEEN
  08. FULL CIRCLE
  09. MEMORIES OF ALICE

(CBSソニー/CBS/SONY 1982年発売/28KH1277)

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小林 香織 / ソーラー4

SOLAR-1 “ジャズ界の歌姫”と来れば,akikoであろうが(えっ,誰,最近ジャズ・ボーカリストへ転進した,元SPEEDのhiroとか元モー娘。の加護ちゃんだって言っているのは)管理人から“ジャズ界の歌姫”の称号を贈りたいもう一人のディーバがいる。アルト・サックス奏者の小林香織である。

 え〜っ,小林香織ってボーカリストじゃないじゃん。それに小林香織って“ジャズ界のアイドル”なのでは?(えっ,誰“ジャズ界のアイドル”の称号も元SPEEDのhiroとか元モー娘。の加護ちゃんだって言っているのは ← クドイ)

 鋭いツッコミその通り。小林香織は“ジャズ界のアイドル”にして“ジャズ界の歌姫”! 正統派アイドルとしても通用するバツグンのルックスは管理人のド・ストライク。しかしアイドル系の容姿以上に管理人の心を動かしたのは,マイク代わりに持つアルト・サックスである。

 小林香織はテクニシャンである。アルト・サックスの音色全てを鳴らしきり,妙に聴かせてくる。実にカッコよく聴かせるツボを心得ている。小林香織の“歌心溢れる”アルト・サックスは,本当に歌詞を歌いながら“メタルの吐息”を吹き込んでいるかのよう? 固めのサスで峠を越えてトンネル過ぎたらネパールに到着した感じがする。 ← この表現,分かるかなぁ。

 そう。小林香織アルト・サックスは表面が硬い。絶対に男性サックスの系譜にある。しびれるくらいに超カッコイイ。
 しかし一皮剥けば“純無垢”でハート・ウォーミング。内面は柔らかい。アルト・サックスに恋した,おセンチな乙女の理想郷なのだ。

 そんな小林香織の“表面男性内面女性の変形マーメイド・スタイル”は,デビューCDSOLAR』(以下『ソーラー』)に色濃い。

 『ソーラー』のベーシックは打ち込み系。バックに負けじと小林香織フュージョンサックスがパワフルに鳴り響いている。華やいだアルト・サックスの連発に世界が一気に明るくなる。

 “イケイケの”【バード・アイランド】【サンセット・オーシャン】【スモーキー】での強烈なアドリブは“和製キャンディ・ダルファー”の評判通りの存在感である。
 しか〜し『ソーラー』のハイライトは“歌心溢れる”乙女のバラード。【トゥモロウ】【変わらぬ想い】のカバーには拍手喝さいである。小林香織は素晴らしいジャズメンである。

SOLAR-2 『ソーラー』とは,突き抜けるような青い空の中で,どこまでも光り輝く太陽にちなんだ言葉。小林香織が届けてくれる“強さと優しさ”が『ソーラー』パワー! ジャズという音楽に付きまとう,重苦しさのかけらもない,とっても爽やかなフュージョンサックスである。シャイニー・サンサンサンである。

 『ソーラー』で,管理人は小林香織に瞬殺のKO負け。もう,かおりんにメロメロである。
 無邪気な笑顔で見る人を魅了し,原曲を絶妙にフェイクした心ときめくフレージングで聴く人をも魅了する。小林香織は,正真正銘「見てよし聴いてよし」の“ジャズ界のアイドル”にして“ジャズ界の歌姫”である。

PS 『ソーラー』のジャケット写真は,ジャズ界ではなく“クラシック界のアイドル”風なのでは? なぜに? やっぱり村治佳織なのでしょう。いやっ,AKBは大島優子の時代です。

  01. Solar
  02. I Love Your Smile
  03. Bird Island
  04. Tomorrow (Better You, Better Me)
  05. Another Way
  06. Sunset Ocean
  07. Nothing's Gonna Change My Love For You
  08. Smoky

(ビクター/JVC 2005年発売/VICJ-61267)

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DIMENSION / MY RULE5

MY RULE-1 「音の万華鏡」期のDIMENSION19th=『MY RULE』。

 カラフルでポップな赤と黄色のCDジャケットに“期待膨らむ&血が騒ぐ”『MY RULE』のキャッチ・コピーは「日本最高峰のインストゥルメンタルグループDIMENSION,ニューアルバム登場! 結成15周年を迎え円熟味を増した,メロディ際立つそのサウンドは,まさにDIMENSIONの過去〜未来を繋ぐ最高傑作!!」。
 そう。『IMPRESSIONS』では「過去〜未来を繋ぐ」シナプスの芽が言わば「成長途上」であったが『MY RULE』で「過去〜未来」の接続が大完了。
 『IMPRESSIONS』の拡大路線上に位置する『MY RULE』の音・音・音! 大充実のDIMENSIONサウンドの“てんこ盛り”である。

 『MY RULE』を聴いていると,ほどよい興奮とほどよいリラックスに包まれていく。これぞ「結成15周年を迎え円熟味を増した,メロディ際立つそのサウンド」のコピー通り。パッと聴いてもいいし,じっくり聴き込んでもいい。15周年の積み重ねが産み落とした大名盤の誕生である。

 ちょうど同時期発売のT−スクェアの『33(THIRTY−THREE)』との相乗効果? 『33(THIRTY−THREE)』と『MY RULE』に明け暮れる毎日。中年を迎えて久々にJ−フュージョンを聴き漁る毎日。
 もう頭の中はT−スクェアDIMENSION一色の“お花畑”であった。若気の至りならぬ,中年の至り?

 『33(THIRTY−THREE)』の魅力が,河野坂東組の「新サウンド・カラー」にあるのなら『MY RULE』は「伝統のサウンド・カラー」の進化系!
 『MY RULE』こそ,伝統のDIMENSIONサウンドの「万華鏡」である。多彩な楽曲群が,増崎孝司小野塚晃勝田一樹の3人の個性で“埋め尽くされている”!
 この3人の個性が「万華鏡」を覗くたびに,煌びやかに華やかに,絶妙のタイミングで顔を出す。DIMENSIONの3人が,自分が前に出る部分と他のメンバーを惹き立たせる部分とをわきまえている。「おお,ここでこう来るか〜」な予想外のアドリブDIMENSIONの「引き出し」の多さに驚愕してしまう。

MY RULE-2 全曲が勝負曲な『MY RULE』にあって,増崎孝司フィーチャリングな【NEVER】。小野塚晃フィーチャリングな【ARISE】。勝田一樹フィーチャリングな【RAINING IN YOUR HEART】は神曲!
 そして『MY RULE』のハイライトはラストの【INTOXICATION】。神曲3曲も含めて全てのおいしいところをかっさらっていく! これぞいかにもDIMENSION的なDIMENSIONワールドのハイライト・トラック! 勝田一樹テナー・サックスを含めて超・超・カッコエエ!

 ちょっと無機質っぽくも感じる高度なエレクトリックな響きに,どうにも絡みつくヒューマンでアコースティックな香りが『MY RULE』であり『ディメ・ル−ル』! 素晴らしい!

 ただし管理人は『MY RULE』をDIMENSIONの最高傑作とは呼ばない。理由は勝田一樹アルト・サックスの“ワイルド系”な汚れた響き。特にブローがラフすぎ&崩しすぎで,デヴィッド・サンボーンを通り越し伊東たけしを彷彿とさせる瞬間がある。うーむ。

 しかし,それでも,やっぱり? 管理人は『MY RULE』をDIMENSIONの準・最高傑作に推薦します。
 カツオが減点1であっても五つ星な管理人の愛聴盤です。

  01. Never
  02. Message from you
  03. Cross Point
  04. Travels in the blue
  05. Arise
  06. My Rule
  07. Lost In Language
  08. Secret Walk
  09. Raining In Your Heart
  10. Intoxication

(ザイン/ZAIN RECORDS 2007年発売/ZACL-9012)
(デジパック仕様)

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木住野 佳子 / ランデヴー5

RENDEZ-VOUS-1 『RENDEZ−VOUS』(以下『ランデヴー』)=GRPアーティスト=木住野佳子の真骨頂! 『ランデヴー』最高〜!
 どんなにヘタレとバカにされようとも,管理人は『ランデヴー』を,そして木住野佳子を支持いたします。

 『ランデヴー』でスムーズ・ジャズのトップ・アーティストへと登りつめた木住野佳子木住野佳子の美メロに“天才”フィリップ・セスは何を感じたことだろう。

 『ランデヴー』を聴く度に「このまま死にそ〜」と思ってしまうくらいに“ゾッコンの惚れ惚れ”なのである。木住野佳子は本当にいい曲を書くし,艶のあるピアノを弾いている。
 フィリップ・セスの才能全開なお洒落で都会的なクールな仕上がりなのに,傍らでそっと弾き語りしてくれているような木住野佳子の女性らしい温もりを感じる。大好き!

RENDEZ-VOUS-2 斯くして管理人は木住野佳子としばし『ランデヴー』する。おやっ,この展開は小曽根真の『スターライト』なのか?
 そう。『ランデヴー』は,カラフルでポップなのに胸キュンJAZZY

 【MANHATTAN DAYLIGHT】と【JENGA】は「世紀の名曲」である。

  01. MANHATTAN DAYLIGHT
  02. RENDEZ-VOUS
  03. VERA CRUZ
  04. AFTER THE RAIN
  05. JENGA
  06. 夕暮れ時
  07. THINGS REMIND ME OF YOU
  08. BLACKBIRD
  09. WHEN YOU WISH UPON A STAR
  10. MESSAGE FROM SNOW
  11. WELCOME HOME

(GRP/GRP 1997年発売/MVCJ-29001)
(ライナーノーツ/吉村浩二)

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DIMENSION / IMPRESSIONS4

IMPRESSIONS-1 「唯一無二!! ジャンルを超越した誰も真似出来ない音の万華鏡」。これがDIMENSION18th=『IMPRESSIONS』のキャッチ・コピーである。そして管理人はこのコピーに全面的に同意する。

 1stから7thまでの「近未来フュージョンユニット」期。8thから16thまでの“円熟のクラッシュ・アンド・ビルド”期。そしてカヴァー・アルバム17thを経て18th以降,DIMENSIONは次なるステージへと飛び立った。「唯一無二!! ジャンルを超越した誰も真似出来ない音の万華鏡」への確立である。

 『IMPRESSIONS』のモチーフは心象風景! トラック・タイトルにも「空」「海」「月」「雪」といったキーワードが散りばめられている。それをどう構築するかが,DIMENSIONの第三期=「音の万華鏡」期。
 ジャケット写真の“合わせ鏡”が「音の万華鏡」期を表現してみせている。やりたいことをやりつくしての原点回帰。中期の個性に初期っぽさが浮かび上がる瞬間がある。簡単に言えば「バンド・アンサンブル」指向? ただし超ハイレベルのアンサンブル!

 「音の万華鏡」期の特徴の一つに,ベーシスト増崎孝司ベーシスト小野塚晃のW新ベーシストの加入!?
 『IMPRESSIONS』でベールを脱いだ新ベーシスト増崎孝司青木智仁永眠前にもかかわらず,バンド内W新ベーシストのデビューを決めたのは英断であった。

IMPRESSIONS-2 NO。増崎孝司小野塚晃ベースは本職並みのスーパー・テクニック! 管理人は増崎孝司の“ベース弾き倒し”を聴いて青木智仁並みに熱狂してしまいました。
 ただし無いものねだり? DIMENSIONでもう一作“スーパー・ベーシスト青木智仁を聴いてみたかった!

 この新ベーシストの参加が『IMPRESSIONS』へハプニングをもたらしている。打ち込みではなく生っぽい。大きな路線変更なしに新鮮な印象を与えることに成功している。
 カッコよくて孤独感の似合うフュージョン。しかし実はナイスガイなフュージョン。それが『IMPRESSIONS』の真髄である。

  01. IMPRESSIONS
  02. Flyback
  03. ENERGTIC
  04. Circle Sky
  05. The Sea Song
  06. TIP TAP TOE
  07. Predict The Future
  08. Moon Avenue
  09. Monologue
  10. Snow Breath

(ザイン/ZAIN RECORDS 2005年発売/ZACL-9006)
(☆スリップ・ケース仕様)

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カシオペア / ドラマティック4

DRAMATIC-1 カシオペア4代目の新ドラマー熊谷徳明の演奏は,熊谷徳明のデビューCDDRAMATIC』(以下『ドラマティック』)発売前にチェックした。聴き届けた。93年1月の「RENEWAL GIG」と題するツアーであった。

 ブランニュー・カシオペアの一員として,カシオペアの解散危機を救った功労者であり,ドラマーとしても相棒=ナルチョとは“抜群の相性の良さ”を見せていた,前ドラマー日山正明を卑下するつもりは毛頭ない。
 しかし熊谷徳明の“ハイ・テクニックな”ドラミングを聴いて「これだ!」と思ってしまったのも事実。基本=ジャズ・ドラマー日山正明に対し,基本=和製デイヴ・ウェックルで,たまに神保彰が入るのが,バークリー帰りのドラム・エリート=熊谷徳明の特徴であろう。

 神保彰をアイドル視し,カシオペアのコピーに明け暮れた青春を公言する熊谷徳明ドラミングに「神保さんが帰ってきた」と思った瞬間の幸福感!
 日山正明の弱点とされた(あくまで,超絶技巧集団=カシオペアドラマーとして捉えた場合の話です。日山さんは,管理人の大好きなドラマーのお一人です)パーカッシブな手数と地味なドラム・ソロを補強し“ハミダさんばかり”の派手さに,カシオペアの“新たな未来”を感じたものだ。

DRAMATIC-2 そんなカシオペアの第●章の幕開けを告げる『ドラマティック』は,こちらもカムバック組の「アルファ・レコード」への再移籍第一弾!
 この古巣とのタッグが影響したのか『ドラマティック』は不発であった。

 気持ち,テクニカルな熊谷徳明を獲得し,ジンサク時代の“黄金期の再現”を目指している感ありあり。
 しかし,もう元には戻れない! 戻れやしない! ( ここから先はオフレコです。管理人は日山正明から熊谷徳明へのドラマーの交代は,野呂一生の“陰謀”だと思っている。表向き,日山正明の脱退は「体調不良」とされているが,実際は佐々木隆の時と同じでは? 非情な勝利至上主義はバンド運営者には向いていません。もうこれ以上は書けません。 )

 『ドラマティック』の真の主役は,新メンバー=熊谷徳明ではなく鳴瀬喜博である。鳴瀬喜博の中にある“カシオペアらしく”のタガが外れたのが『ドラマティック』だったと思う。

 野呂一生の狙い通り『ドラマティック』は「テクニック(演奏)よし,曲(メロディ)よし,アレンジ(アンサンブル)よし」の黄金期のカシオペアを彷彿とさせるレベルに達している。
 しかし,何かが違う。やっぱりベースが違うんだよなぁ。ナルチョベースが爆音で歪んでいる。これが精悍で美しくクリアな“カシオペアらしさ”と一致しない原因だろうなぁ。そしてたまに“ハマル”からやっかいなことこのうえなし。
 要は曲とかアルバムとかの全ての出来・不出来が「カシオペア・サウンドに合うかどうか」ではなく「ナルチョの“爆音歪みベース”に合うかどうか」で決まってしまうのだ。ああ,何とも悲しや「ナルチョの呪縛」!

 ただし『ドラマティック』のナルチョベースはまだ伸び伸び〜。恐怖の“ナルチョの呪縛”の大噴火は『ASIAN DREAMER』でやってくる〜。

DRAMATIC-3 ナルチョの“突出”を中和させていた「縁の下の力持ち」タイプ=日山正明のリストラが大失敗。
 勿論“派手系”熊谷徳明ドラミングは素晴らしい。このシナリオの中で熊谷徳明は何ら悪くない,ナルチョが悪い訳でもない。全ては“ミスター・カシオペア野呂一生の判断に責任がある。
 ついでながらカシオペア「活動休止」の判断もかなり疑問であるのだが…。

PS でもでも野呂さんのパフォーマンスと音楽性は今でも変わらず大好きですよっ。フォローフォロー。

  01. GLORY
  02. FLY TO THE SUN
  03. THE TORNADO
  04. SHADOW OF MIDNIGHT
  05. LIFE GOES ON
  06. VOICE FROM OTHERS
  07. CUBIC MUSIC
  08. ANCIENT ROMAN
  09. SHOCKING FUNCTION
  10.
  11. ORIENTAL SPIRITS
  12. KEY OF MIRACLE

(アルファ/ALFA 1993年発売/ALCA-487)
(☆スリップ・ケース仕様)

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DIMENSION / ロンリネス5

LONELINESS-1 いや〜,聴きやすい。『11TH DIMENSION “KEY”』以来の聴きやすさ。管理人はこんなDIMENSIONを待っていた。
 いい感じのDIMENSION。これがDIMENSION17th=『LONELINESS』(以下『ロンリネス』)を耳にした素直な感想であった。

 この聴きやすさの理由はDIMENSION初のカヴァー・アルバムにある。
 過去にも5thの【AQUARIUS】。7thの【KEEP THAT SAME OLD FEELING】。8thの【GEORGY PORGY】などのカヴァー曲があったが「カヴァー・アルバム」と自ら宣言するのは『ロンリネス』が初。理由は「たくさんの人に聴いてもらうため」のカヴァーなのだそう。

 しかし『ロンリネス』を単なるカヴァー・アルバムと侮るなかれ。『ロンリネス』にはDIMENSIONの“らしさ”が他のオリジナル・アルバム以上に濃厚!

 カヴァー曲という入りやすさに近づいたが最後,グイグイとDIMENSION・ワールドに引きずり込まれてしまう。そう。『ロンリネス』は“カヴァーを超えまくった”DIMENSIONのオリジナル作である。DIMENSION濃度の高いエキスがビンビンに漏れ出す“極上の”オリジナル・ラインアップ入りな大名盤である。

 『ロンリネス』収録の「洋楽6+邦楽1=全7曲」のカヴァー・ナンバーは,増崎孝司小野塚晃勝田一樹の3人がリスペクトしたアーティスト,レコーディングに参加したアーティストのリアレンジ。
 【IRONSIDE】【WALKING ON THE MOON】【GOOD−BYE MY LONELINESS】【WONDERFUL TONIGHT】【ARTHUR’S THEME(BEST THAT YOU CAN DO)】【<HISTORIC MEDLEY>PURPLE HAZE〜CHAMELEON〜ELECTRIC CITY】【SO FAR AWAY】が,DIMENSION・マジックでリアレンジ。素晴らしい。

 特筆すべきはDIMENSIONのメイン・ボーカリスト勝田一樹サックスである。
 勝田一樹サックスが鳴れば,すぐにDIMENSIONだと分かる個性を感じてしまう。もはや勝田一樹サンボーン・チルドレンではない。デヴィッド・サンボーンと肩を並べるレベルにまで到達している。
 【IRONSIDE】【WONDERFUL TONIGHT】ではファンキーに【ARTHUR’S THEME(BEST THAT YOU CAN DO)】【SO FAR AWAY】では情感たっぷりに泣いている。
 サックスで見事に踊り歌っている。トラック毎に異なる世界観をイマジネーション豊かに表現してみせている。勝田一樹は素ん晴らしい“ボーカリスト”だと思う。

LONELINESS-2 『ロンリネス』収録の「全4曲」のオリジナル・ナンバーがいい。名曲揃いのカヴァー・ナンバーの合間に挟まれたオリジナル・ナンバーが“絡みついている”!
 カヴァー・ナンバーはDIMENSIONっぽく,DIMENSION・ナンバーは洋楽っぽく…。
 洋邦新旧でジャンルも曲調もバラバラな『ロンリネス』全11トラックの統一感はお見事の一言!

 正直,DIMENSIONの新作がカヴァー・アルバムだと知った時は,ガッカリした自分がいたものだが『ロンリネス』を聴いた瞬間,歓喜する自分に気付いた。
 そう。世界のフュージョン・バンドを見渡してものロンリネス』のようなカヴァー・アルバムは,DIMENSIONにしか作れない。
 もはやDIMENSIONは何を演ってもDIMENSIONの音がする唯一無二のフュージョン・バンド。DIMENSIONは管理人の“誇り”である。

  01. lronside
  02. Walking On The Moon
  03. Respectacls
  04. Dancer In The Light
  05. Good-bye My Loneliness
  06. Southside On Oneseventeens
  07. Wonderful Tonight
  08. Arthur's Theme (Best That You Can Do) "New York
     City Serenade"

  09. Vanity Story
  10. Purple Haze - Chameleon - Electric City
  11. So Far Away

(ザイン/ZAIN RECORDS 2004年発売/ZACL-9005)

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小曽根 真 / ウォーク・アローン4

WALK ALONE-1 小曽根真の夢だったという“ウィズ・ストリングス”の『WALK ALONE』(以下『ウォーク・アローン』)。
 管理人の持論である「ウィズ・ストリングスものは,若くしてやるべきではない」に『ウォーク・アローン』も残念ながら該当する。

 『ウォーク・アローン』での小曽根真は,しっとりと落ち着いた正統派の演奏であるが,どうも“こじんまりと”上手にまとまった感が拭えない。ウィズ・ストリングスのせっかくの長所が短所になってしまっている。
 やはり制約の多いウィズ・ストリングスものは,人生の“酸いも甘いも”を味わって来た者でなければ難しいと思っている。← 若輩者が何言っているんだか。

 『ウォーク・アローン』でも,主役であるはずのピアノ・トリオの演奏がボブ・フリードマン編曲のストリングスと馴染みすぎている。
 このアレンジなら,せっかくのビッグ・ネーム=小曽根真マーク・ジョンソンピーター・アースキンでなくても良かったのでは?

WALK ALONE-2 ただし,小曽根真ウィズ・ストリングスで,映画音楽を“狙った”のだとしたら『ウォーク・アローン』はとんでもない秀作であろう。

  01. Big Apple Pie
  02. Autumn in New York
  03. Walk alone
  04. Lost in the Village
  05. How long has this been going on ?
  06. Prelude (for Elenor)
  07. The Beginning of Love
  08. Cross Town Traffic
  09. Thinking back
  10. Dreams will rise again

(ビクター/JVC 1992年発売/VICJ-61557)
(ライナーノーツ/小曽根真)

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DIMENSION / COMPLETE OF DIMENSION AT THE BEING STUDIO5

COMPLETE OF DIMENSION AT THE BEING STUDIO-1 『COMPLETE OF DIMENSION AT THE BEING STUDIO』は,ビーイング・レーベルが所属アーティスト毎にコンパイルした『AT THE BEING STUDIO』シリーズの第15弾。
 過去のラインアップは,T−BOLAN,WANDS,織田哲郎,大黒摩季,FIELD OF VIEW,そして増崎孝司が在籍し2011年に再結成されたB.B.クイーンズなどの13組全16集。
 このラインアップを見る限り『COMPLETE OF DIMENSION AT THE BEING STUDIO』が,DIMENSIONマニア寄りではなく,DIMENSIONを聞いた事のない一般リスナーの新規開拓にあることが窺えよう。

 しかし,しかしである。DIMENSIONマニアにとっての『COMPLETE OF DIMENSION AT THE BEING STUDIO』は,かなりマニア寄りでニンマリ。『COMPLETE OF DIMENSION AT THE BEING STUDIO』は,DIMENSIONマニアにとっての“お宝”盤である。

 『COMPLETE OF DIMENSION AT THE BEING STUDIO』の真実は,DIMENSIONの企画盤であってベスト盤ではない。これがポイント!

COMPLETE OF DIMENSION AT THE BEING STUDIO-2 理由はベスト盤扱いなら入らないであろう3曲の選曲にある。『LE MANS』収録の【DEPARTURE】(92年のル・マン24時間レース・ゴールシーンBGM)。“マボロシングル”ことDIMENSION唯一のシングル・ナンバー【ROUND TRIP】(92−97年テレビ朝日系プロ野球中継テーマ曲)。HOUSE・コンピレーション・アルバム『FASHIONAL LOUNGE』収録の【SOMETHING ABOUT YOU AND ME】。

 そう。『COMPLETE OF DIMENSION AT THE BEING STUDIO』は,一般リスナーの新規開拓を目的に,過去にタイアップ等でTVやラジオやCMでオンエアされてきた楽曲中心の選曲。その結果,幻のレア音源の3曲がセレクションされている。「棚ボタ」なのである。

 上記3曲以外にも,こちらはDIMENSIONマニアをピンポイントで狙ってきたとしか思えない【BEAT #5 − LIVE EDIT】は,DVD盤『BEST LIVE SELECTION −10TH ANNIVERSARY−』収録トラック。
 DVDを持ってはいても,CDの手軽さ&CDの高音質が恋しくなるもの。高音質と言えば全曲リマスタリング仕様なのも触手が伸びる。

 スペシャルBOX仕様のおまけつき『COMPLETE OF DIMENSION AT THE BEING STUDIO』は,DIMENSIONマニアの“ツボ”を完全掌握している。流石は企画盤である。
 ちなみに管理人のマニア心が“くすぐられた”収録曲の一言紹介のコピーを列挙してみます。

COMPLETE OF DIMENSION AT THE BEING STUDIO-3DEPARTURE】…92年ル・マン24時間レース ゴールシーンBGM
BEAT ♯5 LIVE EDIT (1997.3.29 恵比寿 THE GARDEN HALL)】…LIVE定番ナンバー
ARE YOU GONNA WIN?】…力強いサックスで始まる,LIVE人気曲!
YELLOW SUNSHINE】…クラブテイストなフルーヴィーナンバー
SE.LE.NE】…FAN CLUB人気投票BEST 3
BREAK OUT】…初期代表曲。超絶技巧,演奏者の極み!
GEORGY PORGY】…TOTOカバー・ナンバー
CLOSE TO YOUR HEART】…AORテイスト,叙情的なミディアムナンバー
IF】…不動の人気NO.1バラード・ソング
NUDISTIC】…四つ打ちビート,ダンスチューン!
ROUND TRIP】…伝説のシングルナンバー
SOMETHING ABOUT YOU AND ME】…HOUSEコンピレーションアルバム「FASHIONABLE LOUNGE」に収録

COMPLETE OF DIMENSION AT THE BEING STUDIO-4 こうして「きっとどこかで耳にしたはず」DIMENSIONの名曲集を聴き通すと「やっぱりDIMENSIONメロディーだなぁ」の感を強くする。
 これまで超絶技巧の演奏の良さについて語られることの多かったDIMENSION。しかし演奏の良さはメロディーの良さがあればこそ! DIMENSIONのルーツはメロディー勝負の猛者「ビーイング系」出身バンドでした。

  01. Departure
  02. Beat #5 - Live Edit
  03. Are You Gonna Win?
  04. Yello Sunshine
  05. Se.le.ne
  06. Break Out
  07. Georgy Porgy
  08. Close to Your Heart
  09. IF
  10. Nudistic
  <Premium Tracks>
  11. ROUND TRIP
  12. Something about you and me

(ビーグラム/B-GRAM RECORDS 2003年発売/JBCJ-5015)
(ライナーノーツ/斉田才,熊谷美広)

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