アドリブログ 〜JAZZ/FUSION批評〜

ジャズ/フュージョン批評ブログ CD, DVD, ALBUM REVIEW, TRACK REVIEW and more

2012年05月

渡辺 香津美 / ワン・フォー・オール4

ONE FOR ALL-1 ジャズメンとは常に前進し,変貌し,疾走して行くもの。しかし,たまにはクリエイティブの手を休め,多くの音楽仲間やファンと共に,ただただこれまでのハイライトを分かち合う。
 渡辺香津美の『ONE FOR ALL』(以下『ワン・フォー・オール』)は,正しく「喜びに浸るためのライブ」。こんなに“リラックスしたライブ”もいいものだと思う。

 『ワン・フォー・オール』は渡辺香津美の「音楽生活30周年記念」のライブ盤。“世界のKAZUMI”にふさわしく場所はNY。ワールドクラスの音楽仲間と世界中のファンが一同に会した“再会セッション”である。
 そう。『ワン・フォー・オール』の演奏は“並みの”フュージョン。真剣勝負な“ガチンコ”ジャズを期待すると肩透かしを喰らってしまう。でもこんな普段着の演奏だからこそ表現できた,あの瞬間にしか味わえない喜びの新発見がGOO。

 『ワン・フォー・オール』の聴き所は,気心知れた仲間とのインタープレイ渡辺香津美ピアノ矢野顕子ビブラフォンマイク・マイニエリギターラリー・コリエルベースジョン・パティトゥッチパーカッションミノ・シネルの超豪華メンバー5人と順番にアンサンブルを重ねていく。

 『ワン・フォー・オール』の前作が『DANDYISM』で良かったと思った。『DANDYISM』で小曽根真に“寄り添った”経験が『ワン・フォー・オール』での演奏に生かされていると思った。
 そう。『ワン・フォー・オール』の真実は『ONE FOR ALL,ALL FOR ONE』(「一人はみんなのために,みんなは一人のために」 by スクール☆ウォーズ)。ジャズの言語で翻訳すると「過ぎ去った時間はこの一瞬のために。この一瞬はこれからの時間の為に」…。

 矢野顕子マイク・マイニエリラリー・コリエルジョン・パティトゥッチミノ・シネルの豪華共演者が渡辺香津美のためだけにステージに上がり,渡辺香津美はゲストを立てる。自分と相手の良さを消さないインタープレイ渡辺香津美ギターを主役とすべく,一瞬で見事に反応してみせる。

ONE FOR ALL-2 ただし4人との“再会セッション”進行中の中,唯一,渡辺香津美とは初レコーディングのジョン・パティトゥッチが突き進む。
 “スーパー・ベーシストジョン・パティトゥッチはあれでも“手加減”したのかもしれないが,格の違いは隠せない。渡辺香津美の超絶ギターベースを合わせる瞬間のジョン・パティトゥッチベースは“2番目の”超絶ギター然。うお〜。

 個人的には『ワン・フォー・オール』をこんなにもリラックスして楽しめるのは矢野顕子の存在に負うところが大きい。ジャズ・ピアニストに専念した【WATER WAYS FLOW BACKWARD AGAIN】は,永遠の天才少女”あっこちゃん”100%!

  01. HAVANA
  02. WATER WAYS FLOW BACKWARD AGAIN
  03. LIBERTANGO
  04. SOMEWHERE
  05. AFRO BLUE
  06. ONE FOR ALL
  07. MILESTONES

(ポリドール/DOMO 1999年発売/POCJ-1451)

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T-SQUARE / WINGS5

WINGS-1 2012年の夏が来た〜。T−スクェアが『WINGS』で夏を運んで来た〜。T−スクェア久々の“夏CD”。それが『WINGS』である。

 さて,T−スクェアザ・スクェアだった頃のアルバムは,ほぼ夏だった。しかしザ・スクェアT−スクェアになってからの印象は,ほぼ春である。事実,管理人の中でスクェアの“夏CD”は『夏の惑星』で終わっている。
 そう。「ポップ・インストゥルメンタル・バンド」となったT−スクェアのサウンド・イメージは,誰が何と言おうと春なのだ(単にリリース日が春だけのこと?)。

 あれ? 『WINGS』も「ポップ・インストゥルメンタル」なのでは? その通りです。『WINGS』は,実にスクェアらしい,キャッチーでポップメロディ・ライン集。その意味では春に区分けしてもいい。
 しかし『WINGS』に夏を感じる理由は「ハッピー&ピースフル」なメッセージ性。安藤正容伊東たけし河野啓三坂東慧のメンバー4人に田中晋吾も加わって,楽器をマイク替わりに,明るく華やかに“応援ソング”を歌っている。

 「日本もこれから元気になりましょう。羽ばたき続けましょう」という意味で“飛翔する翼”への思いを込めたアルバム・タイトル『WINGS』。名曲【THE BIRD OF WONDER】とは“不死鳥”の意である。
 そう。『WINGS』の真実は,T−スクェアから届けられた「震災復興応援盤」。「ポップ・インストゥルメンタル」の最高峰=『NINE STORIES』の録音は3.11以前。この1年間,T−スクェアのメンバーも「音楽を通して何が出来るか」を考えてきたことだろう。そんな彼らの答えが『WINGS』なのだ。

 海老一染之助・染太郎の「いつもより多めに回しております」ばりな,3割り増しのハイテンションが熱い血潮のメッセージ。でもでも決して押し付けがましくはない。第三者話法連発の説得力。
 『WINGS』のキャッチ・コピーは「愛と癒し,元気や勇気。このアルバムには天使がいるね」。いるいる。ファンタジックで“天使の羽”な『WINGS』を聴いているだけでパワーが出る。

 2012年の夏は「猛暑」予想だが,どんとこい,である。管理人の中では『WINGS』で,すでに夏入り宣言。冷えたビールと『WINGS』があればウナギなしでも乗り切れる? そんな夏を乗り越えた先には,まだ聴こえていないスクェア久々の“冬CD”。

 (これはスクェア仲間の himebowさんのブログ に触発されたせいなのかもしれませんが)イケイケの『WINGS』を10回連続聴き続けていたら,管理人も『STARS AND THE MOON』のような“冬CD”がたまらなく聴きたくなってしまった。
 現「河野坂東」時代のスクェアが“冬CD”を作ったら,一体どんなものが飛び出してくるのだろう? 考えただけでワクワク・ドキドキ&ヨダレ〜。

WINGS-2 ここで勝手にスクェア待望の“新”冬CD発売までのプランニング。

 『STARS AND THE MOON』の録音前には『うち水にRAINBOW』と『ADVENTURES』の夏2枚か。よ〜し。『WINGS』の後にもう1作夏だな。それから冬だな。「日本の夏,妄想の夏〜」。
 2012年の「猛暑」は『WINGS』を毎日聴いて妄想しま〜す。

PS 『WINGS』を購入するなら【初回生産限定盤】が買いです。【TRUTH】のリマスタリングが過去最高。【TRUTH】のロックな音が『WINGS』を更なる“夏CD”へと後押ししてくれますよっ。

  Disc 1
  01. Heroes
  02. The Bird Of Wonder
  03. The Flight Of The Phoenix
  04. Sunshower
  05. 夏の足音
  06. Cheer Up!
  07. Tell Your Story
  08. Sympathy
  09. Flashpacker
  10. Fast Break

  Disc 2 Bonus Disc
  01. TRUTH
  02. UNIVERSO INTERIOR Saudade Mix

(ヴィレッジ/VILLAGE 2012年発売/VRCL-10105-6)
(☆SACDハイブリッド盤仕様+BLU−SPEC CD盤仕様)
★【初回生産限定盤】ボーナスCD付 CD2枚組
★【初回生産限定盤】三方背BOX仕様
★音匠仕様レーベルコート

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渡辺 香津美 DUO with 小曽根 真 / ダンディズム4

DANDYISM-1 渡辺香津美小曽根真。日本を代表するジャズギタリストジャズピアニスト
 そんな2人のデュエットCDが『DANDYISM』(以下『ダンディズム』)である。

 『ダンディズム』のコンセプトは,ギターピアノの“ガチンコ”DUO。とりわけギターピアノは同じコード楽器が背負う宿命ゆえに合わせるのが難しいとされている。事実『ダンディズム』にはジャズ特有のノリや遊びが少ない。
 そう。『ダンディズム』の真髄は,テンション高めでスリリングな演奏の応酬である。「生真面目な日本人らしさが漂っている」と表現したらよいのだろう。キッチリと音を積み重ねていく過程に一切「手抜き」はない。

 このように書くと『ダンディズム』は「渡辺香津美 VS 小曽根真」のように伝わってしまうかもしれないが,実際はその逆である。2人が音を重ね合わせるために苦心している。全身全霊で互いの音を聴こうとしている様子が伝わってくる。こんなに共演者に“歩み寄る”渡辺香津美は初めてである。

 『ダンディズム』の素晴らしさはジャズの初心者には??だと思う。ジャズの“酸いも甘いも”を聴き分けてきた「音のテイスティング」ができる上級者だけが楽しめる,実にハイレベルな“大人のデュオ”。ジャズの言語の巧みな使い手である渡辺香津美小曽根真が,ちょっと気取った言葉で語り合っている。豊富なボキャブラリィで“専門用語が飛び交う”会話に引き込まれていく。面白いと思ってしまう。
 『ダンディズム』のキャッチ・コピー=「男の嗜(たしなみ),音のテイスティング,ダンディズム」は『ダンディズム』を見事に言い当てている。

DANDYISM-2 ただし『ダンディズム』は「渡辺香津美 DUO with 小曽根真」な渡辺香津美ソロ名義作。
 小曽根真が対等扱いでないのはなぜ? 引っ掛かりながら聴き始めたが最後まで引っ掛かりが取れなかった。

 渡辺香津美ピアニストとのデュオと来れば『おやつ』でセッションした山下洋輔との【CLEOPATRA’S DREAM】。
 あの名演よろしく,渡辺香津美は相手が強大であればある程,実力を発揮するタイプのジャズメン。自分がリードするよりリードされるくらいのセッションがちょうどいい。
 そういう意味で小曽根真は適任であっただけに渡辺香津美の「ソロ名義仕様」だけが悔やまれる。

  01. SPAIN
  02. BABI'S BOSSA
  03. AZIMUTH
  04. SOMEDAY MY PRINCE WILL COME
  05. PRAY
  06. PASSIONATE SNOW
  07. TOMORROW〜MAYBE FROM "ANNIE"
  08. DANDYISM

(ポリドール/DOMO 1998年発売/POCJ-1412)

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人気ブログランキング − 音楽(ジャズ) 第1位

人気blog ランキング-2 祝☆「人気ブログランキング − 音楽(ジャズ)」で第1位になりました。親愛なる読者の皆さん,いつも応援ありがとうございます。

 音楽関連以外のプライベートはブログに書かないことに決めています。でも今日はお祝いですから…。
 今週の土曜日はMALTAライブ,日曜日と月曜日は湯布院へ1泊2日の旅行でしたが,そこへ長崎空港寄航の案件がぶっ込んで来て友人たちと400km移動しました。PCの電源を3日間入れておりませんでした。
 PCを触れない,そんな時にビッグ・ニュースが飛び込んで来ました。土曜日の午前8時にのぶひでさんより「人気blog ランキング1位になりましたね」。月曜日の午後1時に花雅美秀理さんより「アドリブログがトップですね」とのメールが送られてくる。よりによってこんな日に限って〜。

 ああ〜,一生に一度の大チャンス。管理人にとっては何百年に一度の金環日食よりも,PCの前で「人気ブログランキング − 音楽(ジャズ) 第1位」の画面を確認することの方が大事!
 帰宅して即行,PCON。帰宅するまでの3日間1位をキープし続けることなどないと思っていました。ブログランキングの順位を,恐る恐る,確認してみる。

 親愛なる読者の皆さん,本当に応援ありがとうございます。確かに「人気ブログランキング − 音楽(ジャズ) 第1位」の画面を確認させていただきました。うれしいです。証拠画像は一生の宝物です。今夜だけは浮かれ気分でアドリブログさせてくださいねっ。

 ただし,もう睡魔との闘いは限界です。この記事も予約投稿することにしました(目ざとい読者の皆さんならご存知の通り?アドリブログの更新時間は23時代と決まっています。理由はパソコン通信時代のなごりなのです)。
 この後エビス・ビールで祝杯をあげることにしますので1時間後には夢の中でパーティーでフィーバーしていることと思います。親愛なる読者の皆さん,おやすみなさいませ。

 「人気ブログランキング − 音楽(ジャズ) 第1位」の誇りを胸に,アドリブログは「細く長く」更新継続の所存です。
 いつの日か名実共に「ジャズフュージョン批評ブログ」第1位となる日を夢見て…。

 こんなアドリブログですが,引き続き応援いただければ幸いです。感謝と共に。
セラビー

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2012/05/24 追記しました。続きもご覧ください。

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渡辺 香津美 / エスプリ4

ESPRIT-1 『おやつ』『おやつ◆ ̄鸞』を「消化」し“マルチ”ギター・プレイヤーへと「昇華」した渡辺香津美の頂点が『ESPRIT』(以下『エスプリ』)にある。

 『おやつ』『おやつ◆ ̄鸞』の制作を通じて,アコースティックギターの可能性と全面対峙した渡辺香津美。そんなの渡辺香津美が下した結論は「エレクトリックギターも実はアコースティックギター」。
 そう。渡辺香津美が『エスプリ』で目指すは「エレキを生ギター・ライクに!」。こんな芸当“マルチ”ギター・プレイヤー=渡辺香津美でなければできっこない。

 うん。確かに「エレクトリックギターも実はアコースティックギター」。渡辺香津美の主張がよ〜く分かる。
 ニュアンスとしては“弾く”というよりは“奏でる”。ギンギンの「クィ〜ン」の伸びではなく,伸びやかの伸び。エレキの音色の装飾を生かしつつも,基本,自由奔放なアドリブで「エレキを生ギター・ライクに!」“奏でて”いる。

 『エスプリ』は,エレクトリックアコースティックの単純な「和洋折衷」ではない。『エスプリ』の『エス』はエスニックETHNIC→「民族の」の意。『エスプリ』の『プリ』はPRIMITIVE→「原始の」の意。
 そう。『エスプリ』は,世界の共通民族にして原始から現代までを複雑に「和洋折衷」したギター・トリオ名演集。

 ズバリ,渡辺香津美は『エスプリ』で「ギター演奏の極意」を掴み取ったのではなかろうか? これはギター奏法の超絶テクニックだけではない。ギターは元来,ヨーロッパの“民族楽器”。ヨーロッパの長い歴史が人間という民族の歴史。渡辺香津美の“マルチ”なギターが歌っている。
 そう。“マルチ”ギター・プレイヤー=渡辺香津美が,ギターで人間という民族の「喜怒哀楽」を歌にしたためる。「ギター演奏の極意」を掴み取ってしまった。もはや渡辺香津美ギターの組み合わせは「鬼に金棒」状態に達している。

 全ては“ニュアンス”。渡辺香津美ミノ・シネルパーカッションドラミングを包み込み,スクーリー・スヴェリッソンベースの“旨み”をも引き出している。
 ミノ・シネルの一発のアタックで世界が“モノクロからカラーへと”変わる瞬間の衝撃ダイナマイト。スクーリー・スヴェリッソンのとても音域の広い6弦ベースがメロディアス。うなるベースは風のうなりのようである。
 ダイナマイトと風のうなりを受け止めた,渡辺香津美の“マルチ”なギターが,オブラート役となってギター・トリオを導いていく。 

ESPRIT-2 管理人の結論。『エスプリ批評

 『エスプリ』は,渡辺香津美の「エレクトリックにしてアコースティック・タッチな」ギタリストとしての頂点の記録。
 『エスプリ』は,ジャズフュージョン通,あるいはギター通に奨めることはできても,ジャズフュージョンの入門者,ましてや渡辺香津美の入門者にはアウトだと思う。「エレキを生ギター・ライクに!」のコンセプトは小難しい。
 『エスプリ』を楽しむためにはエレクトリックギターアコースティックギターの両方についての造詣を必要とする。そう。『エスプリ』はリスナーを選ぶ。リスナー側から発言すると「好みが分かれる」ことと思う。

 正直,管理人は好みではない。『エスプリ』をあるレベルまで聴き込むと「アコースティックにしてエレクトリック・タッチな」逆『エスプリ』を聴いてみたいと思うようになる。『エスプリ』=思わせぶりな欲求不満作。

 最後にCDタイトル『エスプリ』の管理人の新解釈。『ESPRIT』とはETHNICPRIMITIVEの造語ではなく『E−SPRIT』=『いいスピリット』の意だと思っている。これ,当たってない?

  01. Havana
  02. Tinkle
  03. La Lune
  04. Desperado
  05. Tears
  06. Cascade
  07. Puzzle Ring
  08. Astral Flakes〜Axis
  09. Morocco
  10. Kara Kara
  11. Lately

(ポリドール/DOMO 1996年発売/POCJ-1346)
(ライナーノーツ/渡辺香津美)

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渡辺 香津美 / おやつ 遠足4

OYATSU 2 ENSOKU-1 『おやつ』でアコースティックギターの魔力に取り憑かれた香津美“少年”が,アコースティックギター片手に遠足へ出かけた際の道中記。それが『おやつ◆ ̄鸞』の真髄である。

 遠足の目的地はアジア遠足のパートナーはアジアの民族楽器奏者。そう。『おやつ◆ ̄鸞』のテーマは「東方見聞録」な演奏ツアー。このスケールの大きさは「遠足」というより「遠征」な感じである。

 『おやつ』をレコーディングして渡辺香津美自身で感じた結果であろうが『おやつ◆ ̄鸞』では『おやつ』以上に渡辺香津美ギター・ソロの出番が減少。
 しかし,アコースティックギターソロのインパクトでは『おやつ◆ ̄鸞』が『おやつ』を上回っている。

 【ダニー・ボーイ】改め【ロンドンデリの歌】と【早春賦】で感じるアコースティックギターのダイナミックレンジの広さ。そして【マイ・ワン・アンド・オンリー・ラブ】と【ブルー・イン・グリーン】で感じるアコースティックギターのイマジネイティブな表現力。
 前作『おやつ』は“生々しすぎる”生音で録音されていたが『おやつ◆ ̄鸞』ではマイクの距離がちょうどいい。心地良い響きなのに凝視にも耐えられる。

 このアコースティックギターの特徴を生かしきったアレンジ,技巧,録音の3拍子が合わさって『おやつ◆ ̄鸞』は渡辺香津美アコースティックギターソロ“印”!

 ただし『おやつ◆ ̄鸞』のハイライトは【サヒール】。渡辺香津美のオリジナルにして想像するに「バングラしている」。まるで目の前でバングラの民族舞踏会が開かれているかのよう。妖艶で神秘的,そして一部の狂いもない音世界。これは凄いぞ〜。

OYATSU 2 ENSOKU-2 管理人の結論。『おやつ◆ ̄鸞批評

 『おやつ◆ ̄鸞』での収穫は,上述したアコースティックギターソロ“印”以上に「東方見聞録」であろう。渡辺香津美の興味が『おやつ◆ ̄鸞』以降,俄然カテゴリー6を越えてきた。
 渡辺香津美の音楽は,アコースティックエレクトリックの垣根を越え,ジャズフュージョンの枠内をも越えてきた。
 もはやジャズ・ギターの範疇で批評などできやしない。

 そう。『おやつ◆ ̄鸞』で渡辺香津美が“マルチ”ギター・プレイヤーの能書きを襲名した!

  01. Londonderry Air
  02. SAHIR
  03. My One And Only Love
  04. Island
  05. Han-Bon-Do
  06. 彩蝶追月
  07. 早春賦
  08. もつけ
  09. モスラの歌
  10. Blue In Green
  11. 月の美しゃ
  12. こきりこ節
  13. As Time Goes By〜亀の恩返し

(ポリドール/DOMO 1995年発売/POCJ-1312)
(ライナーノーツ/渡辺香津美)

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渡辺 香津美 / おやつ4

OYATSU-1 『おやつ』。このタイトルはが意味深である。王道な解釈は「主食ではなくおつまみ」。

 渡辺香津美のメイン1はエレクトリックギター。だからアコースティックギターは『おやつ』。
 渡辺香津美のメイン2はジャズフュージョン。だからクラシックや映画音楽やビートルズや坂本九は『おやつ』。

 はは〜ん。『おやつ』は渡辺香津美の趣味なるお遊び盤。10年間フュージョンを究め続けた疲労回復な息抜き盤。「Let’s リラックス〜」。湯船で鼻歌ランランラン♪ なんたってCDジャケットのかえるのイラストがかわいいじゃありませんか〜。

 そう思ったあなたは怪我をする。事実,管理人は『おやつ』で大ヤケドしました。
 『おやつ』は渡辺香津美の大真面目なジャズCD渡辺香津美が,本能のおもむむままに,がむしゃらに,発狂しながらギターを弾きまくっている。それでいて完成度の高いジャズ・ギター
 破綻しそうで破綻しないギリギリのライン。真剣勝負の緊張感が生々しく響いている。アコースティックギターって,こんなにパワフルな楽器だったのか…。もう絶句。大好き。

 ただし管理人の『おやつ』に対する評価は星4つ。理由は『おやつ』の聴き所は,渡辺香津美ギター・ソロではなくゲスト・ミュージシャン5人とのデュエット6トラックだから。

 ピアノ山下洋輔との【CLEOPATRA’S DREAM】における名バッキングが鳥肌もの。
 ベース井野信義との【I’LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN】の間奏におけるフリー・ジャズからメジャーの戻る瞬間のため息。
 サックス井上敬三との【NUOVO CINEMA PARADISO】における“泣きのユニゾン”の何と甘美なこと。
 ボーカル桑名晴子との【上を向いて歩こう】における,でしゃばらず気取らない演奏が,メロディの良さを引き立てている。この音使いはやっぱり天才だと思う。
 同じギターラリー・コリエルとの【NEKOVITAN X】は高速ギター・バトルであり【BLUE STAR】は加山雄三の【君といつまでも】のギター協奏曲である。大好き。

 他方,渡辺香津美ギター独奏10トラックでは,超絶技巧が素晴らしいのであるが,元来のギター・ソロの目的であろう「
自由なイマジネーション」を聴けずじまい。選曲がいずれも手垢のついたスタンダード系統である分を差し引いても,ちょっとアイディアが足りなかったのでは?

OYATSU-2 とはいえ『おやつ』の制作は,確実に渡辺香津美にプラスの効果を与えている。
 『おやつ』『おやつ◆ ̄鸞』以後の渡辺香津美の演奏にはエレクトリックギターであってもアコースティックギター弾きの“節回し”が色濃い。

 渡辺香津美にとってアコースティックギターで『おやつ』の気軽なツマミ食いのはずが,主食を忘れてポテチ三昧の様相。ポテチ職人に開眼した「パティシエ・香津美」の誕生作。もはや『おやつ』が1日10食。完全なる主食の偏食期到来。

 管理人の結論。『おやつ批評

 『おやつ』は,和食の料理人が洋食のコックへと転向したくらいの変わり映えであり,渡辺香津美フリークの間では必ず論議の的となる渡辺香津美最大の問題作。
 エレクトリックギターの申し子が,アコースティックギターの魔力に“取り憑かれてゆく”瞬間の記録を聴き逃すな!

  01. PRELUDE IN CHORDS
  02. TO CHI KA
  03. NUAGES
  04. CLEOPATRA'S DREAM
  05. SAMBA DE ASTRONAUTA
  06. I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN
  07. CANTO DELS OSELLS
  08. DIANA
  09. MISSION ST.XAVIER
  10. NUOVO CINEMA PARADISO
  11. ワーニャ伯父さん
  12. THE FOOL ON THE HILL
  13. 上を向いて歩こう
  14. ST.THOMAS
  15. NEKOVITAN X
  16. BLUE STAR

(ポリドール/DOMO 1993年発売/POCH-1426)

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今田 勝 / リバージュ5

RIVERGE-1 『RIVERGE』(以下『リバージュ』)は,今田勝が「今田勝&ナウイン」結成後にリリースした,敢えて個人名義な「ナウイン」サウンド。

 “重厚なのに軽やかな”「ナウイン」サウンドそのままに,芸達者な年長者で脇を固めた『リバージュ』の狙いは,リゾート・ミュージックのモチーフを基本とした許容性の広い南国物語。十人十色の南国物語。

 名アレンジャー=清水信之シンセサイザーを基調とし,キーボード難波弘之中西康晴ギター松本恒秀杉本喜代志ベースポール・ジャクソン高水健司ドラム村上秀一山木秀夫市原康パーカッション三島一洋フリューゲル・ホルン吉田憲司アルト・サックス藤陵雅裕,そして飛鳥ストリングスまでが色彩豊かに絡みつく。

 『リバージュ』の聴き所は,若手ジャズメンの登竜門「今田勝&ナウイン」では表現しきれない“多義的で豊かな叙情感”! この辺りの“懐の深さが”敢えて個人名義な「ナウイン」サウンドの肝であろう。
 そう。『リバージュ』こそ,今田勝フュージョン路線の集大成。ゆえに「今田勝&ナウイン」の本流を汲んだ,敢えて個人名義のアルバムなのだ。

 フュージョン路線に進んでも「ジャズ・ピアノの詩人」と称された今田勝の独特な作曲センスは健在。そんな今田勝の珠玉の名曲を“今田勝のイメージ以上に表現できる”凄腕ジャズメン・バンド「今田勝&ナウイン・スペシャル?」だからこそ,今田勝の“心の歌”が聴き取れる。

 『リバージュ』でのリゾート・ミュージックは,ザ・スクェアハワイではなく管理人には三浦海岸。
 そう。『リバージュ』は,海外高級リゾートではなくイモ洗いリゾート。もう完全なる「日本の夏」。
 明るく爽やかでユーモラスで超カッコいいのに最大公約数が「涙のツボ」=今田勝特有の「哀愁のメロディ」必殺。これが極めて日本的。世界中どこを探しても『リバージュ』が似合うのは三浦海岸しか思いつかない。

 「世界一のジャズ大国」日本でしか育たなかったJ−フュージョン。日本人の血が流れていないと感じられないフィーリングとボキャブラリーとイマジネーション。エキゾティックで歌謡曲チックな歌メロとジャズ・ロックが融合した“重厚なのに軽やかな”BGM。
 (普段,思うことなど皆無なのに)日本人に生まれて良かった。アメリカに生まれていてもJ−フュージョンを聴いていたという虚言。夏の海のお供は,サザンでもチューブでもなく80年代J−フュージョンですから〜。

RIVERGE-2 さて,ここからは『リバージュ批評「外典」。

 今田勝は「日本のジョー・サンプル」。ここはブレない。しかし「今田勝&ナウイン」の全CD,特に『リバージュ』を聴くと「これは今田勝による松岡直也へのリスペクト作?」と思える瞬間が多々訪れる。今田勝の近似値=松岡直也!?

 2人の違いは今田勝の方がラテン調の湿度の少ないさらっとした南国風。味が「濃いか薄いか」の差だけと見る。う〜ん。でも書いていて何か違うよなぁ。
 ここは逆に『リバージュ』の中の松岡直也を分析する。すると…あった〜! 今田勝松岡直也を結び合わせる共通点「清水信之」。
 そう。清水信之の師匠は松岡直也清水信之ラテン・アレンジは松岡直也“譲り”なのだった〜。

 本当? 多分間違っている。「似て非なるもの」今田勝の近似値=松岡直也の秘密を探求することが管理人の永遠のテーマの一つです。

  01. Melodious Summer
  02. Wind & Wave
  03. Driving The Cabriolet
  04. Ships in Harbor
  05. A Door of Glass
  06. Vinous Party
  07. Saint Tropes
  08. Strange Conversation
  09. On Green Dolphin Street

(ポリドール/POLYDOR 1986年発売/H33P20087)

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レゾナンス・ヴォックス / RESONANCE VOX4

RESONANCE VOX-1 管理人は「レゾナンス・ヴォックス」自らのバンド名を冠した3rd『RESONANCE VOX』を聴いて,渡辺香津美にバンドのギタリストを求めるのはやめることにした。求めても無理なものは無理なのである。

 渡辺香津美の進む道は得意の“セッションギタリスト”方面。渡辺香津美には「孤高のギタリスト」が似合うのであり,渡辺香津美和田アキラ野呂一生安藤まさひろにはなれないことが分かったのだ。

 誤解しないでほしい。『RESONANCE VOX』で展開されるフュージョン・ミュージックは最高レベルである。『RESONANCE VOX』は「レゾナンス・ヴォックス」としての3作目。ついにこなれたバンド・サウンドが展開されている。
 そう。『RESONANCE VOX』は一聴するとポップで聴きやすい。次の瞬間何が起こるか分からなかった『PANDORA』や多数のアイディアが具現化された『0−X−0』と比較すると,じっくりと腰を据えて耳を傾けられる安心感がある。

 しかし,だからこそ大いに物足りない。これが渡辺香津美自慢のバンド・サウンドなのかと。渡辺香津美がリクエストしたメンバー3人を擁してもピリッとしない。これが新バンドの到達点だったのかと。苦しい。+αが感じられない。
 事実『RESONANCE VOX』が「レゾナンス・ヴォックス」のスタジオ録音最終作。+1のライブ盤『自業自得』が自業自得。お祭りライブを最後に「レゾナンス・ヴォックス」は散ってしまった。

 原因がある。理由がある。渡辺香津美は日本一の“超絶テクニック系”ギタリストである。ゆえに自らの技巧に溺れてしまった。いや,プロとしてとことんテクニックを追求してしまった。そう。ここが落とし穴。つまり「リスナー不在でリスナー無視な」“音楽の大家”を目指してしまった。

 『RESONANCE VOX』のシンプルで無駄や遊びのない計算しつくされた音世界。遊びとか,無駄とか,余分な贅肉とか,装飾とか,音楽の骨格以外の要素が全部削ぎ落としされた「無骨でストイック剥き出しの音」。この音造りはまるでアスリートのようである。
 そう。『RESONANCE VOX』の4人が,夢中になって,ただただ高くジャンプする。どこまで自分たちの理想に近づけるかを実験している。「この音造りについてこれるヤツだけついてくればいい。ついてこれないヤツは置いて行く〜」。

 そう。「レゾナンス・ヴォックス」は渡辺香津美の玄人路線。流行やリスナーに媚びない“無骨なフュージョン”大展開。鼻からバンド・サウンドなど目指してはいない。目指すは“音楽の大家”なのだから…。
 渡辺香津美に“連れ回された”バガボン鈴木東原力哉八尋知洋は最高にエキサイティングしたことだろう。

RESONANCE VOX-2 管理人の結論。『RESONANCE VOX批評

 『RESONANCE VOX』は渡辺香津美の“究極”フュージョン。『RESONANCE VOX』が渡辺香津美フュージョンの限界。
 『RESONANCE VOX』の真髄は「種も仕掛けも一切ない」高度なフュージョン。野性を知性でコントロールすると,アンチ・バンドなセッション集団=「レゾナンス・ヴォックス」へと行き着いたのだった。

 そういう訳で次は『おやつ』『おやつ◆ ̄鸞』でのアコースティックギターソロへと一直線。もうフュージョン・バンドは腹一杯のゲップですよね,香津美さん?

  01. 雨の水曜日
  02. BARONG
  03. Partido Forte
  04. No Money, No Girl, No Business, -But We Still Have
     Music!

  05. Pona Pela
  06. Karula
  07. Glory's Stomp
  08. On The Beach
  09. Iron Claw
  10. Merci Brice
  11. Flor

(ポリドール/DOMO 1993年発売/POCH-1250)
(デジパック仕様)

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レゾナンス・ヴォックス / O-X-O4

O-X-O-1 『PANDORA』で“ホトバシッタ”アイディアを具現化した「THIS IS ザ・渡辺香津美レゾナンス・ヴォックス」な音。それが『0−X−0』である。

 事実『0−X−0』以降「レゾナンス・ヴォックス」は「渡辺香津美レゾナンス・ヴォックス」から「渡辺香津美」の看板を下ろしてしまう。これぞ4人対等な「バンド宣言」なのだ。
 いいや「レゾナンス・ヴォックス」は4人対等ではない。4人が「小競り合い」しながらの「四人五脚」なチームワーク。バンド内コンテストの結果は『PANDORA』では東原力哉が1位だったが『0−X−0』の1位はバガボン鈴木

 ベーシストバガボン鈴木のアーティスト名はバガボンであってバカボンではないのだが,今回ばかりはバカボン鈴木と呼んでしまおう。そう。バガボン鈴木は“天才”バカボン。日本にまだこんな「天才」ベーシストが埋もれていたとは…。

 管理人は『0−X−0』でバガボン鈴木にロックオン。レゾナンス・ヴォックス以前のバガボン鈴木の演奏は知らない。しょうがないので『PANDORA』でのプレイを聴き直してみるのだが,これが全然目立っていない。耳にスッと入ってこない。
 なのに『0−X−0』ではバガボン鈴木ベースしか耳に入ってこないから不思議でならない。

 渡辺香津美ギターが最高だ。【DREAM INVADER】での【LIM−POO】を想起させるアドリブが大好物。
 東原力哉ドラムが最高だ。片やワイルドでファンキーな【0−X−0】。片や【WISE UP】【YA TOKOT YA】でのシーケンシー。東原力哉の七変化のドラミングこそが「無国籍」バンドのトレードマーク。
 八尋知洋パーカッションが最高だ。【AMAPOLA NEGRA】のハイライトは渡辺香津美ギター小林靖宏アコーディオンの間を切り裂く八尋知洋パーカッションである。

O-X-O-2 でもでも,そんな3人の名演奏は全てバガボン鈴木の引き立て役。バガボン鈴木チョッパー・ベースフレットレス・ベースがビッグ・ウェーブ。自由自在に大波・小波をノリまくる。
 そう。『0−X−0』の聴き所は1点。バガボン鈴木の“生命感あるリズム”に尽きる。

 詰め込めるだけ詰め込んだ重量級の『PANDORA』から,煌びやかな「原色系」サウンドへと飛翔した『0−X−0』への進化は「フィーチャリングバガボン鈴木」色の“突出”にある。

 管理人の結論。『0−X−0批評

 (ジャケット写真のチェス参照)『0−X−0』でバガボン鈴木渡辺香津美をチェックメイト。結果「渡辺香津美レゾナンス・ヴォックス」が「レゾナンス・ヴォックス」を名乗るとしてもバンド・サウンドには至っていない。2作連続こなれていないセッション・バンドのままはなぜ?

  01. Unlucky Heaven
  02. Dream Invader
  03. Wise Up
  04. Renu
  05. Saicoro
  06. O-X-O
  07. Amapola Negra
  08. Ya tokot Ya
  09. Cyber Pipeline
  10. 牡丹の花

(ポリドール/DOMO 1992年発売/POCH-1142)
(デジパック仕様)

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渡辺 香津美 レゾナンス・ヴォックス / パンドラ4

PANDORA-1 「渡辺香津美レゾナンス・ヴォックス」のような,不思議で力強くて既成概念を払拭したフュージョン・バンドはそう多くない。

 「渡辺香津美レゾナンス・ヴォックス」の音の醍醐味は,次に何が飛び出してくるか分からない痛快さ&恐ろしさ。フュージョンについて回るイメージをことごとく裏切り続ける。そんな期待感を常に抱かせてくれる“テンション高めな”新バンドの大登場。リキを入れずにユーモアが入っている。狙うは何かのパロディ・ミュージックなのか?(特にYMOの【FIRE CRACKER】)。

 「渡辺香津美レゾナンス・ヴォックス」のメンバーは4人。リーダーでギター渡辺香津美に,ベースバガボン鈴木ドラム東原力哉パーカッション八尋知洋
 OH!よくぞこれだけ個性溢れるメンバーを集めてくれました。知性派と野性派が合体したメンバー構成が「渡辺香津美レゾナンス・ヴォックス」のツボ。「渡辺香津美レゾナンス・ヴォックス」は,何が飛び出してくるか“一か八かの”「禁断の音の玉手箱」。
 そんな「渡辺香津美レゾナンス・ヴォックス」がデビューCD=『PANDORA』(以下『パンドラ』)で「禁断の音の玉手箱」=「パンドラの箱」を開けてしまった。

 『パンドラ』で開いた「パンドラの箱」。音の中身は「パンドラ」発祥の地,ギリシャ・トルコ方面の東西融和のオリエンタル・フュージョン。要は“無国籍”なフュージョン・ミュージック。
 「胆はロック,精神はジャズ,ファンクな心に頭ブラジル」。このバンドに付けられたキャッチコピーが「渡辺香津美レゾナンス・ヴォックス」の全てを言い当てている。

 『パンドラ』には曲のイメージに合わせた5人+MAMBO BOYSのゲスト入り。でもでもやっぱり…。
 ゲストにキーボード・プレイヤーがいない。理由は「世界一」のギター・シンセサイザー・プレイヤー「渡辺香津美フィーチャリング」。ここにギター・トリオでホームラン3連発をかっとばした渡辺香津美の「こ・だ・わ・り」を見る。でもでもやっぱり2…。

 ヴァイオリンアコーディオンはメロディアスだが中途半端。バンドの音が“こなれていない”中でのごちゃごちゃ感有り。渡辺香津美の意識がゲストの音に集中しすぎて?3人のリズム隊とのコンビネーションが今ひとつの感有り。
 目指せ「無国籍」ゆえのアイディア&アドレナリンが出まくっている『パンドラ』だけは,渡辺香津美ギターの演奏に集中できる,鍵盤入りが最善の選択肢だったような…。
 まっ,そんな欠点が『パンドラ』の魅力でもありますが…。

PANDORA-2 管理人の結論。『パンドラ批評

 「渡辺香津美レゾナンス・ヴォックス」の真髄は“一か八かの”「禁断の無国籍」。メンバー4人の圧倒的な演奏は素晴らしい。それだけに多彩なゲストを事前のアレンジ通りに演奏させた『パンドラ』が煮え切らない。

 渡辺香津美が「渡辺香津美レゾナンス・ヴォックス」で舵を切ったは,例えるなら「コードからモードへの変化」。全員に高度な音楽性が求められるだけに,もう少しだけ消化し熟成させる時間が必要だったかなぁ。

  01. Pandora
  02. Peking Doll
  03. Vega
  04. Ashita Tenki Ni
  05. Passy Home
  06. Dr. Mambo X.
  07. Fire Cracker
  08. Kumpoo Manman
  09. Arashi No Yoru Kimi Ni Tsugu
  10. Django 1953

(ポリドール/DOMO 1991年発売/POCH-1089)
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