アドリブログ 〜JAZZ/FUSION批評〜

ジャズ/フュージョン批評ブログ CD, DVD, ALBUM REVIEW, TRACK REVIEW and more

2013年10月

ジャズ・ワークショップ / THE SEXTET5

THE SEXTET-1 ジャズ・ワークショップ名義の(ミンガスとは無関係な大西順子ジャズ・ワークショップとはグループ名ではなくプロジェクトの総称を指すのだが)『THE SEXTET』は「大西順子買い」であった。

 当初の目的通り『THE SEXTET』は「大西順子聴き」。それも「狂い聴き」!
 セクステットの重厚な音から大西順子ピアノだけを抜き出して聴く“極意”を身に着けた。さすがに3管との共演ではピアノのリズム隊入りは避けられないが,その“存在感を消したはずのピアノ”にソロの順番が回ってくれば大西順子の独壇場! 大爆発の度合いはピアノトリオを超えている。

 …と,ジャズ・ワークショップのリーダー=大西順子について語ろうと思えばいくらでも語れてしまう。でもジャズ・ワークショップはそんな“あまっちょろい”グループではない。
 発足当初は大西順子のワンマン・バンドだったのかもしれないが,バンドが成長すると“あの”大西順子をもってしても止められない圧倒的なスケール感。あの勢いをして「ジャズの実験」を行なう「ジャズの研究室」こそ「ジャズ・ワークショップ」!

 ゆえに『THE SEXTET』の本質=セッションCD
 ピアノ大西順子トランペットフリューゲル・ホーン岡崎好朗アルト・サックスフルート多田誠司テナー・サックス川嶋哲郎ベース荒巻茂生ドラム原大力というJ−ジャズ界の若武者6人が,時に個性をぶつけ合い時に擦り寄りながら創造する,新たなるジャズの模索である。

THE SEXTET-2 『THE SEXTET』の基本はオーソドックスな3管アレンジであろうが,リズム隊が斬新に動くのでフロントがマジでカッコイイ。マジでヤバイ。

 同じものを,いいや,似たものでもいいのでとにかく産み出そうと,どんなにもがこうとも2度と産まれやしない,大西順子の“女王の産物”ジャズ・ワークショップ・プロジェクト。
 ジャズ・ワークショップがマジでカッコイイ。マジでヤバイ。

  01. PRINCESS SWALLOW
  02. BENNY'S BAG
  03. PRELUDE TO TORNADO
  04. MU-JIKO MU-IHAN
  05. MARINE SNOW
  06. THE LONLEY BASSMAN BLUES
  07. PORTRAIT IN BLUE

(サムシンエルス/SOMETHIN'ELSE 1997年発売/TOCJ-5586)
(ライナーノーツ/藤本史昭)

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スガダイロー / 黒船・ビギニング −須賀大郎短編集−(下)5

黒船・ビギニング −須賀大郎短編集−(下)-1 スガダイローフリージャズは,音楽という視点で捉えるよりもエンターテイメントとして捉える方が感覚的に近いと思う。

 ズバリ,スガダイローの絶対に破綻しないフリージャズ=アメリカン・ヒーローもののようである。
 途中でどんなにやられようが最後には正義が勝つというお決まりの安心感。88の鍵盤をとっかえひっかえ乱打しているうちに肝心の音楽が消えていく不思議な感覚。雨が降ろうが槍が降ろうが最後までケラケラ笑って楽しめる“一家団らん”フリージャズ

 ジャズフュージョンのスタイルとして,エンターテイメントに一番遠いのがフリージャズ。難解だし集中して聴き続けなければ楽しみを聴き逃してしまうのがフリージャズ
 しかし,ジャズ界の「突然変異」スガダイローピアノを弾くと,フリージャズジャズフュージョンのスタイルの中で一番エンターテイメントしてしまう!

黒船・ビギニング −須賀大郎短編集−(下)-2・『坂本龍馬の拳銃 −須賀大郎短編集−(上)』と『黒船・ビギニング −須賀大郎短編集−(下)』は,どの曲のどの部分を聴いても入り込めるエンターテイメント。
・『坂本龍馬の拳銃 −須賀大郎短編集−(上)』と『黒船・ビギニング −須賀大郎短編集−(下)』での“ホンキートンク・ピアノ”の調律ハズレがエンターテイメント。
・『坂本龍馬の拳銃 −須賀大郎短編集−(上)』と『黒船・ビギニング −須賀大郎短編集−(下)』での「縦ノリ」=非スイングがエンターテイメント。
・『坂本龍馬の拳銃 −須賀大郎短編集−(上)』と『黒船・ビギニング −須賀大郎短編集−(下)』での,大胆な構図,繊細な描写,スピード感,異常なまでの熱量とアーティスティックな職人気質がエンターテイメント。
・『坂本龍馬の拳銃 −須賀大郎短編集−(上)』と『黒船・ビギニング −須賀大郎短編集−(下)』での,ジャズのアーカイブ的なメロディアスなフレーズがエンターテイメント。
・『坂本龍馬の拳銃 −須賀大郎短編集−(上)』と『黒船・ビギニング −須賀大郎短編集−(下)』を,聴き終えた時に襲ってくる,抱腹絶倒,痛快無比,悲喜こもごもな感情がエンターテイメント。

黒船・ビギニング −須賀大郎短編集−(下)-3 管理人の結論。『黒船・ビギニング −須賀大郎短編集−(下)批評

 スガダイローフリージャズの“鎖国”へと『黒船』で乗り込んで行く。
 そう。スガダイロージャズ界のペリー。だからジャズ界の「突然変異」なのである。

PS 「黒船・ビギニング −須賀大郎短編集−(下)-3」は販促用の特典CDです。

  01. East Coast Way
  02. The Outlaw
  03. Black Ship
  04. Children's Song No.1
  05. Dragon Beard
  06. It Don't Mean A Thing If It Ain't Got That Swing 〜
     Thelonious

  07. My Funny Valentine
  08. The Trickster
  09. How To Put The Standard Songs Into Your Brain
  10. Beginning
  11. The Gate of Tengu

(COOL FOOL/COOL FOOL 2009発売/CLFL-0002)
(ライナーノーツ/スガダイロー)
(デジパック仕様)

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スガダイロー / 坂本龍馬の拳銃 −須賀大郎短編集−(上)5

坂本龍馬の拳銃 −須賀大郎短編集−(上)-1 『坂本龍馬の拳銃 −須賀大郎短編集−(上)』と『黒船・ビギニング −須賀大郎短編集−(下)』に衝撃を受けていた時期だから2009年頃の会話のパターンはこのようなものだった。

 ジャズ仲間と会う。「セラビーの最近のお奨めは?」となる。「スガダイロー」と答える。「スガダイローって誰?」。

 はて「スガダイローって誰?」。う〜ん。スガダイローとは日本人ジャズ・ピアニスト。「渋さ知らズ」のジャズ・ピアニストフリージャズ・ピアニスト
 そう。そんなことを聞かれているのでないことは分かっている。でもどうしても的確な言葉が見当たらなくてジャズ批評の“禁じ手”=「聴いてみれば分かるさ」と言い放つ。悶々。

 あれから4年。“『坂本龍馬の拳銃 −須賀大郎短編集−(上)批評な夜”をついに迎えてしまった。
 管理人の結論。『坂本龍馬の拳銃 −須賀大郎短編集−(上)批評

 ゴメンナサイ。いつもの“一刀両断&百人斬り”はできません。その最大要因こそ「前例なし」。完璧なるオリジナル。スガダイロージャズ界に突如出現した「突然変異」なのです。

 フリージャズ・ピアニストなのですから,無論,基本はチリバツ。フリーだけだはなくバップも演っているしストライドも登場する。それらが目まぐるしく現われては消え去っていく様の狂気と静寂のジキルとハイド。
 フリーなのにハラハラドキドキなのに絶対に破綻しないという確信を持って聴き入ってしまう。実に素晴らしい。

 管理人なんかは『坂本龍馬の拳銃 −須賀大郎短編集−(上)』を聴いている途中で1人興奮しまくり『坂本龍馬の拳銃 −須賀大郎短編集−(上)』を聴き終えて1人大絶叫。
 うぉー! ついに来た〜! ブラッド・メルドーの次はスガダイローなのである!?

坂本龍馬の拳銃 −須賀大郎短編集−(上)-2 そう。スガダイローは「音のマジシャン!」。
 管理人は『坂本龍馬の拳銃 −須賀大郎短編集−(上)』と『黒船・ビギニング −須賀大郎短編集−(下)』でマジックを仕掛けられてしまったようである。まだタネは見破っていない。
 → やっぱり「聴いてみれば分かるさ」と言い放つ。悶々。

PS あるジャズ仲間に『坂本龍馬の拳銃 −須賀大郎短編集−(上)』と『黒船・ビギニング −須賀大郎短編集−(下)』を紹介したところ「本じゃなくてCDを紹介してよ」と言われてしまいました。

  01. Speak Low
  02. S&W Model 2 of the Far East
  03. Lights & Shades
  04. The Soldier Is
  05. Hi-Fly
  06. Skylark
  07. Junction
  08. Children's Song No.2
  09. How To Put The Standard Songs Into Your Brain
  10. Cherokee
  11. Soldiers After The Dream
  12. Better Git It In Your Soul

(COOL FOOL/COOL FOOL 2009発売/CLFL-0001)
(ライナーノーツ/スガダイロー)
(デジパック仕様)

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トニー・ベネット & ビル・エヴァンス / コンプリート・レコーディングス5

THE COMPLETE TONY BENNETT/BILL EVANS RECORDINGS-1 アメリカ最高の男性ヴォーカリストの筆頭格=トニー・ベネットの伴奏を務めるとはビル・エヴァンスは幸運な男だ。これが世間の感想であろう。
 しかし管理人から言わせれば,ジャズ・ピアノの巨人=ビル・エヴァンスに伴奏してもらえるとはトニー・ベネットは幸運な男である。

 トニー・ベネットビル・エヴァンスが共演した2枚のアルバム『THE TONY BENNETT/BILL EVANS ALBUM』(以下『トニー・ベネット & ビル・エヴァンス』)と『TOGETHER AGAIN』(以下『トゥゲザー・アゲイン』)の聴き所は,間違いなくビル・エヴァンスピアノである。

 あのトニー・ベネットをしてビル・エヴァンスピアノに負けている。トニー・ベネット以上にビル・エヴァンスが“歌っている”。内省的なビル・エヴァンストニー・ベネット以上に“伝えてくる”。ピアノで語るメッセージが聞き手の心に訴えかける。
 正直,管理人は『トニー・ベネット & ビル・エヴァンス』と『トゥゲザー・アゲイン』の演奏を通してビル・エヴァンスの“歌心”を初めて理解できたように思っている。
 トニー・ベネットの伴奏者としてのビル・エヴァンスが“ビンビン”来ているのだ。

 『トニー・ベネット & ビル・エヴァンス』と『トゥゲザー・アゲイン』の全41トラックが収録された『THE COMPLETE TONY BENNETT/BILL EVANS RECORDINGS』(以下『コンプリート・レコーディングス』)は,トニー・ベネットビル・エヴァンスが2人して曲を作り上げたいく過程のドキュメントを聴くことができる。リハーサルの没テイクこそが“お宝”なのである。

 構成は決まっている。ビル・エヴァンスの短いイントロ〜テーマにトニー・ベネットの歌〜ビル・エヴァンスピアノ・ソロトニー・ベネットの歌というパターン。
 ビル・エヴァンスソロ終わりに,トニー・ベネットがどこから入るかは事前に決められてあった。ゆえにビル・エヴァンスソロは,その曲の構成に沿って盛り上がり“山場”を作っていく。これが完璧なのだ。

THE COMPLETE TONY BENNETT/BILL EVANS RECORDINGS-2  ビル・エヴァンスの伴奏は,ルバート的に弾く場面とキッチリとタイム・キープをする場面に分けられる。ビル・エヴァンス独特の突っ込み気味のタイム感と独特なフレーズで完全に自分の世界を造ってしまう。ここまで自己主張のあるジャズアドリブを「伴奏」でやってしまうビル・エヴァンス

 さらに唸らされるのは,トニー・ベネットとのコンビネーションで聴かせる“変幻自在の”ピアノ・ワーク。トニー・ベネットの歌声に切り替わる直前に「さぁ,どうぞ」と言わんばかりに,全速力のアドリブからごく自然な形で「歌がスタートした時のテンポ」に戻してくる。
 例えるならシフトダウンとアクセル・ワークを巧みに操ってスムーズに減速したような感覚。だから「ああ,ここで歌が入ってくるぞ」と思わせてくれる。実に素晴らしい。

 だからトニー・ベネットは幸運な男。読者の皆さんにも『コンプリート・レコーディングス』を聴いてほしい。史上最強の伴奏者と化したビル・エヴァンスの“上げ膳据え膳”の妙を聴いてほしい。ビル・エヴァンスは相当に“懐の深い”ジャズ・ピアニストである。

  DISC ONE
  ≪THE TONY BENNETT/BILL EVANS ALBUM
  01. YOUNG AND FOOLISH
  02. THE TOUCH OF YOUR LIPS
  03. SOME OTHER TIME
  04. WHEN IN ROME
  05. WE'LL BE TOGETHER AGAIN
  06. MY FOOLISH HEART
  07. WALTZ FOR DEBBY
  08. BUT BEAUTIFUL
  09. THE DAYS OF WINE AND ROSES
  ≪TOGETHER AGAIN
  10. THE BAD AND THE BEAUTIFUL
  11. LUCKY TO BE ME
  12. MAKE SOMEONE HAPPY
  13. YOU'RE NEARER
  14. A CHHILD IS BORN
  15. THE TWO LONELY PEOPLE
  16. YOU DON'T KNOW WHAT LOVE IS
  17. MAYBE SEPTEMBER
  18. LONELY GIRL
  19. YOU MUST BELIEVE IN SPRING
  ≪BONUS TRACKS FROM THE 1976 TOGETHER
  AGAIN SESSIONS

  20. WHO CAN I TURN TO?
  21. DREAM DANCING

  DISC TWO
  ≪ALTERNATE TAKES FROM THE 1975 THE TONY
  BENNETT/BILL EVANS ALBUM SESSIONS

  01. YOUNG AND FOOLISH (alternate, take 4)
  02. THE TOUCH OF YOUR LIPS (alternate, take 1)
  03. SOME OTHER TIME (alternate, take 7)
  04. WHEN IN ROMA (alternate, take 11)
  05. WALTZ FOR DEBBY (alternate, take 8)
  ≪ALTERNATE TAKES FROM THE 1976 TOGETHER
  AGAIN SESSIONS

  06. THE BAD AND THE BEAUTIFUL (alternate, take 1)
  07. THE BAD AND THE BEAUTIFUL (alternate, take 2)
  08. MAKE SOMEONE HAPPY (alternate, take 5)
  09. YOU'RE NEARER (alternate, take 9)
  10. A CHILD IS BORN (alternate, take 2)
  11. A CHILD IS BORN (alternate, take 7)
  12. THE TWO LONELY PEOPLE (alternate, take 5)
  13. YOU DON'T KNOW WHAT LOVE IS (alternate, take
     16)

  14. YOU DON'T KNOW WHAT LOVE IS (alternate, take
     18)

  15. MAYBE SEPTEMBER (alternate, take 5)
  16. MAYBE SEPTEMBER (alternate, take 8)
  17. LONELY GIRL (alternate, take 1)
  18. YOU MUST BELIEVE IN SPRING (alternate, take 1)
  19. YOU MUST BELIEVE IN SPRING (alternate, take 4)
  20. WHO CAN I TURN TO? (alternate, take 6)

(ファンタジー/FANTASY 2009年発売/UCCO-4052/3)
(CD2枚組)
(ライナーノーツ/ウィル・フリードウォルド)

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ブランフォード・マルサリス / レクイエム〜ケニー・カークランドに捧ぐ4

REQUIEM-1 『REQUIEM』(以下『レクイエム〜ケニー・カークランドに捧ぐ』)について語る時,ケニー・カークランドは外せない。
 そう。ケニー・カークランドのラスト・レコーディング。ケニー・カークランドへの追悼盤…。

 ズバリ『レクイエム〜ケニー・カークランドに捧ぐ』の聴き所は,ケニー・カークランドピアノに触発されたブランフォード・マルサリステナートリオ名演にこそある。

 新伝承派を代表するピアニストケニー・カークランドなら,これ位の演奏などごまんとある。
 元来,ケニー・カークランドブランフォード・マルサリスのレギュラー・ピアニスト。最上級のコンビネーションから繰り出されるアドリブに“凄み”は感じるが“狂気”は感じない。世評を信じるでない。ケニー・カークランドが「遺作」を意識するはずなど毛頭ないのだから…。

 しかし「遺作」にして「遺作」意識のないピアノに“狂気”が漂うは否定できない。ケニー・カークランドのタイム感がブランフォード・マルサリステナートリオとずれているのだ。
 ケニー・カークランドがずれているのではない。ケニー・カークランドは以前のレギュラー・ピアニストのタイム感で演奏しているのだが,ブランフォード・マルサリステナートリオが変化している。進歩している。以前のテナートリオに合わせようとしたケニー・カークランドが,結果ずれてしまっている。結果興味深い演奏に仕上がっている。
 
 『レクイエム〜ケニー・カークランドに捧ぐ』におけるケニー・カークランドピアノカルテットの一部というより客演である。
 ブランフォード・マルサリステナートリオの自由度の高さはピアノレスから来ている。リズム隊がタイム・キープしつつも,その許容範囲の範疇で,例えば半拍ずつ上げ下げしてブランフォード・マルサリスへメッセージを送り出す。 

 ブランフォード・マルサリスは見事にパルスを捉えているがケニー・カークランドは捉えきれていない。それでしょうがなく?ケニー・カークランドが“フリージャズ”を弾いている。
 この全てが世評で語られるケニー・カークランドの“狂気”の正体であって“本当の狂気”など存在してはいない。

REQUIEM-2 いつもならこのズレを修正するため「テイク2」。しかしアルバムのレコーディング中にケニー・カークランドが急死。ゆえに最初のレコーディング・セッションのファースト・テイクがアルバム・テイク。【DOCTONE】がフェイドアウトで終わるのは,この辺の事情を反映したものかも?

 ブランフォード・マルサリスが『レクイエム〜ケニー・カークランドに捧ぐ』について語る時“未完の傑作”という位置付けで語られているが“未完”こそが“傑作”であり,失敗も成功も未完も完成も含めて“ジャズ”なのである。
 その意味で『レクイエム〜ケニー・カークランドに捧ぐ』は“結果オーライ”端正美のフリージャズ

 まだ頭でやっているのかなぁ。それはまずないなぁ。名盤連発なのだから分かってて敢えてやっているとしか思えないよなぁ。またブランフォード・マルサリスに関心失くしてしまったかなぁ。

PS 【16TH ST.BAPTIST CHURCH】の本編終了後にひっそりと挟み込まれたブランフォード・マルサリスソプラノサックスケニー・カークランドピアノデュエットに『REQUIEM』を実感して涙してしまいます。もっともっとケニー・カークランドデュエットを聴いてみたかったと心底思います。

  01. Doctone
  02. Trieste
  03. A Thousand Autumns
  04. Lykief
  05. Bullworth
  06. Elysium
  07. Cassandra
  08. 16th St. Baptist Church

(ソニー/SONY 1999年発売/SRCS 8907)
(ライナーノーツ/ブランフォード・マルサリス,デルフィーヨ・マルサリス,キース・ジャレット,中川燿)

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ブランフォード・マルサリス・トリオ / ザ・ダーク・キイズ5

THE DARK KEYS-1 グラミー受賞の駄盤=『ブルース・ウォーク』で,ブランフォード・マルサリスから離れてしまった管理人。

 『THE DARK KEYS』(以下『ザ・ダーク・キイズ』)を手にしたのは発売後10年ぐらい経ってからのことである。手に取った理由もブランフォード・マルサリス目当てではない。“アイドル”ケニー・ギャレット目当てであった。

 『ザ・ダーク・キイズ』を聴いて,管理人は激しく後悔した。「なんであの時,ブランフォードから離れてしまったのだろう…」。
 そう。『ザ・ダーク・キイズ』に巡り会うための「失われた13年」に激しく後悔した。ブランフォード・マルサリスは,浮気をしたり道を踏み外したりしながらも,しっかりと“ジャズ・サックス”の王道を歩み続けていたのだった。

 『ザ・ダーク・キイズ』は,ブランフォード・マルサリス・「トリオ」名義。昨今では珍しいピアノレスのテナートリオ
 テナートリオは劇薬であるが,ブランフォード・マルサリステナーサックスは正攻法。『ザ・ダーク・キイズ』でブランフォード・マルサリスが“巨匠”ソニー・ロリンズに挑んでいる。

 そう。『ザ・ダーク・キイズ』の聴き所は,ブランフォード・マルサリスの放つ“ロリンズばりな”インプロビゼーション
 ブランフォード・マルサリスアドリブドン・チェリーに影響されまくっていた頃のソニー・ロリンズな感じ。ズバリ『ザ・ダーク・キイズ』の本質は,ブランフォード・マルサリスの考える“フリージャズ”なのである。

 テナーサックスソプラノサックスブランフォード・マルサリスが,ベースレジナルド・ヴィールドラムジェフ・ワッツの2人と,インプロビゼーションしながらの自分自身と,そう,3人なのにあたかも4人と会話している感じ。

 『ザ・ダーク・キイズ』におけるフリージャズに“ブランフォードの個性”が聴こえる。つまり『ザ・ダーク・キイズ』は,アヴァンギャルドな感じのフリーではなく,しっかりとした理論や演奏技法を身につけた上でのフリーなのだ。

 一聴,自由にアドリブが展開しているようにも聴こえるが,繰り返し聴き込むと,演奏している3人にしか分からない約束事があるように思えてしまう。こんなに破綻のない展開のアドリブが,何の約束事もなく流れているとはにわかに信じられない。3人の中の1人がソロを取る際のサポートの音使いが,もうツボ&ツボ&ツボ! これは凄い!
 ケニー・ギャレットと,こちらも最高レベルの刺客=ジョー・ロバーノ名演が見事に霞んでしまっている。

THE DARK KEYS-2 管理人の結論。『ザ・ダーク・キイズ批評

 ブランフォード・マルサリスは常々このように述べている。「サキソフォン・プレイヤーの前に音楽家であれ」と…。
 その意味で『ザ・ダーク・キイズ』こそブランフォード・マルサリスの“最高傑作”である。

 『ザ・ダーク・キイズ』で聴こえるテナートリオこそ,ブランフォード・マルサリスの“魂の鼓動”である。
 『ザ・ダーク・キイズ』で「ジャズの原点」に立ち戻ったブランフォード・マルサリスが,以前にも増して“ストイックなジャズマン”然していると思う。

 ブランフォードよ,お願いだからもう2度とジャズから離れないでおくれ〜!(止めても無理なことは分かっていますが!)。

  01. THE DARK KEYS
  02. HESITATION
  03. A THOUSAND AUTUMNS
  04. SENTINEL
  05. LYKEIF
  06. JUDAS ISCARIOT
  07. BLUTAIN
  08. SCHOTT HAPPENS

(ソニー/SONY 1996年発売/SRCS 8220)
(ライナーノーツ/小川隆夫)

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小曽根 真 & ゲイリー・バートン / タイム・スレッド5

TIME THREAD-1 2013年度のグラミー賞小曽根真ゲイリー・バートンデュエット作=『TIME THREAD』(以下『タイム・スレッド』)で決まり!
 だ〜ってチック・コリアゲイリー・バートンデュエット作『HOT HOUSE』がグラミー受賞で『タイム・スレッド』が受賞できない理由など見つからないのですから〜!

 だ〜ってその2。小曽根真ゲイリー・バートンの12年前のデュエット作=『VIRTUOSI』でさえグラミーノミネートだったんだから『タイム・スレッド』が(受賞できないことがあるにしても)グラミーノミネートさえされない理由など見つからないのですから〜! 残すはVERVEさん,頑張って〜!?

 キース・ジャレットトリオの大名盤SOMEWHERE』を差し置いて,管理人にここまで言わせる小曽根真が真に凄い!
 勿論,ザ・トリオソロデュオも含めて小曽根真デビュー当時から凄かったのだが,『タイム・スレッド』におけるゲイリー・バートンとの「音楽的会話」が最高に素晴らしい。

 特に小曽根真の大車輪の名サポートがあってこそのゲイリー・バートンのリラックスがある。ゲイリー・バートンインプロビゼーションに没頭できている。それくらいに“細やかな気配り”を感じさせるピアノの絶妙なバッキングに「完全KO」!
 ゲイリー・バートンにスペースを与えながら,それでいて自分のソロが回ってくると,ゲイリー・バートンを脇へ押しやる大立ち振る舞い! 美メロは全て小曽根真が弾いている。

 30年の時を経て,小曽根真ゲイリー・バートンの関係性は「師弟」から互いを挑発し合う「盟友」へと変化してきている。もはや2人は対等な船長職に位置している。
 しかし「阿吽の呼吸」「以心伝心」の面において対等なのは好都合であるが,実際の航海に出航したならば船長は1人。船長が2人いると航路は迷走する。そこで「阿吽の呼吸」「以心伝心」で出航できるとしても,敢えて小曽根真が話しかけていく。「ゲイリー船長,この曲はこういう解釈でいいのでしょうか?」。

 小曽根真は当然,ゲイリー・バートンの答えを聞く前から知っている。しかしゲイリー・バートン自身の口から実際に答えを出させることによってゲイリー・バートン自身が,明確に意識していなかった感覚,を共有することが出来ている。
 そう。小曽根真ゲイリー・バートンの才能を引き出している。ゲイリー・バートンの類まれな才能を一番熟知しているのが“世界の小曽根”なのだった。

 『タイム・スレッド』は,ピアノヴィヴラフォンデュエットという,同じ打楽器にして鉄弦と鉄琴の異なる響きを活かした「2人だけの感覚」の調和を第一に音造りがなされている。
 チック・コリアゲイリー・バートンデュオも同じようなものだが,チック・コリアゲイリー・バートンの場合は,古来からある「伝統芸能」的なニュアンスに酔いしれるのに対して,小曽根真ゲイリー・バートンの場合は「温故知新」的なニュアンスに酔いしれる。

TIME THREAD-2 そう。小曽根真ゲイリー・バートンデュエットは,最初の一音から最後の一音までの全てセオリー通りでありながら,今まさに“創造の瞬間”に立ち会っているかのような新鮮なタイム感覚。だ・か・らアルバム・タイトル『タイム・スレッド』!

 鉄弦と鉄琴の強弱によって“時間の糸を手繰り寄せる”的なピアノヴィヴラフォンのコラボレーションは唯一無二のハーモニー。ユニゾンではない2人の手癖が重なった瞬間のハーモニーが本当に心地良い。

 『タイム・スレッド』を当然聴いたであろうチック・コリアの胸の内は嫉妬でメラメラ? 小曽根真ゲイリー・バートンの次回作に期待度MAXであるが,チック・コリアゲイリー・バートンの次回作こそ,過去最高にエキサイティングな予感がしている。
 そう。小曽根真ゲイリー・バートンはラヴラヴである。チック・コリアよ,大いに嫉妬せよ!

  01. Fat Cat
  02. Stompin' at B.P.C.
  03. Lee's Party
  04. Sol Azteca
  05. Italpark
  06. Hearts in Langenhagen
  07. Popcorn Explosion
  08. Time Thread (for Bill Evans)
     Suite "One Long Day in France"
  09. Part I "Lyon in the Morning〜I hear A Trouble!"
  10. Part II "Cordon Bleu"
  11. Part III "Deux Petites Voitures Francaises〜The
     Concert"

  12. I hear a Rhapsody

(ヴァーヴ/VERVE 2013年発売/UCCJ-2112)
(☆SHM−CD仕様)
(ライナーノーツ/小曽根真,ゲイリー・バートン)

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ブランフォード・マルサリス / ブルース・ウォーク3

I HEARD YOU TWICE THE FIRST TIME-1 『CRAZY PEOPLE MUSIC』で,ウイントン・マルサリスに追いついたブランフォード・マルサリス
 通常であれば,あのまま「メインストリート・ジャズ」の王道を走り続けて“新伝承派”のリーダーを目指してもよいはずであるが…。

 『CRAZY PEOPLE MUSIC』後のブランフォード・マルサリスの振り幅が凄い! スパイク・リーのサウンド・トラック『MUSIC FROM MO’ BETTER BLUES』! 『モ’・ベター・ブルース』『鬼ババを殺せ』で映画俳優デビュー! そして全米NBC「トゥナイト・ショー」のミュージック・ホスト就任!

 いや〜,スティングのバンド・メンバー時代から,同じ兄弟にして,ブランフォードウイントンとは対極のキャリアを積み重ねてきていたが,ことソロ・アルバムに関してはウイントンと同じく「メインストリート・ジャズの王道」を追及していたわけで…。
 どっちのブランフォード・マルサリスが本当のブランフォード・マルサリスなのか,理解不能に思う。

 そうして届けられた“爆弾”が『I HEARD YOU TWICE THE FIRST TIME』(以下『ブルース・ウォーク』)。
 今度はブルースですよ。B.B.キングですよ。一体なんで&なんでこうなるの〜。

 世評的には『ブルース・ウォーク』は大名盤。なんたってグラミー受賞(最優秀器楽ジャズ・グループ部門受賞)。
 しか〜し『ブルース・ウォーク』に対する管理人の評価は駄盤である。事実『ブルース・ウォーク』以降,あんなに好きだったブランフォード・マルサリスへの興味が失せてしまった。

 『ブルース・ウォーク』の本質は,完全なるブルース・アルバムではない。ベースボブ・ハーストドラムジェフ・ワッツ擁するレギュラー・トリオでの演奏や,ピアノケニー・カークランドが加わったカルテットでの演奏が3割はある。
 そうしてこれも意味不明なのだが,反“新伝承派”に振れたにも関わらずウイントン・マルサリスがゲスト参加。この2人の関係性は今もって謎である。

 そう。『ブルース・ウォーク』の本質は“ジャズ・テイスト”なブルース・アルバム。
 別に目くじら立てることもないのだが“ジャズ・サックス・プレイヤー”ブランフォード・マルサリスへの期待値が高かっただけに「裏切られた気分」がMAX。

I HEARD YOU TWICE THE FIRST TIME-2 世評に違わず『ブルース・ウォーク』を冷静に,そして客観的に聴くことができれば,良質のアドリブが聴こえてくるのは分かっている。
 中原仁小川隆夫が共通してライナーノーツで指摘している通り「ジャズブルースも根っ子は同じ」なのも分かっている。
 でもそれでもどうしても「NO THANK YOU」なのだ。

 管理人がブランフォード・マルサリスに求めているのはアドリブである。ジョン・コルトレーンソニー・ロリンズウェイン・ショーターへのオマージュを感じさせつつも,ブランフォード・マルサリスだけが吹き切ることのできるアドリブがある。
 果たしてそのアドリブは,絶対に「ジャズフュージョンの文脈」でなければ吹き切ることはできない!

  01. Brother Trying To Catch A Cab (On The East Side)
     Blues

  02. B.B.'s Blues
  03. Rib Tip Johnson
  04. Mabel
  05. Sidney In Da Haus
  06. Berta, Berta
  07. Stretto From The Ghetto
  08. Dance Of The Hei Gui
  09. The Road You Choose
  10. Simi Valley Blues

(ソニー/SONY 1992年発売/SRCS 5976)
(ライナーノーツ/中原仁,小川隆夫,デルフィーヨ・マルサリス)

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ブランフォード・マルサリス / クレージー・ピープル・ミュージック5

CRAZY PEOPLE MUSIC-1 『CRAZY PEOPLE MUSIC』(以下『クレージー・ピープル・ミュージック』)の真髄は,ブランフォード・マルサリスによるジョン・コルトレーンのフォロワー=“コルトレーン・チルドレン”宣言作である。

 【MR.STEEPEE】は【MR.P.C.】であるのだろうし【THE BALLAD OF CHET KINCAID】は【SO WHAT】であるのだろうし…。

 「THIS IS BRANFORD MARSALIS」のビッグ・ネームにして,ジョン・コルトレーンのフレーズを完コピしたものをアルバム化してしまう手法もかなり大胆極まりない。
 いいや,そんなこと管理人が言わなくても周りもみんな分かっている。ブランフォード自身も分かっている。腹が据わったのだ。覚悟を決めたのだ。

 そう。ブランフォード・マルサリスは,ジョン・コルトレーンの「研究成果」に自信を持っている。先行するマイケル・ブレッカーの独走に待ったをかけるために?
 邪心であるが『クレージー・ピープル・ミュージック』をマイケル・ブレッカーがどんな思いで受け止めたのかに一番の関心があるのだが…。

 『クレージー・ピープル・ミュージック』におけるブランフォード・マルサリスジョン・コルトレーン「研究」は素晴らしい。フレージングの成り立ちが「コルトレーン式」であるのは当然として「楽器ではなく心で演奏する。魂で演奏する」ジョン・コルトレーンの“精神性”が色濃く乗り移っている。

 ベースボブ・ハーストドラムジェフ・ワッツピアノケニー・カークランドケニー・カークランドがこれまた最高!)とジョン・コルトレーンが共演していると思える瞬間が多々ある。
 いや〜『クレージー・ピープル・ミュージック』を聴いていると,ジョン・コルトレーンが「現代に甦った」ような錯覚を抱く。それほどまでにブランフォード・マルサリスの演奏にジョン・コルトレーンの魂が“宿っている”。

CRAZY PEOPLE MUSIC-2 管理人の結論。『クレージー・ピープル・ミュージック批評

 ジョン・コルトレーンを追いかけ続けたブランフォード・マルサリスが『クレージー・ピープル・ミュージック』でジョン・コルトレーンに追いついた。

 ジョン・コルトレーンに追いついた瞬間,ウイントン・マルサリス・バンドのレギュラー・メンバー=ボブ・ハーストジェフ・ワッツブランフォード・マルサリスを見つめている。

  ジョン・コルトレーンを追いかけ続けたブランフォード・マルサリスが『クレージー・ピープル・ミュージック』で,弟・ウイントン・マルサリスにも追いついた。

  01. SPARTACUS
  02. THE DARK KNIGHT
  03. WOLVERINE
  04. MR. STEEPEE
  05. ROSE PETALS
  06. RANDOM ABSTRACT
  07. THE BLLAD OF CHET KINCAID

(CBSソニー/CBS/SONY 1990年発売/CSCS 5196)
(ライナーノーツ/小川隆夫)

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小沼 ようすけ / ジャム・カ5

JAM KA-1 小沼ようすけの新作が届けられる度に,管理人はいつでも『NU JAZZ』の“残像”を追い続けていたように思える。

 だから小沼ようすけジャズ・ギターが,どれ程進歩しようとも「まだまだだ」と引っ掛かってばかりいた。どうしても,心のどこかで忘れられない“初恋のような”『NU JAZZ』の“残像”と闘っていたように思う。
 もう『NU JAZZ』を超えるアルバムは登場しない。そう自分であきらめてしまっていた。そう覚悟を決めていた。

 しかし,本当にうれしい限りである。「THIS IS YOSUKE ONUMA」の大看板=『NU JAZZ』の“呪縛”からついに解放される時がきた。
 そう。3年間振りのオリジナルCDJAM KA』こそ,ずっと待ち設けていた小沼ようすけの“新・最高傑作”である。

 こう書くと『JAM KA』で突然,大変身してしまったように思えるかもしれないが,そうではなく『JAM KA』は前作『BEAUTIFUL DAY』の延長線上に位置している。
 同じ“SURFJAZZ”にして『BEAUTIFUL DAY』と『JAM KA』の違いは『BEAUTIFUL DAY』が葉山なら『JAM KA』はカリブ海。つまりは遊びと生活感の違いである。

 『JAM KA』における小沼ようすけの“SURFJAZZ”が海臭いし土臭い。この感じは海と共に生活しているがゆえにリラックス。作り物にはだせない土着ならではのオーガニック。緊張もあるが余裕もある。
 大きな窓を開けっ放しにして,ソファーに座って,海の景色をゆっくり眺めている。時々風が入って来てカーテンを揺らし,雨が海に落ちる様子を何気なく見ている。そんなゆったりした気持ちにさせてくれる。

 『JAM KA』は「ジャムの波乗り」。次から次へと押し寄せては消えてゆく「GROOVEの波」をしっかりと捉え続けるジャズ・ギター
 小沼ようすけは,ジャム特有の「山と谷」を見極める。「谷」にあって,次に起こるであろう展開を先読みしてはエッジを立てて「山」を呼び込んでいく。この「谷から山へ」と向かう音楽曲線がパイプラインでありマニューバーであろう。

JAM KA-2 小沼ようすけオルガン・ジャズを超えていく。『JAM KA』では,波に乗ることだけではなく,波を作り出すことが出来ている。
 音楽的に無風状態にある時は決して走ろうとはしない。ここぞ,という瞬間に湧き立つエネルギーが,シンプルなアプローチなのにダイナミズムを放っている。

 『JAM KA』で『BEAUTIFUL DAY』が消化され『NU JAZZ』が昇華された。小沼ようすけの第二章が始まった。

  01. Rain Drops
  02. Seascape
  03. Friend and Lover
  04. A Bird on the Cloudy Sky
  05. Fun Ka
  06. Deep
  07. Jam Ka
  08. Flyway
  09. Esan
  10. Moun Ka Heley
  11. Gradation Part 1
  12. Gradation Part 2
  13. Chiaramonti

(ソニー・ミュージック/SONY 2010年発売/SICP-10111)
(☆SACDハイブリッド盤仕様)

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ブランフォード・マルサリス / ルネッサンス4

RENAISSANCE-1 管理人はブランフォード・マルサリス3RDアルバム=『RENAISSANCE』(以下『ルネッサンス』)の真髄は,ライナーノーツのクレジットの記述に隠されていた,という結論に達した。

 ブランフォード・マルサリスライナーノーツのクレジットの中に「SPECIAL THANKS」欄をいつも設けているのだが,1STアルバム=『SCENES IN THE CITY』では,父親や兄弟など親族の名前ばかりが並んでいた。
 2NDアルバム=『ROYAL GARDEN BLUES』では,親族に加えてデイブ・リーブマンの名前を見つけることができた。

 そして,この3RDアルバム=『RENAISSANCE』は「SPECIAL THANKS」は,初見の親族の名前が並んでいると思われるが“目玉”は「VERY SPECIAL THANKS」にクレジットされた“ジャズ・ジャイアント”5名=ジョン・コルトレーンチャーリー・パーカーソニー・ロリンズベン・ウエブスターウェイン・ショーターサックス奏者!

 そう。『ルネッサンス』こそが,ブランフォード・マルサリスの考える“ジャズサックス”! 演奏曲目の中にジャズスタンダードを初めて取り入れているのは,過去の遺産の継承であろう。正しく『ルネッサンス』!
 全く新しく突飛なことを始めるのではなく,ジャズの歴史の中に脈々と流れている最良の部分を自身の演奏に取り入れる“新伝承派”の『ルネッサンス』!
 古典文芸や学術の復興=ブランフォード・マルサリスの『ルネッサンス』は,ジャズの伝統に立ち戻り,そこに新しい彩りを付け加えている。

 ジョン・コルトレーンブランフォード・マルサリスの【LOVE STONE】と【CITADEL】。チャーリー・パーカーブランフォード・マルサリスの【THE WRATH(STRUCTURED BURNOUT)】。ソニー・ロリンズブランフォード・マルサリスの【JUST ONE OF THOSE THINGS】と【ST.THOMAS】。ベン・ウエブスターブランフォード・マルサリスの【LAMENT】。ウェイン・ショーターブランフォード・マルサリスの【THE PEACOCKS】。

RENAISSANCE-2 『ルネッサンス』の後,生涯をかけてジョン・コルトレーンを追いかけ続けることになるブランフォード・マルサリスであるが『ルネッサンス』の時点ではジョン・コルトレーンよりもソニー・ロリンズからの影響が大。

 【ST.THOMAS】におけるブランフォード・マルサリステナーソロには,あの日のロリンズが息づいている! 「VERY SPECIAL THANKS」!

  01. JUST ONE OF THOSE THINGS
  02. LAMENT
  03. THE PEACOCKS
  04. LOVE STONE
  05. CITADEL
  06. THE WRATH (STRUCTURED BURNOUT)
  07. ST. THOMAS

(CBSソニー/CBS/SONY 1987年発売/32DP 878)
(ライナーノーツ/市川正二)

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