アドリブログ 〜JAZZ/FUSION批評〜

ジャズ/フュージョン批評ブログ CD, DVD, ALBUM REVIEW, TRACK REVIEW and more

2013年12月

キャンディ・ダルファー / ベスト・オブ・キャンディ・ダルファー4

THE BEST OF CANDY DULFER -CANDY FUNKY SELECTION--1 キャンディ・ダルファーを全く聞かなくなってしまった。あれ程聞きまくっていたというのに…。
 …と,思ったのは最近の話ではない。もう10年以上前にキャンディ・ダルファー聞かなくなってしまった。多分,もう聞かないと思ってしまった。
 決別したわけではないのだが,突然,キャンディ・ダルファーに魅力を感じなくなってしまったのだ。

 そういうことでキャンディ・ダルファーの全オリジナルCDは中古CD屋へ売り飛ばしてしまったのだが,せめて1枚は手元に,が動機の『THE BEST OF CANDY DULFER −CANDY FUNKY SELECTION−』(以下『ベスト・オブ・キャンディ・ダルファー』)。つまりはキャンディ・ダルファー本人が日本のキャンディ・ダルファー・ファン向けに自ら選曲した日本特別企画のベストCD

 ルックス完璧,スタイル完璧,アルトサックスまでもが完璧な(これで日本人だったら結婚したい!)キャンディ・ダルファーゆえ,過去にも【サックス・ア・ゴー・ゴー】が大ヒットした時に『キャンディ・ア・ゴー・ゴー』という日本特別企画盤が出ていた。
 またしてもと思いつつやっぱり買ってしまったのが『ベスト・オブ・キャンディ・ダルファー』。

 でも今となっては買ってよかった〜,なのです。否定から入った『ベスト・オブ・キャンディ・ダルファー批評
 もしや読者の皆さんも管理人お得意のダメ出しが続くと思ったでしょ? 違うんですよっ。管理人の真意は実は肯定なのです。
 キャンディ・ダルファー,恐るべし! やっぱり美人は侮れません。アルトサックスが好み!

 ただしキャンディ・ダルファーは“魔性の女”ゆえに,キャンディ・ダルファーアルトサックスも多面性に富んでいる。つまりは“振り回されてしまって”疲れてしまんですよね〜。
 『ベスト・オブ・キャンディ・ダルファー』の全14曲も『THE BEST OF CANDY DULFER −CANDY FUNKY SELECTION−』なのだから,副題となったファンク系の楽曲は勿論のこと,ジャズフュージョン,ポップス,ロック,歌伴までのコンフュージョン。
 でもってこの全てが“キャンディ・ダルファー”している。素晴らしい個性である。

THE BEST OF CANDY DULFER -CANDY FUNKY SELECTION--2 多分,管理人がキャンディ・ダルファーを聞かなくなってしまったのは,キャンディ・ダルファーが売れすぎてしまったから? ケニー・Gもそうなのだが,売れすぎると売れ線ばかりで消費されてしまう? 聞き飽きるスピードが早くなるだけのようでして…。

 それで今回10年以上振りに聴いた『ベスト・オブ・キャンディ・ダルファー』が最高。10年のブランクがキャンディ・ダルファーに熱中していた頃のテンションを取り戻させてくれたようで『ベスト・オブ・キャンディ・ダルファー』を4連チャン。
 同じアルバムを4周するなんて管理人としては珍しいことなのです。

 次に『ベスト・オブ・キャンディ・ダルファー』を聞くのは明日か明後日? 仮にそうならないとしても,年に数回は『ベスト・オブ・キャンディ・ダルファー』を引っ張り出すこと確定で〜す。

  01. DA BUMP
  02. LILY WAS HERE
  03. SAX A GO GO
  04. BOB'S JAZZ
  05. JAMMIMG
  06. SMOOTH
  07. TOMMYGUN
  08. PICK UP THE PIECES
  09. I CAN'T MAKE U LOVE ME [LIVE VERSION]
  10. 2 FUNKY
  11. BIG GIRL
  12. FOR THE LOVE OF YOU
  13. FUNKYNESS
  14. DUNJA

(BMG/BMG 1998年発売/BVCP-6121)
(ライナーノーツ/伊藤なつみ)
(☆【サックス・ア・ゴー・ゴー】譜面付)

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バジー・フェイトン & ザ・ワーリーズ / バジー・フェイトン・ワーリーズ3

BUZZY FEITEN WHIRLIES-1 バジー・フェイトンのロック・バンド=「バジー・フェイトン & ザ・ワーリーズ」のデビューCDBUZZY FEITEN WHIRLIES』(以下『バジー・フェイトン・ワーリーズ』)。
 これはダメだ。なぜかまだ手元に残っていた。いつものパターンならとうの昔に中古CD屋へお嫁に出しているはずだろうに…。

 あのフル・ムーンラーセン=フェイトン・バンドにおける“ギター・ヒーロー”バジー・フェイトンは『バジー・フェイトン・ワーリーズ』の中にはいない。
 『バジー・フェイトン・ワーリーズ』における“ロック・ギタリストバジー・フェイトンが一向に目立たない。終始バッキングとディストーション係。これがバジー・フェイトンの考えるロックなのか?

 まっ,元来バジー・フェイトンはリード・ギタリストのタイプではない。フル・ムーンではニール・ラーセンのサブ・ギターラーセン=フェイトン・バンドではボーカルのサブ・ギター。そんなことは分かっていた。

 でもせっかくのリーダー・バンド。それもロック・バンド。バリバリと前に出てギターを弾きまくるバジー・フェイトンを期待していたのにぃ。ジム・ヘンドリックスは無理でもスティーブ・ルカサー程度は期待していたのにぃ。

 『バジー・フェイトン・ワーリーズ』におけるバジー・フェイトンの役所は“メロディーに絡みつく”ギタリスト。そう。ボーカルフィーチャーしながらギターも歌う。
 本当にこの公式が当てはまるのなら,フル・ムーンラーセン=フェイトン・バンドにおける“ギター・ヒーロー”バジー・フェイトン“降臨”となるのだが,全然違うんだよなぁ。

BUZZY FEITEN WHIRLIES-2 ボーカルフィーチャーしながらギターが歌えていない。メロディーに絡んではいるがハズシている。意図的なスカシが透けて見える。おいおい。

 リード・ギターを耳で追えないロック・バンドなんて…。「バジー・フェイトン & ザ・ワーリーズ」なんて…。

  01. BREAK DOWN THESE WALLS
  02. LOVE AIN'T NOTHIN' LIKE THIS
  03. THIS AIN'T THE WORLD I KNOW
  04. WAIT
  05. MORE
  06. FIRE IN THE HOUSE OF LOVE
  07. FALSE HOPE
  08. SINCE I MET YOU
  09. DOWN REAL SLOW
  10. HIGHWAY TO LOVE

(ドリ−ムズヴィル・レコード/DREAMSVILLE RCORDS 2000年発売/YDCD-0028)
(ライナーノーツ/中田利樹)

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バド・シャンク / 昼と夜のバド・シャンク5

BUD SHANK-SHORT ROGERS-BILL PERKINS-1 管理人がウエスト・コースト・ジャズを好きになったのは,アート・ペッパーでもチェット・ベイカーでもなく(次点としてのシェリー・マンデイブ・ブルーベックでもなく)間違いなくバド・シャンクのおかげである。
 そして『BUD SHANK−SHORT ROGERS−BILL PERKINS』(以下『昼と夜のバド・シャンク』)のおかげである。

 『昼と夜のバド・シャンク』とは『昼のバド・シャンク』である1954年3月の演奏と『夜のバド・シャンク』である1955年5月の演奏の合体盤であって『』はショーティ・ロジャースとのクインテットで『』はビル・パーキンスとのクインテット

 バド・シャンク以外は誰もメンバーが重複していないのに統一感を感じるのは流石である。
 この辺りは『昼と夜のバド・シャンク』のジャケット写真が意味深であって,全く同じ風景の『昼と夜』。後付だと思うのだが,今となってはアートワークの大勝利である。
 つまり,白と黒のイメージで全く異なって見えるのに同じ場所。同じバド・シャンク。う〜む。我ながら思索的で素晴らしい?

 いいや『昼と夜のバド・シャンク』が素晴らしいのは,単純に演奏が素晴らしいのであって,こんな「こじつけの解説」など気にされなくて構わない。
 『昼のバド・シャンク』は,能面のように無表情なショーティ・ロジャースフリューゲル・ホーンと表情豊かなバド・シャンクサックスフルートに対比が絶品の組み合わせ。
 『夜のバド・シャンク』は,互いに多芸なビル・パーキンスバド・シャンクによる,アルトサックステナーサックスバリトンサックスフルートの楽器持ち替えが絶品の組み合わせ。

BUD SHANK-SHORT ROGERS-BILL PERKINS-2 とにかくどこまでも“軽やか”。これぞウエスト・コースト・ジャズの“決定盤”である。
 『昼と夜のバド・シャンク』は『』だけではなく『』になっても明るい演奏が続いていく。1枚聴き終わる頃には1日の疲れが流されている。何と!翌日の疲れも流されている。これは癒しの実体験である。

 西海岸の青い空のような“カラットした”サックスの音色で,日本人好みの“湿気を帯びた”メロディーが淀みなく流れ続けるジャズ。ほんの一滴の毒気も混じっていない軽快なジャズ。連綿と続く“気分上々”なジャズ。せーの,ぱるるんるん♪

  01. Shank's Pranks
  02. Casa De Luz
  03. Lotus Bud
  04. Left Bank
  05. Jasmine
  06. Just A Few
  07. Paradise
  08. Fluted Columns
  09. I Hear Music
  10. Royal Garden Blues
  11. A Sinner Kissed An Angel
  12. It Had To Be You
  13. Fluted Columns (alternate take)

(パシフィック・ジャズ/PACIFIC JAZZ 1955年発売/TOCJ-9333)
(紙ジャケット仕様)
(ライナーノーツ/小川隆夫)

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バド・パウエル / バド・パウエル・イン・パリ5

BUD POWELL IN PARIS-1 何度も書いているが,管理人は日常的にバド・パウエルを聴いてはいない。いいや,恐れ多くて手を出すことができないというのが本音である。
 そう。「バド・パウエルを聴く」という行為には「それ相当の覚悟」が求められると思っている。

 そんな中,気軽に手を伸ばすことのできる唯一のアルバムがある。それが『BUD POWELL IN PARIS』(以下『バド・パウエル・イン・パリ』)である。
 『バド・パウエル・イン・パリ』に関しては“狂おしいくらいの愛着”を感じてしまう。理由は“前期バド・パウエルからの反動”だと自覚している。

 『バド・パウエル・イン・パリ』におけるバド・パウエルジャズ・ピアノは,往年の鬼気迫る天才的な閃きとは正反対の,緊張を強いられることのない“馴染みの”ジャズ・ピアニストが弾く“馴染みの”ジャズスタンダード集の趣きがある。
 肩の凝らないリラックスした演奏なのに,バド・パウエルのそれと分かる“一発の魅力”は保たれている。ミスタッチも多々目立つが溌剌とした明るさと勢いで全てを覆い尽くす温もりがある。

 前期パウエルではヘッドフォンの前で“金縛り”にあってしまう管理人が『バド・パウエル・イン・パリ』では“寝転びながら”聴けちゃう。だからかえって耳ダンボ!
 バド・パウエルジャズスピリッツと少し枯れた味わいが管理人には妙にしっくりくる! 往年の近寄りがたい天才肌のジャズ・ピアノから親近感を感じる距離感のジャズ・ピアノが“ちょうど良い按配”ってやつなのです。

 そんな“ちょうど良い按配”のバド・パウエルが【ハウ・ハイ・ザ・ムーン】【ディア・オールド・ストックホルム】【ボディ・アンド・ソウル】【ジョー・ドゥー】【サテン・ドール】の大スタンダード・ナンバーを演奏している。もうこの事実だけで十分じゃないですか!

 オリジナルを弾かない『バド・パウエル・イン・パリ』への批判記事も出回っているようだが(『TIME WAITS − THE AMAZING BUD POWELL VOL.4』と『THE SCENE CHANGES − THE AMAZING BUD POWELL VOL.5』(以下『ザ・シーン・チェンジズ/ジ・アメイジング・バド・パウエル VOL.5』が全編オリジナル集だった)本来,バド・パウエルの本質とは「即興の美メロ弾き」。
 バド・パウエルにとっては美メロのモチーフがオリジナルだろうとスタンダードだろうと関係ない。自分がメロメロになってピアノを弾ければそれ最高。

 この流れで付け加えておくと,リズム隊が無名,特にドラムカール・ドネルがうるさすぎる,という批判記事も多いようだがとんでもない。だったら『TIME WAITS − THE AMAZING BUD POWELL VOL.4』におけるフィリー・ジョー・ジョーンズはどうなんだ,というお話。
 そんな的外れな批判を言う人はバド・パウエルが“天才”だということをちっとも分かっちゃいない人だから無視して結構。あるいは筋金入りの前期パウエル・ファンだから無視したら危ない?

BUD POWELL IN PARIS-2 あっ,その昔,管理人もカール・ドネルシンバルがおかずを入れるたびにガクッ,メロディーを喰うたびにガクッ,がありました。
 でも聴き慣れてしまうとカール・ドネルシンバルこそが『バド・パウエル・イン・パリ』の空気感を作り上げてしまっているようで大好きなのです。
 試しにプリアンプのハイをカットして再生してみてください。きっと管理人と同じ不満を覚えるはず? だって“やんちゃな”バド・パウエルがひどく子供に思えてしまうから〜。

 『バド・パウエル・イン・パリ』の“ちょうど良い按配”とは,絶妙なバランスの上に成り立っているものなのです。ゆえに前期パウエル・ファンがするであろう『バド・パウエル・イン・パリ』への批判は,後期パウエル・ファンの1人としては受け付けられません。
 まっ,管理人もバド・パウエルは前期か後期か,と問われれば「前期」と答える1人なのですが…。ちゃんちゃん。

  01. HOW HIGH THE MOON
  02. DEAR OLD STOCKHOLM
  03. BODY AND SOUL
  04. JOR-DU
  05. REETS AND I
  06. SATIN DOLL
  07. PARISIAN THOROUGHFARE
  08. I CAN'T GET STARTED
  09. LITTLE BENNY
  10. INDIANA (BACK HOME AGAIN IN)
  11. B-FLAT BLUES

(リプライス/REPRISE 1964年発売/WPCR-13188)
(紙ジャケット仕様)
(☆SHM−CD仕様)
(ライナーノーツ/レナード・フェザー,藤本史昭)

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日野 賢二 / JINO4

JINO-1 日野賢二を「日野皓正の次男」と称していたのは昔の事。今では日野皓正の方が「日野賢二の父」と称されることも多くなった。
 もはや親父以上の売れっ子が「日野皓正の次男」として“NYのGROOVE”を身にまとったジャズファンクベーシストこそ日野“JINO”賢二である。

 日野賢二ベースを聴いていつでも感じるのは,この日本人離れした“GROOVE”であり“ジャズファンク”である。
 ゆえに暴言を放てば日野賢二のアルバムはどれも「海外のジャズメンのアルバム」のような仕上りである。マーカス・ミラーのアルバムっぽいかも?

 日野賢二のセカンドCDJINO』もそうである。『JINO』の基本がジャズにあるのは確かであるが,ジャズフュージョンというよりもロックやR&Bとかソウル系の香りがする。

 この真意は日野賢二ベースが超カッコイイからだ。これは以前に熊本で見たライブの残像のせいであろうが,日野賢二ベースが完全にギターに変身していた。
 ギター→ロック→ベース→『JINO』を感じ『JINOベース→ロック→ギターを感じ取る。

 だからどうしても管理人のイメージの中で日野賢二ギタリストなのだ。チョッパーベースを弾きまくっている姿がギタリストに最も近いベーシストなのだ。日野賢二ベースが超カッコイイ。

 『JINO』の聴き所は日野賢二の“ザ・ベースギター”! その意味で出来ればラップやボーカルは味付け程度にベースギターっぽく弾きまくってほしかった。
 この辺の欲求不満もマーカス・ミラーに感じる欲求不満と通じている。もっとジャズファンクベーシストに専念してくれよ…。

JINO-2 管理人の結論。『JINO批評

 『JINO』は【PORTRAIT OF TRACY】でジャコ・パストリアスの顔を覗かせ【COME TOGETHER】でマーカス・ミラーの顔を覗かせ【MINUANO】でパット・メセニースティーブ・ロドビーの顔を覗かせた以外はジャズフュージョンの面影は皆無。

 『JINO』の真髄はGROOVY。「日野皓正の次男」と称するよりも「菊地雅章の養子」と称したい。

  01. LIVE MUSIC GOTTA HAVE IT!
  02. SHAKE/ feat. Char
  03. MY BABY
  04. FACE DA FUNK
  05. RAIN - Portrait of Tracy
  06. COME TOGETHER/ feat. Char
  07. LET ME BE THE ONE (Interlude I)
  08. L.E.S.
  09. PORKIE (GOODBYE PORK PIE HAT)
  10. MY LUV 4U
  11. DEEP
  12. MINUANO (SIX EIGHT)
  13. LET ME BE THE ONE (Interlude II)
  14. GO FOR DA GOLD/ feat. ZEEBRA

(ユニバーサル・ジャズ/UNIVERSAL JAZZ 2005年発売/UCCJ-2036)

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バド・パウエル / ザ・シーン・チェンジズ/ジ・アメイジング・バド・パウエル VOL.55

THE SCENE CHANGES - THE AMAZING BUD POWELL VOL.5-1 最初にお断りしておく。この記事は『THE SCENE CHANGES − THE AMAZING BUD POWELL VOL.5』(以下『ザ・シーン・チェンジズ/ジ・アメイジング・バド・パウエル VOL.5』)批評であって【クレオパトラの夢批評ではない。

 そう。『ザ・シーン・チェンジズ/ジ・アメイジング・バド・パウエル VOL.5批評と来れば,モダン・ジャズ史上屈指の人気曲【クレオパトラの夢批評。エキゾチックでロマンチックで軽快な明るいバー・カウンターのテーマ曲…。
 管理人が『ジ・アメイジング・バド・パウエル VOL.1批評で【ウン・ポコ・ローコ批評をやったと同じように,皆が皆【クレオパトラの夢】の絶賛記事で埋め尽くされてしまう。

 でもでも『ザ・シーン・チェンジズ/ジ・アメイジング・バド・パウエル VOL.5批評=【クレオパトラの夢批評では勿体ない。わざわざ前置きを書かせていただいたのはそのためである。

 バド・パウエル演奏レベルは前期に劣る。でも泣けるのだ。陽気なアルバムなのに泣けてくるのだ。バド・パウエルのハートを感じるのだ。「俺に残されたのはジャズ・ピアノを弾くことだけだ」と言わんばかりの集中力の高さは,必死に内面の葛藤を打ち消そうとする不安の表われに聴こえてくる。ピアノを上手に弾くという行為に“すがりつく”かのように…。

 うん。そうなのだ。『ザ・シーン・チェンジズ/ジ・アメイジング・バド・パウエル VOL.5』というアルバムは,後期パウエルの「アイデンティティ」。
 『ザ・シーン・チェンジズ/ジ・アメイジング・バド・パウエル VOL.5』の聴き所は“人間”バド・パウエルなのである。
 ゆえに『ザ・シーン・チェンジズ/ジ・アメイジング・バド・パウエル VOL.5』は“雰囲気を味わう”アルバムなのだと思う。

 『ザ・シーン・チェンジズ/ジ・アメイジング・バド・パウエル VOL.5』が醸し出す“独特の雰囲気”は,他のバド・パウエルの諸作では味わえないからこそ,長らくパウエル・ファンから愛され続けてきたのだと思う。
 この“独特の雰囲気”を説明するのは難しい。強いて言えば「ジャケット通りの内容」とでも言うべきか? ジャケットのほの暗く“蒼い”トーンそのもののピアノトリオ

 後期パウエルに“ピアノの独り勝ち”はない。『ザ・シーン・チェンジズ/ジ・アメイジング・バド・パウエル VOL.5』も例外ではなく『ザ・シーン・チェンジズ/ジ・アメイジング・バド・パウエル VOL.5』の“独特の雰囲気”作りにベースポール・チェンバースドラムアート・テイラー名演は外せない。

 バド・パウエルの,ほとんどぶっ通しの重量級のソロ演奏のバックで,ポール・チェンバースがブリブリとしてゴリゴリしていて暴れているのに実は繊細で歌心のあるメロディアスなベースを弾けば,アート・テイラーの心地良いスイング感&荒々しいブラシのアクセントが実に効いている。4ビートで進行するマイナー・ブルース&ビ・バップの“カラッとした”哀愁リズムの典型なのである。

THE SCENE CHANGES - THE AMAZING BUD POWELL VOL.5-2 仮に【クレオパトラの夢】が入っていなかったとしても『ザ・シーン・チェンジズ/ジ・アメイジング・バド・パウエル VOL.5』はパウエル・ファンの愛聴盤であり続けてきたと思う。
 パウエル・ファンだけではない。もっと言えばジャズ・ファンだけでもない。普段ジャズなど滅多に聞かない音楽ファンにとっても愛聴盤に成り得る内容だと思う。

 そう。『ザ・シーン・チェンジズ/ジ・アメイジング・バド・パウエル VOL.5』こそ,真に「ジャズの入門盤」。スタイルが古くなろうとも,ピアニストとしての腕が落ちようとも,今でも光り輝き「ジャズの定番」として聴き継がれている「稀有なる名盤」。

 勿論『ザ・シーン・チェンジズ/ジ・アメイジング・バド・パウエル VOL.5』を気に入っただけで「バド・パウエルが分かった」「ジャズ・ピアノが分かった」と思い込むのは早合点に違いないが,それでも「ジャズって難しくないんだ」と思っていただけたならバド・パウエルも本望なのだと思います。

 管理人の結論。『ザ・シーン・チェンジズ/ジ・アメイジング・バド・パウエル VOL.5批評

 【クレオパトラの夢】抜きにして星5つの『ザ・シーン・チェンジズ/ジ・アメイジング・バド・パウエル VOL.5』。ここに【クレオパトラの夢】が入っているのだから『ザ・シーン・チェンジズ/ジ・アメイジング・バド・パウエル VOL.5』は超鉄板!

PS 我ながら大好きな【クレオパトラの夢】抜きによくぞ完走できました。なぜなら保育園での伴奏風な【ボーダリック】が最高だから〜!  

  01. CLEOPATRA'S DREAM
  02. DUID DEED
  03. DOWN WITH IT
  04. DANCELAND
  05. BORDERICK
  06. CROSSIN' THE CHANNEL
  07. COMIN' UP
  08. GETTIN' THERE
  09. THE SCENE CHANGES

(ブルーノート/BLUE NOTE 1959年発売/TOCJ-9004)
(ライナーノーツ/レナード・フェザー,大村幸則)
(紙ジャケット仕様)

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バド・パウエル / タイム・ウェイツ/ジ・アメイジング・バド・パウエル VOL.44

TIME WAITS - THE AMAZING BUD POWELL VOL.4-1 後期パウエルらしい,バラツキ感を感じる『TIME WAITS − THE AMAZING BUD POWELL VOL.4』(以下『タイム・ウェイツ/ジ・アメイジング・バド・パウエル VOL.4』)。

 だから管理人は『タイム・ウェイツ/ジ・アメイジング・バド・パウエル VOL.4』をバド・パウエル目当てでは聴いていない。
 『タイム・ウェイツ/ジ・アメイジング・バド・パウエル VOL.4』のお目当ては,フィリー・ジョー・ジョーンズドラムサム・ジョーンズベースである。

 そう。『タイム・ウェイツ/ジ・アメイジング・バド・パウエル VOL.4』のドラムベースが超安定した破天荒なリズムを刻んでいく。ドラム以外の音を打ち消さんばかりの“うるさ型”フィリー・ジョー・ジョーンズドラミングは神!

 こんなにも美味しいリズムで彩どられたピアノトリオの『タイム・ウェイツ/ジ・アメイジング・バド・パウエル VOL.4』。
 なのになぜ『タイム・ウェイツ/ジ・アメイジング・バド・パウエル VOL.4』が話題にのぼらないのか? それこそバド・パウエルが不調だからだ。

 バド・パウエルが好調であれば,フィリー・ジョー・ジョーンズソニー・ロリンズとの対決で名高い【飾りのついた四輪馬車】収録の『ニュークス・タイム』並みに扱われたことであろう。

TIME WAITS - THE AMAZING BUD POWELL VOL.4-2 管理人の結論。『タイム・ウェイツ/ジ・アメイジング・バド・パウエル VOL.4批評

 『タイム・ウェイツ/ジ・アメイジング・バド・パウエル VOL.4』に“ジャズ・ピアニストバド・パウエルはいない。
 『タイム・ウェイツ/ジ・アメイジング・バド・パウエル VOL.4』にいるのは“サイドメン”バド・パウエルである。

  01. BUSTER RIDES AGAIN
  02. SUB CITY
  03. TIME WAITS
  04. MARMALADE
  05. MONOPOLY
  06. JOHN'S ABBEY
  07. DRY SOUL
  08. SUB CITY (alternate master)

(ブルーノート/BLUE NOTE 1958年発売/TOCJ-6589)
(ライナーノーツ/レナード・フェザー,杉田宏樹)

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ブラッド・メルドー / アート・オブ・ザ・トリオ VOL.15

THE ART OF THE TRIO VOLUME ONE-1 最近の管理人の音楽鑑賞ルーティング。それは上原ひろみを聴いた直後にブラッド・メルドーを聴くパターン。

 これをやると上原ひろみ単独の場合以上に,上原ひろみチック・コリアを感じ,ブラッド・メルドー単独の場合以上に,ブラッド・メルドーキース・ジャレットを感じることができるからだ。

 そしてブラッド・メルドー名盤群の中でも一番「ブラッド・メルドーの中のキース・ジャレット」を感じるのが『THE ART OF THE TRIO VOLUME ONE』(以下『アート・オブ・ザ・トリオ VOL.1』)である。

 『アート・オブ・ザ・トリオ VOL.1』におけるブラッド・メルドーピアノが「ウルトラ・オーソドックス」。スタンダードをしっかり歌い上げ,しっとりと聴き所をまとめている。
 そう。ジャズスタンダードだけが放つことのできる永遠の憂いを響かせている。もう・た・ま・ら・な・い。

 ブラッド・メルドーの「基本性能」の高さが感じられる。お得意のアクロバティックな奏法など用いなくとも『アート・オブ・ザ・トリオ VOL.1』における「ウルトラ・オーソドックス」路線だけで“天下”を獲れる。ブラッド・メルドーの「底なしの実力」が感じられる。

 『アート・オブ・ザ・トリオ VOL.1』のハイライトこそ【BLACKBIRD】に溢れる“みずみずしさ”。
 この“みずみずしさ”こそが若かりし日のキース・ジャレットの特徴であり,ゲイリー・ピーコックジャック・デジョネットと初めて組んだ日のキース・ジャレットそのものである。
 キース・ジャレットが【BLACKBIRD】を弾いたとしたら,多分,ブラッド・メルドーの【BLACKBIRD】っぽくなると思わせてくれる。

 そして【BLACKBIRD】の名演で思い出すのが木住野佳子。ゆえに木住野佳子ビル・エヴァンスキース・ジャレットブラッド・メルドーの無限ループ。
 ねっ,ブラッド・メルドーキース・ジャレットを感じるでしょ?

THE ART OF THE TRIO VOLUME ONE-2 その反面,管理人が『アート・オブ・ザ・トリオ VOL.1』にキース・ジャレットの演奏を思い重ねてしまう最大要因は,キース・ジャレットも演奏した【BLAME IT ON MY YOUTH】【I FALL IN LOVE TOO EASILY】に顕著なブラッド・メルドーの冷静な分析力にある。説得力のあるスロー・バラードを前に“無心で酔いしれる”ことができてしまう。

 『アート・オブ・ザ・トリオ VOL.1』は,ジャズ・ピアノの“酸いも甘いも”知り尽くした者の演奏である。
 一般的には,経験を重ね,無駄なフレーズを弾かなくなり,徐々にオーソドックスな演奏スタイルへと辿り着くものだと思うが“天才中の天才”ブラッド・メルドーの場合はスタートからしてゴールのようなジャズ・ピアノ

 『アート・オブ・ザ・トリオ VOL.1』は,完璧に緊張と緩和のバランスをコントロールしたブラッド・メルドーピアノ・タッチが冴えに冴え渡る大名盤
 この“絶大なる安心感”がキース・ジャレットブラッド・メルドーを結び付けているのだと思う。

  01. Blame It On My Youth
  02. I Didn't Know What Time It Was
  03. Ron's Place
  04. Blackbird
  05. Lament For Linus
  06. Mignon's Song
  07. I Fall In Love Too Easily
  08. Lucid
  09. Nobody Else But Me

(ワーナー・ブラザーズ/WARNER BROTHERS 1997年発売/WPCR-971)
(ライナーノーツ/吉村浩二)

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上原 ひろみ / MOVE5

MOVE-1 上原ひろみの『MOVE』を購入後の1年間,事あるごとに聴き通してきた。悔しいことに『MOVE批評がまとまらなかったからだ。

 『MOVE』は決して難解なアルバムではない。懐が深いのは『VOICE』の方である。『MOVE』はどちらかと言えば浅い。
 『MOVE』には上原ひろみのやりたいことが手で掬えるかのように浮かび上がって見えている。しかし,掬えそうでどうしても掬えない。

 金魚を掬うために投入した水を含んだ「ふ」のような感覚…。何だろう『MOVE』のこの独特の感覚…。
 ある日には芸術音楽の頂点でもあるかのようにスケール豊かに聴こえるのだけれども,次の日には煮詰まった過去の音楽のようにしか聴こえない…。予定調和でないのは分かるが,はみ出し具合が予定調和の範疇か否か…。

 大袈裟ではなく,今や世界広しと言えど,こんなにも“超カッコイイ”演奏が出来るのは「上原ひろみ ザ・トリオ・プロジェクト フィーチャリング・アンソニー・ジャクソン & サイモン・フィリップス」だけだと思う。
 レベルがズバ抜けている。上原ひろみピアノアンソニー・ジャクソンベースサイモン・フィリップスドラム。個々のレベルを超越した「ザ・トリオ・プロジェクト」としての成熟である。
 上原ひろみ有する“カリスマ”のリーダーシップの全てが上手く行っている。3人の関係性が育っている。でも,しかし…。

 しかし,感動が持続しないのだ。『MOVE』を聴いている瞬間。それはもう感動の嵐。だけどふと日常に戻ると現実と『MOVE』がリンクしない。
 キース・ジャレットパット・メセニーが代表する管理人の“フェイバリットジャズフュージョンにそんなことはない。CDプレイヤーの再生ボタンを停止した後も「感動の音楽」が頭の中で鳴り続ける。音楽が現実とリンクする。

 『VOICE』はそんな愛聴盤だった。でも『MOVE』は違う。感動が鳴り続けないのだ。感動がブツ切りなのだ。
 だから『MOVE』に「リアリティ」を感じない。上原ひろみに「会いに行けるアイドル」を感じないのだ?

 なんてことを書いているのだろう。明日にはこれと真逆のことを書く可能性を秘めていることを承知しているはずなのに…。
 うん。もういいのだ。ここ数週間で評価が固定されてきた。『MOVE』は残念ながら星4つ。評価を徐々に落としてきた。スルメ盤になると希望して聴き込んできたが,結果『MOVE』は聴き始めて1週間後が一番良かったのかも…。

MOVE-2 管理人の結論。『MOVE批評

 『MOVE』に『TIME CONTROL』を感じた日は駄盤であり『MOVE』に『VOICE』を感じた日は最高傑作!

 個人的な1年間の統計によれば『MOVE』に『VOICE』を感じるかどうかは,キラー・チューンの【MOVE】【BRAND NEW DAY】【FANTASY】【MARGARITA!】ではなく【ENDEVOR】と【IN BETWEEN】のサビ部分。

 そう。「働く。人は生きるために働くのか,働くために生きるのか」「幻想と現実のはざまに揺れ,惑いながら,生きる」の術。

 読者の皆さんに1年間かけて導き出した感想を“象形文字”でお答えいたしました。上記“象形文字”でご納得いただけなければそれまでです。

  01. MOVE
  02. BRAND NEW DAY
  03. ENDEAVOR
  04. RAINMAKER
     SUITE ESCAPISM
  05. REALITY
  06. FANTASY
  07. IN BETWEEN
  08. MARGARITA!
  09. 11:49 PM

(テラーク/TELARC 2012年発売/UCCT-9027)
(☆直輸入盤仕様 ライナーノーツ/上原ひろみ,川口美穂)
★【初回限定盤】 SHM−CD+DVD
★ボーナスDVD:各メンバーのインタビュー映像【MOVE−INSIDE THE RECORDING SESSION】+【HAZE】ライヴ映像収録
★豪華スリップ・ケース仕様
★8Pブックレット

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バド・パウエル / バド・パウエルの芸術4

THE BUD POWELL TRIO-1 1947年と1953年の録音がセットで収められた名盤THE BUD POWELL TRIO』(以下『バド・パウエルの芸術』)。

 管理人は『バド・パウエルの芸術』を愛聴してはいない。演奏は素晴らしいのだが『バド・パウエルの芸術』からは,バド・パウエルの「人生の縮図」を感じてしまう。バド・パウエルの「早過ぎた老化」に悲しみを感じるからである。

 バド・パウエルは前期と後期に区別される。同じジャズメンの演奏なのだからそんなに違いはない,と思われるかもしれないが,誰が聴いても明らかに区別できる。
 このバド・パウエルのモデル・チェンジは残酷な必然。野球で言えば速球だけでは抑えられなくなった速球派ピッチャーが変化球で抑える軟投派へと転向した感じ。バド・パウエルは前期と後期は江夏豊の阪神・南海時代と広島・日本ハム時代のような明確な違いを感じるのだ。

 江夏豊の先発完投型からリリーフ・エースへの転身は,当時の南海のキャッチャー兼任監督=野村克也が球威の落ちてきた江夏を説得したことになっているが,実はこの転身に伏線があったことは余り知られていない。本格派の全盛期であった阪神時代に当時の監督=吉田義男が江夏にリリーフへの転向を打診したことがあったそうだ。

 吉田義男が『バド・パウエルの芸術』を聴いてみたと仮定して…。
 吉田義男は1947年のバド・パウエルにこのように言うであろう。「バド・パウエルさん,あなたは大天才です。後10年間は安泰ですね」。
 しかし1953年のバド・パウエルに吉田義男はこのように言うであろう。「バド・パウエルさん,そろそろ早弾きではなく内面の陰影で勝負してみるのもいいかもしれませんね」。

 そう。あと10年は安泰だと思わせる1947年の演奏から6年が経過した1953年の演奏が衰えて聴こえる。1953年の演奏も普通に聴けば素晴らしいのだが,いかんせん1947年の演奏が神懸りすぎている。
 天才すぎるジャズ・ピアニストの「早過ぎた老化」。1947年と1953年の録音を比較して聴かせる『バド・パウエルの芸術』はバド・パウエルの「人生の縮図」で満ちている。

THE BUD POWELL TRIO-2 1947年の演奏は総じて先発完投型。初回の立ち上がりは,ゆっくりとエレガント。これが5回ぐらいまで進んでくると,興に乗って来たのか?このまま止まらなくなるのではないかと思える程の鬼気迫るド迫力の演奏で「打てるものなら打ってみろ〜」。バッタバッタと斬りまくる。
 1953年の演奏は相手とのピンチに登場したリリーフ投手型。ゲーム中の駆け引き。相手との駆け引き。ストレートの中に織り交ぜる変化球の配球。力と頭脳とハートの強さ。

 才能の全てを出し尽くした前期のバド・パウエルと,下り坂に差し掛かり,どこかで時代の波に乗り遅れつつあることを自覚し始めた後期のバド・パウエル
 その意味で日本語タイトル『芸術』というのネーミングが素晴らしい。『芸術』は儚くも美しい。「芸術は長く人生は短し」のことわざを地で体感したのがバド・パウエルだと思う。

  01. I'LL REMEMBER APRIL
  02. INDIANA
  03. SOMEBODY LOVES ME
  04. I SHOULD CARE
  05. BUD'S BUBBLE
  06. OFF MINOR
  07. NICE WORK IF YOU CAN GET IT
  08. EVERYTHING HAPPENS TO ME
  09. EMBRACEABLE YOU
  10. BURT COVERS BUD
  11. MY HEART STOOD STILL
  12. YOU'D BE SO NICE TO COME HOME TO
  13. BAGS' GROOVE
  14. MY DEVOTION
  15. STELLA BY STARLIGHT
  16. WOODY'N YOU

(ルースト/ROOST 1953年発売/TOCJ-6118)
(ライナーノーツ/藤本史昭)

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T−スクェア・プラス / ヒストリー4

TRUTH 21CENTURY-1 『宝曲』『夢曲』『虹曲』と続いた,T−スクェアの“恒例・秋の風物詩”セルフカヴァー・シリーズ。
 第4弾となる『HISTORY』(以下『ヒストリー』)は『宝曲』『夢曲』『虹曲』で貫かれた“現「河野坂東時代」のT−スクェア”のコンセプトとは異なる実に12年振りの「T−SQUARE PLUS」名義でのセルフカヴァー
 そう。「T−SQUARE PLUS」名義はT−スクェアの「ハードロック・プロジェクト」!

TRUTH 21CENTURY-2 しか〜し『ヒストリー』の「T−SQUARE PLUS」は『TRUTH 21CENTURY』の「T−SQUARE PLUS」にあらず。
 「T−SQUARE PLUS」が“看板倒れ”。ズバリ『ヒストリー』ではハードロックできていない。どれもこれもがミディアム・テンポへスロー・ダウン。
 これってフュージョンがハードロックに振れたではなくフュージョンスムーズ・ジャズに振れただけ?

TRUTH 21CENTURY-3 特に“ギンギンの”【PRIME】1曲だけを期待していたから【PRIME】がミディアム・テンポで流れた瞬間『ヒストリー』の全てがアウト。個人的にはかなりゲンナリ。
 でも収穫は【11月の雨】と【TERRA DI VERDE】の2曲。奇しくも2曲とも和泉宏隆作曲とは「T−SQUARE PLUS」の一人主人公=安藤正容の“狙いが外れた”?

 どうやら『ヒストリー』がイマイチな理由はこの辺にあるように思う。『ヒストリー』は演奏もアレンジも超一流。でも微妙に少しずつ“狙いが外れた”感覚。

TRUTH 21CENTURY-4 微妙な感覚の狂いは,上述した「安藤正容作曲の選曲ミス→それに合わせたミュージシャンの人選ミス」。
 どうせならもっとビッグネームを起用してほしかった。特に伊東たけしと被るアルトサックスの代役には,せっかくリッキー・ピーターソンと演るのならデヴィッド・サンボーンで決まりしょ? デヴィッド・サンボーン伊東たけしのアイドルであるわけだし。デヴィッド・サンボーンが吹くのなら“吹きたがりの”伊東たけしも気持ちよくEWIに専念できたでしょうに…。

 期待の「ハードロック・プロジェクト」でもなく「和泉宏隆作曲」だけがハマリ「デヴィッド・サンボーン不在」の『ヒストリー』に『TRUTH 21CENTURY』で一世を風靡した「T−SQUARE PLUS」名義は似合わない。

TRUTH 21CENTURY-5 事実『ヒストリー』の真実は「安藤正容ソロ名義」と呼んでもよい。あるいは「安藤正容 & フレンズ名義」そのものである。

 そう。『ヒストリー』の聴き所は,安藤正容がロック・ギターをかき鳴らしている瞬間にある。安藤正容ファンにとって『ヒストリー』は,安藤正容ソロ以上に“安藤正容を感じる”1枚だと思う。

TRUTH 21CENTURY-6 さて『ヒストリー』の聴き所が安藤正容であるならば『ヒストリー』の見所は特典DVDの5分7秒。
 ああ,やっぱり。リッキー・ピーターソンの口から飛び出す『ヒストリー』のキーワード“スムーズ・ジャズ”! ああ,やっぱり。『ヒストリー』に「T−SQUARE PLUS」名義は似合わない。

PS 特典DVDの2トラック目。【DVD INFORMATION】に目が釘づけ。シューティング・ライブの映像は“超・絶景”でしたよ。

  Disc 1 (CD)
  01. 11月の雨
  02. HISTORY
  03. 夜明けのビーナス
  04. YOUR CHRISTMAS
  05. LANDSCAPE
  06. PIOGGIA DI CAPRI
  07. PRIME
  08. TERRA DI VERDE
  09. HIGH TIME

  Disc 2 (DVD)
  01. Behind the Scenes of T-SQUARE plus 「HISTORY」
  02. DVD Information

(ヴィレッジ/VILLAGE 2013年発売/VRCL-10112〜13)
☆SACDハイブリッド盤+DVD仕様
★【初回生産限定盤】4種ジャケットカード&フレーム帯仕様
★音匠仕様レーベルコート

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ジャズ喫茶 / オーディオ道場−2

オーディオ道場-5 ジャズ喫茶オーディオ道場』へ行ってきました。

 本当の目的は年に3回は行っている湯布院温泉の旅。今回は友人5人での贅沢な2泊3日のプランニングでしたので,2日目は湯布院の宿から熊本・南阿蘇方面に出かけることにしました。
 連れの4人は未体験でしたので管理人のゴリ押しで『オーディオ道場』へ!

 感想は「もう行かない」。トホホ。やっぱり女性にジャズオーディオは向かない?
 いいや,行かない理由は寒さのせい。湯布院旅行は先月中旬の,ちょうど九州初冠雪の日に当たってしまいまして。何と!やまなみハイウェイの外気温度計はマイナス3℃だったんですよ。今回はNIKON F4を投入して紅葉撮影する予定だったのに撮影ポイントが寒すぎて車外に出られない。
 そう。『オーディオ道場』が女性陣に不人気だったのは寒さのせいなのだ。そう思っておくことにしよう。

オーディオ道場-6 さて,実に3年半振りに訪れた『オーディオ道場』。こんなに間隔が空いたのは初めてでして片山さんにしても知子さんにしても激変著しい印象でした。特に知子さん,CD制作&ライブツアー( ARENA で検索してみてください )。

 いいや,激変したのはオーディオ・システム。メインのスピーカー・システムであるJBLの鳴りが変わった! ジョン・コルトレーンの『MY FAVORITE THINGS:COLTRANE AT NEWPORT』が,そしてキース・ジャレットの『THE KOLN CONCERT』の鳴りが変わった!

 読者の皆さんも是非一度『オーディオ道場』へ足を運んで,JBLの鳴りの変化を聴いてみてください。

 オーディオは進歩は最新の回路設計と比例すると信じていますが,それだけでは説明のつかない「鳴らし込み〜」。
 あぁ〜,これだからオーディオはやめられない〜。

 アドリブをログするブログ,それがアドリブログ。


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