アドリブログ 〜JAZZ/FUSION批評〜

ジャズ/フュージョン批評ブログ CD, DVD, ALBUM REVIEW, TRACK REVIEW and more

2014年06月

白木 秀雄・松本 英彦・宮沢 昭・渡辺 貞夫 etc. / リーダース・アイディア4

READER'S IDEA-1 管理人にとって,スイングジャーナル誌と来れば,真っ先に思い浮かぶのが「人気投票」である。晩年は大嫌いな雑誌になってしまったが,それはそれで,かくかくしかじか,本当にお世話になったものである。

 かくかくしかじかで,かってこのような「人気投票」があったそうな。「,△覆燭料ぶ編成 △△覆燭料ぶメンバー あなたの希望する曲目 LPのタイトル LPジャケット・デザイン」の5項目について応募をかけ,それを作品にするという企画。
 そうして出来上がった“夢のアルバム”が『READER’S IDEA』(以下『リーダース・アイディア』)。
 そう。『リーダース・アイディア』は,バーニー・ケッセルザ・ポール・ウィナーズ』の日本版的なオールスターズ企画盤。

 トランペット福原彰トロンボーン東本安博アルトサックスフルート渡辺貞夫テナーサックス松本英彦宮沢昭バリトンサックス原田忠幸ピアノ八城一夫ベース金井秀人小野満ドラム白木秀雄

 テナーサックス奏者とベーシストが2人選出されているのかは??なのですが…。どうですか? このメンバーにこの選曲。これは紛れもなく1960年の「NO.1」である。
 そして,この重圧を一身に受け止める『リーダース・アイディア』のリーダーを務めたのがドラマー白木秀雄であった。

 【MOANIN’】【A NIGHT IN TUNISIA】の選曲からして,当時のジャズ・メッセンジャーズ,あるいはファンキー・ジャズの人気ぶりが窺がえる。
 その流れからしての『リーダース・アイディア』・セッションリーダー白木秀雄なのかもしれないが,そうではなく実力からしてこのメンバーをまとめ上げられるのは“スーパー・ドラマー白木秀雄以外に見当たらなかったのだと思う。

READER'S IDEA-2 当然,メンバー全員が「NO.1」なのだが,その中にあって白木秀雄は,日活映画「嵐を呼ぶ男」のアテレコ・ドラマー
 白木秀雄ドラミングについては「バディ・リッチのスタイルを基にマックス・ローチモダンさを加えたもの」と称されることが多いのだが,どうしてどうして白木秀雄…。

 白木秀雄はこの時点でバディ・リッチマックス・ローチと肩を並べる,真面目にアート・ブレイキーに「追いつけ・追い越せ」を指向できる数少ない“スーパー・ドラマー”。
 白木秀雄=「日本のアート・ブレイキー」の真意は,爆発的なドラミングだけではなく,バンド全体を見渡す“アート・ブレイキーばりの”音楽眼と統率力が実に素晴らしい。

 【DOXY】における宮沢昭と【BAG’S GROOVE】における松本英彦という,個性の異なるテナーサックスを見事に使い分けて響かせている。
 【WHATS’ NEW】における渡辺貞夫アルトサックスが艶やかに響いている。

  01. MOANIN'
  02. DIG
  03. WALKIN'
  04. DOXY
  05. A NIGHT IN TUNISIA
  06. BAG'S GROOVE
  07. WHAT'S NEW
  08. READER'S CHOICE

(キングレコード/KING RECORD 1960年発売/THCD-068)
(紙ジャケット仕様)
(ライナーノーツ/原田和典,瀧口譲司,壇耕記)

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チック・コリア & リターン・トゥ・フォーエヴァー / 第7銀河の賛歌5

HYMN OF THE SEVEN GALAXY-1 チック・コリア & リターン・トゥ・フォーエヴァーの第2期=ロック路線の第1弾が『HYMN OF THE SEVEN GALAXY』(以下『第7銀河の賛歌』)。
 思うに『第7銀河の賛歌』におけるリターン・トゥ・フォーエヴァーの“激変ぶり”は必然の結果であろう。

 チック・コリア本人としては,チック・コリア & リターン・トゥ・フォーエヴァーの第1期=クロスオーヴァー路線を更に追及したかったことと思うのだが,あの“最高傑作”『RETURN TO FOREVER』を超えることなどできない事実をチック・コリア自身が実感したのだと思う。

 きっかけは前作『LIGHT AS A FEATHER』の“不発”にある。『LIGHT AS A FEATHER』では“生涯の代表曲”【SPAIN】が誕生したものの,最高だったブラジリアン・フレイヴァーが,爽やか方面ではなくリズム方面へと流れてしまい持ち味が失われてしまっていた。

 管理人は『第7銀河の賛歌』におけるリターン・トゥ・フォーエヴァーの“激変ぶり”を耳にする度に『LIGHT AS A FEATHER』の失敗を認め,第三者的に聞き分けて,大幅なメンバー・チェンジとロック路線への転向を決断したチック・コリアの“天才”ぶりにいたく感動してしまう。

 『第7銀河の賛歌』の“目玉”は,新ギタリストビル・コナーズと思うなかれ! 『第7銀河の賛歌』の聴き所は“居残り組”のスタンリー・クラークベースである!
 ズバリ,スタンリー・クラークの“ファズ”ベースがあればこそ,チック・コリアは,ハードなロック・リズムとメカニカルな無機質メロディの目まぐるしい転調を特徴とする,俗に言う,リターン・トゥ・フォーエヴァーの「ヘヴィ・メタル・ジャズ・ロック・バンド」路線を推し進めることができたのだ。

 『第7銀河の賛歌』における「ブンブンと唸りを上げて襲い掛かる」スタンリー・クラークの“ファズ”ベースを前にすると,リターン・トゥ・フォーエヴァーの“後継バンド”であるエレクトリック・バンドジョン・パティトゥッチに“青臭さ”を感じてしまう。
 チック・コリアをここまで刺激できるベーシストは,スタンリー・クラークをおいて他にはいないと思う。あっ,アヴィシャイ・コーエンがいたかなぁ。クリスチャン・マクブライドも。もっと?

 そんなスタンリー・クラークの“大爆発”に覚醒されたチック・コリアの野蛮でギンギンに歪んだヘヴィなエレピから繰り出されるロック・サウンドが怒涛のタテノリ。しかもファジーと来ている。微妙なリズムのズレを埋めるのがビル・コナーズの役所。
 この“揺れる”ギターアル・ディメオラには出来やしない,ビル・コナーズ超一流の神業である。

 そしてハード・ロック・リズムの“要”であるレニー・ホワイトJAZZYなドラミングが気持ちいいんだっ! こりゃたまらん!

HYMN OF THE SEVEN GALAXY-2 その意味で,リターン・トゥ・フォーエヴァーの正ギタリストアル・ディメオラ加入前ならではの「1.8期」なリターン・トゥ・フォーエヴァーの音が最高に美味しい! 決して破綻しないのに危険な香りの熱血フュージョン

 スタンリー・クラークの“ファズ”ベースが突進する中で,ロックするエレピジャズフュージョンとのバランスを保とうとするギターの“せめぎ合い”が最高にメロディアスでスリリングなアンサンブルを聴かせてくれている。

 スタンリー・クラークの突進に,他のメンバー3人が追いついた後の『銀河の輝映』『ノー・ミステリー』『浪漫の騎士』の完成度には文句のつけようがない。
 しか〜し,熟れる直前の独特の快感は音楽も同じ。『第7銀河の賛歌』の「次が予想できない展開なのにユニゾンをしっかりとキメつつ,その実ソロの応酬合戦」な瞬間が何回聴いても楽しくてしょうがない。

 『第7銀河の賛歌』1作でメンバー・チェンジしてしまう「1.8期」なリターン・トゥ・フォーエヴァーの低評価を頭では認めつつ“こっそりと”愛聴盤だったりするのである。

  01. HYMN OF THE SEVENTH GALAXY
  02. AFTER THE COSMIC RAIN
  03. CAPTAIN SENOR MOUSE
  04. THEME TO THE MOTHERSHIP
  05. SPACE CIRCUS...PART I
     SPACE CIRCUS...PART II
  06. THE GAME MAKER

(ポリドール/POLYDOR 1973年発売/POCJ-2699)
(ライナーノーツ/寒川光一郎)

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鳥山 雄司 / ウィンターズ・ギフト4

WINTER'S GIFT-1 管理人と鳥山雄司の付き合いは結構長い。その辺りを汲み取って,今回の鳥山雄司批評を読んでいただきたい。

 スタジオ・ミュージシャンの鳥山雄司は消えたんだなぁ。ギタリスト鳥山雄司は消えたんだなぁ。そして鳥山雄司は“音楽家”として生まれ変わったんだなぁ。
 季節は初夏に向かっているというのに,季節感のかけらもない『WINTER’S GIFT』(以下『ウィンターズ・ギフト』)を聴いてそう思ってしまった。

 そう思ってしまったのは,ごくごく最近のこと。私用で香港・マカオの旅から帰国して,ちまちまと写真の整理をしつつ,CD−Rでアルバムを作ろうと思った時,写真の後ろで流れるBGMとしてチョイスしたのが『ウィンターズ・ギフト』だった。
 旅のBGM=鳥山雄司,と我ながらすでにメディアに毒されていたことが読み取れる。 

 【STARLIGHT】に香港の夜景を思い浮かべ【MAJESTIC SHADOW】にマカオのヨーロッパを思い浮かべる。鳥山雄司ギターというか曲というか,彼の音楽には音楽を超えた部分で,様々な情景を思い起こさせる力がある。それも楽しい思い出ばかりを想起させるような力がある。
 この音楽からイメージとして伝わる「カラフルな色彩感」は,同じギタリストであるパット・メセニーと通ずるところがある。パット・メセニーも,もはや「ギタリスト」としてではなく「音楽家」と呼ばれるにふさわしい“御大”である。

 そう。鳥山雄司パット・メセニーと同様“総合・音楽家”の域に達している。『ウィンターズ・ギフト』の出来は,鳥山雄司を以てしても“快心の冬CD”であろう。シンプルなメロディー・ラインを印象的かつ格調高く演奏している。オーケストレーションのセンスは流石と言わざるを得ない。いい。

WINTER'S GIFT-2 ただし惜しむべきかな,鳥山雄司にはパット・メセニーほどの“こだわり”が感じられない。気持ちの良い音楽を作るのは全てだと言い切るにしても,ギターとかジャズとかフュージョンとか,自分のプライドとか…。
 『ウィンターズ・ギフト』の感想をまとめるなら“ほめ殺し”になって心苦しいのだが「上手いな」の一言に集約されてしまう。
 
 “音楽家”の鳥山雄司もたまにはいいかなぁ。でも管理人がこれまで長く付き合い続け,鳥山雄司のファンを公言してきたのは,スタジオ・ミュージシャンの鳥山雄司であり,ギタリスト鳥山雄司であったんだけどなぁ。

 “フュージョンギタリスト鳥山雄司のヒーリング界への「流出」は,ジャズフュージョン界の“大損失”と思います。

  01. Starlight
  02. Ave Maria
  03. Majestic Shadow
  04. 言問
  05. What child is this (Green sleeves)

(ソニー/SONY 2004年発売/SRCL-5863)

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チック・コリア / インナー・スペイス5

INNER SPACE-1 ジャズフュージョンの既成概念を覆した『NOW HE SINGS,NOW HE SOBS』〜『RETURN TO FOREVER』〜『CRYSTAL SILENCE』と続いた,チック・コリア“衝撃”のデビュー三部作!

 しか〜し,ここで“いわくつき”『INNER SPACE』(以下『インナー・スペイス』)の投入! その結果,チック・コリア“衝撃”のデビュー三部作はデビュー四部作へとトランスファー!

 なぜ『インナー・スペイス』は“いわくつき”なのか? 『インナー・スペイス』の真実とは,チック・コリアファースト・リーダー作『TONES FOR JOAN’S BONES』(以下『トーンズ・フォー・ジョーンズ・ボーンズ』)の曲順を入れ替えた全4トラックとその未発表2トラックに,チック・コリアが作曲し,フルート奏者のヒューバート・ローズと共演した『LAWS CAUSE』収録の2トラックを加えたコンパイル盤。
 要は『RETURN TO FOREVER』の大ヒットにあやかり,幻のデビューCDトーンズ・フォー・ジョーンズ・ボーンズ』をも売ろうとした,チック・コリア人気を利用した“便乗商品”なのである。

 しか〜し,リターンズ! この“いわくつき”『インナー・スペイス』の演奏が凄いのだ。管理人なんかは一発でKOされてしまった。チック・コリア,凄すぎ〜!
 ズバリ『インナー・スペイス』におけるチック・コリアが“知的”すぎる。雰囲気としては,新主流派をベースにフリージャズ的なアプローチの,真に唯一無二なジャズクインテット。熱い演奏なのに“COOL”なのだ。“斬新な風”が終始吹きまくっているのだ。爽やかで,瑞々しく,力強い演奏。賛辞の言葉が並ぶしかない。

INNER SPACE-2 “いわくつき”の『インナー・スペイス』ですが,チック・コリアのフォロワーであれば,毛嫌いせずに,一聴することをお奨めします。
 気持ちは分かります。事実,管理人も内容への期待というよりも「紙ジャケットSHM−CD」に惹かれて「コレクターズ・アイテム」として数年前に購入した口だからです。
 でもでも,これが40年以上前の演奏とはとても思えないくらい,新鮮なチック・コリア流のクインテットに大満足〜。絶対に後悔させません。

 というか『インナー・スペイス』を聴かずして,デビュー直後のチック・コリアについて語ってもらいたくはないのです。この理解があれば「御三家」である,キース・ジャレットハービー・ハンコックとの評価の比較にも影響があるはずです。キッパリ。

 若き日のジョー・ファレルウディ・ショウスティーブ・スワロウジョー・チェンバースヒューバート・ローズロン・カータークラディ・テイトカール・ポーターの演奏も聴けますし,あの名曲【WINDOWS】の再演も聴けますから〜。

 ここまで無理でも最後に喰い付け! 【TRIO FOR FLUTE,BASSOON AND PIANO】では,チック・コリアのバックボーンである「ジュリアード音楽院」が絶対に感じられますよっ。

  01. STRAIGHT UP AND DOWN
  02. THIS IS NEW
  03. TONES FOR JOAN'S BONES
  04. LITHA
  05. INNER SPACE
  06. WINDOWS
  07. GUIJIRA
  08. TRIO FOR FLUTE, BASSOON AND PIANO

(アトランティック・ジャズ/ATLANTIC JAZZ 1973年発売/WPCR-13194)
(紙ジャケット仕様)
(☆SHM−CD仕様)
(ライナーノーツ/大村幸則)

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FM福岡 / ラジ★ゴン / T-SQUARE,伊東たけし

ラジ★ゴン / 伊東たけし 一昨日放送,FM福岡「ラジ★ゴン」にT−SQUAREの選抜メンバー?として伊東たけしがゲスト出演しました。
 T−SQUAREのニュー・アルバム『NEXT』と7月に行なわれるイムズホールでのライブ&今週日曜日に行なわれる「西南学院 中学・高校 吹奏楽部 第17回定期演奏会」のプロモーションです。

 夏を思わせるような華やかな衣装で出演した伊東たけしの近況は,ツアーに入る前の冬の間は山スキーにハマッテいて,リュック背負って板を担いで,新雪を滑り降りての,楽しみながらの体力作り。
 「最近ね〜,ちょっとね〜,失速しちゃってるんですけど」と語る自転車トークに今日一番のリキが入る。自転車ファンの見分け方として「ちゃんと乗っている連中は,まずスネ毛は剃っている。アンダーウェアはなし。スネ毛を剃るのは擦れるから。空力特性のせいではないと思うけど早い人たちはみんな剃っている。ケガした時に出来ればない方が雑菌が入らなくていいのかな,とかね。だから最近生えている〜」。

 T−SQUAREの活動としては「昨年は節目の35周年で,リニューアルした大阪フェスティバルホールでゲストを入れてDVD撮ったりしたんですよ。今年36年目で次は40年目に向かって行くぞ〜,ていう感じで,あんまり変わらない」。

 伊東たけしにとってのT−SQUAREとは「一番の学びの場だったかな。いろんなミュージシャンとの出会いがあって,ミュージシャンっていうのは誰とセッション演るかで,磨かれる部分があると思うんですよ。
 僕なんかはF−1のテーマで有名になりましたけども【TRUTH】なんかは,今はEWIっていう楽器を吹いていますけども,あの頃はリリコンというやつで,ウインド・シンセサイザーという世の中にない“お初”だったんですけども,それを使ったりできたのも多分,スクェアにいたからかなぁ。そういう楽曲があって自分が,これもしかしたら使えるかもしれない,と思って使ったりとか。
 スクェアって特にメロディー・ラインがPOPに出来上がっているところが1つのカラーになったりしていますけども,僕がEWIを吹くことも1つのカラーになったりしてるんで,そういうものを作れたという部分もスクェアが大きい。自分一人でやっていたらなかなかこういうことできなかったと思う」とのこと。

 新しいことを積極的に採り入れる話としては「好きですよね。普通に男の子的なとこがあって。マックもクラシックからだし。いろんなところにアンテナを張り巡らして」の辺りで「ラジ★ゴン」のお約,ガチャポンする時間なくなっちゃいましたのアナウンス。もう時間がないのでプロモーションを先にするということに…。

 ニュー・アルバム『NEXT』については「相変わらずのスクェアというといい言い方ではないですけども。昨年の35周年でいろんなゲストと一緒に演って,今のメンバーの中で,何か出てきた,という感じがある。さらにスクェアのPOPなサウンド,カラフルで色彩感が非常に良く出ているアルバムに仕上がったと思う。
 レコーディングの時に,できるだけ着飾らないような,メンバー5人でサウンドさせようという部分を全面に出すような録音をしたんですよ。だから非常に抜けの良い音が出来たんじゃないかと思うんで,聴いた時に気持ちいいと思いますよ。スカッと。
 坂東とは30歳違うんで楽しい,本当に刺激的ですよ。新しいですよね。悔しいけれども何かが違う。感性というか。ドラミングにしても曲にしても,えっ,ここでこんな風に動くんだ,みたいなのがいろいろ出てきて,一瞬,解読不能になったりするんですよ。勝手に自分がメロディーを違う方に行ったりすると,伊東さん,そこそうじゃなくてこっちです,って,あっそうか,自分では何となくこっちに行きそうな気がして吹いちゃったりして…。フレッシュで一番面白い時期かもしれない」とのこと。

 T−SQUAREライブ・プロモーションとしては「音楽はライブが一番ですよ。僕らの演奏を体感してもらいたい」の流れから,今日一番大事な告知がある〜。伊東たけし西南OB〜。

 「実は昨日『西南学院 中学・高校 吹奏楽部 第17回定期演奏会』のリハーサルがあって,生徒が急に帰りに『伊東さん,なんかラジオに出ることがあったら宣伝してください』って。確かに明日プロモーションで出るけど,それスクェアのプロモーションなんだけど…。分かった。言えそうだったら言いますから」って。帰り際に「ちゃんとプロモーションしておいたぞ〜!」。

 そう。「西南学院」のスローガンは「Thanks and Next!」。だからT−SQUAREも『NEXT』! 明日は管理人も福岡市民会館へ向かおうと思いま〜す。

 以下,オンエア曲一覧です。

1曲目 : 【YOU’RE THE ONE】 / T−SQUARE
 

チック・コリア〜ゲイリー・バートン / クリスタル・サイレンス5

CRYSTAL SILENCE-1 ジャズフュージョンの既成概念を覆した『ナウ・ヒー・シングス・ナウ・ヒー・ソブス』〜『リターン・トゥ・フォーエヴァー』に続く,チック・コリア“衝撃”の3連発の締めは『CRYSTAL SILENCE』(以下『クリスタル・サイレンス』)。

 この3連発の中でも,ピアノ・トリオの革新作『ナウ・ヒー・シングス・ナウ・ヒー・ソブス』とフュージョンの革新作『リターン・トゥ・フォーエヴァー』と異なり“新規開拓”の『クリスタル・サイレンス』が,以後のジャズフュージョン・シーンへ及ぼした影響は計り知れない。

 互いの音が被らないように注意しつつ,フロントとバッキングを交互に務めるデュエットというフォーマットは難度が高い。互いが互いを引き立て合いながらも,臨機応変なアドリブを繰り出さなければならない。2人の音楽性とテクニックが露わになるデュエットというフォーマットは敷居が高い。
 しかし『クリスタル・サイレンス』には,そのような難しさを微塵も感じない。いとも簡単に演奏しているように聞こえてしまう。

 チック・コリアピアノゲイリー・バートンヴィヴラフォンによるデュエットという,同じ打楽器にして鉄弦と鉄琴の異なる響きを活かした「2人だけの感覚」の調和を第一に音造りがなされている。ここが“COOL”であり“HOT”なデュエットの“伝統芸能”たる所以であろう。

 『クリスタル・サイレンス』は,自然界に存在した天然物の音楽ではない。マンフレート・アイヒャーがスタジオで発見した,最高の組み合わせの「人工物」であり「化合物」である。
 「人工物」であり「化合物」である『クリスタル・サイレンス』とは,時に水晶のように輝く音楽であり,時に雪の結晶のようにきらめく音楽である。ひたすら透明で純度の高い“芸術音楽”なのである。

 マンフレート・アイヒャー以外の一体誰がチック・コリアゲイリー・バートンによる「独特の化学反応」を予想できたであろうか? 恐らく,当の本人,チック・コリアゲイリー・バートンでさえ予想だに出来なかった組み合わせなのであろう。

 『クリスタル・サイレンス』は,チック・コリアゲイリー・バートンの組み合わせだから成立する「ケミストリー中のケミストリー」。
 他の追随を許さない「青い炎」の美しさへと変化している。ECMの特徴である豊かな残響音に,遠く北欧の地まで連れ去られた思いが去来する。

 管理人にとって『クリスタル・サイレンス』を聴くという行為は,音楽から離れ,新鮮な空気を深呼吸しているようなものである。『クリスタル・サイレンス』が流れてくると,体感温度さえ下がったように感じてしまう。ハイ・テンションとリラックスのウォームアップとクールダウン。実にすがすがしい音楽なのである。

CRYSTAL SILENCE-2 ただし『クリスタル・サイレンス』について忘れてはならないのは,マンフレート・アイヒャーは“芸術音楽”という趣味だけではなく“商業音楽”としても両立する「化学実験」を行なったという事実。

 『リターン・トゥ・フォーエヴァー』の大ヒットゆえの【CRYSTAL SILENCE】【WHAT GAME SHALL WE PLAY TODAY】【CHILDREN’S SONG】の選曲であろう。だってだってこの選曲なら絶対に聴きたくなるんだもん!?

 “商業音楽”としてのチック・コリアゲイリー・バートンの組み合わせが産み落とす副作用。それは重度の中毒性である。これってメントールのような爽やかさ? もはやうだるような暑さには『クリスタル・サイレンス』なしでは生活できない管理人がいる。

 そうして『クリスタル・サイレンス』の続編である『デュエット』『イン・コンサート』『ネイティヴ・センス』『ニュー・クリスタル・サイレンス』『ホット・ハウス』を片っ端から手に取るようになる…。
 『ライク・マインズ』と『ランデヴー・イン・ニューヨーク』も待ち構えている…。
 マンフレート・アイヒャーは確信犯である…。

  01. SENOR MOUSE
  02. ARISE, HER EYES
  03. I'M YOUR PAL
  04. DESERT AIR
  05. CRYSTAL SILENCE
  06. FALLING GRACE
  07. FEELINGS AND THINGS
  08. CHILDREN'S SONG
  09. WHAT GAME SHALL WE PLAY TODAY

(ポリドール/POLYDOR 1973年発売/POCJ-2011)
(ライナーノーツ/久保田高司)

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T-SQUARE / NEXT5

NEXT-1 『NEXT』でT−スクェアが一段と“軽くなった”。
 (お断り:ジャズフュージョン批評において「軽い」とは褒め言葉であり「薄い」とは同義語ではありません)。

 “軽くなった”理由を管理人なりに分析してみると,最大要因としての「リズムが軽い」。坂東慧があくまでも“軽やかな”ドラミングに徹している。

 ここまで「軽く」感じるのは,前作『SMILE』が,3人のベーシスト+2人のドラマー+1人のパーカッショニストが入れ替わる“超重量級のリズム隊”の反動なのかもしれない。
 でもそれってこじつけで,本当に『NEXT』の「リズムが軽い」。例えばロック・チューンの【YOU’RE THE ONE】にしても以前のロック・チューンと同じバスドラではない。坂東慧が敢えて“叩きすぎない”スカスカの音空間を演出している。

 ではなぜ坂東慧は“叩きすぎない”ようにプレイしたのか? これこそが“スクェア・メロディーのDNA”であり『NEXT』で,次なるステージに到達した“黄金のスクェア・メロディー”なのだと思う。
 そう。『NEXT』は,往年の“スクェアらしさ”を残しつつも,新しい“スクェアらしさ”を追い求めた,良く言えば「意欲作」であり,悪く言えば「実験作」である。

 個人的には『NEXT』における「実験」は大成功!だと思う。かってこんなにも伊東たけしEWIを吹きまくったアルバムがあったであろうか? アルバムの半分(全10曲中5曲)がEWIである。“こだわりの”伊東たけしEWIをメインに持ってきている。
 そう。ここが『NEXT批評の肝! “軽さ”を追求した結果としてのEWIメインの必然性なのであろう。

 安藤正容もまたそうである。これはここ数年というか,もうここ10年ぐらいのことなのだが,安藤正容は一切“スクェアっぽい”曲を書かなくなってしまった。現T−スクェアの中で一番“スクェアっぽくない”のが安藤正容の作曲だと思っている。
 …な・の・に安藤正容ギターに,以前にも増して“スクェアっぽさ”を感じてしまう。

 『宝曲』『夢曲』『虹曲』を制作したくらいに安藤正容は“現「河野坂東時代」のT−スクェア”を愛しているのだが,そんな安藤正容の“スクェア愛”が河野啓三坂東慧のオリジナルを通して伝わってくる。
 かって自分が作り上げた“スクェア・メロディーのDNA”を拡大した,河野啓三坂東慧の“スクェア魂”に共鳴している。

 『NEXT』で感じる“軽さ”こそが“伝統のスクェア魂”! 『NEXT』こそが「変わらないために変わり続ける」“スクェア魂”の真骨頂! 単純に「音の厚み」の問題ではないのだ。

 そんな「意欲作」にして「実験作」な『NEXT』の評価は,前半5曲の印象で二分されるように思う。1曲目と4曲目と5曲目の【YOU’RE THE ONE】【SNOW WALKER】【魂の肖像】のハード・ロック路線に寄るか,それとも2曲目と3曲目の【THANK YOU】【SHINE】のポップ路線に寄るか,で『NEXT』から受ける印象は変わってくると思う。だ・か・ら「意欲作」にして「実験作」。
 前半5曲と限定的に書いたのは,後半の6曲目から10曲目までは“いつもの”スクェア印なのでご安心を〜。

 …と,ここまで書いてあれなのだが『NEXT』で感じる変化は,例えば『T−SQUARE』や『BLOOD MUSIC』のような表面的で分かりやすい変化ではない。
 そうではなくて,もっと深い部分で“地殻変動”が起きているような…。例えば『S・P・O・R・T・S』や『GROOVE GLOBE』のような,一聴すると「王道」なのに,よくよく聴いていくと相当な問題作のような…。

NEXT-2 うん。スクェアのファン歴30年オーヴァーな管理人をしてここに宣言してしまおう!
 『NEXT』は,後々語り継がれるであろう「スクェアの歴史上の分岐点」となり得るアルバムである!
 『NEXT』前,『NEXT』後,と区別されるべき大名盤である!

 『NEXT』には,王道をしっかりと継承しつつ“新しいスクェアの芽”が随所に表われている。管理人は大地震の予兆は感じ取れないが,スクェア内で起こっている大地震の予兆は感じている。もしハズレていたらごめんなさい。

 それにしても『NEXT』のキラー・チューン3曲=【SHINE】【WISH】【NEXT】全てを作曲した坂東慧は素晴らしいソング・ライターである。坂東慧こそが「Mr.T−SQUARE」であろう。

 スクェアライブのクライマックスで流れてほしい『WINGS』の【THE BIRD OF WONDER】。オープニングで流れてほしい『SMILE』の【OPEN THE 35TH GATE】と来て,アンコールのラストで聴きたい『NEXT』の【NEXT】。

 振り返るとそこには坂東慧。“軽やかな”坂東慧。「Knock! Knock!」な坂東慧坂東慧の『NEXT』がT−スクェアの『NEXT』であると確信する。

  DISC 1 (CD)
  01. You're The One
  02. Thank You
  03. Shine
  04. Snow Walker
  05. 魂の肖像
  06. WISH
  07. Kiss and Cry
  08. Eagle Spear
  09. I Stand Alone
  10. NEXT

  DISC 2 (DVD)
  01. Victory
  02. Future Maze

(ヴィレッジ/VILLAGE 2014年発売/VRCL-10117-8)
★【初回生産限定盤】SACDハイブリッド盤+DVD 2枚組
★【初回生産限定盤】三方背BOX仕様
★音匠仕様レーベルコート

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スイングジャーナル読者が選ぶジャズ名盤ベスト100-5

 スイングジャーナル誌2001年1月号で実施された読者アンケート企画「21世紀に残したい読者が選ぶ名盤ベスト100」のスーパーカウントダウン。それが「スイングジャーナル読者が選ぶジャズ名盤ベスト100」。
 今回は76〜80位の発表です。

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チェット・ベイカー・シングス★80.チェット・ベイカー・シングス
チェット・ベイカー


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ガール・トーク [SHM-CD]★79.ガール・トーク
オスカー・ピーターソン


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アート・テイタム〜ベン・ウェブスター・クァルテット★78.アート・テイタム〜ベン・ウエブスター・
カルテット

アート・テイタム

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ザ・リターン・オブ・アート・ペッパー★77.リターン・オブ・アート・ペッパー
アート・ペッパー


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バド・パウエルの芸術★76.バド・パウエルの芸術
バド・パウエル


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 ジャズ好きとは,すなわちアドリブ好きなのである。今回のランキングにそのことが顕著に表われている。
 アート・テイタムバド・パウエルオスカー・ピーターソンへの流れもそうだが,チェット・ベイカーアート・ペッパーというウェストコーストジャズの2大巨頭が来ている!

 チェット・ベイカーの“歌う”アドリブが素晴らしく,アート・ペッパーの“命を削る”アドリブが素晴らしい。
 “稀代のインプロバイザー”である前に,ジャズメンであり音楽家なのが最高に素晴らしい。アドリブ好きは“歌”なんだよなぁ。

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フル・ハウスフル・ハウス
ウェス・モンゴメリー

ザ・シーン・チェンジズザ・シーン・チェンジズ
バド・パウエル

セロニアス・モンク・トリオセロニアス・モンク・トリオ
セロニアス・モンク

枯葉枯葉
チェット・ベイカー

MOANIN'MOANIN'
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