アドリブログ 〜JAZZ/FUSION批評〜

ジャズ/フュージョン批評ブログ CD, DVD, ALBUM REVIEW, TRACK REVIEW and more

2014年07月

チック・コリア & リターン・トゥ・フォーエヴァー / ノー・ミステリー4

NO MYSTERY-1 リターン・トゥ・フォーエヴァーは『RETURN TO FOREVER』でのチック・コリアソロ・プロジェクトとしてスタートし『LIGHT AS A FEATHER』で「チック・コリア & リターン・トゥ・フォーエヴァー」名義となる。
 そしてリターン・トゥ・フォーエヴァーの第2期は『HYMN OF THE SEVEN GALAXY』『WHERE HAVE I KNOWN YOU BEFORE』と来て,エレクトリックギターを聴かせるチック・コリアスタンリー・クラークの双頭バンド,という形をとって発展してきた。

 では『NO MYSTERY』(以下『ノー・ミステリー』)と『ROMANTIC WARRIOR』(以下『浪漫の騎士』)でのリターン・トゥ・フォーエヴァーはどうであろうか?
 ズバリ『ノー・ミステリー』と『浪漫の騎士』は,もはやメンバー・チェンジなどなくても,チック・コリアスタンリー・クラークの双頭バンドではなくなり,チック・コリアスタンリー・クラークレニー・ホワイトアル・ディメオラの4人の“対等バンド”へと様変わりしている。

 この全てはリーダーであるチック・コリアが望んだことであり,レニー・ホワイトアル・ディメオラが急成長した,というわけではない。
 スタンスは異なるが,チック・コリアリターン・トゥ・フォーエヴァーのバンド運営で取った手法はチック・コリアのかっての師=マイルス・デイビスから学び取ったものだろう。

 『ノー・ミステリー』は,チック・コリアがバンドを支配することを意識的に止め,メンバーの才能を自由に発揮させるというマイルス・デイビスの手法が大当たり。4人のバカテクが心の底から堪能できる“狂喜乱舞”状態の名盤に仕上がっている。

 ただし,この試みが花開いたのは,次作『浪漫の騎士』でのこと。完全に“こなれた”『浪漫の騎士』が最高の名演であるとすれば『ノー・ミステリー』は“やってみないと分からない”あるいは“手探り”の名演である。
 完成度を取れば『浪漫の騎士』だが,聴いて面白いのは“プレイヤー指向な”『ノー・ミステリー』の方である。

NO MYSTERY-2 チック・コリアが音をまとめ上げていないのだから,バンド・サウンドとしてのアレンジはいま一つ。この条件は『ノー・ミステリー』も『浪漫の騎士』も同じなのだが『浪漫の騎士』では,意識せずとも4人がバッチリ合ってしまっている。

 この点で『ノー・ミステリー』は4人がわずかにズレている。これはレニー・ホワイトアル・ディメオラが前に出た結果,チック・コリアスタンリー・クラークが下がってしまった結果だと思う。

 ゆえに『ノー・ミステリー』のハイライトと,スタンリー・クラークが前に出てバンドをリードした【DAYRIDE】とチック・コリアスタンリー・クラークデュオNO MYSTERY】とチック・コリア“お得意の”組曲【CELEBRATION SUITE】の4トラック。
 チック・コリアが「責任編集」しなかった『ノー・ミステリー』の残る5トラックは「極上の音のルール無視な大爆発」である。

 チック・コリアが「責任編集」しなくとも『ノー・ミステリー』で芽を出した“制御不能な勢い”がバンドのコントロール下におかれてしまったのだから『浪漫の騎士』が凄すぎるのも納得である。

  01. DAYRIDE
  02. JUNGLE WATERFALL
  03. FLIGHT OF THE NEWBORN
  04. SOFISTIFUNK
  05. EXCERPT FROM THE FIRST MOVEMENT OF
     HEAVY METAL

  06. NO MYSTERY
  07. INTERPLAY
  08. CELEBRATION SUITE PART I
  09. CELEBRATION SUITE PART II

(ポリドール/POLYDOR 1975年発売/POCJ-2701)
(ライナーノーツ/成田正)

人気ブログランキング − 音楽(ジャズ)

チック・コリア & リターン・トゥ・フォーエヴァー / 銀河の輝映4

WHERE HAVE I KNOWN YOU BEFORE-1 アドリブログは「リターン・トゥ・フォーエヴァー批評」の真っ最中。しかし,リターン・トゥ・フォーエヴァーを聴いていると,もう,どうしても,管理人の「青春の1ページ」=「チック・コリア・エレクトリック・バンド」へとワープしてしまいたくなる衝動に襲われてしまう。病気である。

 そんなこんなでリターン・トゥ・フォーエヴァーの第4作『WHERE HAVE I KNOWN YOU BEFORE』(以下『銀河の輝映』)に集中すべきは分かっているが,2004年に再結成されたエレクトリック・バンドの『TO THE STARS』を聴きたい衝動に負けてしまった。

 『TO THE STARS』リユニオンの原点が『銀河の輝映』にある。『銀河の輝映批評について書こうと思うと,どうしても『TO THE STARS』を初めて聴いた時に感じた『銀河の輝映』への思いについて書かねばならない。
 その辺は『TO THE STARS批評の中で書けていなかったので,しばし『銀河の輝映』からの『TO THE STARS』へと来て『EYE OF THE BEHOLDER』まで流れたくなる気持ちを“寸止め”したいと思っている。

 まずチック・コリアの特徴について書くことにするが,チック・コリアエレクトリックに振れる時は,必ず反動としてのアコースティックへの回帰,もしくは融合を図ろうとするクセがある。
 それがエレクトリック・バンドで言えば『EYE OF THE BEHOLDER』であり,リターン・トゥ・フォーエヴァーで言えば『銀河の輝映』なのである。

 なので管理人にとっての『銀河の輝映』とは,新加入のアル・ディメオラギターなどではなく「リターン・トゥ・フォーエヴァー初のアコースティックとの融合作」が印象的なのである。
 第1期のクロスオーヴァー路線から激変した第2期のロック路線なはずなのに(1.8期も含めてそのことに間違いはないのだが)『銀河の輝映』1作だけはアコースティック路線の異色盤。

 理由は『TO THE STARS』での【PORT VIEW〜】シリーズに位置する『銀河の輝映』の【WHERE HAVE I〜】シリーズ。
 これである。この感触が『TO THE STARS』を初めて聴いた時に『銀河の輝映』を想起した根源なのであろう。

WHERE HAVE I KNOWN YOU BEFORE-2 そう思って管理人のここ数日のジャズ・ライフは『銀河の輝映』と『TO THE STARS』の交互聴き。基本この2作は似ていることで間違いないのだが,そうも言えない気分になってしまったから“ややこしい”!

 そう。エレクトリック・バンドの解散から再結成までの10年もの期間,5人のメンバー全員が磨き上げたバカテクを披露した『TO THE STARS』は“キレイ目”な演奏なのに,対する『銀河の輝映』が“獰猛”だったのだ!

 アコースティックチック・コリアピアノ・ソロの印象が強すぎて,今の今まで『銀河の輝映』も“キレイ目”な演奏だとばかり思い込んでいた。
 理由はアル・ディメオラギターなんて大人し目だし,バンドの“王様”的だったスタンリー・クラークのディストーションを効かせた“ファズ”ベースが,細かく刻む系のチョッパーベースへと変化してきているし…。

 『銀河の輝映』って,こんなにも挑戦的なアルバムだったのかぁ〜。【VULCAN WORLDS】におけるチック・コリアスタンリー・クラークの演奏がプログレ・ヒーローしまくっている。“壮大系”の【SONG TO THE PHAROAH KINGS】におけるチック・コリアのSFな感覚が宇宙しまくっている。凄すぎる!

  01. VULCAN WORLDS
  02. WHERE HAVE I LOVED YOU BEFORE
  03. THE SHADOW OF LO
  04. WHERE HAVE I DANCED WITH YOU BEFORE
  05. BEYOND THE SEVENTH GALAXY
  06. EARTH JUICE
  07. WHERE HAVE I KNOWN YOU BEFORE
  08. SONG TO THE PHAROAH KINGS

(ポリドール/POLYDOR 1974年発売/POCJ-1979)
(ライナーノーツ/内藤遊人)

人気ブログランキング − 音楽(ジャズ)

スイングジャーナル読者が選ぶジャズ名盤ベスト100-6

 スイングジャーナル誌2001年1月号で実施された読者アンケート企画「21世紀に残したい読者が選ぶ名盤ベスト100」のスーパーカウントダウン。それが「スイングジャーナル読者が選ぶジャズ名盤ベスト100」。
 今回は71〜75位の発表です。

--------------------------------------------------------------------------------------

ウイ・インシスト★75.ウイ・インシスト
マックス・ローチ


--------------------------------------------------------------------------------------

フォア・アンド・モア★74.フォア・アンド・モア
マイルス・デイビス


--------------------------------------------------------------------------------------

ベース・オン・トップ★73.ベース・オン・トップ
ポール・チェンバース


--------------------------------------------------------------------------------------

ポール・ウイナーズ★72.ポール・ウイナーズ
バーニー・ケッセル


--------------------------------------------------------------------------------------

直立猿人★71.直立猿人
チャールス・ミンガス


--------------------------------------------------------------------------------------

 スイングジャーナル好きなわけだし「21世紀に残したい読者が選ぶ名盤ベスト100」なわけだし,マイルス・デイビスのアルバムが多数ランクインすることは当然として『フォア・アンド・モア』が74位にランクインしたのには驚いた。

 『サムシン・エルス』『カインド・オブ・ブルー』『ラウンド・アバウト・ミッドナイト』辺りの“アコースティックマイルス”以外は「マイルスとは認めない」のがスイングジャーナルなわけだし“エレクトリックマイルス”の代表作『アガルタ』が91位だったわけだし。

 『フォア・アンド・モア』のランクインを確認してスイングジャーナル誌を再評価した。管理人の同士がまだ日本にも残っていた?
 とにかく「ドバーッ」で「イケイケ」で「ノリ一発」なライブ盤の『フォア・アンド・モア』こそがジャズの真髄であり“大暴れするカタルシス”こそが「帝王」マイルス・デイビスだと思うのだから…。

 読者の皆さんも『フォア・アンド・モア』を聴いて,管理人の同志の1人になってください!

人気ブログランキング − 音楽(ジャズ)
livedoor プロフィール

セラビー

記事検索
Categories      日本人は五十音順:外国人はアルファベット順
月別アーカイブ
Keith Jarrett Gallery

キース・ジャレット(真田馨子) おんがく日めくり(c) keiko sanada
Pat Metheny Gallery

パット・メセニー(野々口和仁)
(c) Kazuhito Nonoguchi
ジャズ・アフィリエイト
セラビー厳選CD

パリ・コンサートパリ・コンサート
キース・ジャレット

THE WAY UPTHE WAY UP
パット・メセニー・グループ

イン・ア・サイレント・ウェイイン・ア・サイレント・ウェイ
マイルス・デイビス

HEAVY WEATHERHEAVY WEATHER
ウェザー・リポート

BRAINCOOL STRUTTIN'
ソニー・クラーク

MINT JAMSMINT JAMS
カシオペア

HUMANHUMAN
T-スクェア

LEFT ALONELEFT ALONE
マル・ウォルドロン

フル・ハウスフル・ハウス
ウェス・モンゴメリー

ザ・シーン・チェンジズザ・シーン・チェンジズ
バド・パウエル

セロニアス・モンク・トリオセロニアス・モンク・トリオ
セロニアス・モンク

枯葉枯葉
チェット・ベイカー

MOANIN'MOANIN'
アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ

BLOWIN' THE BLUES AWAYBLOWIN' THE BLUES AWAY
ホレス・シルヴァー

ウィントン・マルサリスの肖像ウイントン・マルサリスの肖像
ウイントン・マルサリス

メイティング・コールMATING CALL
タッド・ダメロン

Blu-spec CD ジャコ・パストリアスの肖像ジャコ・パストリアスの肖像
ジャコ・パストリアス

ザ・キング・イズ・ゴーンザ・キング・イズ・ゴーン
マーカス・ミラー

FIRST MEETINGファースト・ミーティング
テザード・ムーン

スペシャル・エディションSPECIAL EDITION
ジャック・デジョネット

ユー・マスト・ビリーヴ・イン・スプリングYOU MUST BELIEVE IN SPRING
ビル・エヴァンス

ヴァイアティカムVIATICUM
e.s.t.(エスビョルン・スヴェンソン・トリオ)

STEP BY STEPSTEP BY STEP
ステップス

2424
DIMENSION

GANAESIAガネシア
渡辺香津美
カズミ・バンド

FOURPLAYFOURPLAY
フォープレイ

コンプリート・ピック・ヒッツ・ライヴPICK HITS
ジョン・スコフィールド

ニューポートの追想V.S.O.P.
ハービー・ハンコック

アス・スリーUS THREE
ホレス・パーラン

Manhattan StoryBLUE'S MOODS
ブルー・ミッチェル

AFRICAN PIANOOFF TO THE RACES
ドナルド・バード

AFRICAN PIANOAFRICAN PIANO
ダラー・ブランド

Manhattan StoryMANHATTAN STORY
アキコ・グレース

SPELLBOUNDSPELLBOUND
ジョー・サンプル

ランデヴーRENDEZ-VOUS
木住野佳子

RETURN TO FOREVERRETURN TO FOREVER
チック・コリア

BRAINBRAIN
上原ひろみ

イン・ラインIN LINE
ビル・フリゼール

ザ・サウンド・オブ・サマー・ランニングザ・サウンド・オブ・サマー・ランニング
マーク・ジョンソン

スインギン・マケドニアスインギン・マケドニア
ダスコ・ゴイコビッチ

タイム・スレッドTME THREAD
小曽根真 & ゲイリー・バートン

フルーツケーキFRUITCAKE
フルーツケーキ

THE DROPPERTHE DROPPER
メデスキ,マーチン&ウッド

Doin' SomethingDOIN' SOMETHING
ソウライヴ

SALT IISALT II
塩谷哲

Dance Your HeartDANCE YOUR HEART
Saya

地球は愛で浮かんでいる地球は愛で浮かんでいる
松永貴志
アンケートボードA

★当ブログについて望むことは?
アルバム単位で批評してほしい
同じ曲をテイク別に批評してほしい
多くのジャズメンを幅広く批評してほしい
一人のジャズメンを掘り下げて批評してほしい
超有名曲をもらさず批評してほしい
発売直後の新作を批評してほしい
初心者を意識したほんわかサイトにしてほしい
マニアを意識したニッチなサイトにしてほしい
オーディオについて批評してほしい



-Mini Vote-
アンケートボードB
How Much Is Your Blog Worth?

My blog is worth
$38,953.26

How much is your
blog worth?

最新コメント
Copyright (C) 2005-2019 アドリブログ All Rights Reserved.