アドリブログ 〜JAZZ/FUSION批評〜

ジャズ/フュージョン批評ブログ CD, DVD, ALBUM REVIEW, TRACK REVIEW and more

2015年02月

チック・コリア / マッド・ハッター5

MAD HATTER-1 管理人のジャズフュージョン・ファン歴30年を振り返る時,今となっては本当に勿体ないことをした,と思うことが幾つかある。今日はその中でも最大級に自分自身への後悔の念を吐露する回となる予定である。

 な・に・を・懺悔するのですか? それはチック・コリアについてである。長らく管理人はチック・コリアを「凄い」とは思うが「好き」とは思わなかった。
 チック・コリアの新作を発売日当日に購入し,胸ときめかせながらヘッドフォンで聴き込んでいく。これが管理人にとっての「好き」な人への儀式なのだが,チック・コリアが儀式の対象となったのは,ここ10年ぐらいなものである。真に勿体なかった!

 なぜか? その直接の原因が『THE LEPRECHAUN』(以下『妖精』)『MY SPANISH HEART』(以下(『マイ・スパニッシュ・ハート』)『THE MAD HATTER』(以下『マッド・ハッター』)から成る「ファンタジー三部作」の存在である。

 今振り返れば,チック・コリアのアルバムはその半数近くが何らかの「コンセプト・アルバム」である。ゆえに「ファンタジー三部作」だけを目くじら立てて煙たがるのもどうかと思う。
 しかし,どうしてもダメだった。これは,俗に女性がよく口にする「生理的にダメ」というものと同じような感覚? 管理人にとってチック・コリアの“少女漫画のおめめきらきらロマンティック”全開の「ファンタジー三部作」は完全なる「イロモノ」→完全に「アウト」であって,この手の精神世界は全てご遠慮いただいていた。

 特に今夜紹介する「ファンタジー三部作」の3作目『マッド・ハッター』のアルバム・ジャケットがマジ最悪。『不思議の国のアリス』に登場する,そのものズバリの「狂った帽子屋」の半端ないコスプレ臭がプンプン。アキバ系オタクの開祖のようなポートレイト。うわわ…。恐すぎる…。手に取ることすらはばかられる…。

 あれから20年。管理人も歳を取った。おじさんとなった今ならチック・コリアの「ファンタジー三部作」を受け止めることができるはずである。
 時は2009年。『ニュー・クリスタル・サイレンス』のグラミー受賞で,チック・コリアの“隠れファン”を卒業宣言した管理人が,ついに『妖精』『マイ・スパニッシュ・ハート』『マッド・ハッター』を買ってみた。そしてヘッドフォンで聴き込んでみた。

 事の結論はこうである! 「音楽的には最高である! 絶頂である! 駄盤しらずのチック・コリアの全生涯を通じても,あふれんばかりの創造性のピークを迎えている!」。
 「音楽を演奏すると言うよりは“物語を紡ぎ出す”と言う方がしっくりくる! チック・コリアが『MUSIC MAGIC』(先のリターン・トゥ・フォーエヴァーでのアルバム・タイトル)をかけている!」。

 「ファンタジー三部作」の第三弾は『マッド・ハッター』。『マッド・ハッター』のコンセプトは「不思議の国のアリス」であって,ディズニー・アニメとは違う切り口にして(サウンドトラックに関しては)ウォルト・ディズニーを圧倒的に凌駕する“音絵巻のストーリー”が展開されていく。

 『マッド・ハッター』の聴き所は,チック・コリア一連のコンセプト・アルバムの最終作にして完結作の“ファンタジー”フュージョンの完成度! ついにキターッ!
 『妖精』『マイ・スパニッシュ・ハート』のソロ名義「ファンタジー三部作」の2作に加えて,リターン・トゥ・フォーエヴァー名義の『浪漫の騎士』『ミュージックマジック』を経由して,チック・コリアが「試しに試し,練りに練り上げた」コンセプト・アルバムとしての完成度! チック・コリアの“ファンタジー”フュージョン,ここに究めたり〜!

MAD HATTER-2 自分の頭の中にある「不思議の国のアリス」のサウンド・イメージを具現化すべく,手持ちの全ての楽器と交友関係を総動員してジャズ・アルバムへと仕立てあげるチック・コリアのフィーリングが,真に天才的!

 一連の“ストーリー・テラー”としての枠組みの中に,ハイ・テンションなアドリブが違和感なく組み込まれている。事前に書き込まれたコンセプト部分とその場の即興部分のバランスが秀逸。アルバム単位で見渡してもトラック単位で見渡しても,かなり洗練された設計図が確認できる。
 そう。『マッド・ハッター』は『MY SPANISH HEART』なチック・コリアが建設中の“音楽のサクラダファミリア”なのであろう。

 4ビートも8ビートも難なくこなすトリオ,あるいはカルテットを中心に,ホーンストリングスの味付け,シンセサイザーのマルチ録音によるオーケストラ的なサウンド,フローラ・プリムでは出せないゲイル・モランスキャットボーカルを導入して,ジャズをベースに,ロック,クラシック,オペラ,映画音楽の要素をも呑み込んだ,前人未到の“ファンタジー”フュージョン

 ソロとバンドの“二足の草鞋”を履き替えながら,浮かんだアイディアを即アルバム化してしまう,チック・コリア流“クラッシュ・アンド・ビルド”は『マッド・ハッター』を最後に一応の落ち着きを見せる。
 もしや“音楽のサクラダファミリア”『マッド・ハッター』の建設に100%で取り掛かるためにチック・コリアリターン・トゥ・フォーエヴァーを手放したのかもしれない。

 片手間でも思いつきでもく,あのリターン・トゥ・フォーエヴァーを解散させてまで作り込んだ『マッド・ハッター』に対するチック・コリアの熱き思い。
 『マッド・ハッター』に対するチック・コリアの絶対的な自信は,自宅を改装したスタジオを「マッド・ハッター・スタジオ」と命名しかことからも窺い知ることができる。

 『マッド・ハッター』は,チック・コリアの大量の名盤群のなかでも音楽的には最高レベル! あんなアルバム・ジャケットにしたのに星5つ! 普通のアルバム・ジャケットであれば星6つ?

  01. THE WOODS
  02. TWEEDLE DEE
  03. THE TRIAL
  04. HUMPTY DUMPTY
  05. PRELUDE TO FALLING ALICE
  06. FALLING ALICE
  07. TWEEDLE DUM
  08. DEAR ALICE
  09. THE MAD HATTER RHAPSODY

(ポリドール/POLYDOR 1978年発売/UCCM-3060)
(ライナーノーツ/藤本史昭)

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ザ・プレイヤーズ / ギャラクシー5

GALAXY-1 J−ジャズ界のスタジオ・ミュージシャンが集結したフュージョン・バンドの「ザ・プレイヤーズ」。
 実力者揃いゆえ,随所に各メンバーの主役級の個性が光り最高にスリリングな「伝説」のフュージョン・バンド。

 そう。誰が呼んだか「ザ・プレイヤーズ」は“日本のウェザー・リポート”。スタジオ・ミュージシャン上がりのバンドと来れば,ウェザー・リポートよりもスタッフの名前が上がりそうに思えるものだが,聴いて納得してしまった。
 この色気こそ,ミロスラフ・ヴィトウスを擁した「集団即興演奏」時代のウェザー・リポートが放つ色気。なるほどなるほど。

 「ザ・プレイヤーズ」=前・コルゲン・バンド鈴木宏昌なので,鈴木宏昌1人が突出して評価されているが,聴いていて面白いのはフロント以上に“しなやかな”リズム隊である。
 ギター松木恒秀ベース岡沢章ドラム渡嘉敷祐一パーカッション穴井忠臣が生み出すリズムが“生きている”。

 キーボード鈴木宏昌ジョー・ザビヌルっぽい! サックス山口真文ウェイン・ショーターっぽい! ギターベースドラムパーカッションの4人が揃ってミロスラフ・ヴィトウスっぽい!
 一度そのようにすり込まれてしまったが最後。「ザ・プレイヤーズ」に“日本のウェザー・リポート”を思い重ねてしょうがない!

 『GALAXY』(以下『ギャラクシー』)には,初期ウェザー・リポートが発していた「独特の浮遊感」が漂っている。松木恒秀岡沢章渡嘉敷祐一穴井忠臣のキレ! メリハリ! 重厚感! 凄い!
 “生きた”リズムに思わず聴き入ってしまう。リズムが連綿とクリエイトしている。静と動が高密度で調和している。カシオペアスクェアにはない“タイトな渋み”を堪能できる。R15の子供は聴くことを禁じられている,真に大人なフュージョン・サウンドに接した気分で一人大興奮してしまう。うおうおうお〜!

GALAXY-2 そのものズバリでフォーマットの固まらないJ−フュージョンの黎明期を代表する名盤ギャラクシー』。現代の耳で批評すると「ダサカッコイイ音」になるのだろうが「ザ・プレイヤーズ」の“しなやかな”アドリブには「音の美学」を感じさせる“何か”が詰まっている。
 カシオペアスクェアでは感じることのできない「何か」。この「何か」は“日本のウェザー・リポート”という表現でしか伝えようがない。

 『ギャラクシー』の重い重い衝撃。「ザ・プレイヤーズ」の演奏を聴く度に今でもいつでも「心を打たれてしまう」。「ザ・プレイヤーズ」の「音の美学」に感動してしまう。
 コルゲンさんがJ−フュージョンの「伝説」になって良かった!

  01. GALAXY
  02. IN YOUR MIND
  03. UNSWEETENED
  04. KALEIDOSCOPE
  05. HEAVENLY MAIDEN
  06. MAGIC LAMP
  07. SUNNY SIDEWALK
  08. MISTY MOONLIGHT

(CBSソニー/CBS/SONY 1979年発売/SICP 10052)
(☆SACDハイブリッド盤仕様)
(紙ジャケット仕様)
(ライナーノーツ/内田修)

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リターン・トゥ・フォーエヴァー / ザ・コンプリート・コンサート5

RETURN TO FOREVER LIVE:THE COMPLETE CONCERT-1 『RETURN TO FOREVER LIVE:THE COMPLETE CONCERT』(以下『ザ・コンプリート・コンサート』)は「拡大版」と称される「第3期」リターン・トゥ・フォーエヴァーの“拡大版の拡大版”で,ついに10人体制となった“百花繚乱”のライブ盤。

 チック・コリアスタンリー・クラークインタープレイが前面に出た『MUSICMAGIC』のフォロー・ツアーゆえに,10人による“スモール・コンボ”テイストのライブなのだが,ライブゆえの長尺の演奏が真に面白い!

 主役の2人=チック・コリアスタンリー・クラークの“超絶技巧”が大爆発。ビッグ・バンドに“お膳立てされた”ステージとはいえ,ビッグ・バンドを手なずけ,意のままに操り,チック・コリアが不意にシンセから生ピアノに戻ったり,スタンリー・クラークヴォーカル・パートをピッコロ・ベースで歌ったりと「ここまでやりたい放題やるか〜」的な“傍若無人”なステージングが圧倒的!
 “天才”に整えられた環境が与えられたらどうなるかを証明する大名演の1つであろう。

 しかし,管理人は『ザ・コンプリート・コンサート』をチック・コリアスタンリー・クラークの“傍若無人”目当てでは聴いていない。
 ズバリ『ザ・コンプリート・コンサート』の聴き所は,ほんの気持ち程度のソロ・スペースが与えられた他の8人の大逆襲! これぞ“喰うか食われるか”的なジャズの醍醐味である!

RETURN TO FOREVER LIVE:THE COMPLETE CONCERT-2 『MUSICMAGIC』で,あれだけ“軽やかな”ユニゾンを披露したリターン・トゥ・フォーエヴァーの“拡大版の拡大版”の“百花繚乱”のライブ

 サックスフルートジョー・ファレルキーボードヴォーカルゲイル・モランは別格として,満員御礼の晴れの舞台で“下剋上”を図る“鉄壁のブラス隊”5人衆がステージ上で踊っていた。

 トランペットジョン・トーマスジェイムス・ティンズレートロンボーンジム・ピューハロルド・ギャレット,そしてこのツアーのために帯同したトロンボーンロン・モスが“手加減なし”で攻め上がる!
 掴みきれそうで掴みきれやしなかった,抽象的な『MUSICMAGIC』の路線をさらに掘り下げたかのような,チック・コリアの“お株を奪う”イマジネーション溢れるアドリブが素晴らしい。

RETURN TO FOREVER LIVE:THE COMPLETE CONCERT-3 面白いのはこの5人の音圧,というか5人のテンションが非常に高く,ソロ・スペースでの「煽り」がアンサンブルまで延長し波及している部分がある。この音の厚みは10人編成? とても5人のユニゾンとは思えない。
 チック・コリアシンセサイザーと相まって実際の人数以上の,それは豊かな豊かなブラスなのである。

 つまりチック・コリアにとっては「エレクトリック・バンド」が「2期」リターン・トゥ・フォーエヴァーの再結成であり「オリジン」が「3期」リターン・トゥ・フォーエヴァーの再結成なのである。
 ゆ・え・に・管理人は「オリジン」も支持するのです。

RETURN TO FOREVER LIVE:THE COMPLETE CONCERT-4 とにもかくにも“スーパー”フュージョン・グループ,リターン・トゥ・フォーエヴァーは「双頭バンド」としての正体を露わに,チック・コリアスタンリー・クラークデュエット曲【オン・グリーン・ドルフィン・ストリート】で“熱狂の幕”を閉じるのであった。
 この最後の最後のアンコール演奏が五臓六腑に染み渡る。いいんだよなぁ,これがっ!

  DISC 1
  01. OPENING '77
  02. THE ENDLESS NIGHT
  03. CHICK COREA:SPOKEN INTRO OF THE
     MUSICIAN

  04. THE MUSICIAN

  DISC 2
  01. STANLEY CLARKE:SPOKEN INTRO TO THE
     HERRO AGAIN/SO LONG MICKEY MOUSE

  02. HERRO AGAIN
  03. SO LONG MICKEY MOUSE
  04. MUSICMAGIC

  DISC 3
  01. COME RAIN OR COME SHINE/FINE AND DANDY
  02. STANLEY CLARKE:SPOKEN INTRO TO
     SERENADE

  03. SERENADE
  04. CHICK COREA:SPOKEN INTRO TO THE
     MOORISH WARRIOR AND SPANISH PRINCESS

  05. THE MOORISH WARRIOR AND SPANISH
     PRINCESS

  06. STANLEY CLARKE:SPOKEN INTRO TO CHICK
     COREA'S PIANO SOLO

  07. CHICK'S PIANO SOLO
  08. SPANISH FANTASY
  09. ON GREEN DOLPHIN STREET

(ソニー/SONY 1978年発売/SICP 20305〜7)
(ライナーノーツ/山田順一,チック・コリア,ボブ・ベルデン)
(CD3枚組)
(紙BOXセット仕様)
(☆BLU−SPEC CD仕様)

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山中 千尋 / スティル・ワーキング4

STILL WORKING-1 『興奮が,とまらない。幾多の賞賛を受けた『レミニセンス』。一枚に収まりきれなかったトラック・別テイクを集め,セッションの全貌がいま明らかになる。あの感動は,終わらない』。

 これは山中千尋の5曲入り「ミニ・アルバム?」=『STILL WORKING』(以下『スティル・ワーキング』)のCD帯のコピーである。実に的確なコピーだと思う。

 やれミニ・アルバムはダメだ。やれアルバムにコンセプトがないのはダメだ。やれ没テイクを世に問うてはダメだ…。管理人の周りでは『スティル・ワーキング』については否定的な意見をよく耳にする。
 管理人も山中千尋ユニバーサルの売り出し方にはいちもつ意見を持っている。特にAKB商法のパクリであるジャケット違いの4種類同時発売などエゲツない。即刻やめてほしい。

 しかし,今回の『スティル・ワーキング』の発売についてはユニバーサルを支持する。理由は上記の名コピーと同じだからである。『興奮が,とまらない。あの感動は,終わらない』なのだ。

 血迷ってはならない。『スティル・ワーキング』は『レミニセンス』の「ジャケット違いの中身は同じ」ではないのだ。
 山中千尋の新録音が聴ける。それも山中千尋オルガンローズの演奏が聴ける。これこそ「諸手を挙げての大歓迎」が筋ではなかろうかっ! エセ・山中千尋・ファンは黙ってろっ!
 ( まっ,ここまで鼻息荒い大傑作ではないのだけれど… )。

 本当に本当で『スティル・ワーキング』を『レミニセンス』に収録したらどうなるか? こうなれば“共倒れ”必至だったことだろう。
 収録トラックの個性別に編集し『レミニセンス』と『スティル・ワーキング』を別々にパッケージする。これぞ最善の選択である。これぞ古くから存在する「名盤への公式」なのである。
 ブルーノート名盤も,マイルス・デイビス名盤も,現代でだって,あのパット・メセニーブラッド・メルドーだってそうである。ちーたんがそうやったからって何なんだっ!

STILL WORKING-2 “攻撃的な”ちーたんが爆発する,ハモンド・オルガンの「ノリとスピード感」な【FRIDAY NIGHT AT THE CADILLAC CLUB】とフェンダー・ローズで「ファンキー」している【WHEN LIGHTS ARE LOW】。“ジャズ・ピアニストな”山中千尋が「しっとり」聴かせる【THE ISLAND】。“エレガント”な千尋嬢の「小川のせせらぎ」【PRELUDE】。『レミニセンス』とは別テイクの【RAIN,RAIN AND RAIN】の「ぴちぴちちゃぷちゃぷらんらん♪」の聴き比べがこれまた最高に楽しい。

 久々に電化ちーたんの“毒霧”にやられてしまった『スティル・ワーキング』は,最高レベルに「美形」なジャケット写真の暗示だろうか? 「美しい花にはトゲがある」!

  01. Friday Night At The Cadillac Club
  02. When Lights Are Low
  03. The Island
  04. Prelude
  05. Rain, Rain And Rain (Alternate Version)

(ヴァーヴ/VERVE 2012年発売/UCCJ-2096)
(☆SHM−CD仕様)

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リターン・トゥ・フォーエヴァー / ミュージックマジック4

MUSICMAGIC-1 リターン・トゥ・フォーエヴァーチック・コリアスタンリー・クラークの「双頭バンド」で間違いない。

 ただし,リターン・トゥ・フォーエヴァーチック・コリアスタンリー・クラークの「双頭バンド」になったのは「拡大版」と称される「第3期」リターン・トゥ・フォーエヴァーになってのことである。

 「第1期」「第2期」はチック・コリアのワンマン・バンドか,あるいはメンバー全員の意見を採り入れる民主的な共同運営のどちらかであって,チック・コリアスタンリー・クラークの“双頭バンドの蜜月”は「第3期」になってからなのである。

 管理人がそう強く思うようになったのは「第3期」リターン・トゥ・フォーエヴァーにメンバーとして参加したチック・コリアの実の奥様=ゲイル・モランの存在である。ゲイル・モランは素晴らしいミュージシャンである。音楽的にもチック・コリアの片腕になって然るべきであろう。
 しかし,チック・コリアという人は「第3期」リターン・トゥ・フォーエヴァーでは,音楽的パートナーとしてゲイル・モランではなくスタンリー・クラークを選んでいる。

 『MUSICMAGIC』(以下『ミュージックマジック』)は,総勢9名の「拡大版」リターン・トゥ・フォーエヴァー唯一のスタジオ録音。ゆえに“鉄壁のアンサンブル”が際立つ名盤である。
 音楽的なハマリ具合が“お見事”すぎて,雰囲気としては“ビッグ・バンド寄り”を通り越し“日本の昭和歌謡”のように聞こえてしまう。基本,全曲が「歌もの」であり,ロマンティック路線の大衆向けで万人向けな文句なしのメロディー・ライン。一言で表わせば“売れ線”である。

 だ・か・ら・最初は“売れ線”の『ミュージックマジック』が嫌いだった。やっぱりチック・コリアは“イロモノ”だと思った。
 しかし『ミュージックマジック』を繰り返し聴き込むうちに“鉄壁のアンサンブル”&“売れ線”の陰に隠れていた「拡大版」リターン・トゥ・フォーエヴァーの真の姿が見えてきた。

 「第3期」リターン・トゥ・フォーエヴァーは「1期」「2期」よりも大編成なコンボでありながら,実質的には「1期」「2期」よりも小編成なコンボである。
 9人編成でありながら,チック・コリアスタンリー・クラークを除く7人にクリエイティブな演奏は求められていない。求められているのはチック・コリアスタンリー・クラークインタープレイを「邪魔せずお膳立てしながら刺激する」こと。まっ,これはこれで相当な難題であったことでしょうけど…。

MUSICMAGIC-2 だ・か・ら『ミュージックマジック』! チック・コリアスタンリー・クラークインタープレイの“蜜月”が花開くようにと,知恵を絞ってアレンジした“音楽の魔法のレシピ”!

 ねっ,「拡大版」リターン・トゥ・フォーエヴァーは軽いでしょう? 軽く聞こえるようにブラス隊にタイトに吹かせている。
 ブラス隊の彩りがチック・コリアシンセの一部のようでしょ? ブラス隊が煌びやかに聞こえるようにキレを重視している。一糸乱れぬユニゾンを多用している。
 この土台の上で,チック・コリアスタンリー・クラークが“売れ線”の「歌もの」で花開くインタープレイ

 ズバリ『ミュージックマジック』の聴き所は,有機的に連動するチック・コリアスタンリー・クラークだけの音像のイメージ!
 2人だけの抽象的な音像ゆえに,他の7人のメンバーも(勿論,私たちリスナーも)中々掴めそうで掴めやしない! ジャケットのイラストに描かれているように,海のものとも山のものともつかない音像のイメージが飛び出してくる!

 廻り回って“日本の昭和歌謡”のように聞こえてしまうかもですよ? いや〜,奥深い! 『ミュージックマジック』は奥深い!

  01. The Musician
  02. Hello Again
  03. Musicmagic
  04. So Long Mickey Mouse
  05. Do You Ever
  06. The Endless Night

(ソニー/SONY 1977年発売/SRCS 7044)
(ライナーノーツ/小川隆夫)

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チック・コリア / マイ・スパニッシュ・ハート4

MY SPANISH HEART-1 管理人のジャズフュージョン・ファン歴30年を振り返る時,今となっては本当に勿体ないことをした,と思うことが幾つかある。今日はその中でも最大級に自分自身への後悔の念を吐露する回となる予定である。

 な・に・を・懺悔するのですか? それはチック・コリアについてである。長らく管理人はチック・コリアを「凄い」とは思うが「好き」とは思わなかった。
 チック・コリアの新作を発売日当日に購入し,胸ときめかせながらヘッドフォンで聴き込んでいく。これが管理人にとっての「好き」な人への儀式なのだが,チック・コリアが儀式の対象となったのは,ここ10年ぐらいなものである。真に勿体なかった!

 なぜか? その直接の原因が『THE LEPRECHAUN』(以下『妖精』)『MY SPANISH HEART』(以下(『マイ・スパニッシュ・ハート』)『THE MAD HATTER』(以下『マッド・ハッター』)から成る「ファンタジー三部作」の存在である。

 今振り返れば,チック・コリアのアルバムはその半数近くが何らかの「コンセプト・アルバム」である。ゆえに「ファンタジー三部作」だけを目くじら立てて煙たがるのもどうかと思う。
 しかし,どうしてもダメだった。これは,俗に女性がよく口にする「生理的にダメ」というものと同じような感覚? 管理人にとってチック・コリアの“少女漫画のおめめきらきらロマンティック”全開の「ファンタジー三部作」は完全なる「イロモノ」→完全に「アウト」であって,この手の精神世界は全てご遠慮いただいていた。

 特に今夜紹介する「ファンタジー三部作」の2作目『マイ・スパニッシュ・ハート』のアルバム・ジャケットがマジ最悪。本人はスペイン貴族で貴公子気取りのつもり? 闘牛士のつもり? 管理人が連想したのは,多くの奇行や逸話が「スペインの恥じ伝説」として語られるサルバドール・ダリである。うわわ…。恐すぎる…。手に取ることすらはばかられる…。

 あれから20年。管理人も歳を取った。おじさんとなった今ならチック・コリアの「ファンタジー三部作」を受け止めることができるはずである。
 時は2009年。『ニュー・クリスタル・サイレンス』のグラミー受賞で,チック・コリアの“隠れファン”を卒業宣言した管理人が,ついに『妖精』『マイ・スパニッシュ・ハート』『マッド・ハッター』を買ってみた。そしてヘッドフォンで聴き込んでみた。

 事の結論はこうである! 「音楽的には最高である! 絶頂である! 駄盤しらずのチック・コリアの全生涯を通じても,あふれんばかりの創造性のピークを迎えている!」。
 「音楽を演奏すると言うよりは“物語を紡ぎ出す”と言う方がしっくりくる! チック・コリアが『MUSIC MAGIC』(後のリターン・トゥ・フォーエヴァーでのアルバム・タイトル)をかけている!」。

 「ファンタジー三部作」の第二弾は『マイ・スパニッシュ・ハート』。『マイ・スパニッシュ・ハート』のコンセプトは「スペイン魂」であって,アルバム全体を貫く「ラテンの血」が“音絵巻のストーリー”として展開されていく。

MY SPANISH HEART-2 『マイ・スパニッシュ・ハート』の聴き所は,チック・コリアスペインへの恋焦がれるかのような“憧れの音”。
 リターン・トゥ・フォーエヴァーの大名曲【LA FIESTA】や【SPAIN】のような,ストレートにスペインのエッセンスを取り入れたフュージョンではなく,スペインを思い浮かべながら描いた紛れもないチック・コリア流“ファンタジー”フュージョン

 恋焦がれるかのような“憧れの音”なはずなのに,理性や知性で綿密に構成が練られている。
 そう。『マイ・スパニッシュ・ハート』は「チック・コリアスペインに対する音楽でのラヴ・レター」なのである。

 “スパニッシュなテイスト”を前面に押し出した『マイ・スパニッシュ・ハート』の音楽的なコンセプトは,ブラジリアンのジョー・ファレルアイアート・モレイラフローラ・プリムをフューチャーした「第一期リターン・トゥ・フォーエヴァー」の延長線上に位置する傑作だと思う。

 しかし類似のコンセプトを有するにしても,ECMポリドールにおける音造りの違いは大きく『リターン・トゥ・フォーエヴァー』が,澄み渡る空気感・透明感の“不思議な浮遊体験サウンド”であるとするならば『マイ・スパニッシュ・ハート』は,お酒飲んで踊り出したくなるくらいに“情熱的で明るく陽気なサウンド”である。
 『マイ・スパニッシュ・ハート』には,かなりお茶目なチック・コリアの“お人柄”が音の個性として現われている。

 繰り返すが『マイ・スパニッシュ・ハート』は,チック・コリアの大量の名盤群のなかでも音楽的には最高レベル! でもやっぱり星は4つ! 惜しまれるべきは,なぜあんなアルバム・ジャケットにしたのだろうか?

  01. Love Castle
  02. The Gardens
  03. Day Danse
  04. My Spanish Heart
  05. Night Streets
  06. The Hilltop
  07. Wind Danse
  08. Armando's Rhumba
  09. Prelude To El Bozo
  10. Bozo, Part I
  11. Bozo, Part II
  12. Bozo, Part III
  13. Spanish Fantasy, Part I
  14. Spanish Fantasy, Part II
  15. Spanish Fantasy, Part III
  16. Spanish Fantasy, Part IV

(ポリドール/POLYDOR 1976年発売/POCJ-1980)
(ライナーノーツ/寒川光一郎)

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★☆ 業務連絡 ☆★ 伝言板

業務連絡:
今回は「大阪の名無しの権兵衛さま」への伝言です。

 本日,大阪市発大分市経由で神戸産の貴重なお土産を2つ受け取りました。中身を開いて“ビックリたまげて”しまいました。
 心より感謝申し上げます。

 互いに顔も名前も知らないのですが,私の中では勝手に古くからの友人のように感じてしまっています。
 いつの日かお会いできる機会を楽しみにしています。

 これがHNで繋がるブログの宿命だと納得してはおりますが,できればリアルに連絡が取れるとありがたいです。ブログだからこそ広がる交友も楽しんでみたいのです。

 私の方へはコメントであったり(コメントは承認制ですので,ご希望であれば非公開OK)ライブドア・プロフィールからのメールであったりと,不特定の読者の皆さんから匿名で連絡をいただくことが多々あります。
 よろしければ直接お礼を述べさせていただいて,それからはオフ会で!?

 アドリブをログするブログ,それがアドリブログ。


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2014/02/15 追記しました。続きもご覧ください。

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チック・コリア / 妖精4

THE LEPRECHAUN-1 管理人のジャズフュージョン・ファン歴30年を振り返る時,今となっては本当に勿体ないことをした,と思うことが幾つかある。今日はその中でも最大級に自分自身への後悔の念を吐露する回となる予定である。

 な・に・を・懺悔するのですか? それはチック・コリアについてである。長らく管理人はチック・コリアを「凄い」とは思うが「好き」とは思わなかった。
 チック・コリアの新作を発売日当日に購入し,胸ときめかせながらヘッドフォンで聴き込んでいく。これが管理人にとっての「好き」な人への儀式なのだが,チック・コリアが儀式の対象となったのは,ここ10年ぐらいなものである。真に勿体なかった!

 なぜか? その直接の原因が『THE LEPRECHAUN』(以下『妖精』)『MY SPANISH HEART』(以下(『マイ・スパニッシュ・ハート』)『THE MAD HATTER』(以下『マッド・ハッター』)から成る「ファンタジー三部作」の存在である。

 今振り返れば,チック・コリアのアルバムはその半数近くが何らかの「コンセプト・アルバム」である。ゆえに「ファンタジー三部作」だけを目くじら立てて煙たがるのもどうかと思う。
 しかし,どうしてもダメだった。これは,俗に女性がよく口にする「生理的にダメ」というものと同じような感覚? 管理人にとってチック・コリアの“少女漫画のおめめきらきらロマンティック”全開の「ファンタジー三部作」は完全なる「イロモノ」→完全に「アウト」であって,この手の精神世界は全てご遠慮いただいていた。

 特に今夜紹介する「ファンタジー三部作」の1作目『妖精』のアルバム・ジャケットがマジ最悪。ハレンチ男で有り得ない。半端ないコスプレ臭がプンプン。どこから見ても志茂田景樹の世界であり,とんねるずのホモオダホモオを連想してしまう。うわわ…。恐すぎる…。手に取ることすらはばかられる…。

 あれから20年。管理人も歳を取った。おじさんとなった今ならチック・コリアの「ファンタジー三部作」を受け止めることができるはずである。
 時は2009年。『ニュー・クリスタル・サイレンス』のグラミー受賞で,チック・コリアの“隠れファン”を卒業宣言した管理人が,ついに『妖精』『マイ・スパニッシュ・ハート』『マッド・ハッター』を買ってみた。そしてヘッドフォンで聴き込んでみた。

 事の結論はこうである! 「音楽的には最高である! 絶頂である! 駄盤しらずのチック・コリアの全生涯を通じても,あふれんばかりの創造性のピークを迎えている!」。
 「音楽を演奏すると言うよりは“物語を紡ぎ出す”と言う方がしっくりくる! チック・コリアが『MUSIC MAGIC』(後のリターン・トゥ・フォーエヴァーでのアルバム・タイトル)をかけている!」。

 「ファンタジー三部作」の第一弾は『妖精』。『妖精』のコンセプトは「妖精」であって,アルバム全体を貫く「妖精」と出会い触れ合う“音絵巻のストーリー”が展開されていく。

 『妖精』の聴き所は,チック・コリアベースを弾くとしたら,チック・コリアドラムを叩くとしたら的な,全編チック・コリア“がかった”(神掛かった)演奏にある。
 チック・コリアマイルス・スクールの卒業生。いい感じにマイルスっぽい!

THE LEPRECHAUN-2 この点が同時期に“二足の草鞋”として活動していた「リターン・トゥ・フォーエヴァー」との差別化であって“俄然”面白い。『浪漫の騎士』も一種のコンセプト・アルバム的な音作りがなされているが,やはりバンド名義の演奏は4人の個性が色濃く出されているが,こちらのソロ名義の演奏は没個性。完全なるチック・コリアソロ・アルバム仕様に仕上げられている。

 “一人多重録音”でもいけそうなのに,そうしなかったのが“コンポーザー兼バンド・リーダー”としてのチック・コリアの“天才”の証し!
 チック・コリアのメンバーとの共有力,共感力,つまりは統率力が素晴らしいと思う。

 それぞれがソロイストとしても大活躍の,あのジョー・ファレルが,あのエディ・ゴメスが,あのアンソニー・ジャクソンが,あのスティーブ・ガッドが,自分の我を張らずに,チック・コリアの頭の中の音を鳴らしていく!

 この全てこそが“アレンジャー兼キーボード・プレイヤー”としてのチック・コリアの“天才”の証し!
 「妖精」というコンセプトを考えながら,1曲毎にそれぞれの場面に適したソロを配置する。それを1枚のアルバムとしてそれぞれの場面に適した曲順で配置する。結果「妖精」というコンセプトが具現化している。

 当然ながら,演奏面におけるチック・コリアの縦横無尽で大車輪の働きぶりが凄い! チック・コリアシンセサイザーから放たれる,あの音色とフレージングは当代随一! ヴォーカルブラスストリングスを起用した理由が分かるくらいに,シンセサイザーの「過剰ではなく適度な使用」が音が「妖精」コンセプトのダイナミクスにつながっている。

 繰り返すが『妖精』は,チック・コリアの大量の名盤群のなかでも音楽的には最高レベル! でもやっぱり星は4つ! 惜しまれるべきは,なぜあんなアルバム・ジャケットにしたのだろうか?

  01. IMP'S WELCOME
  02. LENORE
  03. REVERIE
  04. LOOKING AT THE WORLD
  05. NIGHT SPRITE
  06. SOFT AND GENTLE
  07. PIXILAND RAG
  08. LEPRECHAUN'S DREAM

(ポリドール/POLYDOR 1976年発売/POCJ-2189)
(ライナーノーツ/ジョン・エフランド,チック・コリア)

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アヴィシャイ・コーエン / ディヴォーション4

DEVOTION-1 オリジンの3枚目のアルバムが聴ける。
 それは「チック・コリアオリジン」名義ではなく,アヴィシャイ・コーエン名義の『DEVOTION』(以下『ディヴォーション』)がそれである。

 『ディヴォーション』は,活動を休止したはずの「チック・コリアオリジン」そのもの。「アヴィシャイ・コーエンオリジン」の音楽そのものだと思う。
 『ディヴォーション』のレコーディング・メンバーには,スティーヴ・ディヴィスジェフ・バラードの元「オリジン」・メンバーのクレジット。「オリジン」が事実上,アヴィシャイ・コーエンソロ・アルバムで復活を遂げている。

 アヴィシャイ・コーエンを聴いて,直結する「オリジン」特有の感覚は,チック・コリアが全面協力した『ADAMA』でも感じ得たものだったが,この『ディヴォーション』から漂う「オリジン」特有の感覚は,アヴィシャイ・コーエンの書くメロディ・ラインとベース・ラインに多くを負っている。

 アヴィシャイ・コーエンの書くメロディ・ラインは,キャッチーではないのだが耳残りが激しい。恐らく作曲のテクニックがあって,例えば起承転結があって,とかの技術的なウンヌンを超えたレベルで創作されている。音の節々から“キシミ”が聴こえてくる。

DEVOTION-2 今でこそ“ベーシスト”しているアヴィシャイ・コーエンだが,彼のルーツは元ピアニスト。この辺の繊細な感覚がアヴィシャイ・コーエンの音使いに影響しているのか,アドリブの組み立て方が,中音域をまんべんなく用いるワイドレンジ指向で素晴らしい。

 サスティンが短く,時に速いパッセージをスタッカート気味に刻んでいる。従来の4ビートのウォーキングに全く支配されない音列とリフ・パターンが絡み合う,ベース・ラインからの「哀愁のメロディ・ライン」が素晴らしい。

 実はこの辺りの感覚が「オリジン」特有の感覚と直結する要因だと思うが,とにかく困惑させられる。なんでここでこんなメロディが出て来るのだろうか?
 でも,聴き込んでいるうちに,いつしか“しっくり来ている”自分がいる。アヴィシャイ・コーエンが『ディヴォーション』で表現した幾枚ものベールがかかったイスラエルのジャズ。実はこれが,王道ジャズ,なのである。

  01. EL CAPITAN & THE SHIP AT SEA (Dedicated to
     Horace Silver)

  02. THE GIFT (Dedicated to Chick Corea)
  03. BASS SUITE #3 PART 1 (Dedicated to Galia Luz)
  04. OT KAIN
  05. ANGELS OF PEACE
  06. TI DA DOO DI DA
  07. LINDA DE MI CORAZON
  08. DEEP BLUE
  09. IGOR
  10. SLOW TUNE
  11. NEGRIL
  12. MUSA
  13. CANDELA CITY
  14. BASS SUITE #3 PART 2
  15. ALTONSIA

(ストレッチ・レコード/STRETCH RECORDS 1999年発売/MVCL-24015)
(ライナーノーツ/小川隆夫)

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アヴィシャイ・コーエン / アダマ4

ADAMA-1 『ADAMA』(以下『アダマ』)を聴いて「オリジン」とは「チック・コリアオリジン」ではなく「アヴィシャイ・コーエンオリジン」であったことを痛感した。

 チック・コリアの大ファンの皆さん,ごめんなさい。しかし,チック・コリアの大ファンの皆さんと同じ立場をして,この発言であることをご容赦ください。
 チック・コリアは素晴らしいのです。アヴィシャイ・コーエンのような“天才”をまたもや発掘したのだから凄い眼力の持ち主に違いないのです。

 思うに,きっと読者の皆さんもチック・コリアのように感じた瞬間がありませんか? つまりアヴィシャイ・コーエンの「ベース主導」のアンサンブルに身を委ねてしまいたくなるような…。
 正直,管理人はアヴィシャイ・コーエンの“天才肌”が苦手です。ベーシストとしてのアヴィシャイ・コーエンはそれなりに好きなのですが「ベース主導」のアヴィシャイ・コーエンの音楽性,彼の世界観がいまいち肌に合わないんだよなぁ。

 ゆえに『アダマ』もチック・コリアブラッド・メルドー目当てで購入。しかし『アダマ』を聴いているうちに,自然とチック・コリアブラッド・メルドーではなく,アヴィシャイ・コーエンベースばかりを耳で追う自分に気付く。

 そう。アヴィシャイ・コーエンジャズの枠を飛び越えた多彩なプレイのベーシストベース1本で音楽を感じさせてくれる。
 いや〜,参ったなぁ。流石に“チック・コリアを袖にした”ベーシストだけのことはあるよなぁ。とにかく「凄いヤツが出てきたな」。そんな感想で頭が一杯になってしまうのである。
 まぁ,こんなことはたまにある。繰り返し聴き込んでいくにつれ,徐々に音楽が評価が定まってくる。はずなのだったが…。

ADAMA-2 『アダマ』は,どうにもこうにも“オリエンタルでエキゾティックな民族音楽”! アヴィシャイ・コーエン・オリジナルのNY最先端の美メロがウードリュートといったアラビアの類の伝統的な楽器で表現される! これがイスラエルのジャズというものなのか!? 何回聴いても面喰う!

 そんな“フワフワ”とした感覚の中で,管理人の頭の中に明確に浮かんだイメージこそが「チック・コリアオリジン」であった。この無意識に「オリジン」を連想したという事実は管理人にとって,とてつもなく大きく重い一大事。
 もはや自分の中で「オリジン」というバンドは,チック・コリアのバンドではなくアヴィシャイ・コーエンのバンドになってしまった。

 “チック・コリアを袖にした”結果,ジャズの表舞台から姿を消したアヴィシャイ・コーエンであったが,今やアヴィシャイ・コーエンの大復活! アヴィシャイ・コーエンが覇権を握り“ヴイヴイ”言わす時代が10年がかりで到来した!
 それくらいのメガトン・パンチ=『アダマ』恐るべし! アヴィシャイ・コーエン恐るべし!

  01. Ora
  02. Madrid
  03. Bass Suite #1
  04. Reunion of the Souls
  05. Dror
  06. No Change
  07. Bass & Bone Fantasy
  08. Adama
  09. Bass Suite #2
  10. Besame Mucho
  11. Gadu
  12. Ace of Bass
  13. When I Fall in Love
  14. Jasonity

(ストレッチ・レコード/STRETCH RECORDS 1998年発売/MVCL-24007)
(ライナーノーツ/小川隆夫)

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スイングジャーナル読者が選ぶジャズ名盤ベスト100-13

 スイングジャーナル誌2001年1月号で実施された読者アンケート企画「21世紀に残したい読者が選ぶ名盤ベスト100」のスーパーカウントダウン。それが「スイングジャーナル読者が選ぶジャズ名盤ベスト100」。
 今回は36〜40位の発表です。

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ザ・シーン・チェンジズ★40.ザ・シーン・チェンジズ
バド・パウエル


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ソニー・ロリンズ VOL.2★39.ソニー・ロリンズ VOL.2
ソニー・ロリンズ


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ワード・オブ・マウス★38.ワード・オブ・マウス
ジャコ・パストリアス


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チャーリー・パーカー・ストーリー・オン・ダイアル VOL.1★37.チャーリー・パーカー・ストーリー・オン・
ダイアル VOL.1
チャーリー・パーカー


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スピーク・ライク・ア・チャイルド★36.スピーク・ライク・ア・チャイルド
ハービー・ハンコック


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 「ベース界の革命児」「世界一のベーシスト」であったジャコパスが“ト−タル・ミュージシャン”ジャコ・パストリアスとして才能を示した『ワード・オブ・マウス』。

 『ワード・オブ・マウス』を名盤として受け入れられるまでには,多少の時間が必要である。
 フュージョン好き,そしてウェザー・リポート好きとしては,ベースをメロディ楽器の位置にまで高めた『ジャコ・パストリアスの肖像』であって,アレンジ重視のビッグ・バンドベースを弾いているジャコパスは“ハズレ”に思えた。

 しかし,ジャコパスベースを一週した頃,改めて聴くとガツンと来る。地味に鳴る続ける『ワード・オブ・マウス』の壮大なスケールを描くために準備された「繊細な表現の雲海」を目の当たりにした瞬間に稲妻が走る!
 油絵のようなデッサン力,そして漆塗りの裏地の美意識!

 『ワード・オブ・マウス』抜きにして“ト−タル・ミュージシャン”ジャコ・パストリアスについては語れない。

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