アドリブログ 〜JAZZ/FUSION批評〜

ジャズ/フュージョン批評ブログ CD, DVD, ALBUM REVIEW, TRACK REVIEW and more

2015年05月

ザ・スクェア×T−スクェア / DOLPHIN THROUGH4

DOLPHIN THROUGH-1 その昔,JIMSAKU時代のカシオペアに,ミュージック・カセット限定発売『AIR SKIP“ON THE AMERICAN FM WAVE”』(以下『エアー・スキップ』)なる企画盤があった。

 『エアー・スキップ』がプレミアムだった。下手すると『MINT JAMS』以上に聴きまくったかもしれない。とにかくカッコイイ。
 実在の某女性DJのナレーションが,曲とクロスし絶妙にリズムと重なっていく。特にA面ラストの【朝焼け】でのラストなんかはドンピシャリであった。

 もう一つ。『エアー・スキップ』にはCD音源化されていない【アイズ・オブ・ザ・マインド】と【スペース・ロード】の未発表ライブ音源が入っていた。
 【アイズ・オブ・ザ・マインド】は向谷実キーボードの音色が好みではなかったが【スペース・ロード】に関してはカシオペアの全部の【スペース・ロード】の中で,あのテイクが一番だと信じている。野呂一生の“2番のギターソロ”の,あのワクワク感とゾクゾク感こそがカシオペアなのだ。

 おお〜っと,この記事は「ザ・スクェア×T−スクェア」名義の企画盤『DOLPHIN THROUGH批評なのに,カシオペアと『エアー・スキップ』について熱く語ってしまった。
 でもしょうがない! 『DOLPHIN THROUGH』について書こうと思えば『エアー・スキップ』に触れないわけにはいかない! だって『DOLPHIN THROUGH』はスクェア版の『エアー・スキップ』なのだから…。

 そう。『DOLPHIN THROUGH』は,スクェア版のDJスペシャル・コンピレーション! ハワイのFMラジオ局で流れそうな,スクェア&メンバーのソロ・アルバムから,夏,サーフィン,ドライブという3つのキーワードで選ばれた12曲に,書き下ろしの新曲がボーナス・トラックが3曲エンディングで流れる。プレミアム。

 やはり自分の好きな曲がラジオでオンエアされるのは喜びである。オンエアされた曲をCDで持っている。家のオーディオ・システムで聴く方が曲としては楽しめる。でもでも…。音が悪くてもフルコーラス流れなくても「ラジオから好きな曲が流れ出す喜び」は格別だ! 別格だ!

 『DOLPHIN THROUGH』を聴いていると,そんな疑似体験ができてしまう。次にどの曲が流れてくるか分かっていてもドキドキする。DJの軽妙な曲紹介と予想外のフェードインとフェードアウトが『DOLPHIN THROUGH』の最大の聴き所なのである。

DOLPHIN THROUGH-2 自分なら選曲しなかったであろう【CALERA】【LABYRINTH OF LOVE】【LEAVE ME ALONE】が“愛おしく”感じられる。他人の選曲した「オンエア・リスト」は,その人の頭の中を覗いているようで楽しくなってくる。
 いいや,覗くと来れば,本当に懐かしい「鈴木英人」のイラストが,その昔の「FMステーション」を読んでいるような気分になってくる。楽しい。

 2015年のスクェアは,いつもは春先に発売される新作のリリース情報が4月になるまで出て来なかった。2015年は『DOLPHIN THROUGH』で“お茶を濁して終わり”かと思っていた。そんな経緯もあって『DOLPHIN THROUGH』に,そこまで期待してはいなかった。
 だが,完全にツボを突かれた。魂を鷲掴みされた。『PARADISE』の発売前に『DOLPHIN THROUGH』で『PARADISE』を迎えた気分である。ヤッター!

 ただし『DOLPHIN THROUGH』には【アイズ・オブ・ザ・マインド】と【スペース・ロード】のようなプレミアムな音源=新曲はありませんでした。新曲で一番良かったのは(新曲ではない)安藤正容作の“ジングル”!?

PS 残念ながら手放してしまった“お宝”『エアー・スキップ』。いつか必ず取り戻します!

    Solid Sky, Surf Break Side
  01. Hawaiian Breeze (Jingle)
  02. OMENS OF LOVE
  03. COPACABANA
  04. BOUNDLESS SKY
  05. CALERA
  06. FACES
  07. PICK UP THE PIECES

    Romance, at Twilight Beach
  08. Honolulu Dreamin' (Jingle)
  09. LABYRINTH OF LOVE
  10. Go For It
  11. HAYABUSA -THE GREAT JOURNEY(KISEKI NO
     SEIKAN)-

  12. Mr. MOON
  13. The Bird Of Wonder
  14. LEAVE ME ALONE
  15. First Impression
  16. Surfin' On The Sky
  17. A Wondrous Story

(ヴィレッジ/VILLAGE 2015年発売/VRCL-10124)
(☆SACDハイブリッド盤仕様)
(ライナーノーツ/柴田大輔)
★音匠仕様レーベルコート

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チック・コリア / 星影のステラ3

EXPRESSIONS-1 『EXPRESSION』(以下『星影のステラ』)は「チック・コリア・エレクトリック・バンド」と「チック・コリア・アコースティック・バンド」をインテグレートした「チック・コリア・エレクトリック・バンド」を解散して“裸一貫”で取り組んだ,チック・コリアソロ・ピアノである。

 事実,チック・コリアが「エレクトリック・バンド」以降,再びキーボードを手にするのは『TO THE STARS』での「エレクトリック・バンド」の再結成において。
 その間の10年間は(アルバム制作においては)生ピアノ一台での勝負に徹したわけで,その意味でも『星影のステラ』は,チック・コリアほどのビッグネームといえども,今後の運命を左右する重要作と成り得る。相当な覚悟でソロ・ピアノに取り組んだことが容易に理解し得よう。

 さて,管理人が「自作自演で自己完結」するソロ・ピアノに求めるのは,ジャズメンの個性,ただそれだけである。
 その意味で“運命の大勝負”盤『星影のステラ』に期待したのは,チック・コリアジャズメンとしての資質だけである。
 チック・コリアだけが弾くことのできる,HAPPYで楽しげで軽やか,明るくキュートでスパニッシュで,それでいて斬新で真面目で端正で,変幻自在で予想不可能なソロ・ピアノ…。

 しか〜し『星影のステラ』から聴こえてきたのは,どこかで以前に聞いたかのような,あの喫茶店のBGMで流れているかのような“普通の”ジャズ・ピアノ…。
 管理人の知っている「超・個性派」チック・コリアジャズ・ピアノではなかったのだ。

 『星影のステラ』に「THIS IS CHICK COREA」を感じたかった。今か今と期待して最後まで聴き続けたが“お目当てのチック・コリア”はついに現われじまい。
 「えっ,チック・コリアソロ・ピアノってこんな感じ?」。(管理人はECM盤『PIANO IMPROVISATIONS VOL.1』『PIANO IMPROVISATIONS VOL.2』は未聴なものでして)。

 もしや,ずらりと並んだジャズスタンダードを前にしてヒネリを加えるべきと考えたのか? “手垢にまみれた”ムーディーでロマンティックな演奏を意識的に控えた結果,曲本来の“旨味”さえ消してしまったかのような“ドライでクラシカル”な演奏に終始している。

 『星影のステラ』で目指したのは,感情の起伏のない「クールジャズ」? 決定的にダメなのが【STELLA BY STARLIGHT】での大サビを避けた演奏。ガックシ。残念。無念。肩透かし。

EXPRESSIONS-2 管理人の結論。『星影のステラ批評

 『星影のステラ』は“ジャズっぽいクラシック”にカテゴライズされるべきソロ・ピアノジャズの有名スタンダードを,ジャズの文脈ではなくクラシックの文脈から真面目にアレンジした「書き譜」演奏集である。

 ソロ・ピアノの“土俵”でキース・ジャレットに差をつけられるは,キーボードを捨てての“運命の大勝負”に負けてしまうわ…。
 駄盤の少ないチック・コリアにしては珍しい「即お蔵」な1枚…。

  01. Lush Life
  02. This Nearly Was Mine
  03. It Could Happen to You
  04. My Ship
  05. I Didn't Know What Time It Was
  06. Monk's Mood
  07. Oblivion
  08. Pannonica
  09. Someone to Watch Over Me
  10. Armando's Rhumba
  11. Blues For Art
  12. Stella by Starlight
  13. Anna
  14. I Want to Be Happy
  15. Smile

(GRP/GRP 1994年発売/MVCR-181)
(ライナーノーツ/チック・コリア,油井正一)

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ニューハード+富樫 雅彦 / 牡羊座の詩5

CANTO OF ARIES-1 日本の歌謡曲に欠かすことのできない「歌伴」ビッグ・バンド宮間利之とニューハード。そんなジャズとは対極にあったビッグ・バンドだったからこそ“鬼才”富樫雅彦に“蛇口をひねられた瞬間”末恐ろしい演奏力が爆発してしまった。
 「日本ジャズ・ディスク大賞」を受賞した『CANTO OF ARIES』(以下『牡羊座の詩』)がそれである。

 「オリジナルに飢えていた」ビッグ・バンド富樫雅彦の書いたフリージャズに魅了されている。前のめりな「前衛」なのにである。これぞ“初見の天才”を地でいく大傑作であろう。

 『牡羊座の詩』の成功の秘訣は,宮間利之とニューハードの並外れた演奏力,いいや,表現力! 常に「歌伴」として譜面に忠実でありながらも,ビッグ・バンドとしてのオリジナリティを追求し続けてきたアレンジ能力!
 その土台の上に,富樫雅彦が“魔法”をふりかけることで,フリージャズ・オーケストラへと変貌を遂げている!

 『牡羊座の詩』は5パートから成る組曲。富樫雅彦が,最も進化したフリージャズとして「緻密な構築美」を持ち込んでいる。
 ゆえにフリージャズ的な“音使い”ではあるが,常に狙いがフォーカスされており聴きやすい。「前衛」なのだが違和感は感じない。ちょっと“背伸びした”フリージャズとでも書けば伝わる?

 本来はドラマーである富樫雅彦スティックを置いた展開が目立つ。リズムは打楽器ではなくホーンで鳴らしていく。それでいてブラスが繰り出す即興演奏がリズムの谷間を埋めるド迫力。
 富樫雅彦ドラムを叩かなくとも富樫雅彦“らしい”音が鳴っている。

CANTO OF ARIES-2 これら全てが“鬼才”富樫雅彦の所以である。富樫雅彦が指揮したのは,宮間利之とニューハード有する“日本歌謡”という土台であった。
 雅楽のようなフルートの響きが,インディアンの雄叫びのようなサックスの咆哮が,古き日本の心とネイティブ・アメリカンの魂とをコンパイルしている。

 そう。『牡羊座の詩』で,ジャズとは対極にあった「歌伴」宮間利之とニューハードが,日本で一番の「前衛」ビッグ・バンドオーケストラへと変貌した! この演奏力,表現力は半端ない!

  01. CANTO I
  02. CANTO II
  03. CANTO III
  04. CANTO IV
  05. CANTO V

(日本コロムビア/COLUMBIA 1974年発売/COCB-53494)
(ライナーノーツ/児山紀芳)
(紙ジャケット仕様)

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チック・コリア・エレクトリック・バンド / ペイント・ザ・ワールド5

PAINT THE WORLD-1 自分の頭の中で鳴る音楽を,自分の手となり足とり,想像以上の形に変えてくれる。チック・コリア“自慢の”「チック・コリア・エレクトリック・バンド」。

 『BENEATH THE MASK』の“完成されたバンド・サウンド”にチック・コリア自身も満足していたことと思う。
 幾ら大金を積まれたとしても,ベースジョン・パティトゥッチドラムデイブ・ウェックルサックスエリック・マリエンサルギターフランク・ギャンバレのうち,たった1人でさえ手放すことなど考えもしなかったことであろう。

 しかし,そんな「エレクトリック・バンド」が“最高傑作”『BENEATH THE MASK』を置き土産に解散した。
 『BENEATH THE MASK』で“燃え尽きてしまった”わけではない。事の本質とは,解散ではなく“卒業”なのだ。

 メンバー全員が「エレクトリック・バンド」の活動を通じて「BIG」になってしまった。ジョン・パティトゥッチを皮切りにメンバー全員がソロ活動の注力し始めた。もはや「エレクトリック・バンド」の活動に縛ることができなくなったがゆえの“卒業”なのだった。

 幸い,サックスエリック・マリエンサルは留年。ジョン・パティトゥッチデイブ・ウェックルフランク・ギャンバレの卒業を認めたとなれば,チック・コリアの次なるお仕事は「新人発掘」。
 チック・コリアが「発掘」したのは,ベースジミー・アールドラムゲイリー・ノヴァックギターマイク・ミラーの腕達者。

 そうして名付けられた新バンド名は,なんとも!「チック・コリア・エレクトリック・バンド」!?
 そんでもってコンセプトまで新しくなって「チック・コリア・エレクトリック・バンド」+「チック・コリア・アコースティック・バンド」=「チック・コリア・エレクトリック・バンド」!?

 しかし,すでに「エレクトリック・バンド」と「アコースティック・バンド」は,例えば『INSIDE OUT』での“エレクトリックジャズ”と『ALIVE』での“アコースティックフュージョン”とで,すでに2つのバンドは融合していたようなものだったから…。あちゃちゃ〜。

 そんな,上記,紆余曲折を得て“フライング気味”に活動を開始した「チック・コリア・エレクトリック・バンド」だから『PAINT THE WORLD』(以下『ペイント・ザ・ワールド』)ただ一作を残してあっさりと解散してしまう。チック・コリアの「黒歴史」の一つであろう。

PAINT THE WORLD-2 しか〜し『ペイント・ザ・ワールド』に関する管理人の評価は五つ星! …と言うか,この状況こそが“ひらめきで生きる男”チック・コリアの真骨頂! 『ペイント・ザ・ワールド』における“打ち上げ花火”に見事にハマッタ口であった。

 “カッチリ系”だった「エレクトリック・バンド」から“しなやかな系”の「エレクトリック・バンド」への変化が気に入った。
 ジミー・アールゲイリー・ノヴァックが生み出すリズムはソリッドであるが,それ以上に「余地としての空間」がある。ライブ感に溢れ,ある意味レイドバックしていた。

 それでいてフロントが切れていた。エリック・マリエンサルの激しいブロー。マイク・ミラーのディープなカッティング。そして何よりもチック・コリアキーボードがいかにも即興的に挟み込む効果的なサウンドによって「エレクトリック・バンド」のアンサンブルがドラマティックな動きを示す。軽やかで奥深いインタープレイが最高である。

 ズバリ『ペイント・ザ・ワールド』は,バンドの成り立ちといい音楽性といい「第3期」リターン・トゥ・フォーエヴァーの『ミュージックマジック』との類似点が多い。“短命”に終わったのはなんとも!チック・コリアらしい。
 でも,そうであれば「エレクトリック・バンド」の『ザ・コンプリート・コンサート』も聴いてみたいよなぁ。

  01. PAINT THE WORLD
  02. BLUE MILES
  03. TONE POEM
  04. CTA
  05. SILHOUETTE
  06. SPACE
  07. THE ANT & THE ELEPHANT
  08. TUMBA ISLAND
  09. RITUAL
  10. ISHED
  11. SPANISH SKETCH
  12. FINAL FRONTIER
  13. REPRISE

(GRP/GRP 1993年発売/MVCR-148)
(ライナーノーツ/チック・コリア,青木和富)

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矢野 沙織 / バブル・バブル・ビバップ4

BUBBLE BUBBLE BEBOP-1 矢野沙織の2年半ぶりとなる新作『BUBBLE BUBBLE BEBOP』(以下『バブル・バブル・ビバップ』)である。
 前作『ANSWER』がファン投票によるリクエスト・アルバムであったから,純粋なオリジナル・アルバムとしては実に5年振りのことである。

 あの勢いを,毎年毎年アルバムをリリースしていた頃の矢野沙織を知るファンとしては,本当に待ちくたびれてしまった。危うく矢野沙織の存在を忘れてしまうところであった。
 矢野沙織さんちの沙織さん,一体どうしてしまったのだろう?

 『バブル・バブル・ビバップ』を聴いて,その答えが分かった。矢野沙織には迷いがある。この5年もの間,自分の進むべき道の分岐点で立ち止まっていたのだろう。
 その分岐点とは,1つが『BEBOP』への道であり,もう1つが『BUBBLE BUBBLE BEBOP』への道であった。矢野沙織は今回『BUBBLE BUBBLE BEBOP』への道を選択した。
 果たしてこれから先『BEBOP』への道へ引き返す勇気を持ち合わせているのだろうか? “バッパー”としての矢野沙織愛するがゆえに心配に思っている。

 『バブル・バブル・ビバップ』は,間口の広いジャズ・アルバムに違いはないが,正しく“BUBBLE”である。泡として消え去るべき“一過性のジャズ”止まりであって“バブリーに弾けたビバップ”までは達し得ていない。
 だから『バブル・バブル・ビバップ』は,矢野沙織のアルバムとしては初めてヘビーローテーションにはならなかった。

BUBBLE BUBBLE BEBOP-2 『バブル・バブル・ビバップ』で繰り返し聴くのは3曲のみ! やっぱりお目当てはチャーリー・パーカーの【CONFIRMATION】!
 『YANO SAORI』での“衝撃の”【CONFIRMATION】と聴き比べると“ジャズメン”矢野沙織としての成長を実感する。

 好きな方はデビュー・アルバムの方の【CONFIRMATION】である。しかし『バブル・バブル・ビバップ』での【CONFIRMATION】も悪くはない。
 ノリとかスピード感では『YANO SAORI』での大名演に劣ってしまうが,演奏の質とか音の深みでは断然上である。大人な【CONFIRMATION】である。こういう【CONFIRMATION】も悪くはない。

 続いてはキャノンボール・アダレイの【MERCY,MERCY,MERCY】! こちらも「日本のキャノンボール・アダレイ」と呼ばれた矢野沙織の,少女時代では演奏できなかった,実にファンキーで実に豪華な【MERCY,MERCY,MERCY】に身を乗り出してしまう名演である。

 3曲目はスローでムーディーなフランス映画「ベティ・ブルー」のテーマ【BETTY ET ZORG】! 妖しいアルトサックスに妖艶な口笛がエモーション
 特にアルトサックスの音色一発にやられてしまう。矢野沙織の“音の個性”が強く感じられる。名演である。以上!

BUBBLE BUBBLE BEBOP-3 多重録音やらキューバンラテンやら詩の語りやらヴォーカルやら…。
 これ以上!は矢野沙織の興味の“てんこ盛り”風な演奏ばかりであって興味が湧かない。
 矢野沙織よ,早く迷路から抜け出して来い! ジャズ一本を貫け! 『BUBBLE BUBBLE BEBOP』ではなく『BEBOP』を選択せよ!

 いろいろとマイナスな感想を書き連ねてきましたが,それでも矢野沙織・ファンは辞められません。
 矢野沙織・ファンを辞める時=ジャズ・ファンを辞める時。地獄に落ちるその日まで矢野沙織を応援し続けたいと思います。

PS 「BUBBLE BUBBLE BEBOP-3」は販促用の特製アーティスト写真です。

  01. Blowin' The Blues Away
  02. Bluebird
  03. Puerto Rico〜砂とスカート
  04. Betty Et Zorg
  05. Mercy, Mercy, Mercy
  06. Bayou
  07. Avalon
  08. Bye Bye Babylon
  09. Confirmation

(サヴォイ/SAVOY 2015年発売/COCB-54166)
(ライナーノーツ/馬場雅之)

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チック・コリア・エレクトリック・バンド / ビニース・ザ・マスク5

BENEATH THE MASK-1 “テクニカル・フュージョン”の『BENEATH THE MASK』(以下『ビニース・ザ・マスク』)こそが「エレクトリック・バンド」名義の“最高傑作”である。

 『ビニース・ザ・マスク』の真の問題点は,それこそ「熱心なチック・コリア・マニア」からの低評価にある。気持ちは分かる。“超絶技巧の突出”を過大評価したくない気持ちは分かる。

 転調や変拍子でさえ,打ち込みでプログラムされた自動演奏のような超高速で正確無比な運指から放たれる一音一音は,その全てが恐ろしく粒立っており,最先端のテクノロジーでも“絶対に手が届かないレベルの”完成された“超絶技巧の突出”。
 バカテクが余りにも凄すぎて,超絶なのにいとも簡単にプレイしているようにさえ感じさせる。涼しげで余裕でゆとりの“超絶技巧の突出”に,もはやため息しか漏れやしない。

 もはや譜面通りにコピーすることなど至難の業。いいや,もしかしたら譜面通りにコピーすることは可能なのかもしれない。しかし,果たしてこれだけの“GROOVE”が出せるのだろうか?

 それは恐らくジョン・パティトゥッチのように,デイブ・ウェックルのように,エリック・マリエンサルのように,フランク・ギャンバレのように,チック・コリアの音楽,を感じることができなければ到底不可能なことであろう。

 そう。「エレクトリック・バンド」とは,譜面ではなく,チック・コリアの音楽,を感じながらプレイするバンドである。
 チック・コリアへの尊敬の念,チック・コリアとの共有とか共感といった崇敬の念があればこそ,あそこまで弾きまくっているのに弾きすぎる嫌いが全くない。

 行き着くところまで行き着いた感のある『ビニース・ザ・マスク』での“テクニカル・フュージョン”を軽く見てはならない。
 「熱心なチック・コリア・マニア」であればこそ,逆に高く評価すべき,高速走行性能の安定性は異次元の音世界である。チック・コリア史上最高の演奏集なのである。 

 「エレクトリック・バンド」の超絶技巧に日本のテクニカルなフュージョン・バンドは,カシオペアにしてもプリズムにしてもDIMENSIONにしても敵わない。束になっても敵わない。「エレクトリック・バンド」こそが“楽器小僧”のバイブルであろう。

 しか〜し,管理人が『ビニース・ザ・マスク』を「エレクトリック・バンド」名義の“最高傑作”と評価するのは,上記“超絶技巧の突出”だけが理由ではない。
 『ビニース・ザ・マスク』を聴き続け,アルバム作りの全体像が見通せるようになったある日のこと。「あれっ,これって,あのアルバムの「エレクトリック・バンド」っぽい」を感じるようになった。

 そう。『ビニース・ザ・マスク』には“ド派手な”プログレフュージョンの『ザ・チック・コリア・エレクトリック・バンド』。“スムーズ・ジャズ”の『ライト・イヤーズ』。“叙情詩”の『アイ・オブ・ザ・ビホルダー』。“エレクトリックジャズ”の『インサイド・アウト』の要素が全て顔を出しているではないかっ!

BENEATH THE MASK-2 「エレクトリック・バンド」の過去の4作品も完成されたアルバムであった。しかし『ビニース・ザ・マスク』を聴いていると,過去のアルバムにはまだ発展の余地が残されていたことが理解できる。
 『ビニース・ザ・マスク』の「以前と以後」とでは,完成度に歴然とした違いがある。

 この事実に気付いてからはもう大変! 軽く聞き流していても,音のベールの裏側を丹念に調べても,どこからどう聴いてみても「THIS IS CHICK COREA」な音楽が流れてくる!
 POPでキャッチーな間口の広さに,長年の蓄積から来る“メロディーの妙”が隠されている! これほどまでに高度な音楽性で組み上げられているのに,シンプルなサウンドに回帰したかのような見事なバランス!

 『ビニース・ザ・マスク』の真実とは“テクニカル・フュージョン”という仮面を被った(だからアルバム・タイトル『ビニース・ザ・マスク』?)「ELEKTRICK BAND」の「集大成」→「ELEKTRICK BAND」の「洗練」なのである。

  01. BENEATH THE MASK
  02. LITTLE THINGS THAT COUNT
  03. ONE OF US IS OVER 40.
  04. A WAVE GOODBYE
  05. LIFESCAPE
  06. JAMMIN E. CRICKET
  07. CHARGED PARTICLES
  08. FREE STEP
  09. 99 FLAVORS
  10. ILLUSIONS

(GRP/GRP 1991年発売/MVCR-8)
(ライナーノーツ/坂本信)

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天野 清継,国府 弘子 / ヘヴン・アンド・ビヨンド…4

HEAVEN AND BEYOND…-1 管理人にとって“ジャズ・ギタリスト天野清継のリーダー作『AZURE』最大の収穫は“ジャズ・ピアニスト国府弘子との出会いであった。

 『AZURE』以降のあの当時,友人のジャズ仲間から「軟弱」と言われながらも国府弘子を追いかけ続けた時期がある。天野清継には気の毒な話であるが,それがジャズメンという人気商売の常。

 あるアルバムへのサイドメンとして参加した演奏が気に入って「芋づる式」に繋がっていく。そのジャズメンの参加アルバムを買い漁る。だからジャズフュージョン・ファンはやめられない。
 ジャズフュージョン・ファンの楽しみはエンドレス。道楽のネタが尽きることはないであろう。うれしくもあり困ったもんでもある。

 さて,そんなこんなで,2人の頭文字から取られた天野清継国府弘子による「天国プロジェクト」の第2弾『HEAVEN AND BEYOND…』(以下『ヘヴン・アンド・ビヨンド…』)は,完全に国府弘子目当てのアプローチであって,主役であるはずの天野清継は,いてもいなくても…。

 しかし『ヘヴン・アンド・ビヨンド…』は“天野清継あっての”国府ワールドであった。目からウロコ。
 天野清継国府弘子の個性がぶつかり合い,ブレンドした結果の“調和”をもたらしている。国府弘子の相手が天野清継だったから『ヘヴン・アンド・ビヨンド…』が出来上がったのであって,他のギタリストであればここまで上手くはいかなかった。

HEAVEN AND BEYOND…-2 ジャズをベースに磨いてきた“オンリーワンな歌心”が「非ジャズ的な個性」としてクローズアップされることの多い2人であるが『ヘヴン・アンド・ビヨンド…』でも「控え目」ではあるが,天野清継国府弘子の間合いとか,呼吸感はジャズのそれである。

 『ヘヴン・アンド・ビヨンド…』は,アーバン・ストリーム育ちの天野清継国府弘子だから共有し得た「天国プロジェクト」流の4ビートが聴こえてくる。

  01. OSCAR
  02. TRAVEL TALK
  03. SPINNING WHEEL
  04. CATS N' DOGS
  05. SWEET AND GENTLE
  06. PASEO
  07. PERFIDIA
  08. LA ISLA BONITA
  09. ROAD TO YOU
  10. Chardonnay
  11. SOMEWHERE IN TIME
  12. BABY COME BACK

(ビクター/JVC 1995年発売/VICJ-215)
(ライナーノーツ/天野清継,国府弘子,佐藤英輔)

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チック・コリア・アコースティック・バンド / ラウンド・ミッドナイト5

ALIVE-1 誤解しないでほしい。有名ジャズスタンダードが演奏されているからといって,あるいはアコースティック楽器で演奏されているからといって,それがすなわちジャズとは限らない。フォーマットとしてのジャズと演奏としてのジャズは必ずしも一致しない。
 エレクトリックジャズもあれば,アコースティックフュージョンもあるのだ。

 「チック・コリアアコースティック・バンド」の『ALIVE』(以下『ラウンド・ミッドナイト』)を聴いてみてほしい。
 「アコースティック・バンド」のフォーマットは,ピアノウッド・ベースドラムから成るアコースティック編成のピアノ・トリオ
 「アコースティック・バンド」特有のコアな芸術性とは対極にある“コンテンポラリーなピアノ・トリオ”から流れ出てくる音楽は,控え目に述べてもジャズではない。

 ズバリ『ラウンド・ミッドナイト』での「アコースティック・バンド」は「禁じ手」としての“アコースティックフュージョン”!
 『ラウンド・ミッドナイト』における超絶技巧のオンパレードは「エレクトリック・バンド」名義であっても十分に通用する。

 思えばチック・コリアの「アコースティック・バンド」は「ライブ・バンド」として結成された“小回りの利く「エレクトリック・バンド」”であった。
 チック・コリアとしたら“待望の”ライブ盤『ラウンド・ミッドナイト』で「ライブ・バンド」のベールを脱いで見せただけのことだったのかもしれないが,リスナーとしては度胆を抜かれた。心を射抜かれてしまった。メガトン級の衝撃を受けてしまった。

 そう。チック・コリアは「アコースティック・バンド」で「ELEKTRICK」で「AKOUSTIC」な「エレクトリック・バンド」の“発展型”を追及してみせたのだ。

 管理人の「アコースティック・バンド」に対する認識が甘かった。チック・コリアの「アコースティック・バンド」に対するスタンスは,あくまでも副業であり余興であり,チック・コリアお得意の“ヒラメキを形にしてみました”的な企画ものだと思っていた。

 「アコースティック・バンド」の前作『CHICK COREA AKOUSTIC BAND』は,まあまあ,であった。「エレクトリック・バンド」の前作『INSIDE OUT』での“エレクトリックジャズ”に「アコースティック・バンド」からの影響を感じた。所詮「アコースティック・バンド」は“派生バンド”。それで十分だと思った。

ALIVE-2 しかし,しかし違っていた。いや〜,凄い。『ラウンド・ミッドナイト』のような,ガンガン弾きまくりで叩きまくりで“ロックするスタンダード集”は「前代未聞」の大事件である。

 ジャズの歴史を紐解けば『ラウンド・ミッドナイト』以上に早弾きのスタンダード集もあったことだろう。ただし,ここまで徹底的にオメメパッチリでキメまくりな“スタンダード集”は管理人の記憶にない。
 陰影など全く気にしない,超絶技巧なピアノ・トリオの“口八丁手八丁”のエンターテイメント・ショーの独壇場である。

 “ラテンの血が騒ぐ”チック・コリアのファンタスティックなピアノがロックンロール! “ウォーキング”するジョン・パティトゥッチのキャラ立ちベースがコンテンポラリー! “おかず大好き”デイブ・ウェックルの爆発的なドラミングがプログレッシブ!

 そう。「ライブ・バンド」の「アコースティック・バンド」が,一発勝負の大舞台で「エレクトリック・バンド」の,薄化粧なのにバッチリなアイラインを“本家以上に”再現している!

 「ELEKTRICK」で「AKOUSTIC」=「AKOUSTIC」でも「ELEKTRICK」!

PS 上原ひろみのアルバム・タイトル『ALIVE』は「アコースティック・バンド」の『ALIVE』を意識したの?

  01. ON GREEN DOLPHIN STREET
  02. HOW DEEP IS THE OCEAN?
  03. HUMPTY DUMPTY
  04. SOPHISTICATED LADY
  05. U.M.M.G.
  06. 'ROUND MIDNIGHT
  07. HACKENSACK
  08. MORNING SPRITE
  09. LA FIESTA

(GRP/GRP 1991年発売/UCCU-9275)
(ライナーノーツ/油井正一)
(紙ジャケット仕様)

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プリズム / サイレンス・オブ・ザ・モーション4

THE SILENCE OF THE MOTION-1 テレビ朝日系「CNNヘッドライン」のテーマソングである【COME ON】目当てでプリズムに初めて接したファンを気の毒に思う。

 【COME ON】収録の『THE SILENCE OF THE MOTION』(以下『サイレンス・オブ・ザ・モーション』)を聴いてみて,失敗したなぁ,と思ったファンも多かったのではないか?
 なぜなら管理人がその一人だったからだ。プリズムのファンを公言している身としては『サイレンス・オブ・ザ・モーション』の存在が実にもどかしかった。なぜに今になって“ボーカリスト渡辺建フィーチャリングなのか〜!

 『サイレンス・オブ・ザ・モーション』の鬼門は【COME ON】に加えて【SOMEBODY LIKE YOU】と【YOU’RE STILL DANCIN’】。
 この渡辺建ボーカルを楽しむことが出来さえすれば『サイレンス・オブ・ザ・モーション』の“味”は格別であろう。

 ドラマティックでファンタスティックな超絶技巧の「プログレ・フュージョン」の【SUSPENCIBLE THE FOURTH】で始まり,木村万作ドラミングに,ただただ聴き惚れてしまう【THE BALLROOM IN T.V】で締められる,プリズムらしい「充実の1枚」に違いない。

 ただし渡辺建ボーカルという“そびえ立つ大岩”を乗り越えられる一般の音楽ファンは少数であろう。大半は渡辺建ボーカルに耳を背けて「お蔵入り」してもおかしくはない。プリズムを単なるフュージョン・バンドとして一蹴してしまうことだろう。
 そうなればプリズムを“色眼鏡”で聴くことになるであろし,真実のプリズムの“味”を知る前に聴かなくなってしまう。
 だ・か・ら・『サイレンス・オブ・ザ・モーション』でプリズムに初めて接したファンを気の毒に思うのだ。

 では,根っからの「PRISMANIA」はどうなのか? これまた『サイレンス・オブ・ザ・モーション』が悩ましい。演奏は毎度毎度の最高レベル。曲も好き。なのに肝心の音色が…。
 ズバリ『サイレンス・オブ・ザ・モーション』における和田アキラギターが“リバーブ全開”。キラキラと輝くギター・サウンドが響きまくっている。

 これには理由があって(深町純松浦義和の脱退の経緯は詳しくはないが)『サイレンス・オブ・ザ・モーション』をもってデビュー以来のプリズム・サウンドを彩ってきた「キーボード・サウンドの誘惑」と決別することとなる。

 そう。和田アキラにとって『サイレンス・オブ・ザ・モーション』は,次世代のプリズム=「渡辺建ボーカルキーボードレスのスリーピース・バンド」への実験作であった。

THE SILENCE OF THE MOTION-2 事実【SUSPENCIBLE THE FOURTH】【IN THE AFTERNOON】【THE CREW’S BLUES】の3トラックは本当のギター・トリオ編成だし,残る6トラックも深町純松浦義和キーボードを控え目に用いた“ほぼ”ギター・トリオしていると思う。

 ゆえに渡辺建ボーカルについての異論反論の大合唱は和田アキラにとっては痛手だったに違いない。キーボードを捨て去り,渡辺建ボーカルを控え目に用いることにした『マザーアース』での“チェンジ”までに3年もの歳月を有することなる。

 管理人の結論。『サイレンス・オブ・ザ・モーション批評。 

 『サイレンス・オブ・ザ・モーション』は,ギター・トリオ渡辺建ボーカルと中途半端なキーボードを用いたプリズムの「過渡期」の記録である。

 ただし,サウンドの変化を目にしても,それは表面的な変化であって『サイレンス・オブ・ザ・モーション』には,深い部分でプリズムとしてのDNAが感じられる。プリズムは何をやってもプリズムのままなのだ。

  01. SUSPENCIBLE THE FOURTH
  02. IN THE AFTERNOON
  03. AND IN THE EVENING
  04. COME ON
  05. SOMEBODY LIKE YOU
  06. OPPOSITELY MAYBE
  07. THE CREW'S BLUES
  08. STILL (BASS-SOLO)
  09. YOU'RE STILL DANCIN'
  10. THE BALLROOM IN T.V

(サウンズ・マーケッティング・システム/SOUNDS MARKETING SYSTEM 1987年発売/MD32-5112)

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チック・コリア・エレクトリック・バンド / インサイド・アウト4

INSIDE OUT-1 “所構わず移り気する”チック・コリアの“音楽性の縮図”である「エレクトリック・バンド」の第4作『INSIDE OUT』(以下『インサイド・アウト』)の真髄は“エレクトリックジャズ”!

 とにかく厚いテンションコードの連続で音密度が“濃厚”なのである。『インサイド・アウト』のこのヨコノリはフュージョンのものではなくジャズのものである。

 「エレクトリック・バンド」から「アコースティック・バンド」への変化は“音の削減”がテーマであったが「アコースティック・バンド」を経験し,再起動した「エレクトリック・バンド」でのテーマは「アコースティック・バンド」のテンションはそのままに“電飾する”ことにあった。
 チック・コリアMIDIシンセが“エレクトリック一辺倒”にはなっていない。チック・コリアの中ではエレクトリックアコースティックとの“垣根”がとっぱらわれてしまったような感じ。

 そう。『インサイド・アウト』における電飾の“塩梅”が絶妙であって,いかにも「アコースティック・バンド」を体験した者たちによる「通過儀式」のように感じてしまうのだ。

 曲想もそうである。『インサイド・アウト』には【MAKE A WISH】【STRETCH IT】【TALE OF DARING】と題する「組曲」が3つも入っている。ゆえにテーマが複雑ではっきりしない。正直,何を演奏しているのか分からなくなるくだりが多い。
 アヴァンギャルドな長尺で超絶なソロ廻しが増えている。この辺りのフリーアドリブ・スペースでの硬派なフレーズ全開が“エレクトリックジャズ”している所以なのだ。

 そんな“エレクトリックジャズ”の文脈から飛び出してきたのが最高にPOPでキャッチーなタイトル・チューンの【INSIDE OUT】。【INSIDE OUT】だけは『LIGHT YEARS』に収録されるべき“スムーズ・ジャズ”な1曲であるが,この曲での「エレクトリック・バンド」が大好きで【INSIDE OUT】を聴きたいがために『インサイド・アウト』を聴く管理人がそこにいる。

INSIDE OUT-2 実にメロディアスなのに淋しさを感じる【INSIDE OUT】。ジョン・パティトゥッチベースデイブ・ウェックルドラムが流れるだけでスイッチが入ってしまう。エリック・マリエンサルサックスが最高に歌っている。
 そうしてチック・コリアピアノソロと,その後に続くシンセでのバッキングのセンスが素晴らしい。こんなにシリアスな雰囲気を感じさせるチック・コリアを意識したのは【INSIDE OUT】が初めての経験。【INSIDE OUT】を聴いてからというものチック・コリアへの印象が変化した。チック・コリアピアノに“耳ダンボ”になってしまった。【INSIDE OUT】は,そんなチック・コリアの“忘れられない”名演の1つとなった。
 ラストのフランク・ギャンバレギターソロが“カッコよく盛り上げるだけ盛り上げて”はい,終了〜。
 ええ〜っ,もっと聴きた〜い。寸止め感がヘビロテへと誘う…。

 ただし,このヘビロテの先には“テクニカル・フュージョン”な『BENEATH THE MASK』ではなく“エレクトリックピアノトリオ”の『LIVE FROM ELARIO’S』が見えている!

  01. INSIDE OUT
  02. MAKE A WISH - PART 1
  03. MAKE A WISH - PART 2
  04. STRETCH IT - PART 1
  05. STRETCH IT - PART 2
  06. KICKER
  07. CHILD'S PLAY
  08. TALE OF DARING - CHAPTER 1
  09. TALE OF DARING - CHAPTER 2
  10. TALE OF DARING - CHAPTER 3
  11. TALE OF DARING - CHAPTER 4

(GRP/GRP 1990年発売/VICJ-5)
(ライナーノーツ/チック,悠雅彦)

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スイングジャーナル読者が選ぶジャズ名盤ベスト100-16

 スイングジャーナル誌2001年1月号で実施された読者アンケート企画「21世紀に残したい読者が選ぶ名盤ベスト100」のスーパーカウントダウン。それが「スイングジャーナル読者が選ぶジャズ名盤ベスト100」。
 今回は21〜25位の発表です。

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サンジェルマンのジャズ・メッセンジャーズ★25.サンジェルマンのジャズ・
メッセンジャーズ

アート・ブレイキー&ジャズ・ メッセンジャーズ

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クリフォード・ブラウン&マックス・ローチ★24.クリフォード・ブラウン&マックス・ローチ
クリフォード・ブラウン


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ケルン・コンサート★23.ケルン・コンサート
キース・ジャレット


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ヘレン・メリル・ウィズ・クリフォード・ブラウン★22.ヘレン・メリル・ウィズ・
クリフォード・ブラウン

ヘレン・メリル

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キャンディ★21.キャンディ
リー・モーガン


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 「完全即興」のキース・ジャレットソロ・コンサートの中にあって,メロディアスな演奏が“浮雲”のような『ザ・ケルン・コンサート』がランクイン

 体調絶不調のキース・ジャレット本人が『ザ・ケルン・コンサート』でのソロ・ピアノを覚えておらず,マンフレート・アイヒャーの録音テープを聞いて“このピアニストが気に入った”という逸話が残る“神降臨”の美メロの連続!

 大甘だっていいじゃないか! ロマンティックなキース・ジャレットもいいじゃないか! 異端の『ザ・ケルン・コンサート』があるからこそ,厳しくも芸術的なソロ・コンサートが生きてくる!

 良くも悪くも『ザ・ケルン・コンサート』における「完全即興」こそが,キース・ジャレットの“スタンダード”なのである。

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