
これがデビュー40周年というのなら「再び生まれる」→「心機一転」とか「初心に帰る」の『REBIRTH』の意味だと分かる。
だから『REBIRTH』と聞いて,昨年の「君の名は。」の「前前前世から〜」を思い浮かべた。あるいはこの4月クールのTBS系のドラマ「リバース」とのタイアップなのか?とも思った。少々ネタ切れゆえ安易に流行に乗っかってみただけかも?
果たして,安藤正容も真意を探るべく目的で『REBIRTH』のSACDをプレイ。
結論としては,後者のような流行性はなし。つまり新鮮味は感じられない。そう。『REBIRTH』には,T−スクェアの魂以上にザ−スクェアの魂が蘇っている。
THEからTになって30枚目だから「前前前世の前が29個ついた感じ」のザ−スクェアっぽいT−スクェアの「ポップ・インストゥルメンタル・フュージョン」という結論で良いと思う。
『REBIRTH』の1曲1曲は安定のクオリティである。【REBIRTH】〜【彼方へ】〜【SPLASH BROTHERS】〜【LITTLE VIOLET】の流れが最高! でもグッと感情&愛情が湧き上がってくる感じがないのはなぜだろう?
その第一原因はバラードなしに尽きる。伊東たけしがサックスではなくEWIをメインに持ってきて久しいが,伊東たけしの“泣きのサックス”が皆無の事実には驚いた。
特に『NEXT』での【WISH】。『PARADISE』での【ETERNAL GLORY】。『TREASURE HUNTER』での【LAST SCENE】と小バラードではなく大バラードが3作も続いていたものだから,ついつい河野啓三と坂東慧に“和泉バラード”を期待していたものだから…。
『REBIRTH』での伊東たけしのアルト・サックスの役所は「ポップ・インストゥルメンタル・フュージョン・サックス」である。
そして『REBIRTH』での安藤正容のギターの役所は「ポップ・インストゥルメンタル・ロック・ギター」である。
つまり『REBIRTH』で,伊東たけしは「ザ・スクェアの1期」に戻った感じだし,安藤正容は「ザ・スクェア/T−スクェアの3期」に戻った感じがする。
う〜ん。違うなぁ。ここまでは自分で正論だけを書いてきた気がする。ここまで書いたもの全部が正直な感想ではあるが,心のどこかで感じた違和感はそんな細かいレベルの話ではない。
ズバリ『REBIRTH』で感じたバンド・サウンドの変化は,ザ・スクェア時代に揺り戻ったわけではなく,現「河野/坂東時代」のスタートに揺り戻ったわけでもなく,何となくアバウトだが5年くらい前の「T−スクェアのバンド・カラー」に舞い戻ったような感じがする。

前作『TREASURE HUNTER』批評で書いた,問題の「T−スクェアのデジタル路線」が止まってくれたのは良かったが,ちょっとずつ,ほんのちょっとずつ,流行を取り入れて新しいサウンドを提供する,スクェアの“らしさ”までが無くなってしまった。
「変わらないために変わり続ける」のがT−スクェアの真骨頂ではなかったのか? その意味でアルバム・タイトル『REBIRTH』ではなかったのか? 5年前に「再び生まれる」では『REBIRTH』の履き違えであって,ファンとしては「違う」と思う。
これがスクェアのメンバー4人の総意であるのなら少しも気にならないが,そうではなく坂東慧のモチベーションの低下だとしたら…。ドリカムからの影響とか,ゴスペラーズからの影響だとしたら…。
これってスクェアの一大事ではないですか?
だから・お願い・坂東くん。管理人の目の前でいつも通りに大暴れして,この不安な気持ちを吹き飛ばしてください。
「王様」のそれは熱い熱いドラム・ソロを期待しております。
DISC 1
01. REBIRTH
02. 彼方へ
03. SPLASH BROTHERS
04. LITTLE VIOLET
05. NOTHING I CAN SAY
06. SEASON OF GOLD
07. TRIP!
08. DROPS OF HAPPINESS
09. CHANGE BY CHANGE
DISC 2 DVD
01. Midnight Lover
02. TRUTH 〜Special Acoustic Version〜
03. Teasing'
(オレンジレディ/ORANGE LADY 2017年発売/OLCH 10007〜8)
(☆SACDハイブリッド盤仕様)
★【初回生産限定盤】ボーナスDVD付 2枚組
★【初回生産限定盤】三方背BOX仕様
★音匠仕様レーベルコート
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