アドリブログ 〜JAZZ/FUSION批評〜

ジャズ/フュージョン批評ブログ CD, DVD, ALBUM REVIEW, TRACK REVIEW and more

2018年09月

TRIX / STYLE5

STYLE-1 TRIXの“最高傑作”が『STYLE』である。間違いない。

 その理由とはこれほどまでにバラエティに富んだ楽曲群を1枚のアルバムにまとめつつも,そのどれもがTRIX“らしさ”を感じさせる。大方の場合,アルバムのコンセプトが明確ではない場合,曲単位で評価されるわけで好きな曲しか聴かなくなる。
 しか〜し『STYLE』の場合は「好きな曲ばかりの大集結」ゆえに,何度聴き返しても飽きなど来ない。実際はその逆であり,聴き込めば聴き込むほどに好きになる。

 フュージョンであり,ロックであり,ポップスでもあるTRIXの名曲群。この面影こそが“摩天楼期”のDIMENSIONとイメージが被る。
 そして勿論,完成度の高いカシオペアがありスクェアもある。おまけに『STYLE』ではYMOまでぶっ込んできた。いや〜,新スルメ盤の誕生である。

 TRIXの“最高傑作”であり,TRIX一番の“愛聴盤”なのだから『STYLE』について語りたいことは山ほどある。
 でも全てを承知の上で『STYLE』とは【CECILIA】1曲の魅力に尽きる,と断言しよう。

 1曲目のテクノ・ナンバー【敦煌】がカッコイイ。2曲目の“超絶技巧”「ブッ飛び宇宙まで飛んで行く」系の【COMPLEX】がカッコイイ。3曲目のおバカ系【クワガッタン】がもはやキラー・チューン的にカッコイイ。4曲目の【LOOKING UP】へのオマージュ【PHOENIX】の中盤の展開力がカッコイイ。

 6曲目の【SHADOW PUPPET】のサビがたまらなくカッコイイ。7曲目の【狂騒曲「騎士」】はクラシカル系ではなく洋楽系なのがカッコイイ。8曲目のハード・ロック・ナンバー【PERFECT GAME】の猟奇的で凶暴的なユニゾンがカッコイイ。9曲目のお約束のルンルン系【JEUNESSE】が「いとしさと切なさ」が同居するマイナー調のノリノリでカッコイイ。

STYLE-2 そんな全8曲の名曲の中央に座すのが“涙ちょちょぎれる”大バラードの【CECILIA】である。管理人は【CECILIA】に何度泣かされたことだろう。
 悲しくなどない。むしろ元気ハツラツだと言うのに【CECILIA】が流れ出した瞬間に,情緒不安定のような体験を人生で初めて経験した。

 “JET”のギターが徐々に盛り上がってくるにつれ,管理人のハートも引っ張られていく,完全に曲の世界へとトリップしてしまう。
 【CECILIA】だけは“JET”の気持ちになりきれてしまう自信がある管理人は,仮想「平井武士・エアギター選手権」で【CECILIA】を演奏すれば絶対に優勝できる自信があります!?

PS1 『STYLE』で惜しむべき点が1つある。【JEUNESSE】のアッサリしたあの味気ない終わり方に,後少しの工夫があれば『STYLE』はTRIX史だけでなくJ−フュージョン史の「決定盤」として永遠に語り継がれたであろうに…。
PS2 北海道在住の「mususu」さん,改め「風の少年」さん,改め「クワガッタン」さん。お元気ですか? 地震は大丈夫でしたか? 写真とお仕事頑張っておられますか?

  01. 敦煌
  02. Complex
  03. クワガッタン
  04. Phoenix
  05. Cecilia
  06. shadow puppet
  07. 狂騒曲「騎士」
  08. Perfect Game
  09. jeunesse

(キングレコード/KING RECORD 2008年発売/KICJ-538)

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エリック・マリエンサル / オアシス5

OASIS-1 エリック・マリエンサルはなぜ熱狂的な人気がないのだろう。
 エリック・マリエンサルとは,なんてったってチック・コリアの「エレクトリック・バンド」のフロントマンであり,ラス・フリーマンの「リッピントンズ」のフロントマンなのである。
 どうにもこの2大フュージョン・バンドのフロントマンという輝かしい経歴からすると今の人気がどうにも物足りないのだ。

 『OASIS』(以下『オアシス』)を聴いて,そんな悶々とした思いが一層強くなった。
 『オアシス』が実に最高である。エリック・マリエンサルが実に最高なのである。もっともっと売れてほしい。もっともっと売れるべきだ。売れて当然の最高のアルトサックスだと思った。
 そう。エリック・マリエンサルこそが,フュージョン・サックス界のスターである。管理人は大声でそう叫びたい。

 『オアシス』が大名盤へと昇華した理由は,やっぱり豪華なゲスト陣による鉄壁のサウンドの上を走る“超絶”フュージョン・サックスの高速ブロウにある。
 ラッセル・フェランテジミー・ハスリップジョン・ロビンソンロベン・フォードによる「イエロージャケッツ」があれば,ジョン・パティトゥッチとの「エレクトリック・バンド」もある。
 ジェフ・ローバーアレックス・アクーニャの超大物がバックを固めてもいる。

 この完璧なるフュージョンのバック・サウンドを得てエリック・マリエンサルが爆走する。キメキメもあれば大甘もある。
 全てはエリック・マリエンサルアルトサックスの“鳴り”一つで曲の印象が変わっていく。こんな豪華なゲスト陣も全部まとめてエリック・マリエンサルの指一本,胸一つでどうにでも変わる雰囲気がある。

OASIS-2 管理人が『オアシス』を絶賛していたことを覚えていた友人から後日教えてもらったことだったが,何と!『オアシス』が「ビルボード」誌のジャズ・チャートで5位となり,それから「JAZZIZ MAGAZINE」誌の人気投票で「アルトサックス」部門の第1位になったとのこと。

 ただし1位は同数で3人が同率1位。残る2名はデヴィッド・サンボーンフィル・ウッズ。ついにエリック・マリエンサルフュージョン・サックスの第一人者とジャズ・サックスの第一人者と肩を並べた!

 なあんだ,みんなエリック・マリエンサルのことが好きなんだ。みんなエリック・マリエンサルのことを評価していたんだ。そりゃそうだよね〜。そうじゃなきゃおかしいよね〜。
 しか〜し,最近さっぱりエリック・マリエンサルの名前を聞かないよなぁ。こりゃあ,また『オアシス』を絶賛しまくるか〜。

  01. HUSTLIN'
  02. SEAFOOD TO GO
  03. OASIS
  04. UNDERSTANDING
  05. TRYIN' TO TELL YA
  06. BARCELONA
  07. BIG COUNTRY
  08. JUST TO SEE YOU AGAIN
  09. TURN OUT THE LIGHT
  10. ANOTHER SHORE

(GRP/GRP 1991年発売/MVCR-36)
(ライナーノーツ/内藤遊人)

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TRIX / FORCE4

FORCE-1 カシオペアスクェアのイメージから徐々に離れ出したTRIXDIMENSION“その2”を感じ始めたきっかけが『FORCE』である。

 なぜだろう。理由はきっと演奏に漲る“超絶技巧”である。遅まきながらTRIXに開眼した管理人にとって,長らくTRIXを聴くという行為は,熊谷徳明のPOPなインストを聴くという行為であり“JET”のギター・フュージョンを聴くという行為であったが『FORCE』以降は,TRIX=演奏力を聴くという行為に変わってきたように思う。

 ハードで複雑な変拍子なのにキメッキメッの演奏力は,熊谷徳明須藤満の“超絶技巧”あればこそ! 『FORCE』のリズム隊とはDIMENSIONのリズム隊なのか!? 凄い&凄い!

 TRIXDIMENSIONの“超絶技巧”を重ね合わせた別の理由は【PASSION】【PUMA】【DOUBLE UP】【JUSTICE】の神曲4トラック全てが高速テクニカル・ナンバーであること。
 高速テクニカル・ナンバーにあるまじき「余裕の雰囲気」が,練り上げられたアイディアと即席のサービス精神につながっている〜。

 ただし「ズンチャッチャー」の【LABYRINTH】と「パー,チ●コー」の【パチンカーZ】と「ドンドコドンドコからのヨッ!」がクセになる【MA−TSU−TA−KE】のお笑い系が「いつになくカッコ良い」と感じたのも事実でインパクト有り。

 【MA−TSU−TA−KE】って,これまで二枚目路線だった“貴公子”窪田宏の作曲なんだよなぁ。ああー,おおー。
 「窪田さん,お前もか〜!」でTRIXの「ハイパーテクニカルコミックフュージョンサービス団体」を強く意識した。

 演奏だけは“COOL”なDIMENSIONとは違って,TRIXは“COOL”な演奏から敢えて視線を逸らさせる「お笑い系」を前面に掲げている。“超絶”な演奏力を隠そうとしている。
 (ファンとしては余り語られる機会がないのが残念でたまらないのだが)TRIXの演奏力は,あのDIMENSIONが演奏しても四苦八苦の難曲多し。TRIXの演奏力とは,水面下では足バタバタの白鳥なのである。

FORCE-2 さて,TRIXファンからは人気の高い『FORCE』であるが,正直,個人的に『FORCE』を愛聴してはいない。

 決め手は泣きのバラードの不在と【ADIOS】の不発にあるのだが,それ以上に『MODE』『ART』のようなアルバムとしての「キャラ立ち」を感じないのが大きい。
 『FORCE』で感じた「バラバラの楽曲寄せ集め」のイメージが,自然と演奏力に目が向いてしまう仕掛けだったのかも? 管理人はアルバム・ジャケットのアートワーク同様に気付いてしまったんだもん!

 『FORCE』は“遊びすぎ”ですぞ,熊ちゃん&ストさん!

  01. Passion
  02. puma
  03. パチンカーZ
  04. Labyrinth
  05. Double Up
  06. Justice
  07. 夕暮れ
  08. MA-TSU-TA-KE
  09. adios

(キングレコード/KING RECORD 2007年発売/KICJ-519)

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エリック・クラズノ / レミニス4

REMINISCE-1 管理人の3ピース“アイドル”ファンク・バンドがソウライブソウライブは「完璧なトライアングル」バンドである。
 ドラムでリーダーのアラン・エヴァンスオルガンニール・エヴァンスエヴァンス兄弟2人だけではソウライブは成り立たない。

 エリック・クラズノーギターが“ガンガン鳴っての”ソウライブである。
 (エリック・クラズノーの1stソロREMINISCE』(以下『レミニス』)では突然の「エリック・クラズノ」表記ですが,管理人は馴染のエリック・クラズノー表記で行きます)。

 ギタリストエリック・クラズノーが弾くオルガン・トリオは,グラント・グリーンに代表されるソウルやファンク一辺倒とは異なる「メロディアス型」である。
 そう。ソウライブの3分の1をエリック・クラズノーが彩るゆえのジャム・バンドなのである。

 ソウライブのメンバーと共に制作された『レミニス』は,そんなエリック・クラズノーの幅広い音楽性がストレートに表現されたアルバムである。思うにアラン・エヴァンスニール・エヴァンスが「自分たちの勝手知ったる」エリック・クラズノーを世に紹介したかったのだろう。
 GROOVEよりもアンサンブルに軸足を置いたギターがメロディーをしっかりと歌い上げている。

 そんな“変芸自在の”ギター・ワークを聴いていると,エリック・クラズノーがあのバークリー音大出身だったことを想起させるに十分なテクニック。
 POPS有,ソウル有,ブルースの弾けるジャズ・ファンカーだからこそ作れた【GET BACK】は「SATURDAY MORNING EYE」のBGM!

REMINISCE-2 ただし,間口の広いエリック・クラズノーには,オールラウンダーなギター・ワークを突き進むのではなく,アラン・エヴァンスアラン・エヴァンストリオオルガン・ジャズを演ったように,エリック・クラズノーにもグラント・グリーンの流れをくむようなインストでオルガン系のジャズ・ファンクをやって欲しい!
 お願い! 大好きだから! エリック・クラズノー

  01. ROLL OUT
  02. 76
  03. GET BACK
  04. BE ALRIGHT
  05. ENHORABUENA
  06. TILT
  07. MANIC DEPRESSION
  08. SONG FOR DILLA
  09. UP AND OUT
  10. END OF THE MOVIE
  11. DOMINO

(ロイヤル・ファミリー/ROYAL FAMILY 2009年発売/PCD-93287)
(紙ジャケット仕様)
(ライナーノーツ/松永誠一郎)

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