『’ROUND ABOUT MIDNIGHT』の1曲目は【’ROUND MIDNIGHT】(以下【ラウンド・ミッドナイト】)。

 まず気になるだろうから,この「ABOUT」表記の有無について触れておこう。
 「当初は【ラウンド・アバウト・ミッドナイト】として作曲されたが,バーニー・ハニゲンが作詞した際に【アバウト】を抜いたことから混乱が始まった。セロニアス・モンク作曲の超スタンダードゆえ,ジャズ界では双方の表記がなされている」とライナーノーツに記されている。

 さて,肝心の演奏であるが,冒頭からメインテーマを吹き終える2分44秒まで,ほぼマイルス・デイビスのワン・ホーンと言っていいだろう。
 「真夜中」のジャズの代名詞的な,ミュートトランペットでのフレージング全てがマイルス・デイビスのものである。

 サポート役のジョン・コルトレーンテナー・サックスも,2分57秒から曲想に合わせた長めのソロが見事に“ツボ”にハマッテている。よだれを垂らしてしまいそうなほど,素晴らしい出来である。

 最強リズム隊3人を加えたマイルス・デイビスクインテットの全員が全員パーフェクト! イッツ・ジャズ

 
MILES DAVIS : Trumpet
JOHN COLTRANE : Tenor Sax
RED GARLAND : Piano
PAUL CHAMBERS : Bass
PHILLY JOE JONES : Drums

'ROUND ABOUT MIDNIGHT-1
'ROUND ABOUT MIDNIGHT
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