『SOLO MONK』の5曲目は【RUBY, MY DEAR】(以下【ルビー・マイ・ディア】)。

 反論承知で大袈裟に言えば【ルビー・マイ・ディア】こそが,セロニアス・モンク“生涯の代表作”!
 【ルビー・マイ・ディア】を聴いて,セロニアス・モンクの良さが分からなければ,少なくとも何か引っ掛かるものを感じなければ,恐らく,以後その人とセロニアス・モンクとの相性は悪いままで終わると思う。

 なぜか? それは単純に【ルビー・マイ・ディア】こそが,メロディーにしてもリズムにしてもピアノのタッチにおいても,セロニアス・モンクの全てだからである。
 良くも悪くも【ルビー・マイ・ディア】1曲の中に「モンクス・ミュージック」の全貌が投影されている!

 管理人もこのトラックと出会うまではセロニアス・モンクの良さなど分からなかった。ハッキリ言って“大嫌い”だった。
 幸い,ずいぶん遠回りをしたが,数年後にこのトラックと出会い“敗者復活戦”を経てモンク・ファンの仲間入りを果たした。

 切々と自分の世界を歌い上げるセロニアス・モンクピアノが美しい。タッチが明瞭でダイナミックゆえ,これがバラード・ナンバーだとは,当初管理人も全く気が付かなかった。全体の印象としては熱い,熱演だと思う。

 個人的には4分44秒を過ぎてから,レイコンマ何秒かづつテンポが速くなる。バラードの世界観,内面の激情がそのように演奏させたように感じられて,実に感慨深い。
 ピンポイントで5分6秒から12秒までのセロニアス・モンクの“気持ちの高ぶり,先走り,ほとばしり”を読者の皆さんにも是非感じ取っていただけたら…。

 
THELONIOUS MONK : Piano

SOLO MONK-1
Solo Monk
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