『THE GENIUS OF BUD POWELL』の1曲目は【TEA FOR TWO(ALTERNATE TAKE)】(以下【ティー・フォー・トゥー(別テイク)】)。

 【ティー・フォー・トゥー(別テイク)】の淀みなく流れ続ける“超絶アドリブ”は,正に賛辞を尽くして誉め上げるべき“巧みの業”なのであるが,バド・パウエルは,それをいとも簡単・平然とやり遂げてしまっている。
 この現実を突きつけられた今,ありきたりかもしれないが“天才”という2文字以外にバド・パウエルを表現する言葉は見当たらない。不本意でもそう呼ぶしかあるまい。

 周期的に襲ってくる“強弱の波”と,超早弾きでも正確・明瞭なピアノ・タッチ! おまけに【ティ・フォー・トゥー】(邦題の【二人でお茶を】と言ったら,通りが良いかも…)と言うスタンダード・ナンバーを自分の土俵に持ち込んで,完全に“パウエル色”に染め上げてしまっている。
 これぞ【二人でお茶を】の決定的名演! 今後永遠にバド・パウエルティー・フォー・トゥー】を越える名演は現われないことと思う。

 さて,今回初収録となったテイク1であるが,ノリノリの3テイクの中でも一番ノリが良い。このスピード感を楽しんでほしい。

 
BUD POWELL : Piano
RAY BROWN : Bass
BUDDY RICH : Drums

THE GENIUS OF BUD POWELL-1
THE GENIUS OF BUD POWELL
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エステル記7章 ハマンは自分が用意した杭に掛けられる
CASIOPEA 『MADE IN MELBOURNE