『’ROUND ABOUT MIDNIGHT』の6曲目は【DEAR OLD STOCKHOLM】(以下【ディア・オールド・ストックホルム】)。

 【ディア・オールド・ストックホルム】は,おいしい聴き所が幾つも散りばめられているので,それらを一つ一つ見つけ出し“つまみ喰い”するのが,ジャズ通の楽しみ。
 ここでは大枠だけ批評することとしたので,細かな点はヒント頼み。ヒントは“もがく”ジョン・コルトレーンと“完璧”なリズム隊3人の個性です。今回はご自分でジャズの“底なし沼の世界”へと旅立ってみてください。絶対楽しいです。

 さて,大枠の本丸です。それは偉大なバンド・リーダーとしてのマイルス・デイビス! リーダーで主役はマイルス・デイビスなのだから,おいしいフレーズは全部マイルスが吹いている。これがいい。
 放っておくとノスタルジーに流されるであろう原曲を,マイルスが“ビシッと”締め上げている。これがマイルス・デイビスの“帝王”たる魅力である。

 しかしジャズ・マニアには広く知られているように,バンド・メンバーを締め上げるのはマイルス・デイビスの手法ではない。実際はその逆で“才能豊かな”サイドメンに自由にソロを取らせることで知られている。この風通しの良い組織。どうですか?

 
MILES DAVIS : Trumpet
JOHN COLTRANE : Tenor Sax
RED GARLAND : Piano
PAUL CHAMBERS : Bass
PHILLY JOE JONES : Drums

'ROUND ABOUT MIDNIGHT-1
'ROUND ABOUT MIDNIGHT
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