『TIME IS OF THE ESSENCE』の1曲目は【ARC OF THE PENDULUM】(以下【アーク・オブ・ザ・ペンデュラム】)。

 【アーク・オブ・ザ・ペンデュラム】が放つ“異様なテンション”こそが『TIME IS OF THE ESSENCE』の“象徴”であろう。
 最初は,聴き慣れないオルガンのせいだろう,と高をくくっていた。しかし「結果には原因がある」わけで,この“異様なテンション”はエルヴィン・ジョーンズドラミングの賜物である。

 “アバンギャルドでジャンルレスのド迫力”が,管理人のマイケル・ブレッカー評であるが,テナー奏者としては一般に“コルトレーン派”に分類されている。
 そこでエルヴィン・ジョーンズ! “通”な読者の皆さんなら,もうこれ以上は語らなくてもピンと来るはず…。

 そう。エルヴィン・ジョーンズの“前へ前へ”のドラミングが,マイケル・ブレッカーの内に宿る“コルトレーン魂”に火を付けた!

 6分49秒からクライマックスにかけての,マイケル・ブレッカーの大絶唱! この叫び声が“痛々しい”。もうこれ以上“張れない”と言わんばかりに,声を“嗄らして”振り絞っている。
 7分41秒からのドラムソロは“汗・飛びまくり”のエルヴィン・ジョーンズ,いや,全員の“汗ダク”セッションをイメージさせるに十分である。

 4分17秒で“思わず飛び出た”感じのパット・メセニーのフレーズには,純粋に“ジャズ・ギタリスト”として演奏に全力投球する「生涯・現役ギター少年」の,あの幸せに満ち満ちた“笑み”がこぼれ落ちている。

 
MICHAEL BRECKER : Tenor Saxophone
PAT METHENY : Guitar
LARRY GOLDINGS : Organ
ELVIN JONES : Drums

TIME IS OF THE ESSENCE-1
TIME IS OF THE ESSENCE
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