『TOKYO』の8曲目は【おぼろ月夜】。

 【おぼろ月夜】こそ『TOKYO』のコンセプトの完成形! “和”テイスト全開が(管理人の評価としては)大成功である。

 藤原道山尺八をフューチャーした“ピアノ・カルテット”が“ワビサビ・カルテット”と化す。
 フロントの2人はしっかりと自分の音を出しているが,互いの音を意識しながら,溶け合うように,さ・さ・や・き・あ・う。

 例えば2分1秒からのアキコ・グレースピアノ・ソロはかなり強烈なタッチなので,ホノボノ・ムードで耳を傾けていると,思わずのけぞりたじろいでしまうほど。
 しかしこの音圧が嫌味ではない。この「響き:残響音」に心奪われる。美しい。時間をかけて心の奥底に染み入ってくる。

 特筆すべきは藤原清登の“ギーコギーコ”ベース。渡し船に乗りながら眺める【おぼろ月夜】を見たくなった。かなうことなら“浄い童心”を取り戻したい。
 そう。【おぼろ月夜】には,ジャズ・スタンダードでは味わえない“けだるさ”が存在する。やはり管理人は純・日本人です。J−ジャズが好きでたまらないのです。

 
AKIKO GRACE : Piano
KIYOTO FUJIWARA : Bass
TAPPY IWASE : Drums
DOZAN FUJIWARA : Shakuhachi

TOKYO-1
東京
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