『MY BALLADS』の7曲目は【MANHATTAN IN BLUE】(以下【マンハッタン・イン・ブルー】)。

 J−フュージョン・ファンに「マンハッタン」と問うならば,カシオペアの【ミッド・マンハッタン】か,こちらMALTAの【マンハッタン・イン・ブルー】を連想する。

 ただしこの2トラックの肌触りは対照的! 【ミッド・マンハッタン】が“ネオン・ギラギラ”の高層ビル街,つまり活動的な“陽”をイメージさせるのに対し【マンハッタン・イン・ブルー】は,もっとダークな“陰”夜更けの夜霧のマンハッタンを思わせる。(← 管理人の場合)

 このダークな雰囲気は,MALTA自身の「マンハッタン」への思い入れであろう。MALTAは「マンハッタン」を“ブルー”な街だと感じていた。“ブルー”な空気を吸っていた。幾つもの悲しみが交差する街…。
 しかし一方で,かけがえのない街,唯一無二の大切な街でもある。ジャズの本場であり,MALTA自身の青春の街=9年間演奏活動を続け,ビッグへと登りつめた街なのである。

 だから深い。マイナー調の大連発! 41秒から45秒での落ち方といい,3分39秒から43秒の“腹から出たうめき声”といい,時に“しみじみと”語るアルト・サックスである。

 加えて,これは偶然?必然? 現在,日本有数のサポート・バンド『WHAT IS HIP?』として活動中の全4人が揃った,真の名サポートも光っている。

 
MALTA : Alto Sax
TSUNEHIDE MATSUKI : Electric Guitar
SOICHI NORIKI : Electric Piano
AKIRA OKAZAWA : Electric Bass
YUICHI TOGASHIKI : Drums
MASATSUGU SHINOZAKI : Cupid Strings/Concert Master

MY BALLADS-1
MY BALLADS
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列王記第一16章 ヒエルがエリコを再建する
CASIOPEA 『20TH