みゅーじん(音遊人) / 矢野沙織 昨日,テレビ東京(TVQ九州)にて「みゅーじん音遊人) 第39回:矢野沙織」が放送されました。

 最近,TVでの露出が増えている矢野沙織ちゃんですが,本物のジャズ・サックス奏者としてではなく(新アジアン・ビューティ就任の影響か)ビジュアル系・アイドル寄りの扱いなのが気になってしまいます。
 そう。アイドルとして編集されていないかが心配で,ハラハラ・ドキドキしながら見てしまいました。 ← 何やってんだろう…。

 オフ・ショットの矢野沙織は普通の20歳の女の子。好きなものは,買い物,お酒,アルト・サックスという“素”の彼女も紹介されていたが,さすがは「みゅーじん音遊人)」。管理人の心配を吹き飛ばす“完全”音楽番組! 密着取材ゆえに垣間見ることができる,自宅での防音スーツでの練習風景など,管理人が見たかった“お宝映像”も放送されていた。

 興味深かったのは,ジャズ・サックス奏者,矢野沙織の“現在と過去”。20歳で自分のバンドを持ち仕切っている矢野沙織は,自分でライブ・ハウスへ出演交渉し,なんと14歳でステージに立った。
 思い出の初ステージは,西新井のジャズ喫茶カフェ・クレール」! 14歳(中2)当時の初ライブ映像から流れるのは,すでに完成されたアルト・サックスの音! その姿を見ていたマスターの娘が,矢野沙織と同じ小4でサックスを始めたそうだが,そのエピソードにうなずいてしまう,実に堂々としたステージング! 自信みなぎる貫禄さえ漂っていた。
 ただし20歳の矢野沙織の成長は素晴らしい。直後に流れた【酒とバラの日々】のアルト・ソロ! 音の深みが段違いでした。

 今や楽々と【ドナ・リー】【オープン・マインド】を吹き鳴らす“天才”ジャズ・サックス奏者の称号を手にした矢野沙織であるが,小学校の母校を訪問した際のエピソードには驚いた。
 音楽室に常備する,吹奏楽部時代に使っていたアルト・サックスを7年振りに吹いていた。そこで衝撃の一言! 「じゃんけんで負けてアルト・サックスになった。本当はフルートがやりたかった」と語る矢野沙織。え〜っ。目指せチャーリー・パーカー!じゃなかったの〜。

 そんな矢野沙織の“凄さ”は「小さい頃からプロになるって決めていたこと」。16歳で有言実行だものね。加えて,自分の売りを自分で認識できていること。「今は若いから話題にされるけど,若さを失った時にスキルがないと,バイトしないと食べていけないから…。今,将来のために一生懸命練習する」と語っていた。この「冷静な自己認識」が名演を生み出す秘訣であろう。

 「誰かのきっかけになればいい…」。若いのに「ジャズを世間に浸透させたい」と頑張っている。うむむ。深いなぁ。
 確かに「きっかけは,フジテレビ」改めテレビ東京! 「アドリブログ」も,誰かがジャズフュージョンを聴き始める「きっかけ」となれれば本望であるが…。

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エレミヤ書36章 エレミヤは言葉を巻物に書き取るよう指示する
ジャコ・パストリアス 『ワード・オブ・マウス