『LEFT ALONE』の3曲目は【YOU DON’T WHAT LOVE IS】(以下【恋とは何でしょう】)。

 ビリー・ホリディの愛唱歌と言えば,管理人にとっては【恋とは何でしょう】である。ビリー・ホリディの“お抱え”ピアニストであったマル・ウォルドロンにとっても,きっと思い出深いトラックであるに違いない。

 そう。この“しみじみとした語り口”は,ビリー・ホリディ名伴奏者そのもの。そばでビリー・ホリディが歌っているかのごとく「決して目立たず前へ出ず」。控え目で端正なピアノである。

 勿論,マル・ウォルドロンの【恋とは何でしょう】にもドラマはあるのだが,やはり盛り上がりを見せるパートは,歌ものでのクライマックスと連動している。
 例えば,マル・ウォルドロンのハイ・テクニックを実感できる,1分52秒からと4分21秒からの流ちょうなピアノを聴き比べてみてほしい。後者では“勢い”を感じ取れることであろう。
 5分16秒からの“音圧”には,いささかビリー・ホリディが乗り移ったかのごとく,これだけは何とか伝えたい&歌いきりたい,との熱い願いが込められているように感じられる。

 
MAL WALDRON : Piano
JULIAN EUELL : Bass
AL DREARES : Drums

LEFT ALONE-1
LEFT ALONE
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