『CONCIERTO』の1曲目は【YOU’D BE SO NICE TO COME HOME TO】(以下【ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ】)。
【ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ】での,セクステットの面々に賛辞を贈りたい! 元来,重いはずのセクステットが軽快に“歌っている”! これぞ正真正銘“つなぎっぷりが聴き所”の名演である。
一発ホームラン(アドリブ)ではなく,こつことと“つなぐ”野球。全盛期を過ぎたとはいえ,まだ狙えばホームランを打てる6人がアドリブを捨て走者(奏者)を進めるバッティング! アンチ巨人の管理人には,こんな「いぶし銀」が大好物である。
『CONCIERTO』での【ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ】は「ソロ廻し」が主軸なだけにバッキングの時間が長いのであるが,ソロイストとして前面に出る時以外は,全員自分の“持ち場”に留まり,出しゃばらない。
実はこの手のバッキングはセクステット編成では稀なことと思う。大抵6人中1人か2人はバッキングでも“いかに目立つか”がモットー。他のメンバーにも緊張感が伝染するのが常である。
『CONCIERTO』での【ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ】にはそれがない。6人全員が“大人の演奏”に徹している。これがメッチャ気持ちいい。
ヘレン・メリルの“絶唱”で有名な【ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ】(邦題【帰ってくれたら嬉しいわ】)は,大スタンダードの歌ものであるだけに,各人の“味付け”に個性が出ている。
例えば,フュージュン系ドラマー=スティーブ・ガッドのハイハット&バスドラが“ガンガン”だし,ほど良い響きの4分音符のシンプルなレガートを,ロン・カーターのウォーキング・ベースが“ビンビン”引っ張っている。
メンバー各人のアドリブをじっくりと追いかけてみると,毎回何かしら“新たな発見”に出会える。そんな奥深い楽しみが「いぶし銀」の所以である。
JIM HALL : Guitar
ROLAND HANNA : Piano
RON CARTER : Bass
STEVE GADD : Drums
CHET BAKER : Trumpet
PAUL DESMOND : Alto Saxophone
マルコ16章 イエスは復活する
PAT METHENY GROUP 『オフランプ』
【ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ】での,セクステットの面々に賛辞を贈りたい! 元来,重いはずのセクステットが軽快に“歌っている”! これぞ正真正銘“つなぎっぷりが聴き所”の名演である。
一発ホームラン(アドリブ)ではなく,こつことと“つなぐ”野球。全盛期を過ぎたとはいえ,まだ狙えばホームランを打てる6人がアドリブを捨て走者(奏者)を進めるバッティング! アンチ巨人の管理人には,こんな「いぶし銀」が大好物である。
『CONCIERTO』での【ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ】は「ソロ廻し」が主軸なだけにバッキングの時間が長いのであるが,ソロイストとして前面に出る時以外は,全員自分の“持ち場”に留まり,出しゃばらない。
実はこの手のバッキングはセクステット編成では稀なことと思う。大抵6人中1人か2人はバッキングでも“いかに目立つか”がモットー。他のメンバーにも緊張感が伝染するのが常である。
『CONCIERTO』での【ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ】にはそれがない。6人全員が“大人の演奏”に徹している。これがメッチャ気持ちいい。
ヘレン・メリルの“絶唱”で有名な【ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ】(邦題【帰ってくれたら嬉しいわ】)は,大スタンダードの歌ものであるだけに,各人の“味付け”に個性が出ている。
例えば,フュージュン系ドラマー=スティーブ・ガッドのハイハット&バスドラが“ガンガン”だし,ほど良い響きの4分音符のシンプルなレガートを,ロン・カーターのウォーキング・ベースが“ビンビン”引っ張っている。
メンバー各人のアドリブをじっくりと追いかけてみると,毎回何かしら“新たな発見”に出会える。そんな奥深い楽しみが「いぶし銀」の所以である。
JIM HALL : Guitar
ROLAND HANNA : Piano
RON CARTER : Bass
STEVE GADD : Drums
CHET BAKER : Trumpet
PAUL DESMOND : Alto Saxophone
マルコ16章 イエスは復活する
PAT METHENY GROUP 『オフランプ』
コメント一覧 (4)
デスモンドのおかげで,ガンガンびんびんなリズムセクションも,それと感じさせない「渋い」仕上がりになっていますね。一人の役者で全員の芝居が変わっていく典型だと思います。
【帰ってくれたら嬉しいわ】は歌ものなので余計にそう感じますが、チェット・ベイカーのトランペットに「渋さ」を感じてしまいます。おっしゃる通りの名演だと思います。
「ジミ(地味)ホール」って呼び名,ぴったりですね。
チェット・ベイカーは,常時,歌うトランペッターですので,JAZZマニアは,ジミ・ホールさんのコメントにうなずいていることと思いますよ。