『SMOKIN’ AT THE HALF NOTE』の5曲目は【WHAT’S NEW】(以下【ホワッツ・ニュー】)。

 【ホワッツ・ニュー】の名演は多いが,そこは有名ボーカル・ナンバー! トランペットサックスピアノ名演がずらりと並び,ギターものは蚊帳の外…。ギターものが「ドラフト1位」で指名されることなど滅多とない。
 あるにはある。しかしお決まりのワンパターン。ギターものの【ホワッツ・ニュー】と来れば,ほぼ「ウェス・モンゴメリー似」なのである。

 そう。ウェス・モンゴメリーウイントン・ケリーによる【ホワッツ・ニュー】こそが,ギターもののバイブル! ギターもの【ホワッツ・ニュー】の決定版! もはやウェス・モンゴメリーのようにしかギタリストは演奏しない。
 アイディア勝負であれよこれよとこねくりまくっても「一周回って」ほぼ「ウェス・モンゴメリー似」になっている。

 【ホワッツ・ニュー】でのウェス・モンゴメリーは,それまでの“ダイナミック&ブルース・フィーリング”とは別人のように“しっとり”と歌い上げる!
 不思議と全てのギタリストが【ホワッツ・ニュー】では,右に倣えの“しっとり系”。ウェス・モンゴメリーの影響力は計り知れない。4分33秒から5分16秒までのフレージングが“涙もの”である。

 ただしウェス・モンゴメリーの【ホワッツ・ニュー】が定番へと“昇華”し得たのは,ウェス・モンゴメリー一人の功績ではない。
 ウイントン・ケリーの2分58秒からの“宝石”のフレーズが凄い。3分32秒からの“センチメンタル”なアドリブがいい。“陰の主役”ジミー・コブブラシ・ワークが光っている。

 
WES MONTGOMERY : Guitar
WYNTON KELLY : Piano
PAUL CHAMBERS : Bass
JIMMY COBB : Drums
 
SMOKIN' AT THE HALF NOTE-1
ハーフ・ノートのウェス・モンゴメリーとウイントン・ケリー
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