『DEXTER CALLING...』の6曲目は【ERNIE’S TUNE】(以下【アーニーズ・チューン】)。

 【アーニーズ・チューン】では,デクスター・ゴードンの中に住む「天使(アルト・サックス)と悪魔(テナー・サックス)」が同時に顔を出している。

 イントロから最高にメローな“デックス節”! バラード・ナンバーではあるが「いいぞ,甘いのもっといけ〜!」と叫びたくなる。
 1分34秒からのビブラートが流れた瞬間“トロトロの骨抜き”にされてしまう。これが“天使”のアルト・サックスデクスター・ゴードン

 2分10秒から突然不穏なテーマが鳴る。ここからケニー・ドリューピアノを“子分”として連れ回す“暗黒の世界”が始まる。
 ケニー・ドリューに“親分登場”のテーマを奏でさせ,自分は一人で縄張り巡り。誰も寄りつかないドス黒さ。これが“悪魔”のテナー・サックスデクスター・ゴードン

 2分40秒からは天使の顔。3分45秒からは悪魔の顔。そしてラストは「ジキルとハイド」の大団円! デクスター・ゴードンの中の悪魔が顔を出さなければ「星五つ」の名演であろうが,それではここまでのインパクトは残らない。良くも悪くも“あの”テナーの鳴りっぷり! デクスター・ゴードンテナー・サックスバラード好きへの“凶器”となり得る。

 
DEXTER GORDON : Tenor Sax
KENNY DREW : Piano
PAUL CHAMBERS : Bass
PHILLY JOE JONES : Drums

DEXTER CALLING...-1
DEXTER CALLING...
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列王記第一7章 鋳物の「海」
角松敏生 『SEA IS A LADY