『RAY BRYANT PLAYS』の3曲目は【MISTY】(以下【ミスティ】)。

 “ジャズ・スタンダード”【ミスティ】の名演は数あれど『レイ・ブライアント・プレイズ』の【ミスティ】は【ミスティ】好きなら「絶対に絶対に」好きなはず。
 この圧倒的名演を前にして『レイ・ブライアント・プレイズ』の【ミスティ】を【ミスティ】の優秀作から外す理由は分からない&見当たらない。ジャズ好きが選ぶ「名演中の名演」である。

 レイ・ブライアントのロマンティックでコロコロとした,イントロの数秒間で一気に郷愁に誘われる! 後はもう“どっぷり”と名バラードの世界へ浸るのみ。
 この郷愁。これは日本人の演奏なのか? 山本剛の【ミスティ】が一瞬脳裏をかすめるが,このピアノの響きはレイ・ブライアント特有の“味”である。

 【ミスティ】のメロディー・ラインを丁寧に押さえた“涙の寸止め”! 涙が落ちそうになるその瞬間に“JAZZYな”フレーズがクロスしてくる!
 無言で唸らされていまう。レイ・ブライアント一流のどうにも引っ張り上手な“巧みの業”である。素晴らしい。

 
RAY BRYANT : Piano
TOMMY BRYANT : Bass
OLIVER JACKSON : Drums

RAY BRYANT PLAYS-1
RAY BRYANT PLAYS
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ヨハネ1章 言葉は人間となった
富樫雅彦 『スピリチュアル・ネイチャー