『4,5 AND 6』の5曲目は【WHEN I FALL IN LOVE】(以下【ホエン・アイ・フォール・イン・ラヴ】)。

 ジャズ・ファンに【ホエン・アイ・フォール・イン・ラヴ】と尋ねれば「名バラード」と答えるはずである。
 しかしジャッキー・マクリーンの耳には【ホエン・アイ・フォール・イン・ラヴ】も“ハードバップ・チューン”に聞こえるらしい。予測不能の絶妙アレンジが“違和感なく”名バラードをアップテンポの「イケイケの恋」へと仕立て直している。

 【ホエン・アイ・フォール・イン・ラヴ】の名演を何十曲も聴いてきたが『4,5 AND 6』のバージョンでは,4分41秒以降のテーマが登場して初めて【ホエン・アイ・フォール・イン・ラヴ】であると認識することができた。実に大胆な“崩しっぷり”である。

 しかしこれが悪くない。いや,ビクター・ヤングは初めからアップテンポを意識して【ホエン・アイ・フォール・イン・ラヴ】を書き上げていた!? こんな仮説を語りたくなるくらい見事に決まっている。
 このアレンジの才は単純に“根っからのバッパー”の一言では片付けることはできない。名編曲者=ジャッキー・マクリーンここにあり!である。

 
JACKIE McLEAN : Alto Sax
DONALD BYRD : Trumpet
MAL WALDRON : Piano
DOUG WATKINS : Bass
ART TAYLOR : Drums

4, 5 AND 6-1
4, 5 and 6
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デューク・ピアソン 『ワフー