『FIRST MEETING』の3曲目は【INTERMEZZO/SO IN LOVE】(以下【インテルメッゾ/ソー・イン・ラヴ】)。

 自由なフリーインプロヴィぜーションの【インテルメッゾ】から,しっかりと形式通りなスタンダードの【ソー・イン・ラヴ】へと流れていくメドレーが実に素晴らしい。

 朴訥とした菊地雅章の最高のピアノと何でも吸収できるような懐の広いポール・モチアンの最高のドラムに挟まれた,マジで「ジャズ史上最高のベーシスト」であろうゲイリー・ピーコックの,とことん深堀した,めくるめくベースには「これは他の組合わせでは絶対に無理!」と思わせる特別な生命力が宿っている。

 とにもかくにも無音だったり,スーッと伸びた持続音が鳴っているだけで感動を覚える。他のピアノ・トリオでは絶対に表わせない間というのか「テザード・ムーン」独特の空間美が実に素晴らしい。
 3人でソロを渡しながら延々と続くフリーインプロヴィぜーションは,起承転結のない,循環する音を聴いているような錯覚を覚える。

 
TETHERED MOON
MASABUMI KIKUCHI : Piano
GARY PEACOCK : Acoustic Bass
PAUL MOTIAN : Drums

FIRST MEETING-1
FIRST MEETING
アドリグをログするブログ “アドリブログ”JAZZ/FUSION



創世記28章 ヤコブがベテルで見た夢
パット・メセニー 『天国への道