『TONIC』の7曲目は【THAW】(以下【ソー】)。

 【ソー】は,初めは特に気に留めることもなかったのだが,最近俄然気になるマイ・ブーム曲の筆頭である。インプロヴィゼーションのまま最後まで突進し続ける(しかしどこか冷静な)演奏に,キース・ジャレットの「完全即興ソロ」がダブってしまう。これはもう病気である。

 【ソー】は「壮大な出だし」が印象的なトラックである。ジョン・メデスキピアノが静かな分,ビリー・マーチンのスティックとブラシが,もう“じゃんじゃかじゃんじゃか”鳴っている。実にドラマティックな分,次は一旦落ち着いて,テーマの登場を楽しみに待つのだが…。
 待てども待てども“ジャズ特有のため”は訪れない。そのままノンストップで頂点へと駆け上がっていく!

 3分過ぎから,ついにジョン・メデスキがロックオン! “アコースティックでスリリングな”ピアノ・トリオに「ホッ,と一息つく瞬間」など不要なのだろうか? その辺りを黙想(空想?)するのが最近のマイ・ブームである。

 
MEDESKI, MARTIN & WOOD
JOHN MEDESKI : Piano, Melodica
BILLY MARTIN : Drums, Percussion, Mbira
CHRIS WOOD : Bass

TONIC-1
TONIC
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詩編63編 あなたの揺るぎない愛は命よりも価値がある
チャールス・ミンガス 『ミンガス・アー・アム