『FEELIN’ THE SPIRIT』の5曲目は【SOMETIMES I FEEL LIKE A MOTHERLESS CHILD】(以下【時には母のない子のように】。

 【時には母のない子のように】は,タイトル通りの「うら淋しい」夜のブルースである。
 グラント・グリーンの,スナップの効いた強烈なギター・リフが耳に痛い! これがまたネチッコイうえにリズミカルときている! 【時には母のない子のように】のような“ザ・ブルース”は,お腹一杯の時に聴いてはいけない。

 3分15秒からのハービー・ハンコックピアノソロが素晴らしい。重厚であるがグラント・グリーンのような満腹感は覚えない。黒い。ただそれだけ。この黒は「ライカの黒」である。

 【時には母のない子のように】には,グラント・グリーンハービー・ハンコックの他にもう一人の主役がいる。2人のソロのバックで“時間正しく暴れ出す”ビリー・ヒギンズドラミングが最高に“美味しい”。
 【時には母のない子のように】に耳が慣れてきたなら,読者の皆さんにもビリー・ヒギンズドラムだけを追いかけてみて欲しい。「なるほど。オーネットコールマン」と合点がいくと思う。
 ジャズドラムとは「斯くあるべし」!

 
GRANT GREEN : Guitar
HERBIE HANCOCK : Piano
BUTCH WARREN : Bass
BILLY HIGGINS : Drums
GARVIN MASSEAUX : Tambourine

FEELIN' THE SPIRIT-1
フィーリン・ザ・スピリット
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ヨハネ14章 イエスは,父に近づく唯一の道
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