SO MANY COLORS-1 「今までで,ベストのアルバムができたよ」と小曽根真が得意気に語った『SO MANY COLORS』(以下『ソー・メニー・カラーズ』)こそ「ザ・トリオ」の最高傑作である。

 この音楽は正しく『ソー・メニー・カラーズ』と呼ぶにふさわしい。
 ジャズからクラシックへ,アメリカ・ヨーロッパからアジア・アフリカ・ラテンへと…。名ブレンダー・小曽根真は「色彩豊か+深み」の表現の豊穣期に入ったと思う。
 玄人受けするジャズ・ピアニストの枠を越え,一般に愛されるジャズ・ピアニストの域に登り詰めた。

 『パンドラ』から『ソー・メニー・カラーズ』への変化は,液晶テレビからプラズマテレビへと変化した時の“淡いベールが剥がされたかのような”感覚に近い。わずかであっても高次元での進化がもたらす異次元の音世界!
 【BIENVENIDOS AL MUNDO】にしても【天地創造】にしても,印象としては小曽根真らしくあったとしても,テーマの訴求力が俄然スケールアップして迫ってくる。

SO MANY COLORS-2 「アサヒ黒生」のTVCMタイアップから1年後の演奏だからか「ザ・トリオ」での演奏だからか【ウィー・アー・オール・アローン(トリオ・ヴァージョン)】の豊かな響きに耳ダンボ。

 『ソー・メニー・カラーズ』には小曽根真のアガペー愛が溢れている。

  01. Bienvenidos al Mundo
  02. The Outback
  03. Three The Hard Way
  04. Asian Dream
  05. Caprice in Town
  06. 天地創造 Creation
  07. Terra de Amor
  08. Un Dernier Miracle
  09. Brotherhood
  10. Something's Happening
  11. We're All Alone

(ヴァーヴ/VERVE 2001年発売/UCCJ-2010)
(デジパック仕様)
(ライナーノーツ/中川ヨウ)
★スイングジャーナル誌選定【ゴールドディスク】

人気ブログランキング − 音楽(ジャズ)