
もう1つ,思い返せば『アンサーズ』も『FULL COLORS』と同じくメンバー・チェンジ後の2作目。『スーパー・フライト』も含めて,この2作目というのが野呂一生の周期。バンド・メンバーの個性の理解度と制作意欲とのバランスがかみ合う絶妙の周期なんだと思う。
『アンサーズ』の魅力は,カシオペア“らしさ”の復権である。これはジンサク時代のカシオペアを指しているのではない。
レコード会社も「アルファ」であるが「アルファ・レコード」ではなく「アルファ・ミュージック」へと変化した。野呂一生+向谷実+鳴瀬喜博+熊谷徳明の4人が揃わないと絶対に出せない,新生改め真正カシオペア“らしさ”が醸し出されている。バンドとしての個性が強く感じられる。
『アンサーズ』でのカシオペアが,熊谷徳明の成長に合わせバンド・サウンドも成長を遂げる“円熟期”を迎えていたと強く思う。
特に野呂一生が絶好調。多作の野呂一生が戻り『アンサーズ』全12曲中,7曲が野呂一生の作曲。1曲が鳴瀬喜博との共作。とりわけジンサク脱退後では【ときめき】【POINT X】と並ぶ名曲【PAL】収録。
【PAL】に連れられ『アンサーズ』全体をリピートすることが多かったと思うのだが,熊谷時代のカシオペアは「ポップクリエイティヴサウンド」のミディアム推し! ほぼミディアム系の“明るく爽やかな”楽曲群が妙にハマル〜。

そう。『アンサーズ』は,管理人にとってカシオペア“最後の愛聴盤”である。
01. SET SAIL
02. FORTUNATE BREEZE
03. TAKE COURAGE
04. LIVING THINGS
05. PREVIOUS MATTERS
06. WARNING
07. DYNAMIC ROAD
08. SURF'S UP
09. PAL
10. COOL RAIN
11. MR. DUNGEON
12. A FINE DAY
(アルファ/ALFA 1994年発売/ALCA-1001)
両バンド共に、コンセプトとは「夏」・・なのですが、スクエアと違い、カシオペアが季節を全面に出したアルバムって珍しいな〜なんて当時は思ってました。
やはり、メンバーチェンジ後の2作目というのは、丁度バンドとしても温まってきて、レビューにもある通り、理解度と制作意欲とのバランスがかみ合う絶妙の周期なんでしょうね。
どうしても、一作目というのは、リスナーも様子見的なところがあるので、2作目に安心感を求めるのでしょうね♪
そうそう、このアンサーズ、ボクもよく聴きました。PALは名曲ですね!
個人的にはナルチョの「COOL RAIN」も好きな一曲です。