昨日,東日本大震災について初めてプチ記しました。皆さん思うことは同じです。「自分に何かできないか?」。それはジャズメンも同じです。
かって阪神大震災の時に豪華ジャズメンによるチャリティCDが発売されました。それが『THE RAINBOW COLORED LOTUS』(以下『レインボー・ロータス』)です。
「音楽家は音楽で」をスローガンに設立された「国際音楽家阪神大震災基金」によって制作された「A BIG HAND FOR HANSHI」名義による『レインボー・ロータス』には総勢60名以上のジャズメンが参加しました。
管理人の2トップ=キース・ジャレットとパット・メセニーをはじめ,ラルフ・タウナー,ゲイリー・ピーコック,チャールス・ロイド,小曽根真,リッチー・バイラーク,デイブ・ホランド,ジャック・デジョネット,ミロスラフ・ヴィトウス,ロイ・ヘインズ,藤原清登,ミノ・シネル,トニーニョ・オルタ,ハービー・ハンコック他,どうですか? この日本ラヴな豪華メンバー。
急遽発売ということで(当然ながら)新録の少ない未発表音源集の様相=貴重な演奏集=現実の記録。
アルバムとしては統一感のない2枚組なので,正直,聴き疲れてしまう。被災者の方には元気になってから聴かせてあげたいと思った。
ただし全曲は無理でも特に「DISC 1」のトラック1−7の連続攻撃は外れなし。
キース・ジャレットの【ペイント・マイ・ハート・レッド】。これはキース・ジャレットの数ある傑作群の中でも突出する名演中の名演である。
1994年のNHK「地球シンフォニー」という年越し番組のために演奏されたソロ・ピアノ。いや〜,やっぱりキース・ジャレットにはポップ畑の血が流れている。根っからのカントリー野郎ならではの“チャーミングな”小品である。悲しい。でも新年を念頭に作曲された希望を呼び起こすメロディーが美しい。この美メロを奏でる“ウィットに富む”ピアノの音色が心の奥底にまで響き渡る。
【ペイント・マイ・ハート・レッド】は【イッツ・オール・イン・ザ・ゲーム】と並ぶ,管理人のキース・ソロ・ピアノの愛奏トラックである。本当に素晴らしいんだから。
キース・ジャレット・ファンの中にも,正規アルバム未収録の【ペイント・マイ・ハート・レッド】を知らないやからが多数存在する。マジで聴いてみてほしい。
ここでセラビーは宣言する! キース・ジャレットの魅力はインプロヴァイザーにあるのだが,キース・ジャレットの本質は「アメリカ人的“夢見るお花畑の”カントリー」である!
パット・メセニーの【チェンジ・オブ・ハート】は『クエスチョン・アンド・アンサー』収録曲。ちょっと年代が古すぎやしませんか〜,と突っ込みたくなるものだが,この選曲「実にメセニーらしい」とも思ったものだ。
デイブ・ホランドとロイ・ヘインズの熱い熟年ビート! パット・メセニーの本質もキース・ジャレットと同様な「アメリカ人的“どこまでも地平線な”カントリー」が流れている。この朗々とした美メロに癒される。
なお『レインボー・ロータス』収録の【チェンジ・オブ・ハート】には,原曲にライル・メイズがシンセをオーヴァー・ダビングしたニュー・バージョンへとブラッシュ・アップされています。
管理人が想像するに,この【チェンジ・オブ・ハート】でのライル・メイズのシンセ・アレンジに触発されたのがきっかけとなり,チャーリー・ヘイデンとの『ミズーリの空高く』へと向かったのでは?
しか〜し『レインボー・ロータス』のハイライトは,管理人の2トップ=キース・ジャレットとパット・メセニーではない。小曽根真,その人である。
小曽根真こそ日本人であり,神戸出身であり,一番の当事者である。そんないろんな思いで錯綜していたであろう彼の願いが【ノー・モア・ブルース】にぶつけられている。願いである。愛である。優しさである。
小曽根真の最高傑作である『ブレイクアウト』直後の流れの新録音。マジで勇気が出る。元気が出る。これぞ「音楽家は音楽で」のスローガンを直球で表現した,最大振幅の陰影のソロ・ピアノ。楽しいのに感動で涙が止まらない。
その小曽根真が今回の震災についてコメントを発表しています。
1)小曽根真のHPより
「皆さん,皆さんのご家族,ご親戚の方はご無事でしょうか? とんでも無い事になってしまいました。
連絡がとれない方は本当にご心配でしょうが,無事である事を信じて祈り続けましょう。信じる力は本当に大きいです,その力を信じて一人でも多くの方のご無事を祈っています。
震源地の近く以外にお住まいの方も,相当の揺れがあった上にこれだけ余震が絶えず起こっているので,外出される時にはどうか呉々もお気をつけ下さい。
皆様のご無事を心から祈っています」。
2)JAZZJAPANのHPより
「被災地の皆さん,
今すぐにでも被災地に飛んで行って何かお役に立てればと
思っている方が日本全国にいらっしゃいます。
背中に担げる様なピアノがあれば,すぐに飛んで行って路上コンサートを開きたい!!
という大迷惑なピアニストもここに一人おります。
突然現れるでしょうから覚悟しておいてください!!
被災された皆様が一日も早く,まず日常を取り戻す事が出来ますことを
心からお祈りしています」。
世界のジャズメンたちの中に『レインボー・ロータス』の続編制作の動きがある。内容のいかんに関わらずCDが発売されれば購入しようと思っている。
DISC 1
01. Paint My Heart Red
02. Nardis
03. Little Peace
04. No More Blues
05. Alone Together
06. Forthcoming
07. Change Of Heart
08. Dance Of The Broken Doll
09. Boy And Beauty
10. Sweet Revenge
DISC 2
01. Mbatu Mbatu
02. From Tom to Tom
03. I Fall In Love Too Easily
04. Mbanza Mquena
05. Navigate (Set Your Course)
06. Juju
07. Passoa Quese Certa
08. An Illusion In The Sound
09. Naturally
10. Nature's Collin' '95
11. Requiem for Hansin
かって阪神大震災の時に豪華ジャズメンによるチャリティCDが発売されました。それが『THE RAINBOW COLORED LOTUS』(以下『レインボー・ロータス』)です。
「音楽家は音楽で」をスローガンに設立された「国際音楽家阪神大震災基金」によって制作された「A BIG HAND FOR HANSHI」名義による『レインボー・ロータス』には総勢60名以上のジャズメンが参加しました。
管理人の2トップ=キース・ジャレットとパット・メセニーをはじめ,ラルフ・タウナー,ゲイリー・ピーコック,チャールス・ロイド,小曽根真,リッチー・バイラーク,デイブ・ホランド,ジャック・デジョネット,ミロスラフ・ヴィトウス,ロイ・ヘインズ,藤原清登,ミノ・シネル,トニーニョ・オルタ,ハービー・ハンコック他,どうですか? この日本ラヴな豪華メンバー。
急遽発売ということで(当然ながら)新録の少ない未発表音源集の様相=貴重な演奏集=現実の記録。
アルバムとしては統一感のない2枚組なので,正直,聴き疲れてしまう。被災者の方には元気になってから聴かせてあげたいと思った。
ただし全曲は無理でも特に「DISC 1」のトラック1−7の連続攻撃は外れなし。
キース・ジャレットの【ペイント・マイ・ハート・レッド】。これはキース・ジャレットの数ある傑作群の中でも突出する名演中の名演である。
1994年のNHK「地球シンフォニー」という年越し番組のために演奏されたソロ・ピアノ。いや〜,やっぱりキース・ジャレットにはポップ畑の血が流れている。根っからのカントリー野郎ならではの“チャーミングな”小品である。悲しい。でも新年を念頭に作曲された希望を呼び起こすメロディーが美しい。この美メロを奏でる“ウィットに富む”ピアノの音色が心の奥底にまで響き渡る。
【ペイント・マイ・ハート・レッド】は【イッツ・オール・イン・ザ・ゲーム】と並ぶ,管理人のキース・ソロ・ピアノの愛奏トラックである。本当に素晴らしいんだから。
キース・ジャレット・ファンの中にも,正規アルバム未収録の【ペイント・マイ・ハート・レッド】を知らないやからが多数存在する。マジで聴いてみてほしい。
ここでセラビーは宣言する! キース・ジャレットの魅力はインプロヴァイザーにあるのだが,キース・ジャレットの本質は「アメリカ人的“夢見るお花畑の”カントリー」である!
パット・メセニーの【チェンジ・オブ・ハート】は『クエスチョン・アンド・アンサー』収録曲。ちょっと年代が古すぎやしませんか〜,と突っ込みたくなるものだが,この選曲「実にメセニーらしい」とも思ったものだ。
デイブ・ホランドとロイ・ヘインズの熱い熟年ビート! パット・メセニーの本質もキース・ジャレットと同様な「アメリカ人的“どこまでも地平線な”カントリー」が流れている。この朗々とした美メロに癒される。
なお『レインボー・ロータス』収録の【チェンジ・オブ・ハート】には,原曲にライル・メイズがシンセをオーヴァー・ダビングしたニュー・バージョンへとブラッシュ・アップされています。
管理人が想像するに,この【チェンジ・オブ・ハート】でのライル・メイズのシンセ・アレンジに触発されたのがきっかけとなり,チャーリー・ヘイデンとの『ミズーリの空高く』へと向かったのでは?
しか〜し『レインボー・ロータス』のハイライトは,管理人の2トップ=キース・ジャレットとパット・メセニーではない。小曽根真,その人である。
小曽根真こそ日本人であり,神戸出身であり,一番の当事者である。そんないろんな思いで錯綜していたであろう彼の願いが【ノー・モア・ブルース】にぶつけられている。願いである。愛である。優しさである。
小曽根真の最高傑作である『ブレイクアウト』直後の流れの新録音。マジで勇気が出る。元気が出る。これぞ「音楽家は音楽で」のスローガンを直球で表現した,最大振幅の陰影のソロ・ピアノ。楽しいのに感動で涙が止まらない。
その小曽根真が今回の震災についてコメントを発表しています。
1)小曽根真のHPより
「皆さん,皆さんのご家族,ご親戚の方はご無事でしょうか? とんでも無い事になってしまいました。
連絡がとれない方は本当にご心配でしょうが,無事である事を信じて祈り続けましょう。信じる力は本当に大きいです,その力を信じて一人でも多くの方のご無事を祈っています。
震源地の近く以外にお住まいの方も,相当の揺れがあった上にこれだけ余震が絶えず起こっているので,外出される時にはどうか呉々もお気をつけ下さい。
皆様のご無事を心から祈っています」。
2)JAZZJAPANのHPより
「被災地の皆さん,
今すぐにでも被災地に飛んで行って何かお役に立てればと
思っている方が日本全国にいらっしゃいます。
背中に担げる様なピアノがあれば,すぐに飛んで行って路上コンサートを開きたい!!
という大迷惑なピアニストもここに一人おります。
突然現れるでしょうから覚悟しておいてください!!
被災された皆様が一日も早く,まず日常を取り戻す事が出来ますことを
心からお祈りしています」。
世界のジャズメンたちの中に『レインボー・ロータス』の続編制作の動きがある。内容のいかんに関わらずCDが発売されれば購入しようと思っている。
DISC 1
01. Paint My Heart Red
02. Nardis
03. Little Peace
04. No More Blues
05. Alone Together
06. Forthcoming
07. Change Of Heart
08. Dance Of The Broken Doll
09. Boy And Beauty
10. Sweet Revenge
DISC 2
01. Mbatu Mbatu
02. From Tom to Tom
03. I Fall In Love Too Easily
04. Mbanza Mquena
05. Navigate (Set Your Course)
06. Juju
07. Passoa Quese Certa
08. An Illusion In The Sound
09. Naturally
10. Nature's Collin' '95
11. Requiem for Hansin
(ポリドール/POLYDOR 1995年発売/POCP-7070/1)
(ライナーノーツ/稲岡邦弥,オスカー・デリック・ブラウン,湯川れい子,ハービー・ハンコック,チャールス・ロイド,古賀賢治 1995年発売/POCP-7070/1)
(ライナーノーツ/稲岡邦弥,オスカー・デリック・ブラウン,湯川れい子,ハービー・ハンコック,チャールス・ロイド,古賀賢治 1995年発売/POCP-7070/1)
コメント一覧 (4)
実を言うと、キースの演奏って殆ど聴いた事がなくて、本格的に聴いたのが、この曲だったりします♪
本当に心打つ切なくも、希望の光が見える名曲であり、名演奏ですね。
パットのトラックも、地味ながらこのアルバム全体の良いポイントになってると思います。「ミズーリの空高く」は、セラビーさんの推測通り、このトラックから構想があったのかもしれませんね。
小曽根真の「ノー・モア・ブルース」・・もう感動しっぱなしで、何回もリピートしてました。そうそう、時期的には「ブレイク・アウトの頃でしたね。
あれだけ感情の入った気迫の迫る演奏って、ナカナカ無いかもですね♪
このアルバム、2枚組と言う事で、どうしても、1枚目の方ばかり聴いてしまうのですが、今度、じっくりともう一枚の方も聴いてみようと思います。
全く同じ感覚のコメントに驚いています。キースとメセニーが最高。でも小曽根がエースですよね。
私も2枚組なのに1枚目ばかり。それも1−7トラックだけを聴いていました。2枚目は多分2・3回聴いて放置。チャリティは内容うんぬんではないのにです。
いや,スペシャルな小曽根真のピアノを聴くとチャリティ盤は気合が全てでしょう。
『レインボー・ロータス2』『レインボー・ロータス・アゲイン』を待っています。
『レインボー・ロータス』の続編。私からも期待したいです。今度もECMがいいなあ。ヴィーナスでもいい。小曽根真には絶対参加してほしいですね。
【ノー・モア・ブルース】には私も泣きました。
音楽は力ありますね。私の人生も音楽に何度も救われました。のぶひでさんも大変でしょうが,いい音楽聴いて力を得てくださればと願っています。
ジャズ界にもチャリティに熱心なミュージシャンがたくさんいてうれしいです。ECM&ヴィーナス&小曽根真なオールスターズならうれしいですが,そうならなくても購入します。