
「忘れ過ぎていた日々が,なにげないひとときにふいに浮かびあがる。
山稜のオレンジラインの向こうに,太陽を引き寄せるだけのなにかがあると信じていたことさえあったんだ。
それは,かつてシルクロードの商人が見たというさまよえる湖にも似たミラージュだったのだろうか。
キーを差しこみギアを入れれば,もうそこはあの日のスカイライン。
空に駆ければ,東からの風が窓を抜ける。受け止めようとして手を伸ばしてみれば,ヘッドライトの先にある薄明かりの雲の端に,まだ捨てさられずに旅の彼方があった」。
『ロング・フォー・ジ・イースト』での「もっと遠くへ。もっと東へ」のドライブは大人の運転での遠距離ドライブ。排気量の大きいセダンを軽く転がす大人のドライブ。楽しみは車を走らせることではなく景色に吸い込まれてしまいそうな一体感。ハンドルを通してどこまでも続くハイウェイと地球との対話を楽しむドライブである。
『ロング・フォー・ジ・イースト』で松岡直也が走らせるセダンは“新車”である。今回の“新生にして真正”松岡直也グループには,ベースの高橋ゲタ夫,キーボードの津垣博通,ドラムの広瀬徳志に加えて,新メンバーとしてパーカッションのウイリー長崎,パーカッションの菅野真吾が参加している。そう。『ロング・フォー・ジ・イースト』で“黄金期の松岡直也グループ”の主要メンバーが勢揃いしたのだ。
そして『ロング・フォー・ジ・イースト』でハンドルを握った松岡直也の助手席には,ボーカルで久保田利伸と楠瀬誠志郎が,ギターで土方隆行と和田アキラが“道先案内人”を務めている。
このゲスト4人の音使いのセンスこそ“新生にして真正”松岡直也グループの基盤の音。同じラテン・フュージョンでも,ラテン・ハード・ロックな『夏の旅』の前後では音造りが異なっている。
そう。当時流行のギター・フュージョンの“波にもまれた”ラテン・フュージョンは「リズム控えめのアドリブ多め」指向。管理人的には“ウハウハ”の時代がやってきたのだ。

そう。『ロング・フォー・ジ・イースト』の秋物語は【ロング・フォー・ジ・イースト】【ニュアージュ】【この道の果てに】の3曲で完結する。後の4曲は旅の途上の“付けたしハプニング集”。
【ザ・ラテン・マン】は“名伯楽”として久保田利伸をデビューさせるための付けたし。【ア・パストラル】は『夏の旅』収録の【田園詩】の付けたし。“秋の味覚”は付けたしにある。
PS1 土方隆行と和田アキラのギターが同一人物に聞こえていました。音の味覚音痴を自己申告いたします。
PS2 関係ないけど『夏の旅』と『ロング・フォー・ジ・イースト』は(買えるのであれば)LPを是非買ってください。ジャケットに見とれながら聴くアナログ・レコードの高音質の相乗効果が,松岡直也音世界の素晴らしさをダイレクトに伝えてくれることでしょう。おい,他人事かよ〜。
PS3 本当に関係ないけど「もっと遠くへ。もっと東へ」を実現するためにバイク用「ゲルザブD」を購入してみました。お尻痛いの飛んでけ〜。
01. THE LATIN MAN
02. LONG FOR THE EAST
03. NUAGE
04. A HEAD WIND
05. THE END OF THE WAY
06. A PASTORAL
07. THE PRIME OF LIFE
(アーント/ANT 1984年発売/ANT-12)
(ライナーノーツ《ポエム》/柏田道夫)
(ライナーノーツ《ポエム》/柏田道夫)
秋の学祭で東京音大に行ったんだよねぇ。楽しかったなぁ・・・
部活のリーグ戦の合間ぬって学祭ライブ巡りしてました。
スクェア2本と松岡翁1本だけだけどね。
11/11は現地集合?