
「アドリブログ」は矢野沙織を称賛するために始めたブログ。
そんな矢野沙織の大名盤『BE BOP AT THE SAVOY』批評。
1)往年のバップ・ナンバーへの「いぶし銀の」選曲眼。
2)“パーカー派”矢野沙織復活。
3)『LITTLE TINY』でのオルガン&グルーヴ路線の復活。
4)「サヴォイ」のジャズメンとしての誇りと自覚。
5)キー・パーソン=ルー・ドナルドソンと矢野沙織の接点。
6)3作品連続ボーナス・トラックのハズシへの怒り。
7)そして何より感じた矢野沙織の新境地…。
軽〜く数えて上記7点。『BE BOP AT THE SAVOY』批評で書きたいこと,いいや,書かなければならないことはごまんとある。
しかし今回はCD批評は全カット。『BE BOP AT THE SAVOY』批評については,あるドラマーのお話をしようと思う。
その昔,管理人の職場に大学生の男の子がアルバイトでやってきた。かなり“しゅっとした”感じのイケメンで頭も良いし気が強い。でも深夜〜早朝の別のバイトと掛け持ちしている頑張り屋さんだった。聞けば日中はドラムの個人練習&バンド全員での練習時間。真面目にプロを目指していた。
そんな彼がNYへ卒業旅行に行った。目的は観光ではない。NY旅行のメインはプロのドラマーにドラムの個人レッスンを受けること。先生の名前は田井中福司。

そうは言われても,口には出さなかったが,見たことも聞いたこともない,名前さえ知らないドラマーにNYまで出掛けて師事するとは,正直「お金が勿体無い?」と思ってしまった。田井中福司の音源を探してみようとも思わなかった。
彼は大学卒業後も就職するでもなくうちの職場でバイトしていたが,そのうち東京へと引っ越した。あるクラブでドラマーの仕事が決まったそうだ。フロア兼ドラマーの半プロ生活を送りながらメジャー・デビューを目指していた。アッパレな男である。
その後,職場で彼についての話題も出なくなった。メジャー・デビューしたという噂も聞かない。自然と管理人の記憶の中からいなくなってしまった。
しかし,あるアルバムのクレジットを見て,猛烈に彼と話したい,との衝動に襲われた。そう。ドラマー=田井中福司。『BE BOP AT THE SAVOY』でドラムを叩いていたのだ。
初めて聴いた田井中福司のドラミングの(正直,矢野沙織の極上のアルト・サックスに耳が惹かれてかなわないのだが)なんとしなやかなことか!
矢野沙織が気持ちよくグルーヴしている。田井中福司が産み落とすスイングの波を泳いでいる。チャーリー・パーカー直系のルー・ドナルドソンのレギュラー・ドラマーは伊達ではない。

こんなことならもっと田井中福司のことを聞いとけばよかった。
いつの日か管理人は矢野沙織のニュー・アルバムのクレジットに「松原○○ ドラム」の文字を見ることを楽しみにしている。松原くん,東京で頑張っているんだろうなぁ(セミプロの有名人なのだから名字のみの露出は応援クリックの意)。
PS 「BE BOP AT THE SAVOY-3」は販促用のコースターです。アートワーク!
01. The Kicker
02. Sweet Cakes
03. Blues Walk
04. You'd Be So Nice to Come Home To
05. S' Wonderful
06. Lullaby of Birdland
07. Olive Refractions
08. Stardust
09. Five Spot After Dark
10. How High the Moon
11. Laura Peacock〜太陽の船のテーマ
(サヴォイ/SAVOY 2010年発売/COCB-53903)
(ライナーノーツ/小川隆夫)
(ライナーノーツ/小川隆夫)
ボクもこのアルバム、大好きなのですが
今度、ジックリとドラマーに焦点を当てて聴いてみようと思います。
それにしても、運命的なお話ですね!
松原君、きっと今も何処かでドラム叩いてますね♪