DEAR FRIENDS-1 LAセッションベーシスト界の“ファースト・コール”=エイブラハム・ラボリエルファーストソロCDが『DEAR FRIENDS』(以下『ディア・フレンズ』)。

 内容は最高である。『ディア・フレンズ』のタイトル通り,参加ジャズメンも超豪華である。第一,待望視されたいた“重鎮”エイブラハム・ラボリエルファーストソロCDである。でもリリース当時,なぜだか話題にならなかった記憶がある。

 「コイノニア」が解散したから? 渡辺貞夫のサポートを辞めちゃったから? まだバリバリ活躍中なのに日本のニュース・ソースに乗らないだけで「過去の人扱い」は許し難い。クタバレ,ジャズ・ジャーナリズム。

 そういうことで『ディア・フレンズ』を購入したのは昔からのエイブラハム・ラボリエル・ファンのみ!? ということで購入者は大絶賛という図式にあるので『ディア・フレンズ批評では「ディア・フレンズ」のメンバー紹介を。

 エイブラハム・ラボリエルの「ディア・フレンズ」・セッション! キーボードグレッグ・マティソンドラムスティーブ・ガッドパーカッションルイス・コンテサックスアーニー・ワッツドラムエイブラハム・ラボリエル,JR.ギターディーン・パークスボーカルフィリップ・ベイリーボーカルビル・チャップリンギターポール・ジャクソン,JR.サックスフスト・アルマリオピアノデイブ・グルーシンキーボードドン・グルーシンドラムアレックス・アクーニャボーカルアル・ジャロウピアノジョー・サンプルギターラリー・カールトン and more。

 どうですか? これぞエイブラハム・ラボリエルセッションベーシストとしての歴史であり“人徳”の証しですし『ディア・フレンズ』はエイブラハム・ラボリエルにとっての「宝物」でありエイブ・ファンの「宝物」だと思っていますから…。
 このメンバーからして連想するのは,同じくセッションベーシストの“ファースト・コール”=青木智仁ファーストソロCDDOUBLE FACE』と被る被る〜。

DEAR FRIENDS-2 テイストとしてはベーシストソロCDらしく?「バリバリに引き倒す」楽曲などございません(青木さんに限らずジャコパスにしてもマーカスにしても櫻井さんにしても。なぜなんですか?)美メロを聴かせるベース・ラインの職人技が真骨頂な裏方稼業。

 エイブラハム・ラボリエルその線で来るのであれば,自作曲を期待もするが,単独オリジナルは3曲で残りはプロデューサーのグレッグ・マティソンの提供曲か共作。
 うん。これでいいんです。エイブ・ファンにとって,エイブラハム・ラボリエルがバックで楽しそうに(巨体を揺すりながら)ベースを弾いている。ただそれだけで“ニンマリ”ものなのです。

 上記豪華「ディア・フレンズ」陣が,フュージョンラテンサンバありなボーカルものを「入れ代わり立ち代わり」盛り上げつつ『ディア・フレンズ』のサウンドはコンパイルではないトータルCD仕上げ。

 この振り幅が「最も幅広く活躍するセッションベーシスト」の称号を受けたエイブラハム・ラボリエルならなんだよなぁ。やっぱりエイブラハム・ラボリエルの支えるボトムが“濃厚”なんだよなぁ。

  01. QUOTE,UNQUOTE
  02. AND I DO
  03. HOLIDAYS
  04. LOOK AT ME
  05. GOYO
  06. DEAR FRIENDS
  07. SAMBA 7
  08. MY JOY IS YOU
  09. SIMPLE SELF
  10. ARROYO

(徳間ジャパンコミュニケーションズ/MOO RECORDS 1993年発売/TKCB-70073)
(ライナーノーツ/熊谷美広)

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