ブラッド・メルドー,芸術音楽を究めたり! ブラッド・メルドー,ジャズ・ピアノを究めたり! ブラッド・メルドー,「THE ART OF THE TRIO」を究めたり!
『PROGRESSION:ART OF THE TRIO,VOLUME 5』(以下『プログレッション:アート・オブ・ザ・トリオ VOL.5』)におけるピアノ=ブラッド・メルドー,ベース=ラリー・グレナディア,ドラム=ホルヘ・ロッシィによるブラッド・メルドー・トリオは,キース・ジャレットの最高峰「アメリカン・カルテット」と同じ立ち位置にいた。
もう行き着くところまで行ってしまった。後は解散するのみである。完璧な芸術性&完璧なコンビネーションから来るブラッド・メルドーの創造性が頂点に達してしまったのだ。かなり“トンガッタ”唯一無二のジャズ・ピアノの世界が完成してしまっている。
一発勝負のライブ録音において,これ以上,何かを足したり何かを引いては絶対に完成しない領域にまで到達している。素晴らしい。
尤もブラッド・メルドー一連の「THE ART OF THE TRIO」シリーズは発足直後から完成品だった。しかし『プログレッション:アート・オブ・ザ・トリオ VOL.5』は他の4枚とは明らかに違う領域にまで踏み込んでいる。円熟というか熟成というか…。
例えば前作『アート・オブ・ザ・トリオ 4:バック・アット・ザ・ヴァンガード』との比較で言えば,音符をひたすら速くたくさん詰め込もうとするブラッド・メルドーをサポートするラリー・グレナディアとホルヘ・ロッシィのリズム隊がうるさく感じる瞬間があった。
しかしどうだろう。『プログレッション:アート・オブ・ザ・トリオ VOL.5』におけるブラッド・メルドー・トリオの演奏は,クールでダークで熱狂的。「抑えるべきところは抑え,行くべきところは行く」というメリハリの効いた演奏である。
これまでのライブCDに欠けていたトータルなバランス感覚が加わり,単なる技巧的・音楽的試行を超えた普遍性が備わっている。例の“難解臭さ”が消えている。
特に絶品バラード=【クライ・ミー・ア・リバー】【いつの頃から】の2トラックでは,無感動系から感動系のジャズ・ピアノが現われている。そうして訪れる,全てのジャズ・ファンのハートを「いただきまゆゆ」ならぬ「いただきメルドー」のクライマックス。
これ以上,ブラッド・メルドー・トリオに何を求めたらよいのだろう。なにもあるまい。
ブラッド・メルドーの芸術にしてブラッド・メルドーのジャズ・ピアノとは,テーマを切り取ってはつなぎ合わせ,折ったりまるめたり,破ったり燃やしたり…。そこへコンソメやソース,はたまた味噌をも配合した絶妙ブレンドの創作音楽。
しかし,基本はジャズのルーツに則った,計算高くも瞬時に反応する美しすぎるアドリブの連打。そこへベースとドラムが反応し,そのリズム隊の返しに再びピアノが反応し,最高の循環のままクライマックスに達した瞬間に必ずや放たれるアウト・フレーズの楽しさときたら…。あぁ…。
そう。『プログレッション:アート・オブ・ザ・トリオ VOL.5』はブラッド・メルドー「THE ART OF THE」トリオの集大成!
3日間の「ヴィレッジ・ヴァンガード」におけるライブ盤は,2枚組でリリースされるのも至極当然の大名盤。いいや,この質の高い演奏は2枚組では物足りない。単純に収録時間の関係で発表が見送られたお宝トラックが埋没しているはず?
お願いワーナーさん,是非とも「THE ART OF THE TRIO」名義の『THE COMPLETE LIVE AT THE VILLAGE VANGUARD』BOXセット〜を! 10枚組のボリューミィでも絶対購入しますから〜!
Disc 1
01. The More I See You
02. Dream's Monk
03. The Folks Who Live On The Hill
04. Alone Together
05. It Might As Well Be Spring
06. Cry Me A River
07. River Man
Disc 2
01. Quit
02. Secret Love
03. Sublation
04. Resignation
05. Long Ago And Far Away
06. How Long Has This Been Going On?
『PROGRESSION:ART OF THE TRIO,VOLUME 5』(以下『プログレッション:アート・オブ・ザ・トリオ VOL.5』)におけるピアノ=ブラッド・メルドー,ベース=ラリー・グレナディア,ドラム=ホルヘ・ロッシィによるブラッド・メルドー・トリオは,キース・ジャレットの最高峰「アメリカン・カルテット」と同じ立ち位置にいた。
もう行き着くところまで行ってしまった。後は解散するのみである。完璧な芸術性&完璧なコンビネーションから来るブラッド・メルドーの創造性が頂点に達してしまったのだ。かなり“トンガッタ”唯一無二のジャズ・ピアノの世界が完成してしまっている。
一発勝負のライブ録音において,これ以上,何かを足したり何かを引いては絶対に完成しない領域にまで到達している。素晴らしい。
尤もブラッド・メルドー一連の「THE ART OF THE TRIO」シリーズは発足直後から完成品だった。しかし『プログレッション:アート・オブ・ザ・トリオ VOL.5』は他の4枚とは明らかに違う領域にまで踏み込んでいる。円熟というか熟成というか…。
例えば前作『アート・オブ・ザ・トリオ 4:バック・アット・ザ・ヴァンガード』との比較で言えば,音符をひたすら速くたくさん詰め込もうとするブラッド・メルドーをサポートするラリー・グレナディアとホルヘ・ロッシィのリズム隊がうるさく感じる瞬間があった。
しかしどうだろう。『プログレッション:アート・オブ・ザ・トリオ VOL.5』におけるブラッド・メルドー・トリオの演奏は,クールでダークで熱狂的。「抑えるべきところは抑え,行くべきところは行く」というメリハリの効いた演奏である。
これまでのライブCDに欠けていたトータルなバランス感覚が加わり,単なる技巧的・音楽的試行を超えた普遍性が備わっている。例の“難解臭さ”が消えている。
特に絶品バラード=【クライ・ミー・ア・リバー】【いつの頃から】の2トラックでは,無感動系から感動系のジャズ・ピアノが現われている。そうして訪れる,全てのジャズ・ファンのハートを「いただきまゆゆ」ならぬ「いただきメルドー」のクライマックス。
これ以上,ブラッド・メルドー・トリオに何を求めたらよいのだろう。なにもあるまい。
ブラッド・メルドーの芸術にしてブラッド・メルドーのジャズ・ピアノとは,テーマを切り取ってはつなぎ合わせ,折ったりまるめたり,破ったり燃やしたり…。そこへコンソメやソース,はたまた味噌をも配合した絶妙ブレンドの創作音楽。
しかし,基本はジャズのルーツに則った,計算高くも瞬時に反応する美しすぎるアドリブの連打。そこへベースとドラムが反応し,そのリズム隊の返しに再びピアノが反応し,最高の循環のままクライマックスに達した瞬間に必ずや放たれるアウト・フレーズの楽しさときたら…。あぁ…。
そう。『プログレッション:アート・オブ・ザ・トリオ VOL.5』はブラッド・メルドー「THE ART OF THE」トリオの集大成!
3日間の「ヴィレッジ・ヴァンガード」におけるライブ盤は,2枚組でリリースされるのも至極当然の大名盤。いいや,この質の高い演奏は2枚組では物足りない。単純に収録時間の関係で発表が見送られたお宝トラックが埋没しているはず?
お願いワーナーさん,是非とも「THE ART OF THE TRIO」名義の『THE COMPLETE LIVE AT THE VILLAGE VANGUARD』BOXセット〜を! 10枚組のボリューミィでも絶対購入しますから〜!
Disc 1
01. The More I See You
02. Dream's Monk
03. The Folks Who Live On The Hill
04. Alone Together
05. It Might As Well Be Spring
06. Cry Me A River
07. River Man
Disc 2
01. Quit
02. Secret Love
03. Sublation
04. Resignation
05. Long Ago And Far Away
06. How Long Has This Been Going On?
(ワーナー・ブラザーズ/WARNER BROTHERS 2001年発売/WPCR-11042〜3)
(☆スリーブ・ジャケット仕様)
(CD2枚組)
(☆輸入盤国内仕様 ライナーノーツ/青木和富,ブラッド・メルドー)
(☆スリーブ・ジャケット仕様)
(CD2枚組)
(☆輸入盤国内仕様 ライナーノーツ/青木和富,ブラッド・メルドー)