
チック・コリアとスタンリー・クラークのインタープレイが前面に出た『MUSICMAGIC』のフォロー・ツアーゆえに,10人による“スモール・コンボ”テイストのライブなのだが,ライブゆえの長尺の演奏が真に面白い!
主役の2人=チック・コリアとスタンリー・クラークの“超絶技巧”が大爆発。ビッグ・バンドに“お膳立てされた”ステージとはいえ,ビッグ・バンドを手なずけ,意のままに操り,チック・コリアが不意にシンセから生ピアノに戻ったり,スタンリー・クラークがヴォーカル・パートをピッコロ・ベースで歌ったりと「ここまでやりたい放題やるか〜」的な“傍若無人”なステージングが圧倒的!
“天才”に整えられた環境が与えられたらどうなるかを証明する大名演の1つであろう。
しかし,管理人は『ザ・コンプリート・コンサート』をチック・コリアとスタンリー・クラークの“傍若無人”目当てでは聴いていない。
ズバリ『ザ・コンプリート・コンサート』の聴き所は,ほんの気持ち程度のソロ・スペースが与えられた他の8人の大逆襲! これぞ“喰うか食われるか”的なジャズの醍醐味である!

サックスとフルートのジョー・ファレル,キーボードとヴォーカルのゲイル・モランは別格として,満員御礼の晴れの舞台で“下剋上”を図る“鉄壁のブラス隊”5人衆がステージ上で踊っていた。
トランペットのジョン・トーマスとジェイムス・ティンズレー,トロンボーンのジム・ピューとハロルド・ギャレット,そしてこのツアーのために帯同したトロンボーンのロン・モスが“手加減なし”で攻め上がる!
掴みきれそうで掴みきれやしなかった,抽象的な『MUSICMAGIC』の路線をさらに掘り下げたかのような,チック・コリアの“お株を奪う”イマジネーション溢れるアドリブが素晴らしい。

チック・コリアのシンセサイザーと相まって実際の人数以上の,それは豊かな豊かなブラスなのである。
つまりチック・コリアにとっては「エレクトリック・バンド」が「2期」リターン・トゥ・フォーエヴァーの再結成であり「オリジン」が「3期」リターン・トゥ・フォーエヴァーの再結成なのである。
ゆ・え・に・管理人は「オリジン」も支持するのです。

この最後の最後のアンコール演奏が五臓六腑に染み渡る。いいんだよなぁ,これがっ!
DISC 1
01. OPENING '77
02. THE ENDLESS NIGHT
03. CHICK COREA:SPOKEN INTRO OF THE
MUSICIAN
04. THE MUSICIAN
DISC 2
01. STANLEY CLARKE:SPOKEN INTRO TO THE
HERRO AGAIN/SO LONG MICKEY MOUSE
02. HERRO AGAIN
03. SO LONG MICKEY MOUSE
04. MUSICMAGIC
DISC 3
01. COME RAIN OR COME SHINE/FINE AND DANDY
02. STANLEY CLARKE:SPOKEN INTRO TO
SERENADE
03. SERENADE
04. CHICK COREA:SPOKEN INTRO TO THE
MOORISH WARRIOR AND SPANISH PRINCESS
05. THE MOORISH WARRIOR AND SPANISH
PRINCESS
06. STANLEY CLARKE:SPOKEN INTRO TO CHICK
COREA'S PIANO SOLO
07. CHICK'S PIANO SOLO
08. SPANISH FANTASY
09. ON GREEN DOLPHIN STREET
(ソニー/SONY 1978年発売/SICP 20305〜7)
(ライナーノーツ/山田順一,チック・コリア,ボブ・ベルデン)
(CD3枚組)
(紙BOXセット仕様)
(☆BLU−SPEC CD仕様)
(ライナーノーツ/山田順一,チック・コリア,ボブ・ベルデン)
(CD3枚組)
(紙BOXセット仕様)
(☆BLU−SPEC CD仕様)
これは【Romantic Warrior】を買った段階でもう持っていました。
【Return to Forever】と名乗りつつも「第1期」とも「第2期」とも似ても似つかぬ“ほぼ”別バンドとして解釈もできる気もしたので、先に買っておいても大丈夫かな?っといった感じです
ブラス隊の導入やGayle Moran Coreaのボーカルであったり興味深い物が沢山詰まったアルバムだと思います。
あ、もちろん「Musicmagic」も持っております。
私もLive盤派なのでこちらにお邪魔したという訳です 笑
個人的には【My Spanish Heart】に収録されていた『Spanish Fantasy』の再演が大好物です。
Pt.4の部分を大胆なアレンジで再演されているので、もう唸る他ありません!
この曲の最初の方で出てくるトランペットの「ほんの気持ち程度のソロ・スペース」がぶっ飛んでいますね。
ここが管理人さんの魅了されたポイントだと思います。
それでいてChick CoreaもStanley Clarkeもソロに突入した時の“気合い”は他の追随を許さないほどの爆発力です。
ブラス隊 VS Chick Corea&Stanley Clarkeの“魅せ合い”が最高に気持ちいい大名演なのだと思います。