サックス界の「ニュー・スター」宮里陽太のことは知っていた。TOKYO FM系「山下達郎/サンデー・ソングブック」で知っていた。
番組の中でツアー情報のついて語る度に,山下達郎氏が宮里陽太のことを,殊の外“絶賛”しているように感じていた。
管理人は山下達郎の音楽は,それこそ氏のラジオでしか聞かないのだが,音楽マニアとしての山下達郎の“耳”については信頼している。山下達郎はコアな音楽マニアにしてコアなオーディオ・マニアである。
そんな山下達郎が宮里陽太のソロ・デビューを前面バックアップ。エグゼクティヴ・プロデューサーを務めライナーノーツまで書いている。「1枚目はストレート・アヘッドなジャズ・アルバム」という指令を下している。こ・れ・は…。
しかし「山下達郎/サンデー・ソングブック」でオンエアされた「売り出し中」の『PLEASURE』(以下『プレジャー』)特集に,管理人の触手は動かなかった。
ここはサラッと書かせていただくが,管理人は『プレジャー』をプレゼントとしていただいた。某友人からの結婚祝いの品である。○久保くん,ありがとう。プレゼントとしていただかなければ,自分でお金を払って聴くことはなかったと思うよっ。
結論から語れば『プレジャー』は聴いてよかった! 楽しめた! ただし「ストレート・アヘッドなジャズ・アルバム」としてではない。宮里陽太の本質である「スムーズ・ジャズ」寄りのアルバムとして楽しめた!
ズバリ『プレジャー』の成功は共演した,ピアノのジョン・ビーズリーとデイビッド・キコスキー,ベースのリューベン・ロジャース,ドラムのジェフ“テイン”ワッツの,それはそれは見事なサポートのおかげである。
ジョン・ビーズリーにしてもデイビッド・キコスキーにしてもリューベン・ロジャースにしてもジェフ“テイン”ワッツにしても,ツボを押さえた軽めの演奏で,決して宮里陽太の前には出て来ない。
完璧にお膳立てされた宮里陽太が,オーソドックスなジャズ・サックス,を吹き鳴らしている。“生真面目に”あるいは“律儀に”バックの完璧な“振り”を拾っていく。
ただし,宮里陽太のアドリブは,ポップスとか歌もので映える「1小節での爆発型」であって,サイドメンが廻してきた長尺のロング・ソロの場面では,オーソドックスに行こうと意識した際の手癖なのだろうか? お決まりのフレージングが散見される。
思うに,本当の宮里陽太は“ジャズの人”ではなくて“ジャズから遠い人”なのでは? 本当の宮里陽太は“ジャズもできる”オールランド・プレイヤー?
山下達郎の狙いとは逆に『プレジャー』における,ストレート・アヘッドなジャズ・フォーマットが,かえって宮里陽太の「非ジャズ的な個性」を伝えているように思う。
『プレジャー』で,宮里陽太が本当に演りたかったのは,ジャズ・スタンダード集ではなく,オリジナル集だったのでは? 宮里陽太に「ジャズが似合う」は決め付けでは? 単純に山下達郎の好みの押し付けでは?
そう感じてしまうくらいに『プレジャー』から聴こえてくる宮里陽太のフレージングは翳りの少ないフュージョン・サックス。【ENGLISHMAN IN NEW YORK】なんかは「スムーズ・ジャズ」一発であろう。歌ものの解釈にこそ宮里陽太のフュージョン・サックスの個性が輝いている。
宮里陽太の本意ではなく用意された,当代随一のサイドメン4人。ジョン・ビーズリー,デイビッド・キコスキー,リューベン・ロジャース,ジェフ“テイン”ワッツとのレコーディングなど,世界中のサックス・プレイヤーにとっては“夢のまた夢”。このメンツは渡辺貞夫に用意されるべきサイドメンである。
その意味で「最初にして最後のゴールを迎えてしまった」宮里陽太は不幸である。宮里陽太が山下達郎に潰されてしまった?
いいや,宮里陽太にはフュージョン・サックスの個性がある。山下達郎のことだ。セカンド・アルバムにも『プレジャー』と同様の超ビッグなサイドメンを連れてくるに決まっている。
その時こそが宮里陽太の「リベンジ」のチャンス。「スムーズ・ジャズ」の才能を爆発させる“男の大勝負”が迫っている!
PS 「PLEASURE-3」は(大○保くんの言葉によると)山下達郎のLIVE会場で,特典として物販されていた宮里陽太の直筆サインだそうです。大久○くん,ありがとう!
01. Just Friends
02. Castle Peak Hotel
03. Soul Eyes
04. KATS
05. liar
06. There Is No Greater Love
07. Englishman In New York
08. Four
09. Happy Tree
10. Good morning!
11. mischievous
12. horizon blue
番組の中でツアー情報のついて語る度に,山下達郎氏が宮里陽太のことを,殊の外“絶賛”しているように感じていた。
管理人は山下達郎の音楽は,それこそ氏のラジオでしか聞かないのだが,音楽マニアとしての山下達郎の“耳”については信頼している。山下達郎はコアな音楽マニアにしてコアなオーディオ・マニアである。
そんな山下達郎が宮里陽太のソロ・デビューを前面バックアップ。エグゼクティヴ・プロデューサーを務めライナーノーツまで書いている。「1枚目はストレート・アヘッドなジャズ・アルバム」という指令を下している。こ・れ・は…。
しかし「山下達郎/サンデー・ソングブック」でオンエアされた「売り出し中」の『PLEASURE』(以下『プレジャー』)特集に,管理人の触手は動かなかった。
ここはサラッと書かせていただくが,管理人は『プレジャー』をプレゼントとしていただいた。某友人からの結婚祝いの品である。○久保くん,ありがとう。プレゼントとしていただかなければ,自分でお金を払って聴くことはなかったと思うよっ。
結論から語れば『プレジャー』は聴いてよかった! 楽しめた! ただし「ストレート・アヘッドなジャズ・アルバム」としてではない。宮里陽太の本質である「スムーズ・ジャズ」寄りのアルバムとして楽しめた!
ズバリ『プレジャー』の成功は共演した,ピアノのジョン・ビーズリーとデイビッド・キコスキー,ベースのリューベン・ロジャース,ドラムのジェフ“テイン”ワッツの,それはそれは見事なサポートのおかげである。
ジョン・ビーズリーにしてもデイビッド・キコスキーにしてもリューベン・ロジャースにしてもジェフ“テイン”ワッツにしても,ツボを押さえた軽めの演奏で,決して宮里陽太の前には出て来ない。
完璧にお膳立てされた宮里陽太が,オーソドックスなジャズ・サックス,を吹き鳴らしている。“生真面目に”あるいは“律儀に”バックの完璧な“振り”を拾っていく。
ただし,宮里陽太のアドリブは,ポップスとか歌もので映える「1小節での爆発型」であって,サイドメンが廻してきた長尺のロング・ソロの場面では,オーソドックスに行こうと意識した際の手癖なのだろうか? お決まりのフレージングが散見される。
思うに,本当の宮里陽太は“ジャズの人”ではなくて“ジャズから遠い人”なのでは? 本当の宮里陽太は“ジャズもできる”オールランド・プレイヤー?
山下達郎の狙いとは逆に『プレジャー』における,ストレート・アヘッドなジャズ・フォーマットが,かえって宮里陽太の「非ジャズ的な個性」を伝えているように思う。
『プレジャー』で,宮里陽太が本当に演りたかったのは,ジャズ・スタンダード集ではなく,オリジナル集だったのでは? 宮里陽太に「ジャズが似合う」は決め付けでは? 単純に山下達郎の好みの押し付けでは?
そう感じてしまうくらいに『プレジャー』から聴こえてくる宮里陽太のフレージングは翳りの少ないフュージョン・サックス。【ENGLISHMAN IN NEW YORK】なんかは「スムーズ・ジャズ」一発であろう。歌ものの解釈にこそ宮里陽太のフュージョン・サックスの個性が輝いている。
宮里陽太の本意ではなく用意された,当代随一のサイドメン4人。ジョン・ビーズリー,デイビッド・キコスキー,リューベン・ロジャース,ジェフ“テイン”ワッツとのレコーディングなど,世界中のサックス・プレイヤーにとっては“夢のまた夢”。このメンツは渡辺貞夫に用意されるべきサイドメンである。
その意味で「最初にして最後のゴールを迎えてしまった」宮里陽太は不幸である。宮里陽太が山下達郎に潰されてしまった?
いいや,宮里陽太にはフュージョン・サックスの個性がある。山下達郎のことだ。セカンド・アルバムにも『プレジャー』と同様の超ビッグなサイドメンを連れてくるに決まっている。
その時こそが宮里陽太の「リベンジ」のチャンス。「スムーズ・ジャズ」の才能を爆発させる“男の大勝負”が迫っている!
PS 「PLEASURE-3」は(大○保くんの言葉によると)山下達郎のLIVE会場で,特典として物販されていた宮里陽太の直筆サインだそうです。大久○くん,ありがとう!
01. Just Friends
02. Castle Peak Hotel
03. Soul Eyes
04. KATS
05. liar
06. There Is No Greater Love
07. Englishman In New York
08. Four
09. Happy Tree
10. Good morning!
11. mischievous
12. horizon blue
(ムーン・レコード/MOON RECORDS 2014年発売/QYCL-10003)
(ライナーノーツ/山下達郎)
(ライナーノーツ/山下達郎)
コメント一覧 (2)
私もこのアルバムをサンソンで知り、レンタルで聴きました。サンソンで掛かったのは、M5の「LIAR」ですね。近年の達郎のライブをサンソンで流すのを耳にはしていたので、特にサックスが出てくる「恋のブギウギトレイン」などの時なんかが、彼のプレイが楽しめました。先日のサンソンで、「ソリッド・スライダー」(2012年のライブ)が掛かったのですが、宮里くんと難波さんのバトルが凄かったです。
オリジナルやスタンダードナンバーも良いですが、M7の「Englishman New York」は私も良いなと思いましたが、サイドマンの面子がベテランばかりなのが、凄く勿体無いなと思いました。昨年、2枚目が出て、レンタルにもあるので、聴いてみようと思います。
松原正樹さん。残念ですね。個人的には松山千春の【長い夜】のギターが最高で,あのボーカル以上に耳に行くギタリストとして永遠に記憶されることでしょうね。
サンソン。最近は月イチ平均で聞いていますが「恋のブギウギトレイン」「ソリッド・スライダー」の回は聞き逃したようです。毎週チェックするべきですね。
(2012年のライブ)が掛かったのですが、宮里くんと難波さんのバトルが凄かったです。
さて,本題の「Englishman New York」。いいですよね。
私も当初は「サイドマンの面子がベテランばかりなのが、凄く勿体無いな」と思いましたが,時間が経つにつれて,こんな贅沢も許されるのだと思うようになりました!