CLIFFORD BROWN=MAX ROACH-1 管理人が『CLIFFORD BROWN=MAX ROACH』(以下『クリフォード・ブラウン=マックス・ローチ』)と出会ったのは,ジャズ入門の定番,名盤とされる「A級」ジャズを大体押さえ終わった時期のことである。

 「A級」の素晴らしさを否定することはできない。やはり時の試練に耐えてきた名盤とされる「A級」に駄盤はないことも確認できた。でも定番ばかり聴いていてもつまらない。ちょっとは面白いやつ,こだわりの男と思われたい。そんな見栄も手伝って「B級」ジャズを聴き漁っていた時期のことである。

 そんな時,ふと手にした『クリフォード・ブラウン=マックス・ローチ』におけるクリフォード・ブラウンのストレートなトランペット・ソロが,胸に突き刺さってきた。
 「自分がジャズに求めているのは,こんな一級品の演奏なんだ。「B級」の味わいも格別であるが,いい演奏ばかりを聴いていたい」。そう素直に感じたあの日の自分を思い出す。

 あの日以来,管理人のジャズ・ライフは“原点回帰”の「A級」至上主義。回り回って「ジャズの王道」が大好きになってしまったのだ。普通の名盤好きで何が悪い。

 そう。「ジャズの王道」=『クリフォード・ブラウン=マックス・ローチ』の素晴らしさを語ろうとすると,いつでも尾ひれがついてしまう。尾ひれなどつきそうもない“直球ど真ん中”なハードバップなのに,尾ひれをつけてしまいたくなる。

 だって,そうでもしないと勿体ないのだ。こんな大名盤名盤の一言だけで扱われて終わるのが嫌いなのだ。他の名盤と同列に語ってほしくない。『クリフォード・ブラウン=マックス・ローチ』は“名盤を超えた名盤”である。う〜む。こんな紹介でもまだありきたりすぎる。

 そう。『クリフォード・ブラウン=マックス・ローチ』を,他の名盤と区別して紹介するのはかなり難しい。理由は『クリフォード・ブラウン=マックス・ローチ』の名演には,種も仕掛けもないからである。ギミックなどない。パッと吹いてパッと終わっている。『クリフォード・ブラウン=マックス・ローチ』こそが「典型的なハードバップ」なのである。

CLIFFORD BROWN=MAX ROACH-2 『クリフォード・ブラウン=マックス・ローチ』の駆け抜ける疾走感と一糸乱れない一体感こそが「典型的なハードバップ」の快感である。『クリフォード・ブラウン=マックス・ローチ』のハイライトはクリフォード・ブラウントランペット・ソロで間違いないが,繰り返し聴き込んでいくと,クリフォード・ブラウントランペット・ソロを前面に押し出す,サポート・メンバーの渾然一体となった熱い演奏,アンサンブルであったり,ハーモニーであったり,キメであったり,アクセントであったりというコンボ表現から溢れ出す強烈なエネルギーに愛着を覚えるようになる。

 『クリフォード・ブラウン=マックス・ローチ』の,文章ではいかんせん表現し辛い,ナチュラルで教科書通りの名演がなんとももどかしい…。
 『クリフォード・ブラウン=マックス・ローチ』のうんちくはプロのジャズ批評家にお任せするとして…。

 管理人からの一言。『クリフォード・ブラウン=マックス・ローチ』を聴け〜! だって素人なんだもん。

  01. DELIAH
  02. PARISIAN THOROUGHFARE
  03. THE BLUES WALK
  04. DAAHOUD
  05. JOY SPRING
  06. JORDU (edited version)
  07. WHAT AM I HERE FOR
  08. JOY SPRING (alternate take)
  09. DAAHOUD (alternate take)

(エマーシー/EMARCY 1955年発売/UCCU-5031)
(ライナーノーツ/成田正,児山紀芳)

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