SHADOWS-1 『SHADOWS』(以下『シャドウズ』)のデビッド・ベノワは,ピアノフュージョンであり,スムーズ・ジャズであり,バラードであり,ヴォーカル・ナンバーであり,ニュー・ジャック・スイングであり,ハウスであり,4ビートであり,ファンクであり,打ち込みであり,ストリングスであり,タテノリであり,ブラックであり,ブラジルであり,ストレート・アヘッドなジャズしている。

 そう。デビッド・ベノワの多種多様な魅力が『シャドウズ』で見事に“咲き乱れている”。
 『シャドウズ』こそがデビッド・ベノワGRP期を代表する“百花繚乱”の大名盤である。

 こんなにも“多面体の”デビッド・ベノワを,よくぞ『シャドウズ』1枚へパッケージングしてくれた。1曲1曲がチャレンジ曲であるのに見事に全体が調和している。

 ラフ書きではなく綿密な設計図を描き,作り込んでいるはずなのに,いつ聴いてもラフでフレッシュで不思議な魅力を感じてしまう。リリースから25年経った今でも『シャドウズ』に「熱中時代」継続中〜。

SHADOWS-2 管理人は思う。今感じてる『シャドウズ』の魅力は何度目の頂上なのだろう。一体,今は『シャドウズ』の何合目の景色を見ているのだろう。もしやこの先,まだ見ぬ花が待っているのだろうか?

 次から次へと,図ったように時間差で咲き乱れる音楽の花畑『シャドウズ』。フュージョンの花畑『シャドウズ』。スムーズ・ジャズの花畑『シャドウズ』。デビッド・ベノワの花畑『シャドウズ』。

 デビッド・ベノワは「お花畑の王子様」である。デビッド・ベノワは「貴公子」なのである。

  01. OVERTURE
  02. OVER THE EDGE
  03. HAVE YOU FORGOTTEN INTERLUDE
  04. SHADOWS
  05. SAUDADE
  06. MOMENTS
  07. ALREADY THERE
  08. STILL STANDING
  09. CASTLES
  10. HAVE YOU FORGOTTEN
  11. REPRISE

(GRP/GRP 1991年発売/MVCR-29)
(ライナーノーツ/熊谷美広)

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